第15回放射線科専門医一次試験問題解答ならびに注釈

36〜68

36.解答  b 
参考図書:画像診断別冊骨軟部疾患の画像診断 膝MRI
a. 円板状半月板は円板状外側半月板(discoid lateral meniscus)と呼ばれ、外側半月板に発生。文字通り半月板が円盤状の形態を示し、完全型と不完全型がある。半月板の運動障害・早期変性や断裂により、膝の伸展屈曲時のクリック音、膝外側の痛みを伴う。成因としては先天性と後天性の2説あり。
b. 回転性骨挫傷の定義がよくわかりませんが、他の4つが誤りですのでこれが正解。
 ACL断裂は、膝関節の過伸展位での外反・外旋や、伸展位での内旋により起こると考えられる(この外反や外旋・内旋が回転性を意味するのかも)。断裂部位は中部〜大腿骨付着側に発生する事が多く、脛骨付着側は少ない。臨床的には前方引き出しテストなどの理学所見から診断される。MRIでの直接所見は、靱帯の辺縁不整・波状走行、T2強調像での靱帯内高信号、靱帯周囲の浮腫性変化などがある。その他には、間接所見として、脛骨前方偏位・PCLの急峻な屈曲・外側半月板後方偏位・骨挫傷・Segond骨折などがある。
c. 半月板嚢腫は、半月板外周に接する被包嚢胞であり、半月板辺縁に達する水平断裂が存在する場合、parameniscal tissueに関節液が貯留する。内側に比べて外側半月板に3〜4倍の頻度で多く、特に前角周囲に多い。内側半月板に生じた場合は大きくなりやすく、背側方向へ進展する事が多い。
d. ジャンパー膝は、ジャンプを反復する競技者において、膝蓋腱(特に膝蓋骨付着部)に腱炎が頻発し、膝蓋骨下端の運動痛・自発痛が生じる病態。40歳未満のスポーツ活動の盛んな人に多く、女性より男性に多い。繰り返すストレスによる慢性損傷であり、単一の打撲・急性の腱炎は含まれない。
e. 重複PCL徴候は半月板のバケツ柄断裂時に顆間部へと偏位した断裂片がPCLの下方に位置し、矢状断像にてPCLが2本のように見える所見。この顆間部へと偏位した断裂片は冠状断像でも確認できる。

37.解答:なし 
参考図書:Diagnostic Neuroradiology  Radiology Review Manual Osborn先生のDiagnostic Neuroradiologyには、 Intradural extramedullary mass として、schwannoma、neurofibroma、ganglioneuroma、meningioma、ependymoma、paraganglioma、epidermoid and dermoid cyst、Neurenteric cyst、Arachnoid cyst、hypertrophic neuropathy、metastasis, non-Hodgkin lymphoma が挙げられている。
 そうなるとd. 血管芽腫が誤りとなるが、Radiology Review Manualでは、上記以外にlipomaやhemangioblastomaも挙げられている。PubMedで“Intradural extramedullary hemangioblastoma“の症例報告が散見されるため、答えはなしとします。

