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6. 正解:a
腹部CTによる胎児の被ばく線量は8.0 mGyと推定されている(ICRP, Publ.62, 84, 87)。流産、精神発達遅延、奇形、小頭症のしきい線量はそれぞれ、100mGy、120-300mGy、100mGy、100mGyと考えられている。また胎児期の被ばくにより統計的に有意な癌の増加がみとめられている線量は10mGyである。ただし、発がんや遺伝的影響に関してはしきい線量は無いと仮定されていることからすれば、どんなに微量な放射線被ばくであっても、線量に応じて発がんや遺伝的影響のリスクは高まると考えなければならない。この問題では、「障害」に発がんや遺伝的影響は含めないものと考えて、正解はaであろう。
7. 正解:bとc
a: 確率的影響にしきい値はない。
b: 遺伝的影響は確率的影響である。
c: 白内障にはしきい線量が存在し、確定的影響である。
d: 放射線による発がんは確率的影響である。
e: 放射線による不妊には男女共にしきい線量が存在し、確定的影響である。一時的不妊のしきい線量は男性で0.15Gy、女性で0.65Gy、永久不妊のしきい線量は男性で3.5-6.0Gy、女性で2.5-6.0Gyである。
8.正解:bとc
a: DNA2本鎖切断は放射線以外の原因でも発生する。
b: DNA2本鎖切断の修復は主に非相同末端結合と相同組換えにより修復される。
c: DNA依存性プロテインキナーゼ(DNA-dependent protein kinase, DNA-PK)は非相同末
端結合に関与する。
d: Bcl-2はアポトーシス抑制に作用し、DNA2本鎖切断修復には直接関与しない。
e: 放射線によるDNA2重鎖切断の修復は照射4-6時間後にほぼ終了する。1時間以内に修復が終了することはない。
9.正解:a
a: 細胞は酸性で熱処理された時の方が致死効果は大きい。
b: 細胞周期ではS期が最も放射線抵抗性である。
c: Tirapazamine (SR-4233)は、生体内還元物質で、低酸素状態で1電子還元を受けてフリーラジカルとなって強い細胞毒性を示す。
d: Amifostineは活性酸素のスカベンジャーとして作用し、放射線防護剤として用いられる。
e:100Sv以上の全身被ばくでは、中枢神経死で死亡する。
10.正解:dとe
a: 一般的には、線量率が低下すると生物効果が小さくなるが、HeLa細胞を含む一部の細胞では、ある線量域(HeLa細胞では0.37 Gy/h)で生物効果が逆に大きくなる現象が観察される。これは、その線量域の放射線により放射線感受性の高いG2期に細胞が集積するためと考えられている。それより高い線量率では放射線抵抗性のS期にも細胞が集積し、また、それより低い線量率ではG2期で細胞周期が止まらないため、放射線感受性は低い。
b: 線維芽細胞では増殖死による細胞死が主である。
c: 低LET放射線では、酸素の存在下では無酸素の時より放射線の生物学的効果は大きくなり、酸素効果と呼ばれる。この現象は高LET放射線では認められないことから間接作用の関与が考えられるが、酸素効果の正確なメカニズムは明らかではない。照射直後に空気中の酸素分圧を0.5mmHgまで下げても一般的には生存率は上昇しないと考えられる。
d: 一定の放射線量を2回に分け、時間間隔を置いて照射した時に細胞生存率が上昇する現象を亜致死障害(sublethal damage、SLD)の修復と呼ぶ。
e: 照射後細胞環境を特定の条件(生理食塩水中での培養や、細胞が密集し増殖が抑制された定常状態での培養)に置くことにより生存率が高くなる現象を潜在的致死障害(potentially lethal damage、PLD)の修復という。ただし、生理食塩水中での培養のように相当極端な低栄養状態でないと放射線感受性の変化はほとんど認められない。
11.正解:c?
設問は明確でなく、解答も条件付になる。「比較できる」の意味が正確ではないし、「分割照射法を比較する」といっても具体的に何を指標にするのか明確ではない。
a: TDFの元になるNSDの値は10回から25回の分割照射において等効果線量を推測する事ができるとされていることから、比較はできない。
b: 週5回で20回照射の場合には、再増殖等も加味しなければならないので単純には比較できない。
c: LQモデルではα/βを知ることは当然重要である。この設問のみが明らかに正しいので、出題者の意図として他は間違いなのであろう。
d: 1回照射と6時間間隔の2回照射であるならば、DNA修復はほぼ終了しているので比較できる。6時間間隔の分割照射であっても、分割回数が多くなれば再増殖等が起こり単純には比較することはできない。総線量が決まっていてその生物効果を比較するのか、正常組織との兼ね合いで2つの照射法を比較するのか、殺細胞効果のみを比較するのか設問の意図が不明である。
e: LQモデルには元来は修復の概念が入っていない。現実的には細胞生存率曲線が肩を持つのはDNA修復によるため、分割照射法をLQモデルから比較するためには修復が終了している状態で比較しなければならない。
12.正解:aとc
a: 高LETでは低LETに比較して酸素効果は小さい。
b: 高LETでは低LETに比較して放射線の間接作用による効果の割合が小さい。
c: 高LETでは亜致死障害(sublethal damage、SLD)の修復や潜在的致死障害(potentially lethal damage、PLD)の修復が小さく、細胞生存率曲線の肩が小さい。
d: 中性子線は高LETであるがBragg peakを持たない。またπ-ではBragg peakではなくstarという。
e: RBEはLETが100-200 keV/μmのところで最も高く、これより高いLETではRBEは逆に減少する。
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21. 解答 e
a. 正:60歳以下と60歳超で分類され、60歳超で1点。
b. 正:血清LDHが高値で1点。
c. 正:Ann Arbor病期III、IVで1点。
d. 正:節外病変の数が2個以上で1点。
e. 誤:血清アルブミン値はIPIに含まれない。残りの1つはperformance statusで、2~4で1点。以上の予後因子を合計し、4段階のrisk group(0 = low risk、1~2 = low-intermediate risk、3~4 = intermediate-high risk、5 = high risk)に分類する。
22. 解答 e?
