二次試験問題解答および注釈【診断・核医学】55.〜75.

55.解答 b,c
 画像所見:子宮内腔を背側へ圧排するように子宮腹側筋層内に腫瘤を認める。信号強度は、T2強調画像では低信号のrimを伴い、内部は筋層よりも低信号と淡い高信号域が混在し、ひび割れ状の高信号も見られる。T1強調画像では高信号のrimを認め、内部は筋層とほぼ同様の信号強度を呈する。
 診断:子宮筋腫と思われるが、ポイントはT2強調画像で低信号、T1強調画像で高信号を呈するrimの存在である。この所見は亜急性期血腫の像を反映したものと考えられ赤色変性を伴った子宮筋腫によく見られる所見である。
a. 正
b. 誤:T1強調画像での高信号は血腫を反映している。
c. 誤
d. 正
e. 正:赤色変性は静脈塞栓による出血性梗塞であり時に腹痛を伴う。

56.解答 b,c
 画像所見:左卵巣にT1強調画像、T2強調画像にて皮下脂肪なみの高信号を呈する腫瘤性病変を認める。腫瘤内部にはchemical shift artifactを伴ったもやもやした構造物を有する。
 診断:T1強調画像にて高信号を呈する卵巣病変と言うことで、類皮嚢胞腫と内膜症性嚢胞の鑑別を問うた問題と思われますが、chemical shift artifactを認めること、およびT2強調画像にて内膜症性嚢胞に特徴的なshadingが認められないことより診断は類皮嚢胞腫と考えます。
a. 正
b. 誤
c. 誤:内膜症性嚢胞では周囲にmultiplicityと呼ばれる複数の小嚢胞がよく見られる。
d. 正
e. 正:類皮嚢胞腫は稀に悪性転化することがあり、そのような場合は扁平上皮癌が内部から発生する。

57.解答 e
 画像所見:膀胱左側壁に腫瘍が見られ、膀胱壁を越えて骨盤脂肪織へ浸潤している。膀胱腫瘍の深達度分類は1997年のTNM分類で変更が加えられ、わが国でも膀胱癌取り扱い規約が改定された。新分類では周囲脂肪織浸潤は、T3a:顕微鏡的、T3b:肉眼的と規定されており正解はeと考えられます。但し、旧分類でも周囲脂肪織浸潤はT3bなのでどちらの分類を用いても答えは変わりません。

58.解答 e
 画像所見:前立腺の内腺域は腫大し内部には高信号の結節や低信号の線状構造などが混在した不均一な像を呈する。高信号を呈する辺縁域は圧排され非薄化され、内腺域との境界に低信号の外科的被膜を認める。
 診断:前立腺肥大症( Non-Stromal 型)と考えます。但し、右葉で外科的被膜が断裂し辺縁域に少し突出した低信号域が見られます。この所見は移行域癌を疑わせますが???
a. ?:完全に誤りとは言えないかもしれません。
b. 誤
c. 誤:骨転移を疑わせる所見は見られません。
d. 誤:リンパ節腫大は指摘出来ません。
e. 正:前立腺肥大症では膀胱内部への膨隆による圧迫、あるいは膀胱炎などにより膀胱壁の肥厚はあり得ます。

59.解答 e
 画像所見:T2強調画像にて左葉の辺縁域の一部を除いて低信号域が両葉の辺縁域に広がっている。脂肪抑制併用造影T1強調画像では同部に造影効果も認められるようである。右葉の病巣は、右側外方へ張り出しており被膜外浸潤が疑われる。また、神経血管束は前立腺の背外側で直腸と肛門挙筋に囲まれた脂肪織内( rectoprostatic angle )を走行するが、この症例では両側のrectoprostatic angleにもT2強調画像で低信号、造影T1強調画像で造影される病変が疑われる。
 診断:T2強調画像にて前立腺癌は高信号を呈する辺縁域内の低信号域として描出される。従って、この症例では左葉の辺縁域の一部を除いて低信号域が両葉に広がっており、同部の前立腺癌が疑われる。特に右葉の腫瘍は外方へ膨隆し明らかである。病変は両側のrectoprostatic angleにも広がっており神経血管束への浸潤も疑われる。
a. 誤:PSAは前立腺肥大症でも上昇します。
b. 誤
c. 誤:右辺縁域には腫瘍が認められますが、外科的被膜を越えて移行域まで腫瘍は存在していないと思われます。
d. 誤:生検による出血が腫瘍の局在診断を困難にするので、MRI施行前の生検は避けるべきです。
e. 正