38.解答   a,b 
参考図書:頭頸部のCT・MRI 画像診断別冊頭頸部の画像診断 頭頸部画像診断ハンドブック
a. 視神経・視神経鞘腫瘍としては、視神経膠腫(原発性視神経腫瘍の80%)が最多、その他としては視神経鞘腫瘍として髄膜腫・転移・リンパ腫・神経線維腫・神経鞘腫などあり。
b. 海綿状血管腫は、中年女性に好発し、妊娠で増大するといわれる。多くは筋円錐内に発生、被膜を有し、境界明瞭な類円形腫瘍。単純CTでは軟部濃度を呈し、T1強調画像で筋と等信号、T2強調画像で強い高信号、造影早期相にて不均一な造影効果を呈し、後期相でより均一な造影効果を示す。石灰化を伴うことあり。画像上は血管外皮腫や神経鞘腫・髄膜腫との鑑別が難しいことあり。
c. 甲状腺眼症は、成人の眼球突出の原因として最多。多くは甲状腺機能亢進症(特にGraves病)に合併するが、稀に他の甲状腺疾患でも認められる。多くは中年女性に発症し、通常両側性だが片側性のこともあり。急性期には眼窩内脂肪増生、外眼筋腫大、涙腺腫大を認め、リンパ球やムコ多糖の浸潤と考えられている。外眼筋は下直筋が最も侵されやすく、以下内直筋・上直筋の順。筋腫大は筋腹に発生し、眼球付着部の腱は保たれる傾向にある点が炎症性偽腫瘍との鑑別点として臨床的に非常に重要。慢性期には線維化・脂肪沈着あり。
d. 涙腺腫瘍は、大きく上皮性・リンパ性・転移性に分かれ、40〜50%は上皮性。上皮性腫瘍としては多形腺腫が最多、2番目に腺様嚢胞腺癌が多い。腺様嚢胞腺癌は40代に多く、急速な浸潤性増大を呈する事が多く、神経周囲性進展や血管浸潤を来しやすい。画像上、多形腺腫との鑑別が重要であり、腺様嚢胞腺癌は境界不明瞭・骨破壊・周囲組織を圧排する傾向を有する。
e. Mikulicz病は、リンパ球浸潤による涙腺・耳下腺の腫大で、病理学的特徴が似ている事からシェーグレン症候群の一亜型と言われている。臨床的には、Mikulicz病では涙腺機能が保たれるのに対し、シェーグレン症候群では涙腺の機能を失うといった差異あり。
 画像上はともに両側の涙腺腫大・唾液腺腫大を認め、両者の鑑別は困難。

39.解答  a,e  
参考図書:頭頸部のCT・MRI 画像診断別冊頭頸部の画像診断 頭頸部画像診断ハンドブック

唾液腺は大唾液腺(耳下腺・顎下腺・舌下腺)と小唾液腺に分類され、小唾液腺は口腔内の粘膜に無数に存在。耳下腺は漿液性唾液を分泌する漿液腺であり、顎下腺・舌下腺は漿液性と粘液性の両方を分泌する混合腺。
唾液腺腫瘍の臨床的特徴
・ 耳下腺腫瘍:顎下腺腫瘍:舌下腺腫瘍:小唾液腺腫瘍=100:10:1:10
・ 耳下腺腫瘍の8割は良性(うち90%が多形腺腫)、悪性では粘表皮癌が最多
・ Warthin腫瘍・腺房細胞癌は耳下腺に特異的
・ Warthin腫瘍・oncocytomaは、唾液腺シンチで高集積を示す
・ 顎下腺腫瘍は5割が良性(多くが多形腺腫)で5割悪性(腺様嚢胞腺癌が最多)、
・ 舌下腺腫瘍は8割が悪性

多形腺腫は最も頻度が高く、耳下腺腫瘍の70%、顎下腺腫瘍の60〜65%を占める。舌下腺には稀。通常は線維性被膜を伴い、境界明瞭・辺縁平滑、小さいと円形や球形、大きくなると分葉状となる。内部に粘液基質・類軟骨基質を豊富に含むと、T2強調画像で強い高信号を示す。また、大きくなると嚢胞変性を来す。画像上は、oncocytomaと神経鞘腫と区別困難であるが、これらは極めて頻度が低いのが特徴である。

腺様嚢胞腺癌はどの年齢にも発生し、男性よりも女性により発生しやすい傾向あり。
境界明瞭・辺縁平滑な腫瘍から、顕著に辺縁不整なものまで多彩で、辺縁が平滑の葉に見えても被膜は不完全であり、多くは周囲への浸潤を伴っている傾向あり。
CTでは充実成分が多いほど、正常唾液腺との境界は不明瞭で、造影CTでわずかに腫瘍が同定できるぐらい強く造影される。T2強調画像では、細胞密度が低い部分は高信号・細胞密度が高い充実性部分は低信号を示し、充実性部分にはガドリニウムにて造影効果を認める。臨床的には緩徐な発育を示すが、神経に沿って浸潤する傾向が強く、再発率も高いのが特徴。

