放射線科専門医認定一次試験 解答 31〜80

31. 解答 c.
a. ×
b. ×
c. ○
d. ×
e. ×
Wernicke脳症で頭部MRIにて異常信号を認める場所は、視床内側(第3脳室周囲)、中脳水道周囲、第4脳室底、乳頭体とされる。

32. 解答 d.
a. ×
b. ×
c. ×
d. ○
e. ×
発症12時間以内のSAHはCTで98%程度診断可能とされているが、時間が経過したものはCTでの検出能が徐々に低下する。亜急性期のSAHを比較した報告では、各検査法での検出能は、FLAIR 100%, T1WI 36%, T2WI 0%,単純CT 45%とされている。拡散強調画像では血腫は多彩な信号を示し、また分解能も低いためにSAHの検出能は低い。

33. 解答 e.
a. ×
b. ×
c. ×
d. ×
e. ○
脳腫瘍全国集計調査報告(1984-1993年)によると、下垂体-視交叉部腫瘍の発生頻度(全年齢層)は下垂体腺腫77.1%、頭蓋咽頭腫15.8%、胚細胞腫瘍3.6%、星細胞腫1.2%となっている。小児脳腫瘍(15才以下)での各腫瘍の占める割合は、下垂体腺腫1.7%、頭蓋咽頭腫9.7%、胚細胞腫瘍16.8%、星細胞腫21.8%である。
小児のトルコ鞍周辺部腫瘍の頻度を計算したものは見つけられなかったが、上
記をあわせると、e(頭蓋咽頭腫)の頻度が多いと考えられる。

34. 解答 d
a. × 視神経管
b. × 上眼窩裂
c. × 正円孔
d. ○ 卵円孔
e. × 上眼窩裂
各神経が通過する部位は上記の通り

35. 解答 b,d
a. ×
b. ○
c. ×
d. ○
e. ×
小児の後頭蓋窩腫瘍としては、髄芽腫、上衣腫、星細胞腫(pilocytic astrocytoma, brain stem glioma)の頻度が高いとされる。
脳腫瘍全国集計調査報告(1984-1993年)によると、小脳および第4脳室周囲腫瘍の発生頻度(全年齢層、髄膜腫は除く)は血管芽腫28.1%、髄芽腫21.4%、低悪性度星細胞腫18.1%、上衣腫9.3%、高悪性度星細胞腫8.3%となっている。血管芽腫、髄膜腫は小児ではまれな腫瘍である。

以上、31-35は渡邉嘉之会員(大阪大学)

36. 解答 c
rtPA静注あるいは局所線溶療法の適応を決める際の脳塞栓症の急性期所見の設問と思われる.設問は説明不足ではあるが,放射線科医として知っておくべき知識である.
a. 正:島皮質から基底核が低吸収化し,基底核構造が不明瞭化する.
b. 正
c. 誤:中大脳動脈が高吸収を示し,血栓を示唆することがあり,hyperdence MCA signと呼ばれる.超急性期にはこの所見のみのことがあり,症状との相関が重要である.もちろん中大脳動脈以外の動脈の閉塞時にはこの限りではない.
d. 正:脳梗塞後腫脹が出れば脳溝は狭小化する.
e. 正:脳梗塞巣は血流欠損する.いわゆるペナンブラ領域は血流低下(CBF低下,CBV増加)をきたすが,頸動脈狭窄,頭蓋内主幹動脈狭窄でもこの所見を呈しうる.

37. 解答 a
a. 誤:嚢胞性リンパ管腫 (cystic lymphangioma)と嚢胞性水滑液嚢腫:ヒグローマ(cystic hygroma)は類縁疾患のようである.いずれもpubmedでprussak腔との検索結果は0である.
b. 正:単純性がま腫 (ranula)は舌下腺または口腔底粘膜の小唾液腺の腺管が閉塞し上皮に囲まれた貯留嚢胞をきたしたもの.
c. 正:正中頸嚢胞は別名甲状舌管遺残嚢胞と呼ばれる.先天性頸部病変のうち70%を占める.
d. 正:側頸嚢胞の別名は第2鰓裂嚢胞と言う.下顎角部に波動を伴う無痛性腫瘤として認める.
e. 正:Tornwaldt嚢胞は上咽頭嚢胞と言う.上咽頭正中に見られる嚢胞性病変.通常無症状だが感染を合併することがある.