60.解答 e
 画像所見:左精巣は腫大しており、T1強調画像で等信号、T2強調画像で対側の正常精巣に比べて低信号を呈する分葉状、多結節型の腫瘍を認める。
診断:診断は左精巣胚細胞腫瘍と思われます。精巣胚細胞腫瘍には単一組織型(その多くはセミノーマ)と複合組織型がありますが、この症例では、非セミノーマに多く見られるような腫瘍内の出血や壊死、嚢胞などは指摘できず、セミノーマあるいはセミノーマが組織の大部分を占める複合組織型の精巣胚細胞腫瘍と考えます。しかし、もう一つ鑑別疾患として悪性リンパ腫が挙げられますが、画像上はセミノーマと所見がoverlapする点が多く鑑別は困難です。
a. 正
b. 正:時に精巣胚細胞腫瘍は肺転移を契機に発見される事がある。
c. 正:セミノーマの場合、出血は稀。
d. 正
e. 誤:超音波では、均一な低エコー腫瘤で内部に高エコーの隔壁構造が見られる。

(以上55〜60は金沢大学・的場宗孝会員)

61.解答 a
 解説:
 脳血流SPECTの解釈に当たっては脳血流の血管灌流支配域を知っておくことが基本であり、これを知っていれば解答は容易である。
a. 左PCA灌流域(側頭葉内側面および下面、後頭葉、視床後方部)に一致した血流低下である。血流低下の程度が著明であり梗塞に至るものと考えられる。
b. MCA閉塞では説明できない領域の血流低下である。
c. 被殻や視床の血腫に一致した血流欠損像とともに同側大脳皮質、同側視床、対側小脳半球に遠隔効果による血流低下がみられることが多い。
d. 脳血管や頸部血管の閉塞、狭窄があれば血管灌流支配域で説明可能な血流低下がみられることがある。なお、TIAの診断基準に意識障害は含まれない。
e. SAH発症直後では脳内血腫の形成の有無や頭蓋内圧上昇の程度により様々な脳血流異常を呈しうる。SAH発症後7〜14日にみられる血管攣縮の場合は、SAHが多く分布する部位を中心に血管攣縮が起こり血管灌流支配域で説明可能な血流低下がみられる。

62.解答 d
 解説:
 典型的な脳血流の異常分布を呈する疾患がいくつかあり、知っておく必要がある。
a.脳梗塞の分布や脳血管および頸部血管の閉塞、狭窄の有無に応じた様々な血流異常を呈し、特定の脳血流異常分布がみられる訳ではない。
b.正常加齢による血流分布低下がみられる部位として、前頭葉、側頭葉、辺縁系等があるが、これほど著明な前頭葉の血流低下は正常とは言い難い。
c.ピック病の近縁疾患であり、前頭葉および側頭葉の萎縮および血流低下がみられる。脳萎縮の程度はピック病ほど高度ではなく、脳萎縮が軽度であっても血流低下がみられるという。また、ALSなどの運動ニューロン疾患を併発する。脳血流画像上はこれも合致すると思われるが、症状に運動ニューロン疾患に関する記載がないので不正解とした。
d.前頭葉および側頭葉前方部の著明な萎縮がみられ、血流も著明に低下する。
e.側頭後頭頭頂連合野〜頭頂葉の血流低下が有名である。
※ピック病と三山病(運動ニューロン病を伴う痴呆)との鑑別は脳血流画像のみでは困難である。CTやMRIが提示されていれば脳萎縮の程度がある程度鑑別点になると思われる。三山病についての文献をあたっていたら本問題と同一症例と思われる脳血流画像に出会したので三山病が正解なのだろうが、症状についての記載から敢えてピック病を正解とした。これで三山病が正解なら不適当問題であろう。

(以上61,62は秋田県立脳血管研究センター・伊藤 浩会員)