40.解答  c  
参考図書:頭頸部のCT・MRI画像診断別冊頭頸部の画像診断 頭頸部画像診断ハンドブック
a. Tornwaldt嚢胞は咽頭粘膜間隙正中に発生する先天性嚢胞。通常無症状で偶発的に認める事が多い。脊索の遺残として発生し、全剖検例の4%。画像では、上部鼻咽頭正中で、椎前筋と咽頭縫線との間に存在し、数mm〜数cmの大きさ。内容液はT1強調画像にて、蛋白濃度により低信号から高信号まで様々な信号を呈する事が特徴。
b. がま腫は口腔底部に唾液の流出障害により生ずる嚢胞。舌下間隙に限局するもの(simple ranula)と舌下間隙から顎下間隙に及ぶもの(plunging ranula)に分類。simple ranulaは上皮に覆われ、plunging ranulaはsimple ranulaが増大・破綻し、顎下間隙に内容液が入り込んだものと考えられ、上皮の裏装なし。画像では、CT・MRIにて水と等濃度・等信号、病変周囲に一層造影されるのみで内部は造影されず、嚢胞性リンパ管腫・類表皮嚢胞・表皮嚢胞との鑑別が必要。
c. Zenker憩室は、下咽頭輪状軟骨後部後壁の構造的に弱いKilian間隙(下咽頭収縮筋の斜線維と輪状咽頭筋上縁との間)を介した圧出性機転により形成される憩室。嚥下時に輪状咽頭筋の弛緩が不完全なため下咽頭内腔圧が高まる事に起因し、増大すると嚥下障害を生じる。しばしば側方に向かう進展を示し、左側に多い。バリウム検査にて確診を得る。CTでは下咽頭背側あるいは後側方に位置する嚢胞性腫瘤として認められる。内腔は様々な様相を呈し、空気を含んだり残渣を含んだりする。
d. 側頸嚢胞は第2鰓裂嚢胞であり、鰓裂嚢胞の9割以上を占める高頻度の疾患。顎下腺の後方、胸鎖乳突筋の内側前方、頸動静脈の外側前方に存在し、多くは下顎角付近に位置する。壁にリンパ組織を含み、感染により増大するが、嚢胞増大は必ずしも感染を意味するものではない。
e. リンパ管腫は、組織学的に毛細血管性リンパ管腫、海綿状リンパ管腫、嚢胞性リンパ管腫(hygroma)または嚢胞性水滑液脳腫に分けられ、前2者は皮膚・皮下組織に発生し、嚢胞性リンパ管腫は深在性で画像診断の対象となる。嚢胞性リンパ管腫の65%は生下時に、90%は2歳までに発見され、浸潤性に発育。幼児では後頸三角・上縦隔、成人では舌下間隙・顎下間隙・耳下腺間隙に好発。多くの症例で複数の間隙に広がる傾向があり顎下間隙ではしばしば対側へ及ぶ。CTでは低吸収を呈し、T1強調画像で低信号・T2強調画像で高信号を呈する液体成分を含む、単房性・多房性病変の像を呈し、隔壁の造影効果の程度は様々である。内容液は蛋白濃度が高い例や脂肪・出血成分を含む例もあり、T1強調画像で信号上昇を呈する場合や液面形成を呈することもある。

以上36〜40は浅野隆彦会員(岐阜大学)

41.解答  b,e
インピジメント症候群ないし回旋腱板断裂、肩関節前方亜脱臼、関節唇断裂、関節窩後下方傷害をきたしやすい。
a. 正:SLAP病変( superior labrum anterior and posterior) 上腕二頭筋長頭腱の付着部にあたる関節唇上部にみられる損傷で急性外傷、投球などの反復性ストレスで生じる。
b. 誤:中足骨頭の骨壊死
c. 正
d. 正:関節窩後下方傷害 この部で関節包肥厚、関節窩縁石灰沈着
e. 誤:発育期の少年少女の脛骨結節が膨隆し疼痛を訴える疾患

