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31. 解答 b,d
a. 誤:Huntington病は、常染色体優性遺伝を示す遺伝性疾患であり、この疾患の遺伝子は4番染色体短腕にあり、CAG
3塩基の繰り返し数の異常な増加 (triplet repeat disease)であることがわかっている。初発症状は、軽度の舞踏運動
(cholea)、知能、性格の変化で、進行すると人格変化、痴呆に至る。MR所見としては、尾状核萎縮による側脳室前角の拡大が特徴であるが、早期には尾状核萎縮より被殻の萎縮がより著明である。
b. 正:Wernicke脳症は、ビタミンB1 (thiamin)の欠乏によって起こり多くはアルコール中毒患者に多いがそれに限らず見られ、外眼筋麻痺、小脳失調、錯乱などで発症する。視床内側、中脳水道、橋被蓋、乳頭体に点状出血を伴う不完全壊死が見られ、MRIにてT2延長や造影剤増強効果を認める。
c. 誤:Marchiafava-Bignami病は、栄養不良状態のアルコール依存患者に見られる脳梁の脱髄と壊死を来す疾患であるが、機序は不明である。MRIでは、病変は主に脳梁膝部体部、膨大部に見られるが大脳半球白質や他の交連線維に見られることもある。
d. 正: 浸透圧性脱髄 (osmotic myelinolysis)は、慢性アルコール中毒や低Na血症の急速補正に関連して起こる脱髄性疾患で、その他には、肝硬変、慢性腎不全、重症感染症、悪性腫瘍末期の患者にも起こることがある。病変部位は、橋中心が代表的でcentral
pontine myelinolysisと呼ばれるが、橋以外にも中脳、基底核、視床、皮質下白質などでみられることもありextrapotine
myelinolysisと呼ばれる。
e. △:急性散在性脳脊髄炎 (ADEM)は、麻疹、風疹、水痘、Epstein-Barr、mumpsなどのウイルス感染やワクチン接種後、上気道感染などに引き続いて1~3週後に痙攣発作、頭痛、熱発、脊髄症状、視神経炎、脳神経症状、小脳症状、脳幹症状などで発症する。原因としては、自己免疫疾患が考えられており、脳や脊髄の静脈周囲の脱髄性炎症を主体とする疾患である。病変部位は主に皮質下白質で、深部白質、脳幹、基底核、小脳、脊髄などにも認められる。
※eの設問でADEMは基底核にも病変が見られることがありますが、主病巣ではないので△とします。
32. 解答 c
a,b.正:副交感神経系のparagangliomaは、chemodectomaと同義語で、側頭骨及びその近傍に発生するものとしては、中耳を通る舌咽神経の分枝である鼓膜神経
(tympanic branch)に関連したglomus tympanicum由来のもの、中耳底直下の頚静脈球の外膜にあるglomus
jugulare由来のものがある。非常にhypervascularな腫瘍であり、pulsatile tinnitisを来たす可能性がある
c.誤:carotid body (頚動脈小体)は、内頸動脈外頚動脈分岐部直上にある類上皮構造でparagangliomaが発生するが、この設問の側頭骨底部の腫瘤という解剖学的位置に合致しないと思われる。tinnitis
(pulsatileという記載はない)を来したという報告は見られる。
d.正:persistent embryonal arteryは、胎生期に見られる吻合血管の遺残であるが、persistent
stapedial arteryは、intrapetrous embryonic vascular channelであるstapedio-hyoid
arteryによって誘導される。内頸動脈から分岐し、頚静脈孔と頚動脈管との間を上行し、中耳腔に入った後、アブミ骨の前脚に接して閉鎖孔を貫き、顔面神経膝神経節の遠位側で顔面神経管に入り、中頭蓋底を貫いて中硬膜動脈と連続する。この遺残動脈の存在のみでpulsatile
tinnitisを来たす原因となる。非常に稀と思われるが、もしこの動脈に動脈瘤ができたとしても原因になると思われる。
e.正:頚静脈球 (内頸静脈の2個の膨大した部分の1つ.頸静脈上球は側頭骨の頸静脈窩内の内頸静脈の始まりの部分にある膨大部.下方の球は静脈が腕頭静脈に合流する直前の膨大部である)が外耳道床よりも高位に位置する場合は高位頸静脈球
(high positioned jugular bulb)とされ、pulsatile tinnitisを来たす原因となることがある。
※ 内頸動脈のpetrous segmentが後外側に偏位し中耳腔内を走行するaberrant intratympanic
internal carotid arteryにおいてもpulsatile tinnitisを来たす原因となる。
33. 解答 a or e ?
