第15回放射線科専門医一次試験問題解答ならびに注釈

69〜100

69.解答  c,e
a. 誤:T2強調像では約半数は周囲肝と等信号になる。残りは高・低が半々。
T1強調像では、ほとんどはT1強調像で高信号を呈する。
b. 誤:ほとんどはT1強調像で高信号を呈する。T2強調像では2/3が低信号で1/3は等信号に描出されることが多い。
c. 正:GRE法のin-phaseとout-of-phaseにより脂肪沈着部位が同定できる。
d. 誤:FNHのcentral scarはvascular scarであり、T2強調像で高信号を呈する。一方、fibrolamellar HCCはfibrous scarであり、T2強調像で低信号を呈する。
e. 正:消化器由来の腺癌肝転移と同様、中心部の広い線維性壊死組織はdelayed enhancementを示す。

70.解答  c,e
a.正:胆嚢周囲肝実質への炎症波及と増加した胆嚢静脈環流により早期濃染が見られる。
b. 正:遊走胆嚢の際に胆嚢頸部でねじれが生じ、底部側の循環不全をきたす事により発症。緊急手術の適応である。
c. 誤:確定に至らないことが多いが、共通管が長い場合などでは診断が可能である。
d. 正:RASの描出にはCTよりもMRIの方がはるかに高率である。
e. 誤:Mirizzi症候群は胆石が胆嚢頸部や胆嚢管に嵌頓して生じた炎症波及による総肝管の良性狭窄。傍乳頭憩室による総胆管の圧排はレンメル症候群である。

71.解答  a,c
a. 正:拡張した肝内胆管や繰り返す炎症により閉塞した門脈により区域性の萎縮を認めやすい。特に外側区は優位に犯されやすい。
b. 誤:原発性硬化性胆管炎(PSC)ではperiportal abnormal intensity(PAI)はほとんどの例で認められる。原発性胆汁性肝硬変(PBC)ではPAIは認められないことが多い。これは、PSCは太い胆管に異常が生じるのに対してPBCは小葉間胆管レベルの異常が主であるため。
c. 正:肝内胆管の拡張や壁肥厚、造影CTでは壁の濃染を認める。ただし、CT所見の全くない胆管炎も存在する。
d. 誤:先天性胆道拡張症はほとんどの症例で膵胆管合流異常を伴う。5型に分類されており、肝内胆管だけに拡張が限局するものもある(V型)。
e. 誤:胆管周囲腺の貯留嚢胞。胆道造影では描出されない。

72.解答  e
膵尾部は脾腎間膜に包まれて脾門部に入るが、腸間膜反転部の中に含まれるので、膵尾部は腹腔内臓器と言える。大量腹水患者で膵尾部が腹水に囲まれていることは稀ではない。

以上69〜72は大田信一会員(滋賀医科大学)

73.解答  a,d
a. 正
b. 誤:coffee bean signは絞扼性イレウスで見られる
c. 誤:後腎筋膜の肥厚も見られるが、頻度としては前腎筋膜の肥厚がよく見られる
d. 正:仮性動脈瘤の膵管内破裂による吐下血が生じることがある
e. 誤:左側胸水を認めることが多い

74.解答  c,d
a.誤:高エコー域が中心である
b.誤:高信号を示す
c.正
d.正:時に出血を伴い、高信号を示すことがある
e.誤:富血管性腫瘍である

75.解答  a,c
a.正
b.誤:充実性腫瘍の一部が出血や壊死により嚢胞化
c.正
d.誤:境界明瞭で被膜を有し、膵管癌とは鑑別可能
e.誤:基本的に充実性の増殖

76.解答  a,c
a.正
b.誤:後腹膜臓器である
c.正
d.誤:後腹膜臓器である
e.誤:S状結腸間膜外葉は後腹膜に癒着していることが多い

以上73〜76は谷口尚範会員(神戸大学)