38. 解答b,d
a. 正:耳下腺腫瘍の80%は良性腫瘍であり,その90%が多形腺腫である.
b. 誤:耳下腺悪性腫瘍は粘表皮癌が最も多い.
c. 正:舌下腺腫瘍の80%は悪性である.
d. 誤:顎下腺腫瘍は50%が良性でその大部分が多形腺腫である.
e. 正:Warthin腫瘍には99mTc04-シンチでの集積があり,レモン果汁などの刺激後にも排出されず描出される.正常部は排出される.

39. 解答 c
a. 正:特徴的ではあるが,特異的ではない.
b. 正:文章のとおり.
c. 誤:間欠性跛行を両者とも認めることは鑑別を困難にするのかもしれないが,皮膚色や血管拍動などを併せれば難しくないのでは? 合併してたら難しいでしょう. しゃがんだら治るのが腰部脊柱管狭窄症で立ち止まったら治るのが閉塞性動脈硬化症.
d. 正:中高年の女性に多い.分離辷り症は50歳以下の男性に多い.
e. 正?:第4腰椎との記載が多い.

以上、36-39は柏木淳之会員(永冨脳神経科病院)

40.解答b, d
a. 頚椎に生じる圧迫骨折の多くは、過屈曲による椎体の楔状骨折である。後方成分のligaments 断裂を伴うこともある。
b. Colles骨折, Smith 骨折ともに骨粗鬆症をともなう高齢者に発生する傾向がある。
c. 大腿骨骨幹部の骨折は外傷性が多い。骨粗鬆症にともなう大腿骨の骨折で多いものは頚部骨折(特に骨頭下骨折)や転子間骨折である。
d. 頚椎と異なり、腰椎の圧迫骨折の原因は骨粗鬆症であり、しかも自然に骨折が起きる傾向にある。
e. 成人の上腕骨遠位部骨折は骨粗鬆症にともなうものではなく、単に外傷性であることがほとんどである。関節面にかかることが多い。小児では顆上骨折としてやはり頻度は高い。

41.解答d
A .骨幹端に生じる。骨悪性腫瘍の多くは細胞分裂の活発な骨幹端に生じると考えてよい。
b. おおくは短管骨髄内、すなわち骨幹に生じる。
c. 長管骨骨幹もしくは骨幹〜骨幹端、骨盤骨に生じる。
d. 骨端に生じる代表的な腫瘤。大きいものはときに骨幹端におよぶ
e. 線維性骨皮質欠損と同義。長管骨骨幹端に生じる。

42. 解答 d, e
骨粗鬆症の本態は「骨量の減少」であり、質的な異常はない。
a. ビタミンD欠乏により生じる。類骨組織の生産過剰と石灰化障害が本態である。
b. ビタミンC 欠乏により、全ての組織でコラーゲン合成が障害され、骨では類骨基質の合成が障害される。骨幹端に適切なremodeling を受けない予備石灰化層が生じ、X線透過性低下領域として認識される。
c. Cortical hyperostosis が生じるとされている。合成ビタミンAである Retinoid の過剰投与では脊椎のhyperostosis や DISH に類似した所見をしめすとされる。
d. 過剰な副甲状腺ホルモンにより骨吸収が亢進する。
e. 正常コラーゲンの形成ができず、異常類骨を形成し、容易に石灰化しない。極度に骨粗鬆症的な骨が全身に見られる。

43. 解答 c
a. 骨全体の量は増加するが、脆弱骨による変化であり、骨折はおきやすくなる。横骨折が特徴的であり、治癒は遅い。
b. bone cyst に限らず、何らかの骨疾患により脆弱化した骨に生じた骨折は病的骨折と呼ばれる。
c. 「破骨細胞の骨吸収」が「骨芽細胞による骨形成」を凌駕した際に骨の脆弱化が生じる。さらに運動を続けると、つまり破骨細胞を刺激しつづけると骨折に至る。正常のリモデリングを越える刺激により生じるのが疲労骨折である。
d. 筋、腱、靭帯付着部の多くは突起であり、外傷に弱いことが多い。筋の強い収縮あるいは靭帯の張力により骨の一部がはがれる形態の骨折である。
e. 骨の脆弱化があり、日常的な活動により生じる骨折である。骨粗鬆症や骨軟化症が原因となる。