a. 誤:脊髄髄膜瘤は、Arnold-Chiari奇形 (type2)に合併する。Dandy-Walker奇形は、小脳虫部の形成不全
(或いは欠損)と後頭蓋窩の第四脳室と交通性をもつ嚢胞形成を有する病態。
b. 正:髄内腫瘍には、高頻度に脊髄空洞症や嚢腫を伴う。血管芽腫と上衣腫には合併頻度が高く70%以上とする報告もある。
c. 正:黄色靭帯は軸椎から第一仙椎までの上下椎弓に張る靭帯で、左右それぞれ上位椎弓前下縁から発し、下位椎弓の後下縁に付着する。黄色靭帯骨化により硬膜嚢或いは脊髄は後部から圧排され、脊柱管狭窄症を来たす。
d. 正:胎生早期には脊髄は脊柱の下端まで占めている。成長に従って脊椎管は長くなっていくが、脊髄は脊椎管ほど長くはならず加齢と共に頭側に上昇していく。ところが腰仙部脊椎脂肪腫が神経根や脊髄円錐に付着していると脊髄の頭側への移動が妨害され、脊髄繋留状態が生じる。
e. 誤?:脊髄動静脈奇形 (spinal AVM)は、硬膜内AVMと硬膜AVMとに大別される。更に硬膜内AVMは、硬膜内髄内AVMと硬膜内髄外AVMに分類される。硬膜AVMは、根動脈の硬膜枝と根静脈間の直接吻合
(dural arteriovnous fistula; AVF)で、吻合部が椎間孔付近の硬膜上或は硬膜間に存在する。硬膜AVMの症状としては、脊髄静脈還流障害による慢性脊髄症状が主で、急性症状である脊髄出血は、硬膜内AVMでは30%~50%見られるのに対し硬膜AVMには通常見られない。
34. 解答 b
a. 正:上衣腫は、脳室上衣細胞由来の腫瘍で、脳室系のどの部位にも発生するが、第四脳室が最も多く(約30%)、次いで側脳室(約20%)、脊髄に好発する。テント上に発生するものは、脳室内よりも脳室外に存在するものが多い。
b. 誤:乏突起膠腫は、髄鞘形成にあずかる乏突起膠細胞由来の腫瘍であり、一般的に発育のゆっくりした比較的良性の腫瘍である。30~50歳代に好発し、男性にやや多い。大部分が大脳半球に発生し、特に前頭葉に多い。小脳半球に発生した報告もあるがテント下病変は少ない。
c. 正:血管芽腫は良性腫瘍で成人の後頭蓋窩腫瘍の10%を占める。小脳発生が80%でこのうちの80%が小脳半球に発生する。以下延髄、橋、脊髄の順に多い。Von
Hippel-Lidau 病 (VHL)との関連が深く、血管芽腫の5~30%がVHLとの関連で生じる。大脳半球発生は、VHL以外ではきわめて稀である。
d. 正:胚芽腫は、germ cell tumorの中でも精祖細胞や卵母細胞に類似した組織を持つものを指す。松果体 (50%)、鞍上部
(25%)が好発部位であるが、視床や基底核に発生するものが5〜10%にある。
e. 正:脊索腫は、胎生期の脊索遺残組織より発生する。脊索は最終的に、脊椎、仙骨、頭蓋底、椎間板の髄核となる。好発部位は、頭蓋内では斜台正中の蝶後頭軟骨結合付近から発生するが、鞍背部、傍鞍部、小脳橋角部を主座とすることもある。脊椎では軸椎の歯突起及び仙骨、尾骨から発生する。画像的には、分葉状構造、石灰化が観察され、MRIT2強調画像で著明な高信号が特徴とされる。
35. 解答 b
a. 誤:low grade gliomaの石灰化の頻度は10~20%程度とされている。high grade glioma
(glioblastoma)では、石灰化の頻度は低く鑑別点の1つとなる。
b. 正:神経鞘腫は、神経鞘のschwann細胞から発生する良性腫瘍である。視神経と嗅神経は中枢神経であり、schwann細胞からなる神経鞘を有しておらず神経鞘腫は発生しない。頻度的には聴神経、三叉神経、顔面神経、頚静脈孔(第IX~XI脳神経)、舌下神経の順に見られる。
