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54.解答 b,c
高齢女性の血尿から尿管・膀胱・尿道の異常が疑われます。(a)尿管が著明に拡張し、内部は充実性腫瘍で占められています。頭側は膀胱にも進展しています。
a. × stromal ringとはT2WI横断像で描出される子宮頚部の間質に該当する輪状低信号のことであり、この症例とは無関係。
b. ○ (b)冠状断像で左右腸骨動静脈近傍に腫大リンパ節と思われる軟部組織を認めます。
c. × (c)膣は、拡張した尿道に圧排されています。尿道壁は追え、膣由来とは考えにくい。
d. ○
e. 骨転移は通常T1WIで確認します。与えられたT2WIには明らかな転移は見られません。
悪性尿道腫瘍 60-70代。M:F=1:5 血尿、尿閉、陰部のmass。SCC(70%)、TCC(8-24%)、adeno(18-28%) Radiology
Review Manual 5th p.895
55.解答 d
a. × 内閉鎖筋への浸潤はなさそうです。
b. × 中心域はより頭側と思われます。辺縁域でしょう。
c. × 腫大リンパ節は見られない。
d. ○ 前立腺辺縁域の左側は、右に比べて背側に突出した形状になっています。同部の被膜外浸潤が疑われます。
e. × T2WIでは骨の信号は不均一に見えますが、これだけではmetaとは言えません。脂肪抑制CET1WIで明らかな増強なく骨metaはなさそうです。
前立腺癌 T2WIで通常高信号の辺縁域に低信号の腫瘤として描出される。ただし、辺縁域由来は70%で、他、移行域20%、中心域10%もある。被膜外浸潤の指標として、直腸前立腺角の消失、神経血管束の非対称、精嚢がT2WIで低信号が挙げられる。Radiology
Review Manual 5th p.939
56.解答 d
60歳とすると著明に腫大した子宮です。子宮体部の恐らく筋層に巨大な腫瘤を認めます。境界は比較的明瞭で、頚部の筋層にも膨隆したような形状をしています。
a.× T1WIで内部が不均一な高信号を示し、T2WIではケミカルアーチファクトが認められます。脂肪抑制CET1WIでは辺縁あるいは子宮筋層が強く増強されており、内部はT1WIで低信号の部分が増強されています。
b.× 同定できます。
c.× 境界は比較的明瞭であり浸潤傾向は強くない。
d.○
e.×
子宮脂肪筋腫(0.8%) 筋腫のspecific typeのひとつ。他にmyxoid leiomyoma、intravenous
leiomyomatosis、benign metastasizing leiomyoma、diffuse leiomyomatosis、peritoneal
disseminated leiomyomatosisがある。Radiology Review Manual 5th
p.1062
57.解答 C
子宮体部を2つ、頚管を2つ認めます。膣のレベルは描出されていませんが、膣も2つあれば、完全重複子宮。膣が1つならば中隔子宮。
a.○
b.○ 20-25%.
c.× 右の頚管内の高信号。
d.○ 内膜の高信号、junctional zoneの低信号、筋層の中等度信号は保たれています。
e.○ 内膜は生殖器年齢では肥厚とは言えない。異常信号も認めない。
ミューラー管癒合異常 0.1-3%。不妊症の9%。Class 氈`、に分類される。
Radiology Review Manual 5th p.1060
以上54〜57は徳田由紀子会員(国立病院機構大阪医療センター)
58. 解答 a, c
画像所見:腹部単純CTでは、肝右葉が萎縮し、左葉が代償性に腫大し、脾腫も認められる。肝表の凹凸が目立ち肝硬変の所見で、肝内には限局性の低吸収域が散見され、肝S7やS6には被膜下にも低吸収域が認められる。肝表から左横隔膜下腔にはやや高吸収を呈する腹水が認められる。
診断プロセス:C型肝硬変と多発肝細胞癌に対してTAEが繰り返されており、ふらつきを主訴に救急外来を受診するほど重篤な状態と思われた。ふらつきの原因として肝性脳症も考えられ、まず内科的治療(ラクツロース、カナマイシンなどの内服や分岐鎖アミノ酸製剤の投与など)が施行される。今回は、経過から肝細胞癌の破裂による血圧低下や重症な貧血がふらつきの原因と考えられ、CTで認められた腹水は血性と考えられる。