44. 解答 a, d
a. 廃用性萎縮が生じる。長期臥床による全身性のものもあるが、四肢、脊柱の固定に伴う局所的な場合が多い。
b. 正常のremodeling に必要な要素である。
c. 鬱血では血流速度の低下により、局所酸素分圧が低下し、骨芽細胞活性が上昇する。結果、骨増生が組織学的、画像的に確認される。静脈瘤、髄膜腫にともなうhyperostosis はこの機序による。
d. 血流量が増加し、局所酸素分圧が上昇するとc とは逆に破骨細胞活性が上昇、局所の骨粗鬆の原因となる。Sudeck's atrophyがその一例である。
e. 血清Ca値、P値が上昇。高Ca血症の状況下では副甲状腺ホルモンは抑制され、副甲状腺ホルモンの腎臓でのカルシウム排泄作用が消失するために、著明な高Ca血症となる。
腎機能低下症に陥り、カルシウムとリンは合体して沈着し、軟部組織の異所性石灰化を来たす。

45. 解答 b
a. occipital condyle とC2関節突起との間にはさまれて圧迫されることによる C1リングの粉砕骨折である。
b. 外側半月板が付着する capsular ligament の脛骨付着部における剥離骨折。ほぼ100% の症例で前十字靱帯の断裂を伴う。
c. 過屈曲により生じる椎体、椎弓根、椎弓を含めた横骨折。胸腰椎移行部に多い。
d. 尺骨近位側の骨折と橈骨頭の前方脱臼合併。
e. 脛骨遠位部前縁での骨折。Anterior inferior tibiofibular ligament 付着部における剥離骨折である。

以上、40〜45は植野映子会員(岩手医科大学)

46.解答 c、d
 胸部X線写真で知られる基本的なサインについての問題。
a.正
b.正
c.誤:右上肺野に見られる肺尖側を底辺とし肺門部に尖端の向いた逆三角形の陰影。上縦隔の右方への偏位によるもので、右下葉無気肺の間接所見である。
 右上葉無気肺で見られるのはinverted S sign。
d.誤:肺門部の拡大陰影の内部に気管支や肺動脈が重なって透見されるサイン。
前縦隔腫瘍など肺門臓器と離れた構造の存在で見られる。心拡大との鑑別に有用。
e.正:肺外の構造は空気との境界は明瞭に見えるのに対し胸壁や胸膜に接する部分は不明瞭となる。肺内病変でないことを示すサイン。肋間神経腫瘍などの胸壁腫瘍のほか、乳房上縁や偏って押しつぶされた乳頭など正常構造でも認められる。

47.解答 a、c
 肺塞栓症においては、閉塞側の末梢の肺野では乏血のため血管陰影が減少して透過性が亢進する(Westermark sign)。肺門部肺動脈幹は拡大するが、それに続く末梢の肺動脈は急激に細くなる(knuckle sign)。肺梗塞に陥った末梢肺野は胸膜を底辺とする浸潤陰影を呈するが、時間が経つと辺縁が明瞭となり肺門に向かって凸の陰影となる(Hampton hump)。

48.解答 d、e
 胸部X線写真正面像における肺縦隔境界線についての問題。問題46に続く基本的知識。
a.誤:逆。接合線は左右肺胸膜が接して形成される。後接合線は前接合線より高位のためより上方で認められる。
b.誤:右肺下葉が食道に接して形成される陰影。右食道傍線と同義。
 気管分岐部以下では通常右肺下葉は椎体前方を乗り越え線は「左」に突出する。
c.誤:右気管傍線の下端の右気管気管支角に雨滴状に認められる陰影。奇静脈そのもの。立位では7mmまで正常。立位10mm、臥位14mm以上で異常拡大とみなす。
d.正:正常者では通常脊椎左側に描出される。下行大動脈の背側・胸椎の左側で左肺が右側に凸となるため形成される肺縦隔境界線。胸部X線正面像では下行大動脈と重なり同定できないことが多いが、胸椎正面撮影では全例鮮明に描出される。ちなみに右脊椎傍線は正面撮影ではX線と接線にならず通常描出されないが、左前斜位撮影では描出される。
e.正:上行大動脈前部と肺動脈円錐の表面を被う縦隔胸膜がX線と接線になり描出される肺縦隔境界線。正常者では約15%で見られる。この膨隆は肺動脈円錐部の拡大を示唆する。
(46〜48参考文献:「胸部X線写真の読み方」第2版 中外医学社 2001)