c. 誤:髄膜腫は、女性が男性の2倍の頻度であり、特に脊柱管発生のものでは女性が10 倍である。一方、NF2での髄膜腫発生は男女同数である。悪性傾向を示す髄膜腫では、男性が優位である。
d. 誤:脳内に発生する悪性リンパ腫は、中枢神経原発 (primary central nervous system lymphoma;
PCNSL)のものと転移や浸潤によって二次的に中枢神経系に生じたものとがある。中枢神経系にはリンパ組織は存在せず、PCNSLが脳固有の細胞から発生したものか脳外から生じたものかは様々な諸説があるが現在のところ不明である。その頻度は、近年の全国集計では2.4%と増加傾向にある。
e. 誤:胚芽腫は、松果体部の場合男女比は10 : 1で男性に多い。10~〜30歳代に多いが、10歳代がpeakである。
(以上31〜35は福岡大学医学部・藤井 暁会員)
36. 解答 d
解説:
a. 正:白質に髄鞘化が起ると水分含量の減少とミエリンの増加のためにT1,T2短縮 (T1で高信号、T2で低信号)が生じこの変化はT1強調像での変化がT2強調像に先行する。
b. 正:(a解説参照)
c. 正:満期産に至らない新生児には修正評価が必要である。
d. 誤:成人型となるのは生後22〜24ヶ月。
e. 正:満期産新生児ではテント上では脳幹背側、上下小脳脚、テント下では上小脳脚交叉、視床腹外側部、レンズ核背側部、内包後脚に髄鞘化が見られる。視神経、視索が月齢1ヶ月、視放線の髄鞘化は3ヶ月ころ。
37. 解答 a,d
解説:
a. 誤:正円孔は上顎神経、導出静脈を含む。
b. 正:篩板に篩孔が存在し嗅神経、篩骨動脈を含む。
c. 正:棘孔は中硬膜動・静脈、下顎神経硬膜枝を含む。
d. 誤:上眼窩裂は上眼静脈、III, IV, V-第1枝, VI神経を含む。
e. 正:頸静脈孔内部の前内側部には下錐体静脈洞、舌咽神経。後外側部には内頚静脈、迷走神経、副神経を含む。
38. 解答 c,e
解説:
a. 誤:神経線維腫症: NFはtype1,2 に分類され髄膜腫が見られるのはtype2。
b. 誤:NF-2では髄膜腫のほか両側聴神経腫瘍、神経鞘腫などの脳実質外病変が見られるが血管芽腫の合併はない。
c. 正: 結節性硬化症に合併する中枢神経系腫瘍性病変には巨細胞星細胞腫(上衣下結節内巨大星細胞より生じ最も多いとされる)、上衣腫、髄膜腫などがある。
d. 誤: von Hippel-Lindau症候群は小脳血管芽細胞腫(30~60%)、網膜血管腫(50%)、内臓腫瘍性病変(褐色細胞腫、腎細胞癌、膵・腎嚢胞など)を三主徴とする常染色体優性遺伝疾患。腎・膵嚢胞、腎細胞癌、副腎褐色細胞腫などを合併する事があるが聴神経鞘腫の合併は知られない。
e. 正: Sturge-Weber症候群は神経皮膚症候群を来す常染色体優性遺伝病。病理学的にはleptomeningeal
angiomatosis: LMAであり皮膚病変として片側性の第V脳神経支配領域の血管腫port-wine nevus、神経病変として脳軟膜血管腫を特徴とする。
39. 解答 b,e
解説:
a. 誤:大唾液腺は耳下腺、顎下腺、舌下腺。小唾液腺は口腔粘膜に存在する短い導管を有する無数の構造でここの同定は困難。唾液腺腫瘍の発生頻度は耳下腺:顎下腺:舌下腺:小唾液腺とすると100:10:1:10の割合となる。
b. 正:唾液腺腫瘍の大部分は多形性腺腫で耳下腺に多い。耳下腺腫瘍の80%は良性腫瘍、その内の90%が多形性腺腫とされる。
c. 誤:Warthin腫瘍も耳下腺に発生するが鑑別にはwarthin腫瘍の好酸性上皮細胞に99m-Tc-pertechnetateが集積する特性を用いた唾液腺シンチグラムが有用である。
