一次試験問題解答および注釈 63.〜100.

64. 解答なし?
 明らかに誤っているのは、d気管支肺異形成 
 解説:
a. 正
b. 正:気胸、縦隔気腫はe.間質性肺気腫とともに、RDSの急性期合併症にあげられている。肺胞の破裂によっておこるair leakであり、肺胞が脆弱であることのほか、陽圧換気も原因となる。肺野は明るくなる。
c. 正:肺出血は無気肺、肺炎、等とともに肺野が暗くなる(white out)の急性期合併症としてあげられる。
d. 誤:気管支肺異形成はRDSの回復で、肺胞壁の破壊と間質の浮腫、繊維性変化が起こるもので、新生児慢性肺疾患(CLD)の一つである。新生児慢性肺疾患は臨床的に慢性の肺障害を来す疾患の総称であり、気管支肺異形成(BPD)のほか、Wilson-Mikity syndorome,未熟児慢性肺機能不全(CPIP),未熟児持続性肺機能障害(PPDP),未熟肺(IL)等がある。
e. 正

 以上より教科書的には明らかに間違っているのはd.気管支肺異形成のみと思われます。複数の小児科の先生にお伺いしたところ、強いていえば肺出血は頻度が低い、というご意見と、間質性肺気腫は肺の繊維化が進行したあと明瞭となることが多いのではないか、というご意見をいただきました。

65. 解答 b,e
 解説:
a. 正:神経芽細胞腫は小児悪性固形腫瘍でもっとも頻度が高い。
b. 誤:骨転移により神経芽細胞腫が発見されることも少なくない。好発部位は長管骨、頭蓋骨、眼窩である。
c. 正:新生児では副腎が腎の1/3程度もあり、特に未熟児で経膣分娩時に損傷をうけやすい。副腎出血は、神経芽細胞腫、腎芽腫、水腎症、MCDK等とともに新生児の後腹膜腫瘤性病変の鑑別診断として重要である。
d. 正:尿中VMA,HVAは神経芽細胞腫のマススクリーニングにもちいられている。
e. 誤:教科書によると神経芽細胞腫のX線写真での微細石灰化は縦隔発生で25%、腹部発生で55%と記載されている。よって20%というのは誤りと思われる。

64,65 解答の参考文献
 標準小児科学 医学書院
 すぐわかる小児の画像診断 秀潤社
 フィルムリーディング 小児 医学書院

(以上64、65は兵庫医科大学・安藤久美子会員)

66. 解答 b,c
a. 誤:bridging foldは粘膜下病変を示す所見である。
b. 正:山田 I 型 粘膜下腫瘍。
    山田II 型 5mm以上で癌の可能性あり。20mm以上で進行癌の可能性もあり。
    山田III型 10mm以上で癌の可能性あり。20mm以上で進行癌の可能性もあり。
    山田IV型 20mm以上で癌の可能性あり。大きくとも早期癌のみ。
c. 正:bull's eye lesionは中心陥凹を伴う粘膜下腫瘍様隆起性病変をさす。腫瘍性病変であれば細胞異型度や増殖能の高いことが推測される。代表的なものとしてカルチノイド、悪性リンパ腫、転移性癌、神経原性腫瘍があげられる。炎症性隆起性病変でもみられる。
d. 誤:高率に微小病変が存在する(80〜90%)。非乾酪性肉芽腫である。
e. 誤:食道の漏斗状狭窄はリンパ節転移による壁外圧排などでもみられる。また、漏斗型食道癌は進行癌であり、壁内に限局するとはいえない。

67. 解答 a,c
a.正:翻転したMeckel憩室が先進部となる。腸重積の鞘の部分だけではなく、先端部にまで腸間膜が入り込むのが特徴である。脂肪腫との鑑別が難しい。
b.誤:小腸(腺)癌の好発部位は上部小腸である。
   Cf.小腸腺癌:十二指腸40%,空腸35%,回腸25%
  (悪性リンパ腫は下部小腸が好発部位である。)
c.正:血管拡張症や動静脈奇形としても知られているangiodysplasiaは、主に結腸にでき、重篤な出血の原因となりうる。多数の脆弱な血管から成り、粘膜下層にできる。盲腸や上行結腸に多い。バリウム注腸では描出されないことが多い。血管造影上の所見としては、動脈相で塊状〜索状の血管が認められる。静脈の早期出現を伴い、典型的には回結腸静脈がみられる。25%の症例が多発性である。
d.誤:Crohn病の所見である。
e.誤:I p型  Is 型  IIa 型 IIa+c型 IIc型
   52.5% 27.7% 11.9% 7.3%  0.6% (国立がんセンター集計)
頻度は低いが、陥凹性病変も存在する。