49.解答 a、d
a.誤:肺炎球菌は市中肺炎の起炎菌としてもっとも高頻度であり、典型的には肺胞性肺炎のパターンをとる。しかし診断から早期に抗生物質が投与される事例が臨床では多く、修飾により気管支肺炎像を呈することも多い。問題文末「みられない」は誤であろう。
b.正:初感染結核のX線像は肺門縦隔リンパ節腫大と胸水貯留が特徴的であり、肺病変自体は軽度のことも稀ではない。成人初期結核患者は増加傾向にあり、胸部画像診断の際に常にその可能性を念頭においておくことは重要。
c.正:濃厚な浸潤影を呈し急速に進展する肺炎の代表的な起炎菌。頻度は市中肺炎の2〜3%。胸水は75%に合併。
d.誤:マイコプラズマは気道の線毛上皮を選択的に侵すため、気管支壁の系統的肥厚と周囲間質への炎症波及、それに伴う気管支周囲への斑状影の拡がりが画像上の特徴となる。よって気管支血管束の肥厚はむしろマイコプラスマ肺炎を積極的に疑うべき重要な所見である。
e.正

50.解答 a
 アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(allergic bronchopulmonary aspergillosis:ABPA):気管支内にアスペルギルスが腐食して抗原を産生遊離し、それに対するアレルギー反応で気管支喘息と肺浸潤を繰り返す疾患。胸部X線写真上は「中枢性(区域〜亜区域レベル)」気管支拡張が特徴的で診断基準にも含まれる。拡張気管支内に粘液栓が貯留しgloved finger signを呈するこ
とが多い(褐色粘液栓子の喀出歴も診断基準内)。
 真菌球、空洞性結節(meniscusあるいはair crescent sign)は肺アスペルギルス腫に伴う所見であり混同してはならない。蜂窩肺・・・ABPAも末期には肺線維症期にまで進むものの、粘液栓子という確実な選択肢がある以上、正解ではないと考えます。
(49、50参考文献:「胸部のCT」第2版 MEDSI 2004)

以上46〜50は宮崎 真会員(福島県立医科大学)

51. 解答 e
a. 正:径3cm以上の孤立性結節影が良性である可能性は5%未満であり、径5cmを越えるような腫瘤のほとんどは肺癌である。
b. 正:肺癌でも石灰化を認める事はあるが、単純写真で指摘可能ものは少ない。
c. 正:全肺癌の約50%を占め最多。
d. 正:腫瘍自身の線維化によって既存構造の収束を伴いやすい腺癌ではしばしば認められる所見。
e. 誤:空洞形成を来す肺癌の80%が扁平上皮癌、20%が腺癌と大細胞癌。

52. 解答 e
Kerley's B lineは下肺野胸膜面の小葉間隔壁の肥厚を反映した所見。広義間質(リンパ路)を侵す病変で認められる。
a-d. 正:何れも代表的なリンパ路の病変。サルコイドーシスは結節型の肥厚を呈し、他は平滑型の肥厚を呈する事が多い。
e. 誤:経気道性病変の代表例。小葉中心性粒状影が特徴的。

53. 解答 b 
a. 誤:典型像は上肺野優位のびまん性や地図状のすりガラス陰影。但し小葉中心性分布を呈する例もある。他の選択肢との関係で、ここでは誤とする。
b. 正:小葉中心性分布を呈する代表例。tree-in-bud appearanceを呈する。
c. 誤:広義間質性分布を呈する。
d. 誤:小葉と無関係にランダムに分布する。
e. 誤:斑状の浸潤影やすりガラス陰影が胸膜下を中心に散在。陰影の移動も認められる。

54. 解答 b 
蜂巣肺 は様々な疾患における肺構築の破壊や線維化を来した終末像。
a. 正:蜂巣肺 を呈する代表的疾患。下葉末梢側を中心に広がる。
螺神
c. 正:fibrosing NSIPには蜂巣肺 を呈するものがある。
d. 正:上中葉優位か不規則な分布の蜂巣肺を呈する。
e. 正:蜂巣肺 を来す事で有名。RAやPSS等でUIPパターンの肺病変を生じる事が多い。