63.解答 a,d
解説:
負荷心筋血流シンチの典型例
 垂直面長軸断層像なので、基本的には前壁、心尖、下壁、後壁の判断を行うことになる。
 比較的典型的な画像なので、あまり説明することはないが、STRESSでは下壁〜後壁の集積が明らかに低下している。前壁は良好に集積をしている。DELAYでも基本的には同様の分布であるが、強いて言うDELAYの方が下壁の集積がより低くなって見える。再分布はなく、むしろ"逆再分布"のパターンである。逆再分布については様々な説があり、再還流療法と関連づけて論じられることが多い現象であるが、ここでは詳細は省く。成書・論文で各自調べていただきたい。
 まとめると、この症例は下壁〜後壁にSTRESSで強い血流低下を認め、DELAYEDでも再分布を認めない。典型的な陳旧性心筋梗塞の画像である。
 次に選択肢に移るが、その前に"虚血"の語をきちんと定義しておきたい。虚血と聞くと"血流低下"と捉えてしまう人も多いと思う。実際、虚血の語を単純な血流低下の意味で使ってしまうこともある。しかし、一般に心臓核医学の領域では"虚血"の語は需要に対して供給が足りないと言う意味での血流低下を指しており、"梗塞"が完成した状態は虚血と区別するのが一般的である。この混乱は、心筋"梗塞"が"虚血"性心疾患に含まれてしまっていることに端を発しているのかもしれない。本文中での"虚血"は需要に対して供給が足りない状態の意として使われているものとして以下の解答を判断していく。(ただし、単なる血流低下の意味で捉えても、解答は変わらないようである)
 まずaはありのままの事実を書いただけであるので、正しい。
 bはそのような事実はない。
 cについてだが、運動負荷血流シンチでTlを用いた場合、強く広範な虚血があると、虚血により誘発される一過性の心機能低下ないしは内膜下の広範な虚血のため、左室内腔がDELAY像に比べて広く見えることがある。cはこの現象のことを記述しているが、画像を見てわかるとおり、そのような事実はない(DELAYEDで下壁が見えないので、内腔のサイズの判断がやや難しくなっているが、私の目には無いように見える)。
 dについては、下壁の血流低下=右冠動脈病変というのは短絡的で、左回旋枝の可能性も十分にあるが、少なくとも右冠動脈に病変を疑うことは間違ってはいない。
 eについてはまず虚血はないので間違いである。機能回復の判定、すなわちviability判定であるが、再分布がないこと、下壁〜後壁の集積低下の程度がかなり著しいことからviabilityはあまり期待できないと判断する人が多いと思われる。ただ、STRESSの下壁集積が若干残っていることから、若干のviabilityはあると判断する人もいるかもしれない。従って正しいのはa, dである。

64.解答
解説:b,e

 Flow-metabolism mismatchを問う問題。
 血流シンチ(症例ではTc-99m Tetrofosmin)とBMIPPシンチの対比の問題である。
 BMIPPは長鎖脂肪酸にメチル基をつけてさらにI-123で標識して核医学で用いることが出来るようにしたものである。健康な心筋は主に脂肪酸をエネルギー源として用いているが、虚血などにより障害された心筋は脂肪酸代謝が低下する。
 この現象は心筋繊維化・安静時血流低下に先行するので、血流の低下よりも脂肪酸取り込みの低下が強い部分(血流-脂肪酸代謝ミスマッチ)があれば、生存心筋があるがその心筋は障害されている、という状況であるとわかる。BMIPPは一種の脂肪酸であり、その取り込みは心筋の脂肪酸代謝(厳密には脂肪酸取り込み・細胞内の脂質プールの状態、代謝の複雑な絡み合い)を反映する。従って血流シンチとBMIPPを組み合わせれば血流-代謝ミスマッチが視覚化できるため、虚血やviabilityの判断に広く利用されている。
 画像を見ると血流はほぼ正常(下壁が若干薄く見えるのは体によるγ線の減衰効果の範囲である)、BMIPPでは心尖寄りの下壁に集積低下が認められる。
 以上を元に解答文を一つ一つ見てみる。
 aは画像の所見そのままである。BMIPPの低下=代謝異常と短絡させると怒る専門家もいるかもしれないが、間違いではない。
 bは血流シンチは正常なので間違いである。
 cはaが正しくbが間違っているのなら考えなくても正しいことになる。
 dは画像そのままの所見である。
 eは前下行枝ならば前壁中隔の異常だがそれは認められないので間違いである。
(前下行枝の末梢が一部下壁まで栄養することもないではないが、そういうことを聞いているのではないと思う。)
 以上から間違っているのはbとeである。BMIPPのことを知っていれば、簡単な問題である。