d. 誤:耳下腺腫瘍の80%は良性。
e. 正:腺様嚢胞癌は小唾液腺腫瘍の35%を占め、神経浸潤のほか、血管浸潤や再発が多いという特徴を有する。
40. 解答 b,d
解説:
a. 誤:真珠腫は先天性2%、後天性98%の発生を来す角化重層扁平上皮の落屑が蓄積した病態で悪性腫瘍ではないが増大傾向を示す。発生部位による分類では上鼓室型(弛緩部)と癒着型(緊張部)に分けられそのうち上鼓室型は上鼓室の耳小骨外側(Prussak腔)に発生する。緊張型は鼓膜緊張部の鼓室岬角近傍に形成される。
b. 正:若年性血管線維腫は非上皮性良性腫瘍で10代男児に多く鼻腔上後方側壁や上咽頭に発生、浸潤性で血管に富む。
c. 誤:眼窩に前方から外力が加わると内圧が増大し下壁に骨折が生じる。眼窩底骨折の50%に内壁骨折を合併する。
d. 正:木村病は好酸球随伴性血管類リンパ組織増殖症とも呼ばれる唾液腺腫張とリンパ節腫大を主徴とする慢性肉芽腫症である。
e. 誤:Thornwaldt嚢胞は脊索の遺残から生じる先天性嚢胞で上咽頭正中に見られ発生頻度は成人の約3%、感染を合併すると臨床的にはThornwaldt病とされる。
(以上36〜40は杏林大学・戸成綾子会員)
41. 解答 a,b
a. 正:縫工筋は上前腸骨棘から起こり脛骨粗面内側に着く.
b. 正:大腿直筋は下前腸骨棘から起こり膝蓋骨底および両側縁に着き,膝蓋靭帯になり脛骨粗面に着く.
c. 誤:殿筋は大殿筋,中殿筋,小殿筋いずれも腸骨翼外面から起こる.大殿筋は大腿骨の殿筋粗面に着き,中殿筋と小殿筋は大転子に着く.殿筋と坐骨結節は関連がない.
d. 誤:腸腰筋は,腸骨窩および下前腸骨棘から起こる腸骨筋,Th12−L4椎体やL1−5肋骨突起,第12肋骨から起こる大腰筋,Th12とL1椎体前面から起こる小腰筋からなり,腰骨筋と大腰筋は合して大腿骨小転子に着き,小腰筋は恥骨隆起と付近の筋膜に放散する.腸腰筋と大転子は関連がない.
e. 誤:ハムストリングは内側が半膜様筋,半腱様筋,縫工筋,薄筋(の腱)から,外側は大腿二頭筋(の腱)からなる.半膜様筋は坐骨結節から起こり脛骨粗面に着く.半腱様筋は坐骨結節から起こり脛骨内側顆に着く.縫工筋は上前腸骨棘から起こり脛骨粗面内側に着く.薄筋は恥骨結合外側から起こり脛骨内側面に着く.大腿二頭筋は短頭が大腿骨幹から,長頭が坐骨結節から起こり,腓骨頭に着く.ハムストリングは小転子との関連がない.
42. 解答 d
非骨化性線維腫は,10歳代の大腿骨遠位や脛骨遠位部に好発する良性腫瘍で,典型例は長幹骨骨幹端に偏在性に存在し,境界明瞭な厚い硬化縁を有する皮質に限局した地図状骨破壊で,骨の長軸方向に長く広がる.無症状であることが多いが,可動時痛や軽度の腫脹を伴うこともある.自然消退がほとんどで通常は経過観察のみであるが,病的骨折を来たし得るものに対しては掻爬,骨移植などが施行される.
43. 解答 b,d
a. 誤:くる病では成長板の肥厚(横方向にもやや厚みを増す)と,それに接する骨幹端のflaring(後方へののびだし),fraying(不整化)は起こるが,骨端は骨化部分の密度が低下し不明瞭化する.
b. 正:若年性関節リウマチでは骨の成長は促進し,骨端の過成長を来たす.
c. 誤:色素性絨毛結節性滑膜炎は腫瘍に類似した滑膜の結節状絨毛状増殖で,びまん型は関節腔内に多発し,pressure erosionや軟骨下嚢腫を来たしうるが,骨端の変形や破壊はあっても骨端の増大を来たすことは考えにくい.
d. 正:血友病による血友病性関節症では骨端の過成長,過形成を来たす.
e. 誤:白血病による骨変化は一般に小児の急性白血病で起こりやすく,骨吸収による骨幹端の線状透亮像(全身状態の悪化に伴うとされる)が多く見られる.
