一次試験問題解答および注釈 1.〜30.

1.解答 b
a.正:X線画像に寄与する相互作用は,主に光電効果とコンプトン効果であり,このほかにエネルギーの低いところで古典散乱,エネルギーの高いところで電子対創生が問題になることがある。
b.誤:コンプトン散乱は物質の原子番号に比例する。なお,光電効果は原子番号の5乗に比例し,電子対創生は原子番号の2乗に比例する。
c.正
d.正:生体組織では30keV〜30MeVの光子エネルギー範囲でコンプトン散乱が最も優勢である。
e.正

2.解答 d
a.正:ビットはコンピュータの中で扱う記憶の最小単位であり,2進数の「0」と「1」で表現される。
b.正:バイトは情報量を表わす単位であり,1バイトは8ビットから成る。
c.正:8ビットのデータ量で,2進数の8桁分に当たる256(2の8乗)通りのデータを表わすことができる。
d.誤:メガは10の6乗を表わす単位であり,8ビットは1バイトである。従って,画像は4メガバイトとなる。
e.正:カラー画像は赤(R),緑(G),青(B)の階調で表現できる色数が決まる.24ビットの場合,各色の階調は256階調(8ビット)となる.従って,表現できる色数は256の3乗(約1677万色)となる。

3.解答 a
a.誤:診療録等の電子媒体による保存を行うに際しての基準であり,診療録等の情報活用を行うに際しての基準ではない。
b.正:通知(医薬発第五八七号)に記されている。
c.正:通知(医薬発第五八七号)の「二 基準」に記されている。
d.正:通知(医薬発第五八七号)の「三 留意事項(一)」に記されている。
e.正:通知(医薬発第五八七号)の「三 留意事項(四)」に記されている。
※ 通知は厚生労働省ホームページの法令等データベースシステムから検索して下さい。
URL:http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/
(以上1〜3は山口大学工学部・木戸尚治会員)

4.解答 a,c
a.正:照射期間は変えず、合計線量を安全に増加するのが過分割照射である。
b.誤:正常組織の晩期障害のα/β比は、急性反応と比べて、小さいので1回線量の大きさに対する感受性は急性反応に比べて高い。よって、過分割照射では、通常よりも小さい1回線量を1日2〜3回照射することによって晩期障害の程度を少なくすることが可能となる。
c.正:T pot の短い腫瘍は照射後の再増殖が早いので、合計線量は変化させずに照射期間を短縮し、照射中の腫瘍再増殖の影響を抑える加速多分割照射法が有効となる。
d.誤:総線量が同じでも、1回線量を大きくすると、晩期障害は増加する。
e.誤:分割照射では再酸素化は繰り返し起きる。

5.解答 a,c
a.正:高線領域を細胞生存率曲線が直線となる線量域とすると、低LET放射線の照射では、OERは2.5〜3.0であり正しい。
b.誤:S期後期は温熱感受性が高い。
c.正
d.誤:SLDからの回復時間は、細胞の種類により異なる。晩期障害の標的となる細胞はSLDからの回復が遅く、6時間以上かかる。
e.誤:中枢神経死をまぬがれる50Gyから10Gyの広い線量の範囲で、マウスは消化管障害で3〜5日で死ぬ。7Gyでは骨髄死が起こる。

6.解答 b,e
a.誤:中性子線はBragg peak を持たない。
b.正:OER はLETが60〜100 keV/μmで急減し1に近づく。
c.誤:RBE はLET がおよそ100 keV/μmでピーク値となり、その後LETの増加にしたがって低下する。overkill effect のためである。
d.誤:高LET放射線では酸素の影響を受けにくいため、低LET放射線に比べて低酸素増感剤の効果は少ない。
e.正

7.解答 d,e
放射線傷害のうち確率的影響にはしきい線量がない。選択肢のうちで確率影響は、発癌と遺伝である。

8.解答 c
a.誤:受精後8日目までに受精卵が放射線被曝を受けると受精卵は死亡し流産となる。しきい線量は0.1Gy で、被爆後死亡しなければ、成長を正常に続け影響は残らない。
b.誤
c.正:受精2〜8週は器官形成期で、この時期の影響は奇形の発生である。しきい線量は0.15Gyとされている。
d.誤:精神発達遅滞は胎児期(受精8〜25週)の被曝で起きる。
e.誤:受精8〜17週は胎児期にあたり、この時期の被曝では精神発達遅滞と発育遅延が引き起こされる。

9.解答 d
d.透視時の照射野をモニター画面より小さく保つことは、患者の余計な被爆を避けるために必要であるが、撮影時に照射野を小さくしても、視野の狭い写真を撮ることとなり、見逃しにつながるので必要ないと思う。
a、b、c、eの項目は患者および術者の余計な被曝を出来るだけ避けるために守られるべきである。
(以上4〜9は京都大学原子炉実験所・木梨友子会員)