その他:通常、肝細胞癌の破裂に伴う腹腔内出血は、肝表に突出した肝癌からの出血が原因とされる。破裂した肝細胞癌が画像上確認できれば、手術で切除も可能であるが、通常肝動脈塞栓術が選択される。しかし、血管造影で破裂部位からの造影剤の血管外漏出が認められることは比較的少なく、20%程度と報告されている。CT検査で、出血の分布や肝表に突出する腫瘤を確認し、さらには造影CTで造影剤の腹腔内漏出の有無や門脈の開存状況を把握することは大切なことである。肝細胞癌の破裂症例ではショック症状を呈するものもあるが、臨床的に貧血(ヘモグロビン低下)症状しか認められない場合もある。
59. 解答 b, c
画像所見:C型肝硬変患者の造影CT早期相(図A)で、肝S8被膜下に比較的均一に濃染される腫瘍が認められる。総肝動脈造影(図B)では造影CT像と比較して、A8末梢の腫瘍濃染が弱い。また肝動脈からのCTA(図C)でも、腫瘍内側の被膜しか造影されておらず、何らかの側副血行の関与が疑われる。
診断プロセス:肝S8被膜下に認められる腫瘍への側副血行路には何が考えられるのかがポイントである。肝被膜下の腫瘍への側副血行路として、下横隔動脈や内胸動脈、肋間動脈、大網動脈などが有名で、病変の存在部位からこれら血管の関与が疑われる。他には、肝下縁の腫瘍には、腎皮膜動脈や副腎動脈からの栄養血管が、胆嚢床部に近接する腫瘍では、胆嚢動脈からの栄養血管が認められることがある。
60. 解答 a, c
画像所見:腹部単純CT(図a)で、左後腹膜腔に高吸収を呈する血腫が認められ、腎周囲脂肪織の吸収値が上昇している。高吸収血腫内には低吸収域が認められ、腎盂・腎杯などの損傷を合併している可能性がある。腹部大動脈造影(図b)では、左腎下極に造影欠損部が認められているが、左腎動脈茎部に明らかな血管損傷は認められない。選択的な左腎下極の動脈造影(図c)では、血管外漏出が認められる。画像からは、左腎下極の深在性損傷と診断できる。
診断プロセス:画像所見から左腎下極の深在性損傷と診断される。IVRを用いた経カテーテル的塞栓術で循環動態を安定させることは有効な治療法の一つである。本症では、動静脈瘻の合併がないことから、塞栓物質としてスポンゼルや金属コイルが選択可能である。深在性損傷では、塞栓後尿路系からの感染を合併することがあるため、塞栓術後血腫除去術が必要になる場合もある。
その他:日本外傷学会分類ではI 型(被膜下血腫)、II 型(表在性損傷)では基本的に保存的治療で、III
型(腎茎部血管損傷)では外科的治療が第一選択となるという点ではおおむね意見の一致している。IV 型(深在性損傷)では、controversialな点もあり、外科的治療及び内科的治療が適宜選択される。塞栓術の適応は、外科的手術の適応とならないが保存的に循環動態の安定しない例や、仮性動脈瘤や動静脈瘻による後出血や血尿が持続する場合などである。腎外傷に対する塞栓術で大切なことは(1)腎損傷形態の把握と、(2)複数の腎動脈有無を確認することで、(3)ある程度の腎梗塞はやむをえないが、梗塞範囲を最小限にするよう心がける必要がある。また動静脈瘻症例では、肺塞栓症を起こさないように、塞栓物質の選択を慎重に行う必要がある。また、外科的治療の適応であるが、塞栓術により一時的に循環動態を安定させ、緊急手術を待機手術に変えうる場合も含まれる。CT上、腎茎部損傷がはっきりしないが、腎門部に血腫が目立つ場合には、腎茎部損傷を十分踏まえて対応する必要がある。
以上58〜60は岡田宗正会員(山口大学 放射線科)
61.解答 d
(所見)
腹部単純CTでは右副腎は結節状に腫大し、内部濃度は筋肉よりわずかに低めに見える。一部に粗い石灰化を伴っている。副腎皮質シンチグラムでは肝への生理的な淡い集積に重なって結節状の強い集積が右副腎に相当して認められる。左副腎の描出は認められない。
(診断プロセス)
副腎皮質シンチグラムの正常像では左右の副腎が描出されるが、本症例では対側の描出を伴わない病側の副腎への集積亢進が認められており、フィードバック抑制を伴った機能性腺腫の集積パターンを示している。
a:正しい。肝が右側に認められており後面像であることが分かる。
b:一般論として正しい。
c:正しい。機能性腺腫からのホルモン分泌亢進によりフィードバック抑制がかかっているためACTH分泌は低下し、副腎皮質シンチグラムで左副腎が描出されないものと推測される。