65.解答
解説:c,d

 99mTcO4- (Tc-99m pertechnatate)による唾液腺シンチである。
 テクネシウムは甲状腺や唾液腺、胃粘膜などの腺組織に取り込まれる。唾液腺では取り込まれたは速やかに唾液中に排泄される。これを利用するのが唾液腺シンチである。静注してしばらくすると唾液腺内に蓄積するので、まず何もしない状態で撮影した後、静注後約20分から30分の時点で酸っぱいものを含ませて(以下酸負荷と呼ぶ)、唾液(と唾液中に排泄された99mTcO4-)を唾液腺内から排泄させて再度撮影、唾液腺機能および後述する腫瘍の性質判断を行うのが一般的である。
 画像を見ると、Preと書いたものとPost LEMOM(+)と書いたものがある。文中に説明がないが、上記の検査法を知っていれば、Preが酸負荷前、Post LEMO"M" (+) がLEMO"N"の絞り汁による酸負荷後(ビタミンCなどでもよいのだがレモンの絞り汁は非常に良く唾液排泄を促してくれる)とわかると思う。ただ、もしもこの検査の経験がなければ「LEMOMって何?」と悩んだ人もいるかもしれない。(いないと思うが......)
 画像の所見はPreでは若干右耳下腺の集積が高いだけだが、Postでは他の唾液腺に比べて右の耳下腺に強い集積が残っており、集積はするが排泄はしない状況があると理解できる。
 これをふまえて解答文を見てみる。eを除いて腫瘍性疾患の病名であり、腫瘍・腫瘤の性質を問うている問題であることがわかるであろう。
 基本的には99mTcO4-は正常唾液腺に集積するので腫瘍の部分は欠損に描出される。しかし、Warthin's tumorとOncocytomaは高いイオン取り込み能を残しているので99mTcO4-を強く集積する。当然排泄機構とのつながりはないので酸負荷をしても正常唾液腺のような排泄はなく、他の唾液腺が集積低下した中に高集積として浮かび上がってくる。頻度としてはWarthin's tumorの方が圧倒的に高いので、この所見を見た場合にはまずはWarthin's tumorを疑う。
 ちなみに、eだけ選択肢の性質が異なるが、sarcoidosisで唾液腺高集積を示すのはGa-67である。
 これを知っていれば答えはc,dである。知っているかどうかだけの問題である。

(以上63〜65は近畿大学・工藤 崇会員)

66.解答 b
Tc-99m MIBIによる副甲状腺シンチグラフィでは、静注後早期には正常甲状腺に集積するため甲状腺と副甲状腺腫の分離が困難であるが、2時間後の後期相では甲状腺への集積はwashoutが早く副甲状腺腫への集積が残存する。正常副甲状腺にはTc-99m MIBIは集積しない。出題では、後期相にて甲状腺の右葉上極に高集積が残存し副甲状腺の腺腫と診断される。甲状腺自体は形態・集積ともに正常であり甲状腺の疾患は考えなくてよい。

67.解答 b
 肺換気シンチグラフィでは欠損は認められず、肺血流シンチグラフィでは区域・亜区域性の血流欠損が両側に多発して認められる。出題症例では右中・下葉の血流が欠損しており、両側肺尖部にも楔状の血流欠損が見られる。他臓器への集積は見られず右左シャントは否定的である。換気・血流ミスマッチを呈する区域性かつ多発性の血流欠損を呈していることから、肺塞栓症の診断は容易である。

