第15回放射線科専門医一次試験問題解答ならびに注釈

1〜35
一次試験問題の内、問題1,3,4,6,10,13は不適切問題として除外。

2.解答  d
放射線業務従事者の教育訓練の項目は下記の通り。
(1)放射線の人体に与える影響
(2)放射性同位元素等または放射線発生装置の安全取扱い
(3)放射性同位元素および放射線発生装置による放射線障害の防止に関する法令
(4)放射線障害予防規定

以上2は田中淳司会員(埼玉医科大学)

5. 解答  e
a. 誤:P-32は骨に集積する。
b. 誤:Fe-55は骨髄に集積する。
c. 誤:Sr-90は骨に集積する。
d. 誤:I-125は甲状腺に集積する。
e. 正:Ra-226は骨に集積する。

7. 解答  b
a.  正:一般的に白血病が最も潜伏期間が短く、被ばく後2〜3年後から増加を初め6〜7年でピークとなり、それからまた減少する。
b. 誤:悪性度は線量に依存しない。
c. 正
d. 正:低LET放射線では、低線量率照射では高線量率照射に比べ発がん頻度は低下する。
e. 正:放射線発がんにおいて若年被ばくはリスクが高いと考えられている。特に子供の甲状腺は放射線発がんに対する感受性が非常に高いと考えられている。

8.解答  a
a. 放射線によるリンパ球の細胞死にしきい線量はなく、確率論的事象である。従ってリ ンパ球減少に「しきい線量」という用語を用いることには疑問がある。出題者の意図としては、末梢血リンパ球数が一般的な正常数の範囲を超えて減少するような線量という意味と想像される。この意味では、末梢血リンパ球は0.25〜0.5Gyで一時的に減少すると記述されることが多い。
b. 一回照射の場合の検知可能な水晶体の白濁は0.5〜2.0Gy以上の線量で生じる。
c. 一回照射の場合の女性の永久不妊のしきい線量は2.5〜6.0Gyと報告されている。
d. 一回照射の場合の脱毛のしきい線量は2〜4Gy程度と考えられる。
e. 下痢に関してしきい線量という概念を適用してよいか疑問であるが、少なくとも0.5Gy以下ということはない。

9.解答  なし(bとcが誤)
a. 正:酸素増感比は無酸素状態で最低で、その定義から値は1である。
b. 誤:OERはLETに比例して低下する。
c. 誤:亜致死線量からの回復が終了するまでには4〜6時間を要する。
d. 正:線量率を下げると照射中に亜致死線量からの回復が生じ、線量率効果の原因となる。
e. 正:高LET放射線では低LET放射線に比べてDNA損傷の修復は一般的に起こりにくい。

以上5.7.8.9は細井義夫会員(東京大学)

11.解答  d
放射線の発生過程とそのエネルギーに関する問題である。
α線は原子核のα壊変(ヘリウム原子核を放出)により放出され、そのエネルギーは親核種と(娘核種+ヘリウム原子核)の質量欠損分に相当する。ただし娘核種が励起状態になる場合にはその励起エネルギー分だけ減少となるが、原子核のエネルギー準位は量子化されているため励起エネルギーは連続ではない。結果α線のエネルギーは単色となる。
特性X線は原子の軌道電子(これも量子化されている)に空孔が生じ、その穴埋めに高次の軌道から電子が遷移してくるときに発生する。そのエネルギーは遷移した軌道間の結合エネルギーの差に相当するため単色となる。
内部転換電子は特性X線のエネルギーが軌道電子に付与されはじけた電子である。そのエネルギーは特性X線のエネルギーから電子が周回していた軌道の結合エネルギーを差し引いた値となり単色となる。
消滅放射線は陽電子と陰電子の電子対消滅により発生するγ線で、そのエネルギーは陽電子と電子の静止質量(511keV+511keV)に相当する。
制動X線は、電子または荷電粒子が加速または減速する際に発生する。そのエネルギーは電子または荷電粒子が受けた加速度に応じ連続的なエネルギーとなる。X線発生装置から放出されるX線の主な成分はこれによる。