以上,「学童期児童の長幹骨骨端部に増大」について問われており,bとdを選択すべきと考える.
44. 解答 c,e
a. 誤:膝を15−20度外旋させると矢状断面と前十字靭帯の走行が近づき描出しやすい.
b. 誤:半月板断裂の描出はT2*強調像が優れる.
c. 正:バケツ柄状断裂はほぼ全周性の縦断裂(longitudinal tear)である.
d. 誤:前十字靭帯断裂に伴う骨挫傷はほとんどが大腿骨外顆下面と脛骨外顆後部にみられる.
e. 正:タナ障害は膝関節の内側滑膜ヒダによる障害で,このヒダは関節鏡でみると膝蓋骨内側に棚のように張り出してみえるので"タナ"と呼ばれる.正常人の膝でも約半数に見られるが,異常に大きく厚い場合は膝屈伸の際に膝蓋大腿関節に挟まったり,こすれ痛みを起こす.特にスポーツなどによる繰り返すストレスや,打撲などの外傷により痛みを生じ,これを"タナ障害"という.MRI横断像では大腿骨内側顆と膝蓋骨の間隙に肥厚した内側滑膜ヒダは観察可能とされる.
45. 解答 e
a. 正:不全骨骨折(insufficiency fracture)は,ステロイド投与や閉経による骨粗鬆症,骨軟化症,慢性関節リウマチ,副甲状腺機能低下症や放射線照射などによる,脆弱化した骨への通常負荷による骨折.
b. 正:上述.
c. 正:骨盤骨の不全骨骨折は仙骨,恥骨,腸骨内側,臼蓋上部に好発.
d. 正:仙骨の不全骨骨折の診断は単純X線写真では困難なことが多く,骨シンチやMRIが診断に有用である.
e. 誤:仙骨では"H型"の病変分布を示す.
(以上41〜45は佐世保共済病院・大熊一彰会員)
46. 解答 d
a. 正
b. 正
c. 正:管電圧が高くなると,物質透過性が良くなり,骨組織と軟部組織間の濃度差が少なくなる。同時に呼吸器を形成する各組織間の濃度差も少なくなるが,それらの周囲には常にX線吸収の著しく少ない空気が存在するため,多数のシルエットの重なりを捉えることができ情報量の多い写真となる。管電圧が低いと物質によるX線吸収が大きくなり,骨や心陰影と重なった肺野のコントラストが判別しにくくなる。
d. 誤:高圧撮影はX線被爆の軽減に役立つ。欠点は散乱X線が多くなり,黒化度の少ない像となること,骨や小石灰化像の観察は低圧撮影に比べて不利なことである。
e. 正:軟部組織とカルシウムのX線減弱能の差は撮影管電圧が低いほど大きくなる。従って,低圧撮影ほど石灰化した組織と周囲組織とのコントラストが大きくなる。
47. 解答 b,d
a. 正:石灰化を来す肺転移の原発として乳癌,甲状腺癌,大腸癌,骨肉腫,軟骨肉腫,卵巣腫瘍,精巣腫瘍などがある。また粘液産生性腺癌でも見られる。
b. 誤:肺胞蛋白症は肺胞内がPAS染色陽性の脂質に富む蛋白様物質で充満される疾患で,HRCTでは淡いすりガラス状陰影の内部に隔壁様構造を認める,いわゆるcrazy
paving appearanceを特徴とする。自然寛解傾向がある。
c. 正:塵肺症,特に珪肺結節の石灰化は珪肺患者の10〜20%に認められる。肺門リンパ節の腫大・石灰化はeggshell
calcificationとして知られているが頻度は5%程度である。また結核など炎症の合併に伴う大陰影(progressive
massive fibrosis; PMF)では石灰化は約40%に見られる。
d. 誤:慢性好酸球性肺炎のHRCT所見としては,斑状に分布する片側または両側性のconsolidationやすりガラス影があり,これらが肺野末梢,主に上〜中肺野に見られることが多い。ステロイドに対する反応は一般的に良好。
e. 正:肺胞微石症は主としてリン酸カルシウム,炭酸カルシウムからなる数μ〜数mmの結石が肺胞腔内にびまん性にみられる原因不明の疾患である。
48. 解答 e?