68. 解答 c
 CTAPは肝内の腫瘤性病変の検出能に優れ、感度が高い。しかし特異性は低く、肝転移をはじめ、肝細胞癌、肝嚢胞、血管腫、AP shuntなど多くの病変が欠損像として描出される。再生結節は門脈血流が存在し、欠損像とはならない。CTAPで低吸収の薄い隔壁に囲まれた濃染される小結節として描出されるとの報告がある。高分化型肝細胞癌の一部は門脈血流が残存しており、明瞭な欠損像を示さない場合がある。

69. 解答 a,e
 CTAPでは機能的門脈血流欠損域が知られている。多くは特徴的な部位や楔状の形態により真の病変と鑑別できる。

70. 解答 b,c
a. 誤:造影早期相で高濃度を示すのは中〜低分化肝細胞癌では特徴的な所見の一つであるが、高分化型肝細胞癌ではその頻度は低い。後期相が診断に重要である。(後期相で51%が低濃度病変として認められたとの報告もあるが単純、早期相、後期相でiso.iso.isoが46%との報告もあり、CTのみでの評価に限界がある。)
b. 正:高分化型肝細胞癌は約1/3の症例で門脈血流が保たれていたとの報告がある。CTAPで全体の約2/3(66%)が描出されたが、残り1/3はCTAPで等吸収域であったとの報告がある。
c. 正:高分化型肝細胞癌や腺腫様過形成などでは分化度とはかならずしも一致しないものの、T1強調像で高信号となる比率が高い。その成因は腫瘍内脂肪変性、細胞密度の増加、細胞の淡明化、銅の存在などが報告されているが、一元的に説明できなるものはなく、複合的に影響しているものと考えられている。
d. 誤:大きさは径2cm以下が多いが、稀に5cmを越す大型の高分化型肝細胞癌も報告されている。
e. 誤:動脈血流の増加は乏しく、約1/3の症例では門脈血流が保たれるとされる。高分化型肝細胞癌では拍動波(動脈血流)を伴わない定常性血流(門脈)の流入が検出されると報告されているが、病変自体が小さく、血流動態は様々であり、ドップラ法で特徴的な所見は定義しづらい。

(参考)
放射線科学 TEXTBOOK OF RADIOLOGY〔診断〕 放射線科専門医会
画像診断シークレット
MRI・CT用語事典
フィルムリーディング 5 消化管
内視鏡所見のよみ方と鑑別診断 上部消化管
画像診断Vol.22 No.8 2002
画像診断Vol.21 No.1 2001
画像診断Vol.17 No.10 1997
画像診断Vol.19 No.1 1999

(以上66〜70は島根医科大学・吉川 武会員)

71. 解答 c
 特発性門脈圧亢進症(idiopathic portal hypertension: IPH)は脾腫、貧血、門脈圧亢進症を主症状とする疾患で、肝硬変、肝外門脈・肝静脈閉塞など既知の門脈圧亢進を来す疾患を除外し得ることが診断の基準となっている。中年女性に好発し、自己免疫疾患の合併や自己抗体が陽性である症例が多い。
a. 正:高度の脾腫が特徴である。
b. 正:免疫学的異常を背景に末梢門脈枝が障害されることにより、潰れや狭小化を認めることがある。
c. 誤:IPHは前類洞性門脈圧亢進であり、肝静脈には異常を認めない。
d. 正:肝静脈楔入圧は門脈圧を示すので当然上昇する。
e. 正:肝硬変に移行することはなく、肝癌を合併することはまれである。