12.解答  c
陽電子の性質に関する問題である。
陽電子は陰電子の反粒子であり、原子核のβ+壊変により放出される。しかし非常に不安定な粒子で、原子の周りの電子と結合してすぐに消滅してしまう(電子対消滅)。電子対消滅ではエネルギー保存則および運動量保存則が成り立ち、消滅した陽電子と陰電子の静止質量に相当する2本の511keVのγ線が180度方向に発生する。しかし実際には陽電子が持っていた運動エネルギーのために180度からほんのわずか少ない角度で発生する。
ポジトロンCTで利用される放射線は消滅γ線である。

以上11、12は成田雄一郎先生(千葉県がんセンター)

14.解答 d?
a. 正:選択肢bでは「日本国民」と限定していることから、世界平均で論じるものとする。UNSCEAR 2000年報告書によれば、世界平均値では1.26 mSv/年で自然放射線による被ばくでは一番多い。
b. 誤?:日本における環境放射線の被ばく線量のデータは、原子力安全研究協会編生活環境放射線(1992)から引用されることが多い。それによれば、Rn-222→Po-214の年間実効線量は0.35 mSv/年で、大地放射性核種外部被ばく0.38 mSv/年やラドン・トロン以外の大地放射性核種内部被ばく0.41 mSv/年より少ない。日本でのラドンによる実効線量は出典により多少の違いはあるがラドン・トロン以外の大地放射性核種内部被ばくと同程度で、問題としては不適切である。日本においてラドン・トロンの被ばく線量が少ないのは、日本家屋に木造建築が多いためである。
c. 正
d. 誤:土壌や建材中に含まれるウランやトリウムの娘核種であるラジウムが放射性壊変して気体状のラドンが生成され、大気中に移行する。ラドンは大気中で壊変してその娘核種が人体にも取り込まれるため、内部被ばくと外部被ばくの両方が生じる。α線のエネルギーが低いため呼吸器上皮組織の内部被ばくが発癌で問題となるため、関心は内部被ばく中心である。
e.  正

15.解答 d?
a. 誤:マウスなどのげっ歯類を用いた実験結果から、着床前期では胎児死が起こり、生き残ったものに奇形が生じる頻度は低い。また、医療放射線被ばく症例でも同様な結果が報告されている。
b. 誤:受胎2〜8週は器官形成期に相当し、奇形および死産が起こる。
c. 誤:広島、長崎で体内被ばくした原爆被ばく生存者では、精神遅滞の発生は妊娠8〜15週で最も多く認められた。また、医療放射線被ばくの症例からは妊娠11〜16週で発育遅延、小頭症、精神遅滞が生ずることが報告されている。難問。
d. 正?:精神遅滞のしきい線量は、広島・長崎での症例から0.12〜0.23Gyと考えられている。この線量を「高い」と考えるか「低い」と考えるかは主観的問題である。
本解答案作成者は0.12〜0.23Gyをしきい線量として「低い」と感ずる。
e. 誤

以上14.15は細井義夫会員(東京大学)  

16. 解答  b
a. 誤:元素に固有な波長をもつ。
b.正:電子がターゲット原子の内殻電子をたたき出すことによって発生する。
    つまり原子核からは発生しない。原子核から発生するのはガンマ線。
c. 誤:原子番号の大きい原子のほうが発生しやすい。
d. 誤:制動放射X線とは独立な現象である。
e. 誤:特性X線の波長は、制動放射X線より長いものも短いものもある。

17.解答  e
a.正 
b.正 
c.正 
d.正 
e.誤:ウエッジフィルター:線量分布を均一に補正するために使用する楔型のフィルターで、線量曲線に傾斜をもたせるもの。従って、照射野の形成には関係しない。