77.解答   b,c
a. 誤:神経芽細胞腫は43〜46% で副腎由来であるが、副腎皮質ではなく副腎髄質から発生する。
b. 正:石灰化は 50〜80%の神経芽細胞腫で認められる。
c. 正:MIBG シンチグラムにおける abnormal uptake は神経芽細胞腫の診断において信頼の置ける検査法である。(Sensitivity 82%, Specificity 88%)
d. 誤:神経芽細胞腫は小児の固形腫瘍としては最多であるが、腹腔内ではなく後腹膜腫瘍であることが多い。
e. 誤:神経芽細胞腫の造影パターンに関する報告は少ないが、非特異的で不均一な造影パターンを呈する hypevascular tumorであることが多い。

78.解答   b,c
a. 誤:右腎動脈は下大静脈の背側にある
b. 正:動脈相にて腎皮質から造影され、髄質は遅れて造影される。
c. 正:T1 強調像では皮質は髄質より高信号となる。
d. 誤:T2 強調像にて肝臓は腎より低信号に描出される。
e. 誤:副腎は perirenal space にある臓器であり、Gerota 筋膜の中に存在する。

79.解答  c,(a ?)
a. 誤?:T2強調像にて線維成分の増生を反映して低信号を示すことが多いが、炎症などによる浮腫が強い症例では信号上昇を伴う症例がある。
b. 正:尿管周囲や尿管の走行部に病変がある場合は水腎症・水尿管症を併発する。
c. 誤:典型的には病変は尿管周囲に生じるため、外側に圧排するのではなく、尿管を巻きこんで水尿管症を起こす。しかし、大動脈の周囲に病変が生じる場合は、尿管 が外側に圧排されることがないわけではない。
d. 正:後腹膜線維症の 1/3 は続発性である。原因として、薬剤・悪性腫瘍・外傷・手術・大動脈瘤・放射線治療などがあがる。
e. 正:後腹膜線維症は他の器官の硬化性病変と合併することが知られている(multifocal fibrosclerosis)。自己免疫性膵炎の他に硬化性胆管炎、硬化性縦隔炎、Riedel 甲状腺炎などがある。
非常に難しい問題である。おそらく、b、d、eは明らかに正しいと思われるので、出題者の意図はa,cを選ばせるようというものだと思われる。尿管が外側に圧排されることは比較的稀だと思われるので、Cを選ぶのは問題ないと思われる。しかし、急性期の後腹膜線維症はしばしば高信号を呈するものの、時間の経過した病変は典型的には低信号を呈するため、これを誤りとするのは難しいと思われる。

80.解答  c
a. 正:子宮体癌は子宮内膜由来の悪性腫瘍であり、進行した体癌患者の MRI では子宮内腔に腫瘤を形成する。
b. 正:莢膜細胞腫はエストロゲンを産生することが知られており、子宮内膜が肥厚することがある。
c. 誤:子宮内膜症は異所性に子宮内膜組織の増生が見られる病態であり、内膜自体には変化は認められない。
d. 正:タモキシフェン投与治療を受けている患者はポリープ、増殖症、体癌などの内膜病変の発生率が上昇する。
e. 正:顆粒膜細胞腫は b. の莢膜細胞腫と同様エストロゲンを産生する。他にエストロゲンを産生する腫瘍として稀ではあるが転移性卵巣腫瘍などがある。

81.解答  b
術前画像診断において癌が前立腺内に限局しているか (T2以下) 被膜を越えて前立腺外に浸潤しているか (T3 以上) を鑑別することは重要な意味をもつ。被膜外浸潤がある場合は潜在的に転移の確率が高くなり予後が悪く手術適応からはずれ放射線治療を選択する傾向にある。
a. 誤:外科系被膜は外腺と内腺の間に認められる低信号を示す構造物であり、同部への浸潤を来しても T2 stage
b. 正:精嚢浸潤は T3b stage
c. 誤:前立腺部尿道浸潤は前立腺内に限局しており、 T2 stage
d. 誤:射精管は中心域を貫通する構造物であり、T2 stage
e. 誤:前立腺内多発病変は前立腺内に限局している限りは T2 stage