72. 解答 b,c
 辺縁型(末梢型)胆管癌と呼ばれる肝内胆管癌は基本的には腺癌特有の肉眼形態を呈しており、肝細胞癌や血管腫との画像診断における鑑別は比較的容易だが腺癌の肝転移との鑑別は必ずしも容易ではない。
a. 誤:単純CTでは辺縁不整(境界不鮮明)な低濃度を示す。
b. 正:ダイナミックCTの早期相では腫瘍辺縁から徐々に濃染する。
c. 正:癌が肝被膜近くに存在する時は、肝表面に癌臍(引きつれ)を認めることが多い。
d. 誤:血管造影では、淡い濃染像を腫瘍辺縁に認めるが、肝細胞癌に多く見られるような豊富な腫瘍血管や結節状濃染は通常見られない。
e. 誤:T2強調像では辺縁不整な高信号を呈し、約半数において中心部のみに線維化による低信号を認める。

73. 解答 a,e
a. 正
b. 誤:下部胆管とは膵上縁から十二指腸乳頭部までを言い、膵内胆管とは異なる。
c. 誤:胆嚢動脈は右肝動脈の区域枝より中枢側から分岐することが多い。
d. 誤:胆管周囲動脈叢は胃十二指腸動脈、後上膵十二指腸動脈、固有肝動脈、左右肝動脈、胆嚢動脈より分岐することが多く、前上膵十二指腸動脈からは少ない。
e. 正

74. 解答 a,d
a. 誤:黄疸(総ビリルビン2.0mg/dl以上)、胆道系疾患、肝機能障害の症例では、点滴静注胆道造影(DIC)における造影効果が不十分なことが多い。また、重篤な肝障害のある患者への胆道造影剤使用は原則禁忌である。
b. 正:DICにてRokitansky-Aschoff sinusesを認めれば、胆嚢腺筋腫症の確定診断が可能となる。
c. 正
d. 誤:近年、MRIの機能の向上により質の高いMRCP像が得られるようになり、DICと比較しても、より低侵襲の胆道系の検査を可能にしている。
e. 正

75. 解答 a,b
a. 誤:最も多いのはinsulinomaである。
b. 誤:insulinomaは良性が80-90%で最も多く、悪性は5-10%と少ない。
c. 正:islet cell tumorはhypervascular tumorの代表的なものである。
d. 正
e. 正:機能腺腫は小さくてもホルモン作用による症状から発見されることがあるが非機能腺腫は大きくなるまで発見されないことが多い。

76. 解答 b,c
a. 正
b. 誤:膵管内乳頭腫瘍は腫瘍細胞の生物学的悪性度は低いが、浸潤、転移を伴う例が少なくない。
c. 誤:卵巣様間質の存在が特徴的とされるのは膵粘液性嚢胞腫瘍である。
d. 正
e. 正

(以上71〜76は仁生会甲南病院・田中豊彦会員)

77. 解答 c
a. 正:腎芽腫(Wilms tumor)が小児の腎腫瘍で最も多い(小児の悪性腫瘍の20%を占める)。
b. 正:血管筋脂肪腫の血管造影所見として拡張・屈曲・蛇行する異常血管と多発する小動脈瘤が特徴である。
c. 誤:淡明細胞癌では内部に微量の脂肪を含むため、opposed- phase imageで信号が低下する。
d. 正:腎血管性高血圧症では腎動脈の狭窄を認め、ACE阻害剤を投与することで糸球体後の血管収縮を取り除くと、糸球体濾過率が低下し、尿細管通過時間は延長するため、レノグラムではTmaxの延長、排泄相の延長を認め、レノグラム上昇曲線が平坦化する。
e. 正:T1及びT2強調画像で高信号を呈している嚢胞は出血が蛋白成分の高い内容液を含んでいる。

78. 解答 d
a. 誤:典型的な副腎腺腫は脂肪の存在によりCT値が0に近いといわれており、転移性副腎腫瘍との鑑別にCTが役立つ場合もあるが、脂肪成分の割合は腫瘍によって様々であり、鑑別が困難な場合も少なくない。
b. 誤:副腎腺腫には脂肪が含まれるが、T1強調画像で皮下脂肪と同じように高信号を呈することはほとんどない。骨髄脂肪腫ではマクロな脂肪の存在により高信号を呈する。
c. 誤:転移性副腎腫瘍でもT2強調画像で著明な高信号を呈することはあるが、一般的には褐色細胞腫においてT2強調画像で著明な高信号を呈するのが特徴である。
d. 誤:chemical shift imagingで微量の脂肪の存在が確認できる。
e. 誤:131I-MIGBが有効なのは褐色細胞腫である。