a. 正:congenital lobar emphysema (neonatal lobar hyperinflation):新生児期の気管支は壁が柔らかく内腔も狭いため,気管支の部分的な狭窄によって容易にair-trappingが起こり,肺葉の過膨張を来す。このような病態を肺葉性肺気腫と呼んでおり,本症は症候群名である。ほとんどが先天性で生後数週間以内に発症することが多い。ほとんど全て一側性に起こる。
b. 正:congenital bronchial atresia:希な先天性疾患で,ほとんどが左上葉に見られる。胎生期に起こったと考えられる気管支の閉鎖により,肺門部に向かっての盲管となり,そこに粘液がたまる(しばしばair-fluid
levelを伴う腫瘤影を形成する)。閉鎖部より末梢の肺
は側副路の存在のため過膨脹を来たし,透過性が亢進する。
c. 正:Swyer-James syndrome (unilateral hyperlucent lung):幼児期のウイルス性感染が原因の細気管支炎の結果,一側が肺気腫状になったものといわれている。吸気・呼気のCXRで一側性の異常な透過性亢進を呈する。
d. 正?:hypogenetic lung syndrome (Scimitar syndrome):部分肺静脈還流異常(右下肺静脈が右房または下大静脈に注ぐ:scimitar
sign)に右肺の発育不全,心陰影の右方移動などを伴う先天奇形。右肺の低形成は一般に軽度であるが,左肺は代償性に透過性亢進を来しうると思われる。
e. 誤?:Kartagener syndrome:気管支拡張症に内臓逆位,副鼻腔炎を合併したものをいうが,今日では繊毛運動の異常が基本的な原因であるとしてdyskinetic
cilia syndromeの名で総括される。cystic bronchiectasisを来した部位は透過性の亢進を認めるが,一側性とは限らないと思われる。
49. 解答 c,e
Millerの二次小葉は,小葉間隔壁で境された呼吸細気管支以下が支配する領域で,Reidの二次小葉(3〜5本の終末細気管支を結ぶ細気管支によって支配される領域,数個の細葉からなる)の1個〜数個分の大きさであるとされる。呼吸細気管支を含む周辺肺実質の変化が"小葉中心性・細葉中心性"の分布であり,小葉辺縁構造との間に正常ないし正常に近い吸収値の肺野が見られる。
a. 正:DPBのCT像では,小葉中心性粒状影,Y字ないしV字状の分岐線状影,肺野濃度の低下などが見られる。
b. 正:HPのCTでは小葉中心性結節と肺野のびまん性の濃度上昇が見られる。
c. 誤:粟粒結核の病変には気管支分岐に一致するような規則性は見られず,ランダムな分布を示す。
d. 正:石綿肺や超高合金肺などでも初期病変は細気管支周囲炎や細気管支胞隔炎の像を呈する。
e. 誤:カリニ肺炎のCT像は病期によって多彩であるが,典型的には肺門から末梢に広がる両肺びまん性のすりガラス影,あるいは細葉性の間質性および肺胞性陰影の混在した病変で,早期には胸膜直下には病変が少ないのが特徴的である。小葉中心性結節も認めうるが特徴的とは言い難い。
50. 解答 e
特発性間質性肺炎はKatzensteinの病理分類では,UIP,DIP,AIP,NSIPの4型が挙げられている。BOOPは末梢気腔内の病変を主体とするため特発性間質性肺炎からは除外される。以下,それぞれの病理像について述べる。
a. 正:UIPは高度に多様性に富む構造を示し,しばしば同一の組織標本内に正常肺胞壁から線維性終末病変に至る全てのスペクトラムを含む所見を認める。
b. 正:DIP組織全体にわたって病変が比較的均等であり,間質性細胞浸潤はまばらであるが,大型円形細胞で肺胞壁が被覆され,多数の小気腔内に大型単核球が充満する。蜂巣肺形成や線維化の所見には乏しいが,これらはDIPにおいても認められる。またDIPに類似した疾患で喫煙者に見られる間質性病変でrespiratory
bronchiolitis-associated interstitial lung disease: RB-ILDがある。