以上77〜81は梅岡成章会員(京都大学)

82. 解答  c
a. 正:境界が明瞭であれば筋腫を、不明瞭であれば腺筋症を示唆する所見。
b. 正:典型的な腺筋症は、T2強調画像で,junctional zoneの肥厚(あるいは不明瞭)と称される境界不明瞭な腫瘤として観察される。
c. 誤:基本的に、典型的な筋腫や腺筋症はT2強調画像で低信号を示す。このため、T2強調画像での低信号は鑑別に役に立たない。
d. 正:病変が限局していれば筋腫を、限局していなければ腺筋症の可能性をより疑う。
e. 正:T1強調画像の点状の高信号は腺筋症を示唆する所見(異所性内膜からの出血を反映)。

83. 解答  d
a. 誤:たとえば細いstlakで繋がった粘膜下筋腫に対しては、施設によっては、UAEよりも子宮鏡下による切除を選択するところもあると思われるが、そうでない粘膜下筋 腫であれば、むしろ漿膜下筋腫や筋層内筋腫と比較して治療効果が高いとされて いて、UAEのよい適応。
b.c. 誤:極端な例でいえば、大きな漿膜下筋腫やヒアリン変性に陥った筋腫が単独に認められるような場合では、UAEよりも核出のほうが確実(ヒアリン変性した筋腫に UAEは効果なしと思われる)と考えられるが、多発する筋腫に漿膜下筋腫やヒアリン変性した筋腫が混ざっている状態なら、これをUAEの適応外とすることはないと思う。
d. 正:そもそも肉腫の術前診断が難しいのだが、(子宮全摘しても再発の可能性のある)肉腫が疑われてしまう場合にUAEを行うのはもっての外と思われる。
e. 誤:子宮腺筋症に対しても一部の施設ではUAEは施行されており、治療の初期効果は高いようである。したがって、腺筋症を合併しているからといって、UAEの適応外にはならない。

以上82〜83は嶋田 謙会員(取手協同病院)

84.解答  d
a. 正:肝動脈のTAE後に胆管が壊死を起こし、bilomaを形成する合併症が報告されている。
b. 正:TIPSでは被膜外への穿孔、肝動脈損傷、肝外門脈穿刺による出血が起こる危険性がある。
c. 正:血栓融解術による急激な血流再開に伴い出血が起こる危険性がある。
d. 誤:B-RTOは門脈-体循環短絡を閉塞し、肝性脳症は改善する。B-RTOは肝性脳症の治療としても施行される。
e. 正:脳動脈瘤の塞栓術においてはコイルの偏位・逸脱などにより脳梗塞が生じる危険性がある。

85.解答  a、b、c? (a,cは明らかな誤りなので、2つとすると解答はa,cとなるか?)
a. 誤:広基性の動脈瘤はコイルの逸脱による母動脈の閉塞や、コイルが血流に乗り末梢血管を閉塞する危険性があり、良い適応とはいえない。
b. 誤:硬膜動静脈瘻に対する血管内治療では経動脈、経静脈もしくは組み合わせるかは病態などにより異なり、経静脈塞栓術が必ずしも第一選択となるとは限らない。
c. 誤:閉塞性動脈硬化症による腸骨動脈閉塞例に対しては、バルーンカテーテルによるPTA単独ではうまく拡張できないことがあり、そのような場合はしばしばステントが併用される。手技としては、閉塞部をガイドワイヤーにて貫通後、バルーンカテーテルにて拡張を行い、その後ステントを留置する。
d. 正:FMDは腎血管高血圧の原因の一つであり、若年者に多い。腎血管性高血圧を呈する動脈硬化症、大動脈炎症候群に比して、FMDに対するPTAの治療成績は良好で良い適応と考えられる。
e. 正:純エタノールによる動脈塞栓では毛細血管レベルまでの広範な塞栓が可能であり、側副血行路の発達を防ぐ。