42.解答  a,d
a. 正:骨成長が著しい10〜14歳に多い。典型的には肥満児の男性に好発
b. 誤:合併症として1)治癒後の変形、2)大腿骨頭壊死、3)軟骨融解症がある。
   慢性型で合併する危険性があるが急性型でも合併することがある。
c. 誤:両側発生 20〜35%
d. 正:骨頭は主に後下方へ転位する。
e. 誤:Trethowan徴候:正常では頸部外側の延長線が骨頭を横切るが、骨頭が後下方に転位するとTrethowan線が横切らなくなる。

43.解答  d,e
a. 正:血液の充満した多房性の海綿状骨嚢胞
b. 正
c. 正
d. 誤:長管骨骨幹端の偏心性透亮像
e. 誤:骨軟骨腫でみられる所見

44.解答  a
a. 誤
b. 正:肋骨後方骨折が 50%にみられる。
c. 正:長管骨骨幹端の骨折が50%にみられる。
d. 正
e. 正
その他の所見として、気胸、縦隔気腫、十二指腸壁内血腫、後腹膜出血、膵損傷による膵仮性嚢胞など。

45.解答  c
a. 誤:中心性透亮像、辺縁平滑または分葉状、多くは硬化縁を伴う。
b. 誤:単純x-pで骨表面から突出する骨性隆起
b. 正:典型x-pではnidus(1cm以下の類縁形透亮像)とその周囲の骨硬化。骨膜下に発生した場合、nidusの部位の骨皮質の陥凹、骨膜反応を認める。
d. 誤:骨幹部から骨幹に好発し、偏心性よりも中心性に発生。
  透亮像、スリガラス陰影、嚢胞性変化をきたすこともある。
e. 誤:静脈石がみられるが常にはみられない。

以上41〜45は三上雅美会員(川崎医科大学)

46.解答   a,e.
a. Langerhans細胞組織球症 (LCH) は、以前histiocytosis Xと呼ばれていた疾患で、Lettere-Siwe病、Hand-Schuller-Christian病、好酸球性肉芽腫に分けられる。肺でよく見られる好酸球性肉芽腫は、喫煙と関連性が深いので知られている。禁煙で治癒する事も多い。
e. RB-ILDは重喫煙者に見られる。タバコ肺の名称で呼ばれる肺疾患の一つである。
 他は、喫煙との関連性は特には言われていないが、病状に悪影響を与えることは当然。
 タバコは良くない。未だに止められない人は、是非禁煙しましょう。

47.解答  a,d.
b. 肺結核は、通常成人で見られる二次結核の場合、上肺野、上葉であればS1.S2.S1+2、下葉であればS6に多い。スーパー常識。但し、一次結核の場合はこの限りにあらず。肺野病変は軽度のことが多いが、部位は中下葉やS3に多い。
c. ABPAは、Aspergillusに対するアレルギー反応で、気管支喘息と関連する。中枢側中心の気管支拡張症、粘液栓やconsolidation、モザイク潅流所見が知られている。所見は上葉に多い。
e. サルコイドーシスは、基本的にリンパ系を中心とした肉芽腫症であり、下肺野と比べて肺の動きが少なくリンパのドレナージの悪い上肺野に多い。

48.解答  d
c. 腕頭動脈は右側にしかないので、普通“右”腕頭動脈というものはないと思うが、誤植みたいな出題。
d. 中間気管支幹に伴走する肺動脈は、気管支の外側を走行する。中間肺動脈幹とも言う。CTを思い出して下さい。
e. 細かいことを言うようだが、区域気管支分岐の番号表記は、上付きで記載するのが正式である。書けない場合には普通字体で書くこともあるが、小さいポイントで下付きで書くことはない。逆に、亜区域気管支分岐のアルファベット表記は、普通字体で書くこともあるが、正式には下付きで記載する。従って、厳密に言えばこれも間違いだけど、内容は合っており、呼吸器の専門でもない人にそんな細かいことまで問うことはないと思うので、ここは正解としよう。