55. 解答 c 
a. 誤:通常はゼラチンスポンジ細片を用いる。マイクロコイルを併用する事もある。
b. 誤:脊髄は椎骨動脈・肋間動脈・腰動脈・外仙骨動脈などの血管に由来する分岐により血流を受けている。
c. 正:気管支動脈が主な責任血管であるが、肋間動脈、内胸動脈、外側胸動脈なども責任血管となる。
d. 誤:初期止血率は75-90%と良好だが、文献的には20-30%に再発があるとされている。
e. 誤:慢性炎症性疾患を中心とした内科的治療で止血困難な例に対して気管支動脈塞栓術が適応。びまん性肺胞出血は禁忌ではないものの、少なくともよい適応ではない。

以上51〜55は村上忠司会員(愛媛大学)

56.解答 e
a. 正 :貧血の際には心内腔(血液)のdensityが低下し、心筋壁は相対的に全体に高濃度に描出される。ちなみに心筋自身が全体に高濃度ならグリコーゲン沈着やヘモクロマトーシス、ヘモジデローシスなどを考慮する必要がある。
b. 正 :心筋梗塞部はMRで見られる遅延造影と同様にCTでも過剰濃染が見られる。
c. 正 :左房血栓は心房細動による血流うっ滞により高頻度に起こることが知られている。心房細動の原因として大きく弁膜症を基礎に持つ弁膜症性心房細動と持たない非弁膜症性心房細動に分けられる。僧帽弁狭窄は前者の代表的原因疾患である。後者は血栓の後発部位が左心耳内であるのに対し、前者は左房内のいたる所で形成され、血栓塞栓症の危険性が後者に比べ高いとされる。
d. 正 :大動脈弁狭窄によるpost stenotic dilatationにより拡大が見られる。
e. 誤 :収縮性心外膜炎は血行動態的には両心房圧および両心室拡張末期圧は上昇するが心房の拡張は類似した血行動態を呈する拘束型心筋症と比べると肥厚した心外膜に覆われているため通常目立たない。一方、拘束型心筋症は心房の拡張が特徴的な画像所見とさ
れる。

57.解答 c.d.e
a. 誤 :炎症性腹部大動脈瘤などで見られる大動脈周囲を取り囲むの炎症性組織を示唆するCT所見。
b. 誤 :一般にvascular ringとは胎生期に見られる原始大血管系のことを指すことが多いが、高安動脈炎などで見られる炎症により肥厚した動脈壁の画像所見にもこの語が用いられることがある。
c. 正 :主に大動脈壁に起こる粥状硬化性潰瘍。破綻すると大動脈解離や大動脈瘤、大動脈破裂を来たしうる。また血栓閉鎖型大動脈解離の原因となりうる。
d. 正 :血栓閉鎖型大動脈解離における血栓化した偽腔の単純CTにおける所見。
e. 正 :血栓閉鎖型大動脈解離における血栓化した偽腔へ突出する潰瘍様の造影腔。 
Intimal tearやpenetrating atherosclerotic ulcerなどの内膜破綻部や引き抜かれた血管等(肋間動脈等)を示唆する。
答えは2つとのことですが3つ正解としました。

58.解答 b
a. 誤 :心房中隔欠損症に合併することが多いが通常は新生児期には無症状のことが多い。
b. 正 :生下時よりチアノーゼが著明で、生下時よりチアノーゼがみられる代表的疾患とされる。
c. 誤 :通常生後6ヶ月以内にチアノーゼが発症することが多いが、新生児期の発症はまれである。
d. 誤 :通常は新生児期には症状なく、約20-60%で自然閉鎖または縮小が見られる。
e. 誤 : 未熟児PDAは出生直後より、成熟児でも短絡量の大きな症例は生後2週間目ごろより急激に心不全症状が出現するが、通常の中等度―軽度の短絡量のPDAは乳幼児期より症状が出現するか、または長期にわたり無症状である。

59.解答 b.d
肺血管陰影の再分布像は通常、肺静脈圧上昇による肺うっ血によって生じる。
a. 誤 :心房中隔欠損症は左→右シャントにより肺血流量の増加をきたすが通常、肺うっ血は生じない。
b. 正 :僧帽弁狭窄のため左房、肺静脈圧上昇からの肺うっ血を生じる代表的疾患である。
c. 誤 :三尖弁の下方付着により三尖弁逆流から右心不全をきたすが、通常肺静脈圧上昇きたすことはない。
d. 正 :末期には肺うっ血を生じる。近年、早期に発見、加療される症例が多くなってきており、典型的な肺うっ血を呈する症例は減少している。
e. 誤 : 肺血流量の減少をきたす。通常、肺うっ血は生じない。