以上84〜85は丹羽 徹会員(神奈川県立がんセンター)

86.解答  C
a. 誤:6.01時間 
b. 誤:72.9時間 
c. 正:13秒
d. 誤:78.3時間 
e. 誤:13時間

87.解答  e
a. 正:RIAの原理で標準曲線を作成して濃度の読みとりをおこなっている。
b. 正:放射性免疫測定法。抗原濃度を測定する方法。
c. 正
d. 正:抗体中に種々の濃度の標準品を添加して定量刺た時、添加した標準品の回収された割合をみる試験。
e. 誤:RI画質改善処理に用いられる画像処理。線々源がX方向に関数は線広がり関数といいその半値幅をいう。

88.解答  a
a. 正
b. 誤:中性子数は1つ減少
c. 誤:質量数かわらず
d. 誤:質量数かわらず
e. 誤:x線は電磁波の一種。高速の電子が原子に衝突して発生。原子と原子核  は異なる。

89.解答  c.d
a. 誤
b. 誤
c. 正
d. 正
e. 誤

90.解答  d
a. 正
b. 正
c. 正
d. 誤:副腎髄質シンチグラフィーは131I-MIBG. 131I-アドステロールは副腎皮質シンチグラフィー
e. 正

以上86〜90は福田有子会員(兵庫医科大学)

91.解答  d
a. 誤:難治性部分てんかんで外科切除が必要とされる患者に使用する。
b. 誤:虚血性心疾患による心不全患者で、心筋組織のバイアビリティ診断が必要とされる患者に使用する。ただし、通常の心筋血流シンチグラフィで判断困難な場合に限るものとする。
c. 誤:他の検査、画像診断によりこれらの癌の存在を疑うが、病理診断により確定診断 が得らない患者。他の検査、画像診断により病期診断、転移・再発の診断が確定できない患者に使用する。
d. 正:サルコイドーシスにFDGは集積し、診断や経過観察に関する有用性の報告もあるが、保険適用疾患ではない。
e. 誤:他の検査、画像診断によりこれらの癌の存在を疑うが、病理診断により確定診断が得らない患者。他の検査、画像診断により病期診断、転移・再発の診断が確定できない患者に使用する。

2002年4月の保険収載で定められた適応疾患は、てんかん、虚血性心疾患と特定の悪性腫瘍(肺癌、乳癌、大腸癌、頭頚部癌、脳腫瘍、膵癌、悪性リンパ腫、転移性肝癌、原発不明癌、悪性黒色腫)であり、さらにそれぞれ「他の検査、画像診断により病理診断転移・再発の診断が確定できない場合」といった一定の要件が規定されている(保医発0227001号)。食道癌、婦人科癌や、不明熱、サルコイドーシス、アルツハイマー病などの疾患についても有用であるとの報告は多いが、2004年10月現在、保険は適用されない。

92.解答 b
a. 正:123I-NaIは経口投与後、大部分が甲状腺に取り込まれるが、一部は唾液腺や、胃腺、乳腺にも摂取される。
b. 誤:99mTc-MIBIは心筋シンチグラフィ製剤として使用される。脳腫瘍を含む腫瘍の診断 に有用とする報告は多数あるが、脳血液関門を通過しないMIBIは正常脳には集積しない。
c. 正:18F FDGはブドウ糖と異なり、尿細管での再吸収を受けないため、尿中に排泄される。
d. 正:67Gaはトランスフェリンと結合し、一部は肝に取り込まれ、生理的集積となる。
e. 正:99mTc-HMDPは静注後約2時間で、約50%が腎から排泄され、膀胱は生理的集積として描出される。