49.解答  c,e.
Kerley線は小葉間隔壁の肥厚を示す単純X線写真所見。
そうすれば、解答は当然、c. 急性好酸球性肺炎とe. 心原性肺水腫。他の選択肢の疾患は、通常小葉間隔壁は肥厚しない。

50.解答  a,d.
a. 一応、教科書的には偏在性石灰化は石灰化した肉芽腫を巻き込んだ悪性腫瘍の場合が有り、中心性石灰化は良性を示唆するとされているので、これを正解に選ぶ。しかし、結腸癌の肺転移や肺腺癌の一部では、中心部にも少ない面積ながら石灰化が見られる事がある。世の中、教科書の様には行かない。結局、実際はある程度以上の割合を占める強い石灰化しか当てにはならない。
b. 脂肪は過誤腫を示唆する診断的所見。
c. 一番造影効果が強いのは、動静脈瘻。
d. 教科書的には、正解とする。また、良性を特定する手段として、一応論文でも認められる方法である。しかし、これも例外が多い。腺癌の場合には、収縮しながら浸潤するため、一見大きさが変わらなくても、内部構造の改変が進み、実は内部に畳み込まれた罹患肺野は着実に増えていると言う場合があり、単に大きさだけでは判断できない。見掛け上、小さくなることさえある。
e. air bronchogramは、肺胞上皮置換性の増殖を示す、或いは粘液産生性の腺癌に見られる。破壊性、圧排性の増殖を示す扁平上皮癌では、閉塞性肺炎等、周辺の二次性変化で見られることはあっても、tumorの中にair bronchogramが見られることはない。

以上46〜50は小野修一会員(弘前大学)

51. 解答  d、e
a. 誤:肺胞上皮置換型の腺癌では、腫瘍内部に気管支透亮像がみられる頻度は高い。腫瘍の収縮傾向のために、気管支拡張がみられることはあり得る。
b. 誤:periaortic lucencyは虚脱した左上葉と縦隔の間に左下葉が入ったためにみられる。左側に多い。(林 邦昭、中田 肇 新版胸部単純X線診断)
c. 誤:リンパ節腫大を伴わない場合もあり得る。
d. 正:心房や大血管などに浸潤した場合にはT4となる。(肺癌取扱い規約 改訂第6版)
e. 正:肺癌の他には孤立性線維性腫瘍等の胸膜腫瘍、肺の炎症性疾患、稀には消化器の悪性腫瘍や炎症性疾患にもみられる。

52. 解答  d
a. 正
b. 正:心後縁の上半分は左房、下半分は左室からなる
c. 正:側面像にて、左室が大きいほど心臓の後縁と下大静脈との交点が下がり、著明な場合は横隔膜よりも下方に移動する。
d. 誤:左房の拡張では、心後縁の上半分の突出、気管分岐角の拡大、心右縁の二重輪郭(double contour)などがみられる。
e. 正 
 (小塚隆弘、野崎公敏 心疾患のレントゲン診断参照)

53. 解答  c、e
a. 胸腺腫の増強効果は、通常あまり強くない。
b. リンパ節転移は腎細胞癌などの富血管性腫瘍からの転移では、強い増強効果を示すが、肺癌の転移ではあまり強い増強効果はみられない。
c. hyaline vascular typeのCastleman's diseaseでは強い増強効果がみられる。
d. リンパ管腫の多房性嚢胞性腫瘤と認められることが多い。
e. 傍神経節腫瘍(副腎外褐色細胞腫)は強い増強効果が特徴である。

