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1.解答 b
放射線業務従事者は、6か月以内ごとに1回、一般労働者と同じ検査項目(医師が必要でないと認める時に省略できる項目6項目あり、ただし問診は省略不可)について、定期健康診断を行うように定められている(労働安全衛生法第66条第2項、同施行令第22条、同規則第45条)。血液及び皮膚の検査については、初めて管理区域に立ち入る前の健康診断では必ず行い、管理区域に立ち入った後の健康診断ではこれを医師が必要と認める場合に限り行うこととし、眼の検査については、全ての健康診断において医師が必要と認める場合に限り行うこと(放射線障害防止法関係法令の改正、平成12年10月官報掲載、平成13年4月1日施行)。
2.解答 b
放射線業務従事者の教育訓練の項目は下記の通り。
(1)放射線の人体に与える影響
(2)放射性同位元素等または放射線発生装置の安全取扱い
(3)放射性同位元素および放射線発生装置による放射線障害の防止に関する法令
(4)放射線障害予防規定
3.解答 b
2001年4月にICRP1990年勧告(Pub.60)を受けて線量限度が改定され、5年間に100mSvかつ1年間で50mSvとなった(改定前は年間50mSv)。また、女性に対しては、腹部で3ヶ月13mSvが3ヶ月5mSvとなった。このほか皮膚においては1年間で500mSv、水晶体では1年間で150mSvといった線量限度が定められた。
放射性同位元素とは放射線を発生する同位元素、その化合物および含有物であって、その特性によって第1群から第4群に分類されており、規制の対象となる数量および濃度は、「放射線を放出する同位元素の数量等を定める件」(2000年10月、科学技術庁告示第5号)(以下、「数量告示」または単に「告」という)に定められている(告第1条)。しかし設問にあるように、放射性同位元素の種類ごとに細かく定められているわけではなく、eも誤りではないかと思われるが、確実に違うのはb。
4.解答 e
緊急時には、放射線業務従事者については急性放射線障害を防止し、確率的影響を低減する目的で、医療措置を含む緊急防護措置が想定されている。線量推定としては、熱ルミネッセンス線量計その他物理的な線量推定法や臨床症状からの線量推定法、生物学的線量推定法(血液・血球検査等)が試みられ、被曝線量に応じて必要な医療措置を含めた放射線防護措置がとられる。緊急時には、急性放射線障害の防止が主眼とされており、平常時の放射線防護とは別の防護措置が講じられる。なお、項目aの「被爆」が気になる。
5.解答 c
管理区域は人の被曝管理を目的に、必要な防護システムを適切に要求される区域として設定するものである。管理区域の外側で受ける線量は公衆の線量限度以下に担保されなければならず、病院の開設にあたってはX線診療室の構造設備等を示し許可を受ける必要がある(医療法第21条、医療法規則第20条第7号)。管理区域を「縮小」するという行為は上記の担保がなされなくなる恐れを含むため、許可使用者が許可なく行ってよい性質のものではない。他はいずれも届出でよい。
以上1〜5は田中淳司会員(埼玉医大放射線医学講座)
6.解答 e
自然放射線は場所や条件によってかなり違いがあるが、この問題では指定がないので、世界平均と理解する。世界平均では、人間1人当たり、年間約2.4ミリシーベルトの自然放射線を受けている。その内訳は、日常摂取する食物通じての体内からの照射(a,b):0.29ミリシーベルト、宇宙線など宇宙からくるもの(c):0.39ミリシーベルト、土壌から放出されるもの(d):0.48ミリシーベルト、空気中のラドンなどの吸入によるもの(e):1.26ミリシーベルトとなっている(経済産業省ホームページより)。ちなみに、東京−ニューヨーク間を飛行機で往復すると、1回0.2ミリシーベルト被爆する。
7.解答 e
a. 0.416 MeV
b. 0.38 MeV
c. 0.662 MeV
d. 28 keV
e. 1.25 MeV
8.解答 c
a. 正
b. 正
c. 誤:125Iの半減期は60日
d. 正
e. 正
9.解答 c
a. 誤?: PTVへの線量集中性を高くするため、均一性は犠牲になる?