93.解答  b,e
a. 誤:消化管から吸収されない99mTc-DTPAや99mTc-スズコロイドなどが胃通過時間測定に用いられるが、この検査自体に保険は適用されない。
b. 正:201Tlは脳腫瘍を含む腫瘍性疾患の他、各種心臓疾患、副甲状腺疾患に適用される。
c. 誤:123I-IMPは静注後初回循環で肺に集積し、腫瘍など肺疾患の診断に応用される場合もあるが、保険適用疾患は脳血流シンチグラフィのみとされる。
d. 誤:99mTc-DTPAをネブライザーで0.5〜2ミクロン程度の粒子にエアロゾル化し吸入させ、種々の肺疾患の診断に用いる方法があるが、99mTc-DTPAの保険適用疾患は腎シンチグラフィによる腎疾患の診断のみとされる。
e. 正:一般的に使用されており、保険も適用される。

94.解答  c,d
a. 誤:「廃棄物処理及び清掃に関する法律」で、放射性物質および放射性物質に汚染されたものは集荷対象から除外されており、放射性物質を投与された患者のおむつ等の医療廃棄物から放射線が検出されると産業廃棄物業者に引き取りを拒否されることになる。汚染されたおむつは、日本核医学会などが発行している「放射性医薬品を投与された患者のオムツ等の取扱いマニュアル(核医学41, 157-162, 2004)」に従い、バックグランドレベルを超える放射線が検出されないことを確認してから廃棄する必要がある。永久保管する必要はない。
b. 誤:患者の線量を低減するためのあらゆる努力は払うべきであるが、核医学検査を含め医療被曝に対する線量限度は設けられていない。
c. 正:医療法施行規則第28条の2で定められている。
d. 正:医療法施行規則第30条の23で定められている。
e. 誤:医療法施行規則第30条の14で、「診療用放射性同位元素又は放射性同位元素によつて汚染された物の廃棄」は「廃棄施設」で行うよう定められており、未使用の放射性医薬品もこれに該当すると考えられる。

95.解答 b,e  
a. 誤:64×64、あるいは128×128が主流となる。
b. 正:設問がややあいまいであるが、検出器が多い分、短時間に多方向から撮像でき、経時的に変化する脳血流や心筋のSPECTには有用である。
c. 誤:寝台の回りを検出器が回転する。
d. 誤:人体を均一な吸収体と仮定し、一定の減弱計数に基いて吸収係数分布を便宜的に構成する方法などが一般的に用いられる。γ線を外部線源として使用する方法もあ るが、法的な制限があり一般には行われない。近年X線を外部線源とするいわゆるSPECT/CT装置が承認、販売され、これから普及してくると思われるが、現時点では一般的とはいえないであろう。
e. 正:2検出器型のカメラからコリメーターを外し、同時係数回路を装備することでポジトロン核種についても撮像が可能である。

以上91〜95は山根登茂彦会員(総合大雄会病院)

96.解答  e(d?)
a. 正:視覚領域は後頭葉にある。
b. 正:TIAでは通常の脳血流SPECT上多くは異常を認めないが、半球全体あるいは一部の領域での血流低下(わずかな左右差)として描出されることがある。アセタゾラミド負荷試験にて脳循環予備能低下領域が描出された場合は脳血管造影またはMRAを行えば内頸動脈など主要動脈の狭窄が高率に認められる。
c. 正:動脈血採血を行わない簡便法として、脳の各部位に関心領域を求めて放射能比を求める比率法といわれる相対的定量法が用いられている。
d. 正?:脳炎では、急性期で99mTc-HMPAO、123I-IMPで高集積となり、慢性期では血流は正常に戻るが、脳萎縮を来すと血流は低下する。ただし、99mTc-ECDでは急性期で病変部が高血流でも集積しないため欠損像となり、病変の回復に伴い正常化する。この設問ではどの時期のものかわからないが、一般的に急性期のことと考えれば解答は正解とすべきか。
e. 誤:てんかん発作間欠期にfocusが血流低下、発作時に血流増加としてみられることがあり、てんかんのfocus検出に役立つ事がある。