54. 解答  d
a. 空気塞栓から結果的に脳梗塞になることはあると思われるが・・・。
b.
c.
d. 空気塞栓は頻度は、報告では約0.04%と稀ではあるが、起こった場合には致死的になり得る。治療には高圧酸素療法が必要である。発生原因はよくわかっていないが、肺実質の穿刺により気管支と肺静脈との交通ができるとの説もある。肺生検に特異的な合併症と考えられる。その他の合併症は気胸、出血(血胸、喀血)、悪性腫瘍の播種など。
e. 頻度は稀だが起こりうる。経皮的肺生検以外でも起こるので特異的ではない。

55. 解答  c、d
スピキュラを伴う頻度が高い乳腺病変は、浸潤性乳管癌、特に硬癌、浸潤性小葉癌、硬化性腺症、脂肪壊死、放射状瘢痕など。髄様癌は周囲乳腺にたいして圧排性に増殖するため、辺縁は比較的明瞭な場合が多い。
(角田博子、東野英利子 マンモグラフィーと乳房超音波参照)

以上51〜55は中園貴彦会員(佐賀大学) 

56.解答  e
a. 正:Stanford分類A型は上行大動脈から大動脈弓にかかる解離である.
b. 正:DeBakey分類 I , II 型はそれぞれ上行大動脈発症広範型,上行大動脈発症限局型解離でStanford分類ではA型に相当する.
c. 正:DeBakey分類 III b型は下行大動脈発症広範型の解離である.
d. 正:Marfan症候群ではDeBakey分類 II 型が多い.
e. 誤:Stanford分類B型,DeBakey分類 III 型は合併症が無ければ内科的管理が原則である.

57.解答  e 
a. 正:総肺静脈還流異常で最多のsupracardiac typeでは左右肺静脈から,共通静脈,垂直静脈,無名静脈を経て上大静脈への還流となるため Snowman configurationを呈する.
b. 正:Ebstein奇形では右房化右室を来たし右房肥大を生じ箱型心陰影(box-like shadow)となる.
c. 正:Fallot四徴症では肺動脈狭窄により左第2弓の陥凹,右室肥大により左第4弓が丸く膨隆し木靴心を呈する.
d. 正:大動脈縮窄症では内胸動脈,肋間動脈を介した下行大動脈への側副路が発達し肋骨下縁の侵蝕像(rib notching)を呈する.
e. 誤:心室中隔欠損症では両室拡大,肺動脈幹の拡張,肺血管影増強が認められる.大血管転位症で卵型心陰影(egg on side)を呈する.

58.解答  b
a. 正:収縮性心内膜炎が遷延化すると心膜の癒着,肥厚を来たし更には石灰化を来す.心膜石灰化は右房,右室の周囲あるいは房室間溝部に起こることが多い.
b. 誤:一般に拡張型心筋症では著名な心肥大以外に特徴的所見はない.
c. 正:慢性化した血栓には石灰化が生じる.
d.正:川崎病では冠動脈瘤発生後数年経過したものでは瘤壁や血栓に石灰化を来すことがある.
e. 正:高安動脈炎では大動脈,肺動脈等の太い動脈壁に非特異炎症とその瘢痕化が生じ二次的に狭窄,閉塞,拡張を来す.慢性化して大動脈壁の石灰化を来す.

59.解答  b,e
a. 誤:動脈幹開存症では大動脈から肺動脈へのシャントにより肺血流量は増加する.
b. 正:Fallot四徴症では肺動脈漏斗部の狭窄(肺血管陰影減弱)を来たし右室圧負荷から右室肥大(心尖挙上)を来す.
c. 誤:総肺静脈還流異常では肺静脈が全て右心系に還流し肺血流量は増加する.
d. 誤:総動脈管症では左右両心室の血液が単一の血管(総動脈幹)から肺動脈,大動脈に供給され肺血管影は増強する.通常VSDを伴う.
e. 正:Ebstein奇形では右房化右室により機能的右室狭小化,右心拍出量低下となり肺血管影は減弱する.3/4にASDを伴う.