18.解答  aまたはe
ICRP-Report Publ.85 によると、
閾値
a.皮膚一過性紅斑 : 2Gy
b.白内障     : 5Gy
c.一過性脱毛   : 3Gy
d.永久脱毛    : 7Gy
e.皮膚壊死    : 18Gy
であり、aとeが誤りとなるが・・・
福田ら(核医学40巻2号2003年213-220頁)の報告でも、皮膚一過性紅斑は2Gy、遅発性皮膚壊死は20〜25Gyとなっている。

19.解答  d
a.誤:OERは低い。低線量率照射では、酸素が十分ある場合、照射中に修復が起こためと考えられている。
b.誤:aと同様に、照射中にも修復が起こるため、RBEは低くなる。
c.誤:少なくとも、治療時間が長くなることは、患者の負担を増大させる。
d. 正:例として、子宮頸がんの場合、制御率と有害事象の発生率から、高線量率29Gy/5fr と低線量率50Gy/4frがほぼ同等(荒居ら、癌の臨床25;605-612,1979)。
  同じ線量なら、低線量率照射の方が障害は少ない。
e. 誤:RBEが低い訳だから、線量あたりの治療効果は小さい。

20.解答  b
a.正:日本では、法律的な問題で192Irによる治療が主に行われていた。
    昨年125Iによる永久刺入術が認可された。
b.誤:新鮮例に施行されることは無いと思うが、転移部などに姑息的には行われるかもしれない・・・
c.正:137Cs(低線量率)、192Ir(高線量率)などを使用した腔内治療が、 早期から進行期子宮頚癌まで標準的治療として行われている。子宮体癌でも小線源治療が行われている。
d.正:192Irなどによる食道腔内治療が早期食道癌に対し、主に外照射との併用で行われている。
e.正:137Cs、192Ir、192Auなどにより、特に早期例では第1選択として、一般的に治療が行われている。

以上16〜20は鈴木義行会員(群馬大学)

21.解答  e
a.正
b.正
c.正
d.正
e.誤:手術中に照射が完結してしまうため再酸素化は期待できない。
再酸素化は分割照射が有効であるとされる理由の一つであり、一回照射で行われる術中照射とは無関係である。その他の選択肢はいずれも正しい。

22. 解答  a
a. 正
b. 誤
c. 誤
d. 誤
e. 誤
いずれも放射線治療が行われる良性疾患群であるが、β線が用いられるのは(a)。その他は外照射で行う治療である。

23. 解答  a
a. 正:手術の難しい深部病巣では第一選択の治療法であり最もよい適応である。
b. 誤
c. 誤
d. 誤
e. 誤
SRS:stereotactic radiosurgery 1回照射の適応としてはa。b〜eは定位放射線治療で行う、または併用するとしても、SRSではなく、SRT:stereotactic radiotherapy 小分割定位的放射線治療の適応と考えるのが妥当。

24. 解答  b
a. 誤:梨状陥凹約60%、輪状後部約20%、後壁約10%の順
b. 正
c. 誤:66〜70Gy
d. 誤:全身状態が良好と言えなくとも、ルビエールリンパ節領域は含めたい。
e. 誤:T2N1M0はStage III 。この場合本邦多施設成績で5年生存率は40%程度。

25. 解答 d.
a. △
b. 正
c. 正
d. 誤
e. 正
原発性肺癌のリスクファクターとして(1)喫煙 (2)職業的因子 (3)大気汚染 (4)遺伝的要素が挙げられる。一方、選択肢(e)の連想から、設問は転移性肺癌も念頭に置いていると思われる。(a)の飲酒は口腔癌に関与するリスク因子であり、転じて肺癌と関連すると言うことになろうか。

以上21〜25は清水伸一会員(恵佑会札幌病院)