d:可能性としては考えられるが、左副腎について悪性腫瘍を疑わせる所見は示されていない。
e:正しい。集積パターンからまず最初に考えられる。
62.解答 a
(所見)
プラナー後面像では左腎の下極に集積低下部の存在が疑われ、SPECT像で見ると下極の他上極にも集積低下部の存在が疑われる。右腎ではプラナー後面像で下極及び上極寄りに軽度集積低下部の存在が疑われ、SPECT像では上極の集積が軽度低下して見えている。(プラナー後面像とSPECT像で左右の腎の位置が異なっていることに注意が必要)
(診断プロセス)
a:腎静態シンチグラフィでは99mTc-DMSAの静注2時間後以降に多方向から撮像を行うのが一般的。経時的な撮像は普通行われない。一方、腎動態シンチグラフィでは静注時から経時的に撮像(ダイナミック撮像)が行われる。
b:正しい。腎静態シンチグラフィに通常使われるのは99mTc-DMSAであり、主として腎皮質に集積する。腎盂への排泄もわずかに見られるが放射能が低いため、画像上は集積欠損部として認められる。
c:正しい。プラナー後面像では上極の集積低下は明らかではないが、SPECT像では上極と下極に集積低下部があるように見えている。
d:多分正しい。画像の表示条件が示されておらず腎への集積の程度を判断するにはやや問題があるかもしれないが、腎外のバックグラウンドとのコントラストは非常に明瞭であり、腎皮質の機能容積は良好に保たれているものと推測される。
e:多分正しい。提示された腎静態シンチグラムが直接膀胱、尿管逆流現象を証明しているわけではないが、集積低下として見られる腎の実質障害や瘢痕化の原因として小児では膀胱、尿管逆流現象が背景となっていることが多い。
63. 解答 b
(所見)
腹部に不規則な形の著明な集積増加部を認める。縦隔にも結節状の集積増加部が2カ所ほど認められる。左顎下部の集積が右に比べ左でやや強いが異常かどうかは不明。骨髄の描出がやや目立つが異常かどうかは不明。その他に明らかな異常集積は認められない。
(診断プロセス)
a:一般論として正しい。
b:誤り。上咽頭部には明らかな異常集積は認められない。
c:正しい。
d:正しい。
e:正しい。
64. 解答 b
(所見)
負荷時像で前壁〜心尖に集積低下が見られ、安静時像では低下が少し目立たなくなっている(99mTc製剤で言うところの不完全なfill
inあり、201Tlで言うところの不完全再分布あり)。
(診断プロセス)
a:一般論として正しい。
b:誤り。短軸断層像は輪切りの断層像であり、中央部に見られる集積低下は左室内腔である。提示されている短軸断層像では心尖側は含まれていない。
c:正しい。
d:正しい。
e:正しい。
65. 解答 bとe
(所見)
負荷時像で側壁に集積低下が見られ、安静時像では低下がほとんど認められなくなっている(99mTc製剤で言うところのfill
inあり、201Tlで言うところの再分布あり)。
(診断プロセス)
a:誤り。心筋血流製剤としては通常用いられるのは99mTc-MIBI, 99mTc-tetrofosminあるいは201TlClである。99mTc-MAAは肺血流シンチグラフィに用いられる製剤である。
b:正しい。
c:誤り。虚血病変ありと考えられるのは側壁(回旋枝領域)である。
d:誤り。左前下行枝領域(中隔〜前壁〜心尖)に明らかな集積低下は認められない。
e:正しい。負荷心筋血流シンチグラフィでは側壁(回旋枝領域)の虚血所見が見られており、再狭窄が疑われる。
以上61〜65は行廣雅士会員(国立国際医療センター)
66.解答 b
両側腎臓の描出がほとんど認められず、腎不全の患者と推測される。このような患者で左上腹部の骨外集積が認められた場合、胃の異所性石灰化を考える必要がある。したがって、解答はbの慢性腎不全と思われる。
67.解答 b, e
37歳の肺癌患者の縦隔への放射線治療後の骨シンチグラムである。胸椎に集積低下が認められるが、放射線治療後による変化と思われる。胸骨体部の遠位は集積が高いが縦隔への照射による相対的なものである。左腸骨の集積亢進は骨転移と思われる。Super
Scanは、多発骨転移による腎集積の欠損を示唆するが、この症例では両側腎臓の集積は認められるため、Super Scanとはいえない。したがって解答はb,
eである。
68.解答 a, e