60.解答  a,c
a. 誤:20から30歳代の女性に多い.男女比は1:8程度である.
b. 正
c. 誤:肺動脈にも約50%で病変が生じる.
d. 正:腎動脈狭窄が進行すると腎血管性高血圧となる.
e. 正:動脈の狭窄,閉塞,拡張,動脈壁の壁肥厚や増強効果,石灰化などの評価に有用である.

以上56〜60は井田健太郎会員(岡山大学) 

61.解答  c
a. 正:細菌性肺炎は,胸部単純X線写真で,肺葉性または区域性に広がる浸潤影を示す.黄色ブドウ球菌肺炎は新生児や乳児期早期に発症することが多く,約半数に薄い壁で囲まれた気瘤の合併が見られる.
b. 正:急性細気管支炎は,1歳以下に発症するウイルス性の下気道感染症である.気管支粘膜に感染することにより,気管支,細気管支壁の浮腫,肥厚,気道分泌物の増加をきたす.典型的な画像所見は,主として air-trappingであり,中等度の気管支周囲の肥厚,肺門周囲の線状の無気肺である.
c. 誤:マイコプラズマ肺炎の胸部単純X線写真所見は,非特異的で多彩である.網状結節影,区域性または肺葉性の浸潤影,混合性のパターンなどいずれも認められる.
d. 正:胸部単純X線写真で,辺縁が明瞭な円形の腫瘤状陰影を呈する小児特有の細菌性肺炎をみることがあり,これは,その形状から円形肺炎と呼ばれる.8歳以下の小児では,側副路であるKohn孔やLambert管が未熟であるためにこのような特有な形態を呈するといわれている.
e. 正:小児肺結核は乳幼児の発症が多く,そのほとんどは初期変化群結核であるが,1歳以下では粟粒結核や結核性髄膜炎の合併が多い.胸部単純X線写真では,両側性粟粒結節を認める.

62. 解答  d
a. 誤:小児奇形腫は前縦隔に多い.前縦隔腫瘍の鑑別診断は,4Ts(Teratoma. Thymic tumor, Thyroid tumor, Terrible lymphoma/leukemia)である.
b. 誤:後縦隔腫瘍の約95%は神経原性腫瘍である.そのうち小児では,神経芽腫の頻度が最も高い.
c. 誤:胸腺腫は,前縦隔腫瘍であるが,小児期の発症は稀である.胸腺腫の約35%に重症筋無力症の合併を認める.
d. 正:縦隔発生の嚢胞性病変には,心膜嚢胞,腸管嚢胞,気管支原性嚢胞,食道裂孔ヘルニアなどがあるが,心膜嚢胞の好発部位は,右心横隔膜角である.
e. 誤:横隔膜ヘルニアは,横隔膜欠損部を介して胸腔内に腸管などの腹腔内臓器が脱出する疾患である.そのうち,左横隔膜背側部の欠損孔によるBochdalekヘルニアが最も頻度が高い.

63. 解答 a
a. 誤:新生児では,腹部単純X線写真で,出生時すぐに胃泡を認め,生後30〜60分までに十二指腸,近位空腸に,12〜24時間までには,結腸全体,直腸まで腸管ガスを認めるようになる.24時間目というのは不適切と思われる.
b. 正:巨大な肝芽腫の場合は,肝腫大に伴い,消化管ガス像の偏位を伴う可能性がある.肝芽細胞腫という表現は一般的ではなく,肝芽腫と称するのが一般的である.
c. 正:腹部神経芽腫の場合,腫瘍内の石灰化は約55%といわれている.神経芽腫の石灰化は,点状,びまん性,不定形などでさまざまである.
d. 正:生後24時間以降になっても下部結腸ガスが認められない場合は,胎便栓症候群をはじめ,その他の消化管閉鎖,Hirshsprung病などを疑う必要がある.
e. 正:腹部単純X線写真で,胃と十二指腸の拡張が見られ,遠位の消化管ガスを認めない場合,そのガス像からdouble bubble signと呼ばれている.典型的なdouble bubble signを認めた場合は,十二指腸閉鎖を考える.その他,double bubble signを認める疾患には,中腸軸捻,輪状膵,十二指腸前門脈などが挙げられる.