c. 正:UIP,DIP,AIPのいずれにも分類できない病型。病理学的には線維化の程度が比較的均一な胞隔炎がびまん性に見られることで,胞隔への細胞浸潤が強いものをGroup
I,細胞浸潤と線維化の両者が認められるものを,Group II,線維化所見の強いものをGroup IIIと分類している。
d. 正:AIPは病理学的にはdiffuse alveolar damage: DAD であり,急性期(または浸出期)には肺胞上皮の脱落や胞隔の浮腫・肥厚に加えて,肺胞および肺胞道内への硝子膜形成が認められる。器質化期(または増殖期),線維化期では硝子膜の器質化,線維化が起こり,肺の構造変化を認める。
e. 誤:特発性器質化肺炎(cryptogenic organizing pneumonia)ともよばれる。病変部で閉塞性細気管支炎・器質化肺炎の所見が斑状に見られ,種々の程度の間質性単核細胞浸潤と肺胞腔内への泡沫細胞の集簇が見られるが,蜂巣肺形成や広範な間質性線維化を欠く。
(46〜50は久留米大学・寺崎 洋会員)
51. 解答 a,b
a. 癌性リンパ管症:正「病変の場は肺内リンパ管とその周囲間質であり、肺内リンパ管の2つの経路、すなわち小葉間隔壁と肺静脈に沿って肺門側に還流してくる経路と、気管支肺動脈周囲間質に沿って肺門側に還流してくる経路に病変が存在している」
b. 急性好酸球性肺炎:正「小葉間隔壁や気管支血管周囲間質といった広義間質の肥厚像を認め、胸水もよくみられる。」
〜池添潤平編著 胸部のCT
52. 解答 a
a.珪肺:正「珪肺に特徴的CT所見は上肺野優位に分布する粒状影である。(中略)
珪肺では進行すると上肺野に大きい塊状影を形成する」 〜池添潤平編著 胸部のCT
b.アスベスト肺:誤「経気道性に吸入されたアスベスト小体は胸膜直下の肺胞に付
着し、胸膜に刺激を与えて胸膜肥厚を来す」〜酒井文和編著 すぐ身につく胸部CT
53. 解答 c
a. 気管支動脈と肋間動脈との共通幹は左側に多い。:誤。右側に多い
b. 肋間動脈との共通幹がない場合、特に、前脊髄動脈に注意が必要である:誤。肋間動脈との共通幹がある場合に特に注意が必要である。
c. 喀血の原因となる気管支動脈は通常より太い:正。
d. 造影剤の血管外漏出がなければ塞栓術を行わない
e. 塞栓物質は永久塞栓物質を基本とする:誤。スポンゼル細片またはPVA(或いは混合)いずれも報告がある。
54. 解答 a
a. 狭窄部位前後の気管支径より20%大きい径のステントを使用する:正「ステント径が大きすぎると嚥下困難や気管・気管支の穿孔を起こる危険性が高くなる。正常気管・気管支径の1.2〜1.4倍の柔軟性のあるステントを用いるのが適当である(1)」
「ステント径は正常気管・気管支の1.1〜1.2倍が適切である(2)」
b. 良性病変が良い適応である:誤「悪性腫瘍の気管・気管支狭窄が主な適応である(2)」
c. 即効性がある:EMSでは拡張に時間がかかる。また、浮腫等をおこすこともある。
d. 区域気管支以下も良い適応である
e. 予防的挿入も有効である
<参考文献>(1)山田章吾監修 IVR手技、合併症とその対策 (2)IVR会誌Vol14,No1,1999
55. 解答 a
特に問題ないと思います。
(以上51〜55は刈谷総合病院・北瀬正則会員)
56. 解答:d,e
d,eは、急性型の過敏性肺臓炎における代表的な画像所見である。その他の画像所見にはconsolidationや、病変内に小葉単位で一見正常域が認められることなどがあげられる。
a. 誤:認められないことが多い。
b. 誤:慢性型の過敏性肺臓炎において上肺野優位に認められる。
c. 誤:慢性型で認められることがあるが急性型では認められない。
d. 正
e. 正
57. 正解:b,e
非定型抗酸菌症では中葉舌区に多く認められ、小葉中心性粒状影、気管支拡張などの所見が認められる。
a. 誤:小葉中心性の陰影は両者とも認められる。