26.解答  a
(放射線治療計画ガイドライン2004のP.88〜と放射線治療とEBMのP.92〜参照)
a. 正:外照射には6〜15MVのX線を使用し、10MVを使うことが多い。
b. 誤:照射野には、触診やCT,MRIの結果から総合的に転移があると判定されたリンパ節とその領域を含める。
c. 正△:T4N1(取り扱い規約IVa期、UICC III 期)症例の標準治療は化学放射線療法であるが、化学療法の内容や放射線療法との組み合わせ法については明確に決まっていない。したがって放射線治療前に化学療法を行うプロトコールもあるが、『正』とはできない。
d. 誤:化学放射線療法で現在最も有効とされているのはシスプラチン(またはその誘導 体)と5−FUの併用である。
e. 誤:RTOG85-01で化学放射線療法に腔内照射を追加するphase I /II studyが行われたが有害事象がきわめて多い結果であった。フランスで化学放射線療法に『適切な』腔内照射を追加するランダム化比較試験が行われたので、その結果がでるまでは、 化学放射線療法後の追加腔内照射はきわめて慎重であるべきで、『正』とはできない。

27. 解答  a
(放射線治療計画ガイドライン2004のP.81〜参照)
a. 誤:4〜6MVのX線を用いる。日本人の平均的乳房サイズには10MV以上のエネルギーのX線は不適である。
b. 正:ウエッジフィルターを用いた線量分布の補正が必要。通常は15度のものが用いられる。
c. 正:45〜50.4Gy/一回線量1.8〜2.0Gy/4.5〜5.5週が経験的に行われてきて事実上の標準となっている。
d. 正:追加線量は全乳房の外照射線量により加減し、腫瘍床の総線量を60〜66Gyとする。
e. 正:X線線束の肺野への広がりを抑えるため、half field techniqueやtilting techniqueが用いられる。

28.解答  d
(放射線治療計画ガイドライン2004のP.129〜参照)
a. 誤:中央遮蔽は通常幅3cm〜4cmとする。
b. 誤:術後照射は、通常45〜50Gy/1.8〜2.0Gy/5週間で行われることが多い。全骨盤に60Gyは多すぎる。
c. 誤:オボイドのみでは線量が不足する場合があり、腟用のシリンダーを用いる。
d. 正:全骨盤照射は1.8〜2.0Gy/日で週5回の通常分割法で行う。総線量は腫瘍の進行度や腔内照射の方法等で決める。
e. 誤:全骨盤照射の照射野上限は、第5腰椎上縁とする。

29.解答  d
(放射線治療計画ガイドライン2004のP.129〜参照)
a. 誤
b. 誤
c. 誤
d. 正:晩期有害事象として最も問題となるのは直腸出血である。他には放射線膀胱炎や尿道狭窄などがある。
e. 誤

30.解答  a, c
日本人の悪性リンパ腫は、慢性Bリンパ性白血病群、ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫、皮膚T細胞性リンパ腫の頻度が低く、T細胞リンパ腫(特にATL)、Nasal T/NK-cell lymphoma(angiocentric lymphoma)、Pyothorax-asscociated lymphomaの頻度が高いという特徴がある。節外性リンパ腫については、日本人(広島地区)と米国白人との比較でほぼ同等とのデータがあるが、中央アフリカが好発地域で日本もアメリカも発生の少ないバーキットリンパ腫が誤りなので『正』とする。(臨床腫瘍学のP.1505〜参照)
a. 正
b. 誤
c. 正
d. 誤
e. 誤

以上26〜30は沖本智昭会員(県立広島病院)

31.解答  e
a. 誤:profound asphyxiaでは、早期産児で視床、小脳、脳幹部を中心に侵され、正期産児で視床、基底核、中心溝周囲皮質が侵される。障害部位は萎縮をきたし、石灰化を生じることがある。
b. 誤:基底核、視床、大脳白質に石灰化をきたす。MELASの約20%で基底核に石灰化が見られる。他の家族性疾患としてFahr病も基底核、視床、小脳歯状核に石灰化をきたし、血管周囲腔に沿うように深部白質にも石灰化が見られる。
c. 誤:TORCH症候群で頭蓋内に石灰化をきたす。トキソプラズマ症では基底核の他に脳室周囲や皮質などに多発性の石灰化をきたす。
d. 誤:基底核、小脳歯状核、大脳白質に石灰化が高頻度に見られる。偽性副甲状腺機能低下症でも見られる(metastatic calcification)。
e. 正:Wilson病は銅が肝、脳に過剰沈着。基底核は神経細胞減少・壊死によりCTで低吸収を示すが、石灰化は見られない。