64. 解答 a, c
a. 誤:肝細胞癌は,肝芽腫より発症年齢は高く,通常5歳以上に認める.肝芽腫の発症は一般的に5歳以下で,その2/3は2歳以下である.
b. 正:神経芽腫での石灰化の頻度は約55%以上といわれ,その頻度は高い.
c. 誤:腎芽腫では,腎静脈や下大静脈内への腫瘍の進展や血栓の形成を認めることがあり,右房内に進展することもある.
d. 正:小児領域の卵巣腫瘍の多くは,良性腫瘍であるが,そのうち皮様嚢腫の頻度が最も高い.
e. 正:Ewing肉腫は,大腿骨をはじめ長管骨が侵される頻度が高いが,その他,骨盤骨などの扁平骨にも発症する.単純X線写真では,permiativeな発育を呈し,境界は不明瞭である.たまねぎ状の層状の骨膜反応は,Ewing肉腫に特徴的といわれる所見である.

以上61〜64は宮坂実木子会員(国立成育医療センター)

65.解答  c,e
a. 正:下大静脈フィルターの適応は議論の多いところですが、以下の適応が大方の賛同を得られているようです。
 1. 何らかの理由で適切な抗凝固療法不能の場合
 2. 適切な抗凝固療法でも肺塞栓が再発する場合
 3. 残存肺血管床が少なく肺塞栓の再発が致死的と考えられる場合
b. 正:通常は腎静脈合流部より下方に留置するが、腎静脈やIVC内に血栓のある場合、妊娠が考えられる場合は腎静脈合流部より上方に留置する。
c. 誤:下大静脈フィルターは遠隔期にDVTの発生を増加させるとする報告もあり、若年者への適応は慎重に決定する必要がある。
d. 正:腎静脈の位置確認や卵巣(精巣)静脈等への誤留置を避けるためにも有用。
e. 誤:MRIは施行可能。

66.解答  b,c
a. 正:出血を伴う。(25〜40%)
b. 誤:動脈相で濃染し、平衡相で周囲肝と同程度の造影効果を示す。
c. 誤?:通常は単発と書いてある教科書が多いようです。多発症例の報告はあります。
d. 正:脂肪を伴う。CTでは5〜10%, MRIでは50〜75%で脂肪が確認できる。
e. 正:鉄の取り込みはみられず、FNHとの鑑別に有用。

67.解答  a,d
a. 正:脂肪肝のfocal spared areaは、肝内側区域後面、肝背外側区域(S2)や尾状葉(S1)などの肝門部付近、胆嚢床部にみられる。
b. 誤:限局性脂肪沈着(focal fatty change)は、肝内側区域後面、肝円索の近傍、胆嚢床周囲、尾状葉、肝静脈周囲、門脈周囲、肝被膜直下にみられますが、最も多いのは肝円索近傍と思われます。
c. 誤:肝内のA-P shunt領域は門脈血流が流入したいため、脂肪肝ではspared areaとなる。
d. 正:過形成変化を生じることがある。
e. 誤:dynamic CTで早期濃染を示すことがあるが、平衡相では周囲肝と同様の吸収値を示す。

68.解答  c,e
a. 誤:初期には肝腫大を示す。
b. 誤:胆嚢壁周囲への炎症の波及により胆嚢壁は肥厚し、胆汁生成能の低下あるいは排泄不良のため胆嚢は萎縮する。
c. 正:肝内門脈血流障害のため、末梢肝区域が萎縮すると、太い門脈や肝静脈が肝表へ近接する。肝静脈造影でしだれ柳状の所見を呈するのも同様の変化と考えられる。
d. 誤:鉄はT2緩和時間を短縮させ、T2あるいはT2*強調画像にて肝実質の信号強度は低下する。
e. 正:著明な沈着部位が単純・造影CTで正常肝より低吸収を示すことがある。

以上65〜68は松永敬二会員(北里大学)