10.解答 b,d
a.誤:医療被曝は患者として診療を受ける際に受ける被曝、放射線診療を受ける患者の家族などによる補助・介助に伴う被曝のことである.(ICRP1990)
b.正:医療被曝には線量限度はない
c.誤:同上
d.正:ある (Thoracic radiodermatitis in interventional cardiology. Aproppos of 6 cases Arch Mal Coeur Vaiss 1999 Sep;92(9):1197-204 )
e.誤:ある(Absorbed dose and deterministic effects to patients from interventional neuroradiology Br J Radiol 2000 Jul; 73(871):745-51)
*d,eは日常的に結構経験されている。

11.解答 a
同法21条の2で記載されている。
a.誤
b.正
c.正
d.正
e.正

12.解答 b
a.正
b.誤: 5mSv /3ヶ月
c.正
d.正
e.正

13.解答 a
a.誤:実効線量で1.3mSv/3ヵ月
b.正
c.正
d.正
e.正

14.解答 d
a.正
b.正: Thoracic radiodermatitis in interventional cardiology. Aproppos of 6 cases Arch Mal
Coeur Vaiss 1999 Sep;92(9):1197-204 )
c.正:β線はγ線に比べ、透過力が小さく、飛程も短いため遮蔽は簡単。
d.誤:γ線の透過力は診断用X線に比べ非常に大きいので鉛プロテクタでは有効な遮蔽は不可能。
e.正:医療法30条の14の改正で3.7GBq(100mCi)以下の密封小線源(γ線・β線とも)と3.7GBq以上の密封小線源(β線)がエックス線診療室で使用可能となった。γ線源の場合は3.7GBq以上の密封小線源。(診療用放射線照射装置)は使用できない。

15.解答 d
a.正: 30条の14の改正で可能となった(H13.4.1)
b.正: 30条の14 の改正で可能となった(H13.4.1)
c.正: 30条の12の改正で可能となった(H13.4.1)
d.誤
e.正: 30条の14 の改正で可能となった(H13.4.1)
(以上10〜15は山梨医科大学・大西 洋会員)

16.解答 c,e
a.誤:脳梁の原基は胎生期の8-15週頃に出現。従って脳梁の基本構築は胎齢20週までに完成する。よって2〜-5ヵ月頃の異常ということになる。(妊娠後半では部分欠損)
b.誤:しばしば脂肪腫、神経細胞遊走障害、Dandy-Walker 奇形、Chairi II型奇形等合併する。
c.正
d.誤:側脳室三角部〜後角は拡大する
e.正

17.解答 a,d
a.大脳皮質の異常や終板の欠損等が原因
b.正
c.正
d.脳の分化・誘導障害
e.正
他に神経細胞遊走障害とされるものは、裂脳症等がある。

18.解答 d,e
a.神経線維腫症1型:視神経を始めとする様々な神経膠腫
b.神経線維腫症2型:髄膜、神経鞘由来の腫瘍(多発性髄膜腫、両側性聴神経鞘腫等)
c.結節性硬化症:巨細胞性星細胞腫、側脳室周囲の過誤腫(石灰化)
d.正:網膜、小脳、内蔵(腎、副腎、肝臓)の血管腫症。
e.正:顔面血管腫、軟膜血管腫、CTでは脳回に沿った石灰化

19.解答 c
a.正:被殻、視床、小脳歯状核、脳幹のT2強調像の低信号;脱髄とグリオーシス
b.正:頭頂後頭部の白質病変。他のキーワードは免疫不全
c.誤:主に側頭葉内側、島皮質から始まり、前頭葉へ拡大する。
d.正:gray matter(前頭葉、側頭葉)が主に侵され、造影効果はなく腫瘤などの形成もない。
e.正:サルコイドーシスは脳底部の髄膜、下垂体柄、視床下部、視交叉などが侵される。

20.解答 a,d
a.正:Wernicke脳症は視床内側、中脳水道周囲の異常信号(T2高信号)Gdにて増強効果を示す時期もある。乳頭体や上部小脳中部の萎縮も併発する。
b.誤:Korsakoff症候群 :乳頭体の両側での障害。(記銘力障害、進行性健忘、失見当識作話の4兆候からなる症候群)
c.誤:アルコール中毒の病歴と脳梁に限局する病変(T2高信号)。
d.正:一酸化炭素中毒としては淡蒼球・海馬の壊死、白質の脱髄、皮質の海綿状変化
e.誤:白質が侵される。白質脳症となる薬剤としては、cyclosporin A以外には、methotrexate、cytarabine、5-fluorouracilなどを覚えておくとよい。。
(以上16〜20は日本医科大学・高木 亮会員)