79. 解答 d
a. 正:neuroectodermal disorderと関連があり、neurofibromatosisに合併することがある。
b. 正:多くの場合、壊死、出血、嚢胞性変化を反映しT1強調画像で低信号、T2強調画像で著明な高信号を呈する。
c. 正:アルドステロン産生腫瘍は多くが1cm程度と小さく、スクリーニングとしてのMRIの役割はほとんどない。
d. 誤:褐色細胞腫の10%が悪性であるが、通常の褐色細胞腫でも不均一な造影効果を認め、実質部分が造影されるからといって悪性とは限らない。
e. 正:一般的にsensitivity 80-90%、specificity 98%といわれている。

(以上77〜79は熊本大学・水上直久会員)

80. 解答 c
a. 性索間質性腫瘍の顆粒膜細胞腫や莢膜細胞腫がホルモン産生腫瘍の代表とされる。
b. 顆粒膜細胞腫はエストロゲンを産生することがあり,更年期女性では子宮が年齢不相応に大きくなることがある。
c. 正:ただし浮腫や変性が強いとT2強調像で高信号を呈する。
d. 内膜症性嚢胞に明細胞腺癌などの悪性腫瘍が合併することがあり注意を要する。
e. 良性の成熟嚢胞性奇形腫の悪性転化は閉経後に多く,扁平上皮癌が多く腺癌のこともある。未熟奇形腫は悪性の奇形腫であり若年者に多く,悪性転化と分類は別にされる。

81. 解答 c
a. Brenner tumorの他,線維腫や莢膜細胞腫もT2強調像で低信号を呈することが多い。
b. 通常では閉経後に卵巣を画像で同定することが困難なことが多い。もし同定される場合は病的所見と考えて原因を検討する必要がある。
c. 誤:莢膜細胞腫はエストロゲン産生性腫瘍である。男性化徴候を呈する腫瘍はアンドロゲン産生性腫瘍であるSertoli-Leydig cell tumorsである。
d. 月経周期に伴って卵胞は成熟し大きさは上限2.5cm以下とされる。
e. PCOは両側の卵巣が正常サイズ大のことがあり,卵巣の形態だけからは診断することは困難である。

82. 解答 b
a. 中胚葉由来で左右対称性のM_ller管下部の癒合により子宮体部,頸部,膣が形成される。
b. 誤:子宮の3層構造はT2強調像で同定される。T1強調像ではいずれも中等度の信号を呈するため区分が難しい。
c. 子宮内膜は分泌期後期から月経前期で最も厚くなる。
d. junctional zoneと呼ばれる内膜直下筋層は性周期により厚さは大きな変動を示す。
e. 子宮頸部両側の基靭帯の同定は容易であるが,その他の子宮を支える靭帯の同定は困難なことが多い。

83. 解答 b,e
a. 現状ではMRIによる深達度診断の方がCTより有効と考えられているが,最近ではMDCT(multidetector-row CT)の出現により今後は診断精度の向上が期待される。
b. 正:筋層浸潤を有するT2以上の病変では膀胱壁の層構造の破壊が観察される。
c. T2強調像が有用とされ膀胱筋層は明瞭な低信号帯として描出される。低信号帯の菲薄化は筋層浅部までの浸潤,低信号帯の完全消失では筋層深部ないしは貫壁性の浸潤が示唆される。
d. あまり尿量が多いと膀胱壁が過伸展し正確な診断の妨げとなり得る。
e. 正。CTの方が短時間に広範囲のリンパ節の検索をすることが容易である。

84. 解答 e
a. 前立腺癌は辺縁域を後発部位とし癌の70%が発生すると言われている。
b. 移行域および中心域に癌が発生した場合はMRIのみならずTRUSでも検出が困難とされる。
c. 慢性前立腺炎は辺縁域に多く発生するとされT2強調像で低信号を呈することも多く,癌との鑑別が困難なこともある。低信号域が楔状の形態を示す場合は慢性前立腺炎の可能性が高いとされる。
d. 前立腺癌は欧米で最も頻度の高い疾患である。近年日本では増加傾向にある。
e. 正:精嚢浸潤の診断に造影T1強調画像は必須の検査とされる。