b. 誤:アイソセンターでの線量
c. 正:IMRTは小照射野の集合体である。照射野効果で小さい照射野の方が単位線量あたりのMU値は増加する。
d. 誤:インターナルマージンとは、呼吸、嚥下、心拍動、蠕動などの体内臓器の動きによる影響を考慮し設定するものであり、IMRT
におけるInternal marginに関する特別な規定は、現在のところない。ちなみに、平成16年度の診療報酬表では、直線加速器による定位放射線治療について、照射中心の固定精度については、頭頚部2mm以内、体幹部5mm以内との規定があるが、インターナルマージンに関する規定はない。
e. 誤?:一般的には、ブラッグ・ピークを有する陽子線のほうが正常組織の被爆は少ないと考えられる。ただし、場合によってはIMRTの方が少ない場合もある?。
10.解答 c?
a. 軽減する
b . 軽減する
c. 軽減しない? 通常の治療の範囲(祝祭日によるものや、数日程度の休止)では、晩期有害事象は軽減しないと考えられる。もちろん、延長の程度によっては、有害事象は軽減する。
d. 軽減する? 照射間隔が短いと組織の修復(SLDR:亜致死障害修復)が不完全になるため,修復不完全で障害が増強する。6時間程度で修復はほぼ終了する、と言われているが、晩期障害の標的となる細胞は修復が遅く、6時間程度の間隔でも修復は不十分との報告もあり、間隔を延長することにより晩期有害事象は軽減すると考えられる。
e. 軽減する。
以上6〜11は鈴木義行会員(群馬大学)
11. 解答 e
照射すべき部位が標的体積(ターゲット)で、ICRUレポート50と62に規定されており、肉眼的腫瘍体積(GTV:gross
tumor volume)、臨床標的体積(CTV:clinical target volume)、ITV(internal
target volume)、計画標的体積(PTV:planning target volume)に分けられる。
(放射線治療計画ガイドライン2004のP.1参照)
12. 解答 d
腫瘍の発育速度は、腫瘍細胞周期時間(cell cycle time)、細胞喪失(cell loss factor)、増殖細胞分画(growth
fraction)、腫瘍の容積倍加時間(potential doubling time)によって規定されている。低酸素細胞の割合(hypoxic
cell fraction)は、放射線感受性に影響する因子である。
(癌放射線治療2002のP.126〜127参照)
13. 解答 e
通常分割照射における正常組織耐容線量の記載(Int J Radiat Oncol Biol Phys 21:109-122,1991)では、脊髄のTD5/5(5年間で5%に副作用を生ずる線量)を5cm〜10cmで50Gy、20cmで47Gyと記載している。(放射線治療計画ガイドライン2004のP.212参照)また、癌放射線治療2002
P.397には照射範囲には言及せず約50Gyとのみ記載されている。
14. 解答 b, c
良性疾患に対する放射線治療後の誘発癌は悪性腫瘍の場合と比較して、明らかに潜伏期間が長い事が全国調査結果から判明している。放射線治療開始時から二次癌発症までの期間(潜伏期間)は、原則として固形癌で5年以上、白血病で2年以上とされている(一次癌と二次癌の組織型、臓器とも同一の場合には潜伏期間10年以上)。潜伏期間の平均は、骨軟骨肉腫で8.5年、白血病で5.6年と酒井らが報告している。新しい全国アンケート調査結果によると、平均潜伏期間は肉腫で14年、癌腫で19.1年である。一次癌として最も多いのは子宮癌で、脳腫瘍、甲状腺癌が続く。二次癌では、組織型として扁平上皮癌が最も多く、骨軟部腫瘍、脳腫瘍が続く。よって肉腫の頻度は明らかに高いが、膀胱癌が有意に増加するという具体的なデータはない。被爆線量と発癌リスクとの関係については、Tuckerらが線量と発癌頻度に相関の見られることを指摘しているが、40Gyの発癌リスクが4Gyの10倍であるという具体的なデータは見当たらない。ただし、被爆線量と発癌リスクとの関係について、一般に直線型、二次曲線型、直線―二次曲線型の3モデルが考えられており、原爆被爆者のデータでは、白血病については低線量で直線―二次曲線型が直線型よりマッチしている。白血病以外の癌では直線型がマッチしているが、直線―二次曲線型も当てはまり区別は難しいとされている。一応直線型で考えると10倍となり、疑問はあるが正と考える。(日本医放会誌第62巻