21.解答 e
画像上、脳病変は両側の側脳室三角部周囲の白質に始まり、脳梁膨大部を介して左右が連なり、内包や外包を経て前方に進展してゆく。

22.解答 b
血腫のMRIの経時的変化のポイント
T1強調像:亜急性期からはじまる血腫周辺部からの著明な高信号化(白くなる)。
T2強調像:急性期(7〜72 hr)から亜急性期早期(4-7 days)にかけての血腫の著明な低信号化(黒くなる)。
亜急性期後期(1〜4 weeks)からの血腫の著明な高信号化(白くなる)。
慢性期における辺縁低信号帯の出現

23.解答 c?
a.誤:脳血管性痴呆の一型として穿通枝の動脈性変化により生じたび漫性の脱髄性疾患である。
b.誤:慢性アルコール中毒患者で、脳梁に通常、限局性の壊死を伴った脱髄巣が形成される。
c.不明:麻疹罹患あるいは麻疹ワクチン投与の数年後に緩徐に多彩な精神ならび神経症状を呈する。T2強調像での高信号が特徴的。Pial and parenchymal contrast enhancement are not infrequent.(Neurology 1996 Nov; 47(5):1278-1283)とあり造影効果があってもよいかもしれない。
d.誤:皮質下白質を主体にmass effectが乏しく、造影剤により増強されない低信号領域として描出されるのが典型的である。しかし成人のAIDS患者の1〜4%に発症することが多く、年齢があわない。
e.誤:T2強調像で、多発性の皮質下の高信号域が認められ、深部白質、皮質、脳幹、小脳、脊髄も侵される。活動性の高い病変は造影剤投与後増強効果を示し、ステロイドにより軽快した後、病変の増強効果は消失する。

24.解答 a,c?
a.正
b.誤:上顎洞、篩骨洞に好発し通常air-fluid levelは形成しない。
c.不明:T1強調像で高信号を呈する。粘稠度によりT2強調像での信号強度は変化するので一概にはいえない。
d.誤:まず鼻中隔が侵され、び漫性の中隔の潰瘍形成、穿孔が起こる。
e.誤:内側型では篩骨洞に骨折が認められる。

25.解答 d,e
a.正:internal maxillary arteryが多い
b.正:禁忌である。
c.正:鼻腔後壁、翼口蓋窩、中頭蓋窩などへ進展する。
d.誤:男性に多い
e.誤:悪性化はない
(以上21〜25は千葉大学・山本正二会員)

26.解答 d,e
a.誤:好発年齢は20〜40歳、特に20歳代に多く、15歳以下はまれである。
b.誤:骨端部から骨幹端部にかけて発生。
c.誤:硬化縁をもつことはまれである。
d.正:Gd造影剤で増強される。
e.正:出血により液面形成を示す。

27.解答 b
a〜eまでの所見は先天性の骨形成異常で認められる所見である。
a.誤:metaphyseal chondrodysplasiaでみられる所見である。
b.正:鎖骨・頭蓋異形成症(cleido-cranial dysplasia)では、大泉門閉鎖遅延、Worm 骨、歯牙の発育遅延が見られ、他に鎖骨欠損、椎弓部の癒合不全、恥骨及び大腿骨頚部の骨化障害なども認められる。
c.誤:short rib-polydactyly syndrome, thanatophoric dysplasiaなどで見られる。
d.誤:neurofibromatosisで見られる。
e.誤:achondroplasia, metaphyseal chondrodysplasia, achondrogenesis, osteogenesis imperfecta congenitaなどで見られる。

28.解答 解答 c
a.正:posterior fat padは、通常肘頭窩内にあり側面像では認められない。関節内出血をおこすと、posterior fat padは肘頭窩より押し出されて、側面像で見えるようになる。
b.正:肩関節の前方脱臼では、Bankhart病変とHill-Sachs病変が認められる。
c.誤:外傷性化骨性筋炎の石灰化は辺縁部に多い。
d.正:断裂片が中心方向に移動し、顆間窩にはまり込み、矢状断像でPCL下方に認められる。
e.正:Segond骨折(脛骨外側顆剥離骨折)には、ACL損傷を合併することが多い。

29.解答 a,c
a.正:歯突起が肉芽組織で破壊され横靭帯の吸収される結果、環軸の前方脱臼が生じる。
b.誤:SLEでは一般にびらんは認められない。
c.正:周囲に硬化縁あるいはoverhanging edgeを伴う境界明瞭なびらんが見られる。
d.誤:
e.誤:典型的な所見は、関節破壊、脱臼、異所性骨新生である。

30.解答 c
a.正
b.正
c.誤:アダマンチノーマや線維性骨異形成症は、骨膜反応がないのが特徴である。他の急性骨髄炎、好酸球性肉芽腫、骨肉腫、Ewing肉腫は、骨破壊や骨膜反応をきたす。
d.正
e.正
(以上26〜30は筑波大学・吉岡 大会員)