a. 正:厚生省がん助成金(阿部班)では1回照射を定位手術的照射(stereotactic radiosurgery: SRS)、分割照射を定位放射線治療(stereotactic radiotherapy: SRT)、両者の総称を定位放射線照射(stereotactic irradiation: STI)と定義している。
b. 正:脳幹、視神経、視交叉、視床下部等に接する病変では分割効果(晩期反応系正常組織に対する生物学的効果)を期待して、また3 cmを超える大きな病変はSRSでは投与線量が制限されて辺縁線量が低下するため、SRTが考慮される。
c. 正:病巣の直径が5 cm以内で転移病巣の無い原発性肺癌や3個以内で多病巣のない転移性肺癌は定位放射線治療ができる。
d. 正:聴神経腫瘍、下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、良性膠腫等の良性疾患も治療できる。
e. 誤?:ガンマナイフはコバルト60線源を半球面上に201個並べ、細いビーム状のガンマ線を頭部病巣に一点集中的に照射する装置で、金属フレームを頭蓋骨に直接固定するため分割照射は困難。直線加速器を用いた高精度3次元照射では、非侵襲的・着脱可能な固定具を用いることで分割照射が可能。用語の定義を厳密に適用するとこの選択肢が誤りか?
23. 解答 a, b
a. 正:脳腫瘍の遠隔転移の形式としては髄液を介して起こる髄膜播種が主で、血行性転移は稀。膠芽腫、悪性奇形腫、胚芽腫、上衣腫、悪性リンパ腫等でしばしば発生する。
b. 正:髄芽腫やPNETは高頻度で髄膜播種が認められる。
c. 誤:頻度は少ない。
d. 誤:これも頻度は少ない。
e. 誤:これも低頻度である。
24. 解答 c
a. 正:限局期小細胞肺癌に対する化学放射線療法において、45 Gy/30分割/3週の加速多分割照射は通常分割照射45 Gy/25分割/5週に比べて生存率が改善する。
b. 正:根治的放射線治療の適応であり、腫瘍制御のためには60 Gy/30分割/6週以上の線量が必要である。
c. 誤:放射線肺臓炎の予測因子として20 Gy以上照射される正常肺の体積V20があり、この値が正常肺の体積の40%を超えると致死的な放射線肺臓炎を起こすリスクが高くなる(Graham et al: Int J Radiat Oncol Biol Phys 45:323-329, 1999)。
d. 正:同時性化学放射線療法では急性有害反応が増強され、放射線食道炎や骨髄抑制などの頻度が高くなる。
e. 正:初期治療でCRとなった症例に予防的全脳照射(prophylactic cranial irradiation: PCI)を行うと脳転移率低下、生存率向上が得られ標準治療として推奨されている。
25. 解答 a
a. 正:末梢神経は放射線抵抗性であり、1回大線量照射や総線量が極端に大きい場合を除いて障害の生じる可能性は少ないと考えられる。
b. 誤:特に腔内照射を併用した場合は粘膜面に70 Gyを超える高線量が照射されるため、食道潰瘍の発生頻度が高くなる。
c. 誤:1回線量を高くした場合や、腔内照射を併用した場合に晩期有害事象として生じる可能性が高くなる。
d. 誤:照射野に肺が広範に含まれると時に重篤な放射線肺臓炎をきたすことがある。
e. 誤:根治的照射に伴い胸椎に晩期有害事象として病的骨折が生じることもある。
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26. 解答 b
a:○ 上肢を挙上して接線照射(tilting technique,half field法)を行なう。
b:× 当然乳頭を十分含む照射野とする。
c:○ 腫瘍床へのブースト照射は乳房内再発のリスクを減少する。
d:○ 線源は60Coγ線や4MV,6MVなどのエネルギーのX線が望ましい。
e:○ 照射野の内側縁は胸骨正中線とし、対側乳房を含めない。
27. 解答 a(?)
[解説]
National Cancer InstituteのStageProstate cancerのPDQRでのstanderd treatment optionsでは、1.Radical prostectomy(c) 2.Careful observation(a) 3.External-beam radiation therapy 4.External-beam radiatiton therapy plus androgen-suppression therapy(b,e) 5.Interstitial implantation of radioisotopes(d)となっておりすべて許容されていると思われるが、現実的な回答としては(a)となると考える。
28. 解答 c
[解説]
放射線治療に併用される化学療法のレジメンはシスプラチン単剤もしくはシスプラチン+5-FUが広く用いられている。
29. 解答 d
[解説]
長期的な効果を期待する場合一回線量を2Gy程度とし総線量40-50Gyまで照射する(e)。
また欧米では30Gy, 10分割が良く用いられている(c)。
8Gy, 一回もしくは20Gy, 5分割でも疼痛緩和効果は同等であるとの報告がある(a,b)。
(Radiother Oncol 52: 101-109, 1999., Radiother Oncol 52: 111-121, 1999.)
30. 解答 b
[解説]
放射線治療の開始は手術当日もしくは翌日に開始し、電子線を用い15-20Gy程度照射する。
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