第1号P.27~および放射線基礎医学P.319参照)
15. 解答 b
分割照射や低線量率照射中には、(1)再酸素化(2)照射後生き残った細胞の細胞周期再分布(3)G2ブロックによる増感効果が認められる。(小線源放射線治療のP.33参照)
以上11〜15は沖本智昭会員(県立広島病院)
16.解答 c
線量の増加を可能にするための工夫には、生物的観点と物理学的観点の2つに大別される。今回の分割法の違いが合計線量に与える影響についてはおもに生物学的観点によるものである。そのため、ここでは、物理学的観点からの工夫は通常の方法によるものとして解答を進める。
a. 通常分割照射法は、1回線量を1.8Gy-2.0Gyとし1日1回、総線量を60〜70Gyくらい施行するのが成人の固形癌の根治照射では一般的である。また、有害事象およびaccelerated
repopulationの観点からこれ以上の線量増加は有益ではないことも一般に知られている。
b. 加速過分割照射法は、1回線量を1.3〜2.0Gyとし1日2回あるいは3回照射し、合計線量は通常分割法と変化させずに、照射期間を短縮させ、照射中の腫瘍の再増殖を抑え、局所制御率の向上を目的とする方法である。よく知られている方法としては、頭頸部癌に対するWang
CCらの1回線量を1.6Gyとし1日2回、総線量64〜67.2Gy施行する方法がある(Wang CC et al., Cancer
55: 2100-2104, 1985)。標準治療となっている方法では、小細胞肺癌に対するTurrisi ATらの報告の1回線量を1.5Gyとし1日2回、総線量45Gy照射する方法がある
(Turrisi AT et al., N Eng J Med 340: 265-271, 1999)。
c. 過分割照射法は、1回線量を1〜1.3Gyとし1日2回照射し、照射期間は変えずかつ晩期有害事象の発生頻度を通常分割法と同程度に抑え、合計線量を安全に増加し、局所制御率の向上を目的とする。代表的な方法としては、頭頸部癌に対してRTOG9003にて用いられた、1回線量を1.2Gy
とし1日2回照射し、総線量81.6Gy施行する方法がある (Fu KK et al., Int J Radiat Oncol
Biol Phys 48: 7-16, 2000)。
d. 小分割照射法は、通常分割照射法よりもかなり少ない合計線量が用いられるのが一般的である。これはα/βを基盤とするBEDの観点から、有害事象の増加が懸念されることや合計線
量に対する生物的抗腫瘍効果は高くなることが予想されるためである。実際の施行例としては、ケロイド手術創に対して電子線による15Gy/3回の治療などがある(放射線治療計画ガイドライン2004:
良性疾患, pp205, メディカル教育研究社)。ただし、近年、三次元原体照射や定位照射などと組み合わされた場合には、高線量の照射が報告されている。RTOG0236では、I/II期非小細胞肺癌に対して60Gy/3回のスケジュールで、臨床試験が進行中である。
e. CHARTとは、 加速化分割照射法のなかに含まれる特殊な方法で、1回線量1.5Gyとし1日3回、12日間連続して照射し、総線量54Gy施行する方法である。
以上より、物理学的観点からの工夫は通常のものとすると、cの過分割照射法となる。
17.解答 d
合計線量が最も小さいのは、前問と同様に、物理学的観点からの工夫は通常のものとすると、dの小分割照射法となる。