(以上80〜84は日本医科大学第二病院・林 敏彦会員)

85. 解答 e
a. 正
b. 正:急性精巣上体炎では患側の高放射能領域が見られる。
c. 正:salvage rateは、発症6時間以内で80-100%、12時間経つと20%、24時間以上でほぼ0%となる。
d. 正
e. 誤:時間が経過すると、患側陰嚢の肉様膜の血流は増加する。

86. 解答 b,c
 正しい組み合わせは以下の通り。
a. 誤:放射線のエネルギー  eV
b. 正
c. 正
d. 誤:照射線量  C/kg
e. 誤:放射能  Bq

87. 解答 d,e
a. 誤:α崩壊では質量数が4つ減少する。
b. 誤:β−崩壊では質量数は変わらない。(中性子→陽子+電子+中性微子)
c. 誤:β+崩壊では中性子が1つ増加し、陽子が1つ減少する。(陽子→中性子+ポジトロン+中性微子)
d. 正
e. 正

88. 解答 e
a. 正:NaIクリスタルでは、100〜200keVのガンマ線が検出効率が良い。
b. 正:コリメータにはパラレル、ファンビーム等があり、用途に応じて使い分ける。
c. 正:SPECTのこと。
d. 正:骨シンチグラフィ(Tc-99m)は低エネルギー用コリメータ、Gaシンチグラフィは中エネルギー用コリメータを使用する。
e. 誤:被験者との距離をおいても散乱線を減らす効果はない。また、分解能が悪くなってしまう。

89. 解答 e
a. 正:H2O, O2などが用いられる。
b. 正
c. 正:少なくともSPECTより解像力は高いといえる。(CT, MRIほどではないが、、、)
d. 正:O-15の半減期は2分、N-13は10分, C-11は20分である。
e. 誤:ポジトロン断層撮影法で使用する核種は、すべて511keVの放射線を2本正反対の方向に放出する。原理的に2核種同時収集は不可能である。

(以上85〜89は京都市立病院・塩崎俊城会員)

90. 正解 b
a. 6.02h、シングルフォトン放出核種
b. 110m (=1.83h)、ポジトロン放出核種
c. 73.6h、シングルフォトン放出核種
d. 77.9h、シングルフォトン放出核種
e. 13.2h、シングルフォトン放出核種
m:分、h:時間

91. 正解:c,d
 ジェネレータとは比較的半減期の長い親核種を適当な物質に吸着させておき、これにより壊変してできる短半減期の娘核種を適当な溶媒で分離溶出する装置のこと。99Mo-99mTcジェネレータは最も普及しているジェネレータ。
 99Moの半減期は66時間。99mTcの半減期は6.02時間。一度、99mTcO4-溶出(ミルキング)後、約23時間で放射平衡に達し、99mTcの放射能量が最大になるので、毎日99mTcO4-を得ることが出来る。
a. 正
b. 正
c. MAA(大凝集ヒト血清アルブミン)はキットが発売されている。フリーザー保存してあるキットを取り出し、10-20分間放置し室温に戻す。その後99mTc注射液、1-9mlをキットバイアルに加え、10-15秒間よく振り混ぜ、15分間室温に放置することによって99mTc-MAAが調整される。よって誤。
d. タイミング(平衡に達する前)によっては得られる放射能に制限があるが、溶出(ミルキング)は可能。よって誤。
e. 正:脳血流シンチなどの緊急検査に対応しやすい。

92. 正解:b,c
a. 正:131Iや89Srによる内照射療法はいずれもβ線による治療効果を期待するもの。それぞれのβ線の飛程距離は組織中で0.6mm, 2.4mmである。
b. シンチカメラは体内に投与された放射性医薬品から放出されるγ線を体外から検出することにより放射性医薬品の2次元分布画像を映像化する。よって誤。
c. 99mTcは多くの場合院内にあるジェネレータ(カウともいう)と呼ばれる装置から分離溶出することにより得られる(99Mo-99mTcジェネレータ)。よって誤。
d. 正(心筋や頭のSPECTなどを思い出せば)。
e. 正(血流量や酸素代謝など)。