60.解答 a.b.d
大動脈弁逆流の原因は大きく大動脈弁自体の異常によるものと、大動脈根部の異常によるものに分けられる。前者はリウマチ性、感染性心内膜炎、大動脈弁逸脱、大動脈二尖弁など、後者は高血圧性や動脈硬化性の拡大、Marfan症候群、高安動脈炎、大動脈解離などが挙げられる。
a. 正 :大動脈根部の拡張をきたす代表的疾患である。
b. 正 :肺動脈弁下、膜様部欠損の場合、大動脈弁の逸脱を生じ大動脈弁逆流を来たしうる。
c. 誤 :
d. 正 :大動脈根部の拡張をきたした場合、大動脈弁逆流を来たしうる。
e. 誤 : 
答えは2つとのことですが設問が単に原因になりうる疾患を問うているので3つとも正解としました。

61.解答 e
a. 正 :本疾患の原因の約90%を占める。
b. 正 :肺血管陰影の減弱は見られるが、肺野自体には異常陰影を認めないことが多い。もし異常陰影があれば肺梗塞などを疑う。
c. 正 :亜区域支以下の肺動脈の評価は難しいことがあるが、区域レベルの評価は通常可能である。
d. 正 :遊離血栓がある場合は下大静脈フィルター留置の適応がある。他の適応としては肺塞栓症の患者で抗凝固療法が禁忌である症例、再発を繰り返す肺塞栓症、重篤な心肺疾患があり、かつ以前に肺塞栓症の既往がある症例など。
e. 誤 : ペパリンは血栓形成予防効果はあるが、血栓溶解効果はない。通常は血栓溶解効果のあるウロキナーゼなどを用いる。

以上56〜61は末吉英純会員(長崎大学)

62.解答 b
後方エコーとは腫瘤深部のエコーのことで、そのエコーレベルは同じ深さの周囲乳
腺と比較して表現される。腫瘤内部の減衰が強い場合には、後方エコーは減衰する。
硬癌は豊富な繊維成分を持つため、超音波の減衰をきたして後方エコーが減弱する。
他の病変は、増強あるいは不変であることが多い。
(参考文献 角田博子 東野栄利子 マンモグラフィーと乳房超音波)

63.正解 c、e
c.とe.はマンモグラフィガイドラインのカテゴリー5に相当して強く悪性を考える。
a.は良性の石灰化。b.は低濃度を示す乳癌も存在するが、その頻度は低いので一致しない。d.はmilk of calciumとも呼ばれる良性の石灰化で、嚢胞内にカリシウムを含有する液体が沈殿したものである。これにより、CC viewでは円型の石灰化としてMLO viewでは三日月状に描出される(tea cup sign)。
62〜63は木下隆広会員(茅ヶ崎徳洲会病院)


64.解答 b,d
a.誤:spinnaker sail signとangel wing signは、縦隔気腫のとき、胸腺を空気が取り囲む様子、あるいは気腫が多い場合に胸腺両葉が肺尖部に持ち上げられる様子を指す。
b.正:正常胸腺の外側縁が肋骨あるいは肋軟骨に圧排されることによって波状になるsign。左側で認められることが多い。
c.誤:
d.正:縦隔上部から左右どちらかあるいは両側に突出する三角形の陰影で、正常胸腺の特徴的な形態の1つ。船の帆にたとえられる。
e.誤:単純撮影で鎖骨の上方でも辺縁が鮮明に見える場合は気管より後方(後縦隔や肺尖)に存在し、辺縁が不鮮明な場合は前方に存在する。

65.解答 a.b.c.e
a.正:副腎原発で85%が石灰化を伴う。
b.正:仙尾部では単純撮影で36-50%が石灰化を伴う。
c.正:単純撮影で5%、CTで15%が石灰化を伴う。
d.誤:治療していないものでは非常にまれ。
e.正:粗な石灰化や骨基質を12-30%に伴う
石灰化を伴うことが多い腫瘍と問われれば多い順に選び、a,bが答えになるでしょう。
以上64、65は佐藤裕美子会員(埼玉県立こども医療センター)