18.解答 b
90Srを用いて治療する翼状片が正解となる (b)。90Srは半減期28.78年でβ壊変し、半減期64.1時間の90Yになる。両者は通常放射平衡となっていて、90Srは0.545MeV、90Yは2.28MeV(99.99%)と0.519MeV(0.01%)のβ線を放出する。
19.解答 c,d
単発脳転移 (直径2cm)と脳動静脈奇形 (直径2cm)がよい適応と考えられる。一般に、脳転移は3cm以下がSRSの適応とされているが、これはcommunity
standardによる適応であり、2〜3cm大の脳転移の局所制御率が良好であるとする明確なevidenceはない。2cm以下の脳転移については少数例の報告ではあるが、経過観察期間中央値19.5か月で、90%の局所制御率が得られたとする報告がなされている
(Niibe Y et al., Anitcancer Res 23: 4157-4160, 2003)。
下垂体腺腫は視交叉が近傍にあるため、通常分割照射やSRTを施行するのが一般的である。
肺野型非小細胞肺癌(T1N0M0)に対しては、SRTを用いるのが一般的である。2004年の時点で、本邦ではJCOG0403にて、T1N0M0の非小細胞肺癌に対して、48Gy/4回のSRTの有効性と安全性を評価する第II相試験が進行中である。
20.解答 a
悪性神経膠腫では高齢者や手術遺残例、前頭葉以外の部位に生じた場合にとくに予後が不良である
ことが知られている。
以上16〜20は新部 譲会員(北里大学)
21. 解答 b
放射線科専門医会発行の「放射線治療計画ガイドライン2004」には以下のように記載されています。
a. 約20%
b. 60%程度
c. 約70%
d. 60〜80%
e. 10年生存率90〜95%程度
22. 解答 b
20Gy/10回/2週間が標準線量分割である(「放射線治療計画ガイドライン2004」より)。
23. 解答 a, b
脈絡膜転移は最も一般的な眼の悪性腫瘍であり、その原発巣は大半が乳癌と肺癌である(「放射線治療計画ガイドライン2004より」)。
24. 解答 b, d
・上咽頭癌では後上壁の腫瘍が頭蓋内に浸潤(T4)すれば当然予後は不良であるが、後上壁原発であるから局所制御率が低いということはないと思われる。
・中咽頭癌では前壁(舌根)および後壁原発例の予後が不良であると報告されている。
・下咽頭癌では後壁や輪状後部癌が梨状陥凹癌に比べ予後不良。
・上顎癌では内眼角と下顎角を結んだ線(Ohgrenの線)の前下方のものは予後が良い。
25. 解答 b
a. 正:T1, 2の20〜30%、T3, 4の70〜80%に初診時に頸部リンパ節転移が認められる。また初診時T1,
2N0症例では25〜30%に後発頸部リンパ節転移を生じる。T1,2が主体の組織内照射症例では全体の50%以上で頸部リンパ節転移が生じる。よって○。
b. 誤:舌癌の組織内照射では粘膜潰瘍、下顎骨障害、唾液腺障害が問題となる。ある報告では舌潰瘍は20%程度、下顎骨障害は10%程度生じるとしている。またスペーサーの適切な使用によりこれらの障害をさらに減少させることができ、下顎骨壊死に関してはほぼゼロにすることができるとの報告もある。最も多い晩期有害事象は舌潰瘍と思われる。よって×。
c. 正
d. 正:70Gy/7日が標準である。イリジウム線源では5日から10日のあいだに65Gyから70Gy投与すると記載している本もある。60Gy〜という表現が微妙だが○でよいでしょう。
e. 正:一般的に1面刺入は腫瘍の厚さが1cm以内、2面刺入は1cm〜2cm、立体刺入は2cm以上の場合に用いられる。T1であっても厚さがあれば必ずしも1面刺入とはならないが、通常T1であれば1面刺入が可能な場合がほとんどと思われる。一応○でよいでしょう。
以上21〜25は朝倉浩文会員(香川大学)
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