悪性リンパ腫患者のガリウムシンチグラムである。右腋窩および骨盤内右側と右鼠径部に異常集積を認め、悪性リンパ腫を示唆する所見である。ただし骨盤の異常集積については厳密には追加検査を要する。縦隔と肝臓の取り込みは生理的集積である。したがって解答はa,
eである。
69.解答 b
甲状腺癌放射性ヨード内用療法後のシンチグラムである。頚部に131Iの著明な集積が認められその周囲に6方向に放射状のアーチファクトが認められる。スターアーチファクトと呼ばれるアーチファクトで、131Iのガンマ線のエネルギーが高いため、コリメータの隔壁を貫通して通り抜けて生じる。コリメータの格子の形や並び方で変化する。したがって解答はbである。
70.解答 b,c
副甲状腺機能亢進症患者の99mTc-MIBIシンチグラムである。早期像(10分)で甲状腺左葉上極に一致して異常集積が認められる。後期像(120分)では同部位に洗い出し遅延が認められる。副甲状腺左上腺の腺腫あるいは過形成が示唆されるが、このシンチグラムだけからでは甲状腺左葉上極の腫瘤性病変の存在は否定できない。したがって解答はb,cである。
以上66〜70は荻 成行会員(東京慈恵会医科大学)
71. 解答 b
99mTcO4-を投与した場合、正常では顎下腺は10〜15分、耳下腺は20〜30分を中心に集積が高く、以後減少する。舌下腺は通常描出されない。
本症例では両側の顎下腺、耳下腺とも明らかな集積が認められず、シェーグレン症候群による集積低下と思われる。
唾液腺腫瘍はWarthin腫瘍では陽性像を示して排泄は遅延するが、それ以外の腫瘍では欠損像を呈する。
唾石症では唾液腺分泌刺激にて反応が見られず、99mTcO4-の停滞・貯留を示す。再発性顎下腺炎を合併していることが多く、障害顎下腺は集積増加を示す場合が多い。
72. 解答 a、d
出血シンチに用いられる薬剤は99mTcコロイド(スズコロイドもしくはフィチン酸)、99mTc
-赤血球、99mTc-DTPAヒト血清アルブミンがある。
99mTcコロイドは正常例では肝、脾、骨髄のみが描出され、99mTc -赤血球、99mTc
-DTPAヒト血清アルブミンでは心、腹部大動脈、下大静脈、肝、脾、腎が描出される。
データ収集はコロイド法では1分ごとに30分間、99mTc -赤血球、99mTc-DTPAヒト血清アルブミンでは60分間行うが、後二者の場合、この時間内に出血巣を検出できない例でも引続き繰返して検査を行うことができる。
以上の点から本症例では99mTc -DTPAアルブミンを使用しているものと思われる。
24時間後像では膀胱近傍と、上行〜横行結腸・回盲部にRI集積が認められる。おそらく回盲部に出血点があるものと推察されるが、正面像のみでは直腸出血との鑑別は困難である。(出題者は「こういう場合には側面像を撮像しなさい」と言いたいのでしょう。)
73.解答 b、e
造影CTでは右肺動脈に血栓が認められ、肺血流シンチグラムでは右上葉の一部を除いて集積欠損となっている。画像Bは前面像と思われる。
換気シンチグラムでは明らかな欠損像は認められず、換気ー血流ミスマッチである。
ストライプサインとは、肺気腫等の慢性閉塞性肺疾患において肺区域に一致しない限局性・多発性島嶼状血流欠損部の辺縁に見られる帯状の血流残存領域のことを指す。肺塞栓症ではほとんど認められない。
74.解答 e
アルツハイマー病(AD)のFDG-PET所見:糖代謝低下は軽症ADでは後部帯状回、楔前部、側頭頭頂連合野より始まる。進行するにつれ前頭連合野も低下していく。ここで橋、一次感覚運動野、一次視覚野、線条体、視床は比較的温存される。
本症例でもこれと一致した所見が認められ、進行したADとして矛盾ない像である。
75.解答 c、d
肝S5に星芒状中心瘢痕(central stellate scar)を伴う濃染性腫瘤が認められ、限局性結節性過形成(FNH)と思われる。99mTcスズコロイドや胆道シンチグラムで取り込みが認められることはあまりにも有名で、本症例でも30分後及び120分後像で集積が認められる。
胆道シンチグラムの正常像は静注3〜5分後に肝、10〜20分で胆嚢・総胆管、10〜60分後に腸管への排泄が認められる。60〜90分後には肝陰影は菲薄となり、胆嚢と腸管は明瞭に描出される。
30分後像で左側腹部に見られる集積は腸管で、異常集積ではない。
以上71〜75は鈴木康徳会員(神戸掖済会病院内科)
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