68.解答 a
 aからdの疾患はいずれも骨シンチ上局所集積亢進を来しうるが、出題症例では異常部位が極めて特徴的であるので知っていれば解答は容易である。
 Paget病では骨シンチグラフィで頭蓋骨への強いRI集積が特徴的で、骨型ALPの異常高値も見られる。頭蓋骨のほか、腰・仙椎、骨盤、大腿骨、脛骨も侵される。選択肢のほかに線維性骨異形成症でも頭蓋骨への強い集積が見られるが、本症例の場合集積が頭部全体にびまん性に見られることからPaget's diseaseに典型的と考えられる。
 骨転移の多くは赤色骨髄から始まるため中心骨、特に胸・腰椎に多い。頭蓋骨にも転移は多いが本症例のようにびまん性の強い集積を来すことは少ないと思われる。
 副甲状腺機能亢進症の場合は頭蓋骨、下顎骨、胸骨、長管骨を中心に集積亢進し、異所性石灰化による肺や胃への集積が特徴的である。
 骨髄炎では早期から炎症巣に集積が見られるが、本症例の集積分布からは考えにくい。

69.解答 a
 骨シンチ上、肺および胃へのびまん性の骨外集積が見られる。異所性石灰化は高カルシウム・高リン酸状態により正常組織に石灰沈着を生じた状態をいい、骨シンチでは早期から異常を呈し、本症例では最も可能性が高い。選択肢の中で間違われやすいのは飲尿であると思うが、肺にもびまん性集積が見られ、小腸以下の集積が見られないことに注意する必要がある。

70.解答 d
 出題ではガリウムシンチ上、肺野へのびまん性の高集積が見られる。間質性肺炎では肺野へのガリウム集積が見られ、その集積程度は炎症の活動性を反映することが知られている。よって本症例で最も考えられる疾患は特発性間質性肺炎である。それ以外の選択肢に挙げられている疾患では肺へのガリウム集積亢進は見られない。

(以上66〜70は日本医科大学・鳥羽正浩会員)

71.解答 a,e
a.正
b.鼻粘膜、涙腺への集積は生理的に認められる。
c.両側腋窩部の他左鼡径部にも異常集積が認められるためStage?以上と考えられる。
d.ホジキン病、非ホジキンリンパ腫いずれにも67Gaの集積が認められ、他の炎症や未分化の癌との鑑別も困難である。
e.正

72.解答 d,e
a.糖代謝のため脳組織には強い集積が認められる。このため脳病変の存在する周囲脳皮質へのFDG集積はむしろ低下することが多い。この症例にては表示条件の関係のため脳糖代謝の評価は困難。
b.高血糖状態にては心筋の糖代謝は亢進する。FDG検査(心蔵、糖負荷時検査を除いて)においては検査前数時間の絶食が必要であるが糖尿病などの基礎疾患のため心筋が描出されることがあり注意が必要である。
c.乳腺に局所的な異常集積は認められない。(生理的に淡い集積が認められる場合がある)
d.正:膨大動脈領域のリンパ節を考えるが水腎症の症例などでは尿管のactivityが紛らわしいことがある。
e.正:左鎖骨上窩リンパ節と思われる部位にも異常集積が認められる。

73.解答 a,e
 健常者にてT maxは2分前後、T1/2は6分以内とされているがこの症例では両側ともにややピークは遅延しており排泄も遅延傾向と言える一応ピークが認められることからは無機能型や閉塞型ではなく両側軽度の機能低下型〜遅延型(右側の変化が強い)と考える。早期の集積は右腎の方が高く機能自体は右腎の方があるものと考えられる。

74.解答 a
 両側副腎が描出されているが、健常者では右副腎がやや強く描出されることが多い。
 理由として右副腎が背側に位置しているため背面像にての撮像時に検出器に近くなること、左副腎の背側に左腎が存在するためγ線の透過が減少することが挙げられる。
 原発性アルドステロン症(腺腫)では両側副腎の描出、著明な左右差が典型的で正常と紛らわしい場合もある。異所性ACTH産生腫瘍では両側の集積が亢進する。副腎皮質癌では欠損となる場合が多い。褐色細胞腫では通常アドステロールの集積は亢進せずMIBGの集積が認められる。

75.解答 b
 CTにて認められる肝臓右葉のmassは99mTc-phytateにてはdefect様となっているが99mTc-HSADによる血液プールシンチ、背面像にて腫瘍辺縁に強い血液プール様の集積が認められる(内部にdefect様の部位も認められるが血栓ないし器質化した部位を考える)。この所見からは血管腫を疑う。

(以上71〜75は埼玉県立がんセンター・市川聡裕会員)