97.解答  c
a. 正:201Tlは一価の陽イオンでカリウムと同様の挙動を示す。静注後はその時の血流量に比例して速やかに血管外へ染み出し、心筋細胞内にNa-Kポンプにより能動的に摂取する。
b. 正:123I-MIBGはノルアドレナリンの誘導体で、投与後その大部分は心臓の交感神経終末に能動的に摂取され、その後神経末端より放出される。
c. 誤:側鎖脂肪酸にヨード標識を行った脂肪酸代謝製剤である123I-BMIPPは、心筋の脂肪酸代謝を見ることで障害心筋を早期より検出することができる可能性がある。
d.e. 正:99mTc標識した心筋血流製剤として99m Tc-MIBIおよび99m Tc-tetrofosminがある。

98.解答  b,d
a. 正:stripe signは、血流欠損部と肺外表の間に帯状の正常集積を認めることをいう。
b. 誤:多方向撮影やSPECTは81mKrでは可能であるが、133Xeでは不適であり一般に後面像のみ撮像する。
c. 正:肺塞栓のシンチグラフィ診断では、区域性ミスマッチ欠損所見(血流欠損または低下部で、換気シンチグラムと胸部X線写真は正常)を認める事が必要である。
d. 誤:肺血流シンチでは血流低下としてみられる。肺血流シンチの方が、ガス換気シンチよりもその異常を顕著に描出する。
e. 正:静注直前に注射筒を静かに転倒させ、内容をよく混和させた後、数呼吸に渡ってゆっくり注射し、最後に生理的食塩水でフラッシュする。99mTc-MAAの凝集塊形成を防ぐ為、血液と混和させないように注意する。

99.解答  c?,e
a. 誤:555-740MBqを静注し、3〜4時間後に撮像するのが一般的である。
b. 誤:単純X線写真上は受傷後10〜12日後でないと異常所見を示さないが、シンチグラフィでは受傷直後や症状の無い時に既に疲労骨折特有の紡錘状の集積を示す。
c. 正?:骨全体への広範な侵襲により、全身骨全体に集積が上昇し、いわゆるsuper scanを示す。この全身骨の集積亢進を反映して、腎尿路系の描出劣化を来す事がある(abscent kidneyという)。しかし、描出劣化を来すだけであり、“描出されない”というのは間違いである。この設問の場合は誤りとすべきであろう。
d. 誤:Three-phaseでの撮影の場合、RI angiographyとして静注直後に1〜4秒間隔で1分間、second phaseとして静注1〜5分後に、通常の撮影として静注3〜4時間後に行う。
e. 正:特に、進行した顔面骨の線維性骨異形成部位については、高度な集積を示すためきわめて特徴的な仮面様集積像を示す。

100.解答  a,c
a. 誤:500MBqまでの投与量の場合は外来で投与できる。
b. 正:妊婦(12〜16週より胎児甲状腺に131I 摂取され、また母体からの放射能により胎児が全身被爆するため)、授乳中の婦人(乳汁中に131I 分泌するため)が禁忌 である。その他、患者の理解や協力が得られないために常に介助や看護が必要な症例についても131I 療法は施行困難である。
c. 誤:甲状腺全摘出後に遠隔転移を来し、その転移巣がヨード摂取能を保っている分化型甲状腺癌(乳頭癌、濾胞癌)患者が最も良い適応となる。
d. 正:骨転移は濾胞癌からの転移が多い。131I は病巣に強く集積するものの腫瘍縮小効果に乏しく、予後不良である。131I 治療効果が芳しくない為に、甲状腺癌骨転移の場合は外部照射、手術、動脈塞栓術、PEITを組み合わせた集学的な治療を行う。
e. 正:投与直後まれに放射線宿酔、唾液腺の腫脹、疼痛を訴えるがまもなく消失する。

以上96〜100は小山孝一会員(大阪市立大学)