66.解答 a, e
a. 超常磁性酸化鉄粒子(SPIO)は、肝網内系細胞(Kupffer細胞)に取り込まれるものであり、T2強調像で肝の信号を低下させることにより、相対的に腫瘍を高信号として描出する。造影剤を取り込まない転移性肝腫瘍は高信号として描出され、検出能は高い。
b.肝細胞癌はKupffer細胞様の細胞を内部に有することがあり、その程度は腫瘍の分化度と密接に関連している。高分化肝細胞癌では、中分化型や低分化型肝細胞癌よりも非癌組織と病変とのコントラストは低い傾向にあり、SPIO取り込みが亢進している場合もまれではない。
c. FNHはKupffer細胞を有することが知られており、SPIOを取り込む。
d. FNHと同様、Kupffer細胞を有するものが多く、SPIOを取り込む。
e. 肝血管筋脂肪腫はまれな肝良性過誤腫で、女性に多い。血管、平滑筋、脂肪、造血組織よりなる腫瘍であり、通常、結節内に脂肪を含み、T1強調像で高信号を呈することが多い。Kupffer細胞は認めず、通常、SPIOの取り込みはみられない。

68 解答 c
a. 胆嚢壁肥厚部分は、粘膜上皮と平滑筋の過形成であり、原則的に増強効果を示す。
b. 胆嚢腺筋腫症では粘膜上皮が腺管構造を有したまま増殖し、筋層内あるいは筋層を貫いて壁内憩室(Rokitanski-Aschoff sinus: RAS)を多数形成する。RAS内に結石がはまりこむと音響陰影あるいはコメットサインを伴う。
c.胆嚢腺筋腫症では病変部位により、diffuse type, segmental (annular) type, localized (fundal) typeに分類される。胆嚢全体に壁肥厚とは限らない。
d.  Fundal typeは胆嚢癌との鑑別が難しいこともある。また、腺腫や癌との合併例も報告されており、鑑別は重要である。
e.  MRIでは、RASが胆嚢壁内の小さな嚢胞状構造として認められる。

69 解答 a or b
a. 線維莢膜細胞腫(fibrothecoma)は、閉経後に好発するホルモン産生腫瘍の一つであり、莢膜細胞類似の細胞と、線維芽細胞が様々な割合で混在している。線維成分の豊富な病変であり、T2強調像で低信号を示すが、莢膜細胞腫の割合が高くなると、その脂質を含んだ細胞によりT2強調像での信号が上昇してくる。
b.  Krukenberg腫瘍は、狭義に胃の印環細胞癌からの卵巣転移であり、粘液産生能を有する癌細胞が卵巣内で大小の嚢胞を形成し、卵巣間質に肉腫様増生を来す。T2強調像で低信号優位の充実性腫瘤となり、線維腫との鑑別が問題となる。
c.卵巣甲状腺腫は、奇形腫の成分のうち、甲状腺組織が極端に増加した状態とみなされる。ゲル状内容物を含む濾胞が多発する甲状腺組織を反映して、T1強調像で高信号、T2強調像で低信号を示す多房性嚢胞となるが、濃度により多彩な信号強度を示すことが多い。
d. 卵巣間質に蛋白成分を含む水溶液が貯留し、その間に卵胞が散在性に残存した状態であり、静脈あるいはリンパ管の閉塞が原因とされている。卵巣間質の著しい浮腫のため片側、ときに両側卵巣が腫大する。間質浮腫のよりT2強調像は高信号となる。
e.  漿液性嚢胞腺癌は通常、単房性嚢胞性病変であり、T2強調像は多彩な信号を呈するが、内部は水と同様、多くはT2強調像で高信号となる。

70 解答 b, e.
a. 副腎腺腫は通常、あまり大きな病変ではない。サイズは様々であるが、1-10cmであり、多くは4cm以下である。腫瘍径5cmでは、副腎癌、褐色細胞腫、転移性腫瘍などを疑う所見である。
b. 脂肪成分が検出できれば、副腎腺腫の診断が可能であり、MRI out-of-phase像での信号低下は、脂質成分の存在を示唆する所見であり、副腎腺腫と診断できる。
c. CT値の測定は脂質成分の検出に有効である。30HUは水濃度より若干高いCT値であり、脂肪のCT値とは異なる。よって、副腎腺腫を示唆するとはいえない。
d. 通常、副腎腺腫は辺縁整な病変であり、辺縁不整像は副腎腺腫を示唆する所見とはいえない。
e. 造影剤の早いwashoutは、悪性腫瘍よりも腺腫に特徴的と報告されている。