32.解答  e
a. 誤:神経系血管芽腫はvon Hippel-Lindau病(VHL)に合併する。中枢神経系血管芽腫の大部分は小脳に発生し、脳幹、脊髄にも発生する。テント上の発生はまれである。
b. 誤:迷路内リンパ嚢腫瘍(ESLT)は、骨破壊性の小脳橋角部腫瘍で、ESLTがVHL患者に聴覚障害をきたすことが近年知られるようになった。
c. 誤:副腎褐色細胞腫はVHLに合併する(約10〜15%)。
d. 誤:腎嚢胞、腎細胞癌はVHLに合併する(腎嚢胞:75%、腎細胞癌:20〜45%)。
e. 正:子宮内膜症とVHLに関連はない。
精巣上体や子宮広間膜に乳頭状嚢胞腺腫を発生することがある。
上記以外のVHL関連疾患として、網膜血管芽腫、膵嚢胞、膵ラ氏島腫瘍などがある。

33.解答  b, e
a. 誤:視神経膠腫は神経線維腫(NF)I 型に合併する。
b. 正:髄膜腫はNF type II に合併する。しばしば多発性に見られる。
c. 誤:基底核、白質の過誤腫性病変が見られることがあるのは、NF type I。
d. 誤:血管芽腫はVHLに合併する。
e. 正:NF type II は髄内腫瘍として上衣腫を合併することがある。
  また、硬膜内髄外腫瘍としては髄膜腫、神経鞘腫を合併することがある。

34.解答  b
a. 誤:動脈瘤はMRI,MRAを行えば容易に診断できる。
b. 正:血管芽腫の約80-85%は小脳に発生し、小脳以外では延髄や脊髄に発生する。
c. 誤:胚芽腫は松果体部に最も多く発生し(60%)、次いで鞍上部に好発する(30%)。視床、基底核にも発生することがある。鞍上部に生じる胚芽腫は視床下部から下垂体柄に主座を置く。
d. 誤:鞍結節部から発生する髄膜腫が鞍上部腫瘍の鑑別に挙げられる。鞍上部髄膜腫は鞍隔膜、鞍背からも発生しうる。
e. 誤:macroadenomaでは鞍上部進展を示す。他の鞍上部腫瘍としては、神経膠腫(視床下部、視交叉に発生)、頭蓋咽頭腫、Rathke嚢胞、視床下部過誤腫、転移などが挙げられる。

35.解答  e
a. 誤:腫瘍においてDWIが高信号を示すのは一般に細胞密度の高いものである。悪性リンパ腫、髄芽腫、胚腫、悪性神経膠腫、転移性脳腫瘍などが挙げられる。これらは多くの場合、著明な高信号とはならない。ただし、腫瘍内出血を伴った場合には、腫瘍の組織像に関わらず一部に低信号を混じた著明な高信号がみられることがある。
b. 誤:髄芽腫はDWIで高信号を示す腫瘍であるが、多くの場合、著明な高信号を呈さない。
c. 誤:慢性期脳梗塞では液状変性、瘢痕化にともないDWIは低信号化する。T2 shine-throughの影響を受けるため、DWIの高信号が正常化するまでに2ヶ月ほどかかるとする報告もある。
d. 誤:脳膿瘍は活動期にはDWIで著明な高信号を呈するが、瘢痕化にともない信号強度は低下する。脳腫瘍の壊死がDWIで低信号を呈するのに対し、活動期脳膿瘍は著明な高信号を呈するため、リング状造影効果を示す腫瘤性病変の鑑別にDWIは有用である。
e. 正:類表皮腫は著明な高信号を呈する脳実質外腫瘍である。くも膜嚢胞同様に、T1WI、T2WIで脳脊髄液と類似の信号強度を示すが、DWIではくも膜嚢胞は低信号を示す。

以上31〜35は尾野英俊会員(札幌東徳洲会病院)