93. 正解 b
a. 99mTc-MDP:骨シンチグラフィ製剤なので正。他99mTc-HMDPもあり。
b. 99mTc-DMSA:腎静態シンチグラフィ製剤。腎実質細胞に集積し、留まることにより腎静態像が撮影できる。腎皮質の機能的形態が評価可能で、臨床的には乳幼児のVUR(膀胱尿管逆流)やUTI(尿路感染症)による腎瘢痕(scar)の診断に極めて有用である。排泄能は動態シンチで評価。よって誤。
c. 99mTc-MIBI:心筋血流製剤なので正。副甲状腺シンチグラフィや腫瘍シンチグラフィとしての使用も可能である。
d. 99mTc-GSA:肝受容体シンチグラフィとして使用。アシアロ糖蛋白受容体と結合し、受容体を介して肝細胞内に取り込まれる。受容体量は機能している肝細胞数に比例しており、肝予備能の評価が可能。よって正。
e. 99mTc-HMPAO:脳血流製剤。てんかんは、一般的に発作時にはてんかん焦点の血流が増加し、発作間欠期には焦点及びその周囲の血流が低下するといわれている。よって脳血流評価が有用であり正。

94. 正解:b,e
a. 99mTc-HMDP:骨シンチグラフィ製剤なので正。
b. 99mTc-MAG3:腎動態シンチグラフィ製剤。腎皮質シンチグラフィという呼び名はあまりなじまない言葉と思われるが、皮質に集積し、留まる99mTc-DMSA(腎静態シンチグラフィ製剤)がこれに相当するのでしょう。よって誤。
c. 99mTc-Tetrofosmin:心筋血流製剤なので正。
d. 131I-Adosterol:副腎皮質シンチグラフィ製剤なので正。ちなみに副腎髄質シンチグラフィ製剤は131 or 123I-MIBGが使用される。
e. 123I-MIBG:心筋の交感神経機能シンチグラフィあるいは副腎髄質シンチグラフィとして使用されるので、誤。

参考文献はすべて最新臨床核医学(金原出版株式会社)です。

(以上90〜94は彦根市立病院・岩田政広会員)

95. 解答 c
a. 正:Tc-99m摂取率が高値となる.
b. 正:Tc-99mの補足,排泄が障害される.
c. 誤:I-131-MIBGを用いる.
d. 正:腫瘍内に取り込まれ,酸刺激後にも集積が残存する.
e. 正:胃粘膜細胞に裏打ちされたメッケル憩室の検索として用いる.

96. 解答 b,c
a. 誤:Beautiful bone scanと称される強い集積を示すことがある.
b. 正:他に腎癌や肝癌でも集積低下を示す.
c. 正:単純X線写真やMRIで明らかでも,骨シンチで陰性のことが多い.
d. 誤:ほとんど全例で集積増加になる.
e. 誤:集積増加を示すことが多い.

97. 解答 a
a. 正:大腸癌の陽性率は50%以下である.(最新臨床核医学第2版より)
b. 誤:陽性率90%以上.(最新臨床核医学第2版より)
c. 誤:陽性率50〜70%.(最新臨床核医学第2版より)
d. 誤:ほとんどの場合,著明な集積増加を示す.
e. 誤:90%以上で集積増加を示す.但し,MALTomaにはほとんど集積しない.

98. 解答 b,c
a. 誤:負荷がかかった時点で投与する.
b. 正:ジピリダモール(商品名:ペルサンチン)は,正常冠動脈のみを拡張し,狭窄血
管支配領域に相対的虚血を誘発する.
c. 正:狭心症と心筋梗塞の鑑別に役立つ.
d. 誤:この場合は左回旋枝の狭窄病変を疑う.
e. 誤:虚血がなくても脂肪酸代謝が低下していると欠損となる.

99. 解答 c,d
a. 誤:多くても40〜50ml/min/100g程度である.
b. 誤:発作時は血流増加として描出される.
c. 正
d. 正:この現象をCrossed cerebellar diaschisisという.
e. 誤:予測は不可能である.

100.解答 a,d
a. 誤:分化癌でないとI-131は取り込まれない.
b. 正
c. 正:全摘してない場合は,残存甲状腺に集まってしまう.
d. 誤:投与後に全身scanを行うと,I-131が取り込まれる転移巣が存在すれば描出される.
e. 正:I-131は唾液中に多く分泌され,全身scanを行うと口腔が描出される.

(以上95〜100は信州大学・百瀬充浩会員)