以上66〜70は中山善晴会員(熊本大学)

71. 解答 b,(d),e
a. 誤:膵全体あるいは膵頭部の著しい腫大が特徴。
b. 正:膵周囲の炎症による被膜様構造において認められる。
c. 誤:主膵管が狭細化するのが一つの特徴。
d. △:膵実質の遅延性濃染が特徴なので、必ずしも誤りではないと考えますが、膵癌よりは目立ちません。
e. 正:硬化性胆管炎やSjogren症候群を合併することがある。

72. 解答 c,e
a. 正:
b. 正:
c. 誤:脂肪腫である。
d. 正:但し、直腸とS状結腸>盲腸。
e. 誤:無茎性で単発する頻度が高い。

73. 解答 b,e
a. 正:
b. 誤:不良である。
c. 正:食道癌取扱い規約(第9版)上、胸部下部食道癌ではN3、腹部食道癌ではN2に相当。
d. 正:
e. 誤:胃噴門部の粘膜に類似する円柱上皮が並ぶ食道下部の慢性消化性潰瘍。
長期に亘る慢性食道炎の結果としてできる。

74. 解答 d
a. 正:陰嚢内容の解剖学的構造と血流を同時に評価し得る優れたmodalityである。
b. 正:
c. 正:
d. 誤:20才未満(特に新生児期と思春期)に多い。次いで20代。
e. 正:精巣シンチグラフィとして、99mTc-HSA(-D)と共に用いられる。

75. 解答 a,c
a. 正:長期透析患者や末期の腎不全患者にみられる。
b. 誤:脳動脈瘤をよく合併する。
c. 正:腎臓は腎実質細胞の肥大及び過形成のために大きく重くなる。
d. 誤:少なくない。
e. 誤:しやすい。

以上71〜75は大木 雅登会員(水島協同病院)

76.解答 d e
a.正:その通り
b.正:馬蹄腎では峡部は大動脈,下大静脈の前面にある.尿管も腎臓の腹側を走行する.
c.正:右精巣静脈は下大静脈へ,左精巣静脈は75%が左腎静脈へ流入するので正とする
d.誤:腎門部では前から 腎静脈,腎動脈,尿管の順である(VAU).
e.誤:右副腎静脈は第12腰椎付近で右後方より直接下大静脈に入る.Right accessory hepatic veinに流入するものが10%前後存在するといわれている.

77.解答 a
a. 誤:大腸憩室で最も頻度が高いのは上行結腸である.だだし,加齢に伴うS状結腸にも増加する.また欧米ではS状結腸に好発する
b. 正:その通り
c. 正:腸管からの静脈還流が減少し,上腸間膜静脈の血管径が縮小する
d. 正:正常の虫垂径は約6mm以下である.
e. 正:その通り.肝右葉と椎体の間にはさまれ圧迫されやすいこと,下大静脈圧の上昇の影響を受けやすから.

78.解答 c
a. 誤:脂肪含有はない
b. 誤:脂肪含有はない
c. 正: 古典的な高分化型〜中分化型肝細胞癌や小さな高分化型肝細胞癌に脂肪化巣を伴うことがある.
d. 誤:脂肪含有はない
e. 誤:脂肪含有はない

79.解答 b d
a. 誤:劣性遺伝と考えられています.病因遺伝子としてHFE遺伝子の変異によることが知られています.
b. 正:その通り
c. 誤:鉄による磁化率アーチファクトはGREの方が鋭敏である
d. 正:その通り
e. 誤:特発性では脾に鉄沈着はしない.

80.なし
腸管気腫症の原因は特発性以外に,外傷,閉塞,感染,炎症(Crohn病,潰瘍性大腸炎),膠原病(PSSが最も多い),肺疾患(喘息,慢性閉塞性肺疾患)などでおこる.
a.c.dすべて正解である.不適切問題と思われます.
a. 正
b. 誤
c. 正
d. 正
e. 誤

以上76〜80は近藤浩史会員(岐阜大学)

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