b. 正:肺結核では気管支壁の肥厚所見のため、気管支はむしろ狭小化することがある。
c. 誤:非定型抗酸菌症における胸膜炎の合併は肺結核よりも低い。
d. 誤:非定型抗酸菌症の空洞は大部分が5mm以下と壁が薄く、均一な傾向がある。
e. 正:肺結核の陰影は上葉肺尖部、下葉のS6に多い。
58. 解答 c
a. 誤:未だフィルムスクリーン法に匹敵するシステムは開発されていない。
b. 誤:現在では高感度フィルムの使用により散乱線除去装置は常時使用する事が必須。
c. 正:medio-lateral oblique viewのこと
d. 誤:通常でも3500cd/m2以上の高輝度タイプのものが望ましい。
e. 誤:MLOの場合、乳房の深部に大胸筋が写し出される。
59. 解答 b
b,eどちらも正しいと思われるが、マンモグラフィーによるリンパ節転移の有無の評価は信頼性が低いと言われているので、1つだけ選ぶとすればbが適当と思われる。
a. 誤:腫瘤辺縁が鮮明なのは良性のサインである。
b. 正:乳癌組織のエックス線吸収度は一般に通常乳腺組織より高い。
c. 誤:円形の石灰化は一般的に良性。
d. 誤:通常は両側性で、良性の場合が多い。
e. 正:脂肪濃度を有さない腫大したリンパ節は悪性を疑う。
(以上56〜59は山口大学・河村武郎会員)
60. 解答 d
Fallot四徴症の四徴とは1.心室中隔欠損、2.肺動脈狭窄、3.大動脈騎乗、4.右室肥大である。肺動脈狭窄があるため肺血流量は低下することが多い。高安動脈炎では炎症が高度であると大動脈狭窄となり、その側副路として肋間動脈が発達するため、rib
notchingを来たすことがある。僧帽弁狭窄症では左房圧が上昇し、肺静脈うっ血を来たすため小葉間隔壁の肥厚、つまりKerley
B-lineを認める。Marfan症候群は常染色体優性遺伝のconnective tissue diseaseで、60-98%に心大血管の異常を伴う。Annulo-aortic-ectasiaは頻度が高く、aortic
rootの拡張と大動脈弁閉鎖不全を来たす病態である。Pulmonary slingの"sling"は"つり包帯、つるす"などの意味で、aberrant
left pulmonary arteryとも言われる。左肺動脈が右肺動脈から分岐し気管背側と食道腹側を通る先天奇形である。右主気管支への圧排により呼吸困難、stridor
を来たすことがあるが、肺血流は増加しない。
61. 解答 a,d
心内膜床欠損は一次孔開存、共通房室弁口遺残、中間型に分類されるが、いずれも左右短絡である。三尖弁閉鎖では心房間における右左短絡が必然的に起こる。生後直ちにcyanosisを来たす。Eisenmenger
complexは左右短絡の終末像で、肺動脈高血圧により右左短絡を来たした状態を示す。Valsalva洞動脈瘤破裂は右冠洞、無冠洞の順に多く、前者は右室もしくは右房へ、後者は右房へ破裂するため左右短絡を来たす。大動脈縮搾症は大動脈狭窄部と動脈管の前後関係により管前性、管後性に分類される。管前性の場合、狭窄部末梢へは肺動脈からの右左短絡により、下半身のみのcyanosisを来たす(diffenrential
cyanosis)。管後性の場合、動脈管は閉鎖もしくは狭小化しているため、鎖骨下動脈や肋間動脈を介した側副路が形成されrib
notchingを認める。
62. 解答 a,e
上行大動脈壁内の高吸収域は急性大動脈解離による急性期血腫で、造影されないことから血栓閉鎖型である。また病変は上行大動脈を含むことからStanford
AもしくはDeBakey 沍^が考えられるが、大動脈弓、下行大動脈は正常であるので、前者が正解となる。
63. 解答 a,d
正常胸部単純写真において、右側の心陰影は上大静脈、右心房、左側は大動脈弓部、肺動脈、左心耳、左心室により構成される。
(以上60〜63は東海大学・斎藤拓郎会員)
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