| 放射線科専門医認定二次試験(診断・核)解答 1〜30 |
(解答番号が抜けているのは、解答するのに問題があったため依頼しておりません)
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2-1 放射線診療従事者の被ばく管理について正しいのはどれか一つ選べ
解答 a. いずれも法的に定められており、正しい数値も記憶しておく。
解説 a. ○
b. × 5 mSv → 2 mSv
c. × 50 mSv / 年 → 5 mSv / 3ヶ月
d. × 50 mSv → 150 mSv
e × 1000 mSv → 100 mSv
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2.解答 d
a.正:p53はG1期チェックポイントやアポトーシスに関与する。
b.正:多くの放射線誘発アポトーシスはp53依存性である。
c.正:p53非依存性アポトーシスも存在する。
d.誤:ヒトの細胞ではDNA2重鎖切断は主にhomologous recombination (HR)とnon-homologous end-joining (NHEJ)により修復される。
e.正?:最近の研究では、同一の吸収線量で比較した場合には、高LET放射線の方が低LET放射線よりもDNA2重鎖切断の初期収率が低いことが明らかになりつつある。ただし、高LET放射線により生じたDNA2重鎖切断は正常に修復されにくいため、修復されないDNA2重鎖切断がX線に比べ多く、細胞生存率が低下すると考えられている。
3.解答 c, d
a.正:アポトーシスを起こした細胞のDNAは、アガロース電気泳動でラダー状となる。
b.正:アポトーシスではカスパーゼファミリーが活性化する。
c.誤:放射線によるアポトーシスにはp53非依存性のものがある。
d.誤:Bcl-2はアポトーシスを抑制する。
e.正:毛細血管拡張性運動失調症は放射線高感受性遺伝病である。
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4.解答 d
a. 正:モニタ診断用のCRTモニタの表示マトリックスは1000x1000以上が望ましい。
b. 正:不適切な観察環境は診断能に影響を及ぼすため、モニタの輝度に関連して部屋の照度、採光に留意する必要がある。
c. 正:カラーCRTはモノクロCRTに代替可能である。
d. 誤:CRTモニタの経年劣化は、特に輝度の低下を引き起こす。
e. 正:画質について十分な配慮を行っている場合には、圧縮率1/10までのJPEG非可逆圧縮または他の方法の画像は非圧縮画像と臨床上同等と考えられる。
5.解答 a, d
a. 正:1Hと31Pの原子核は(陽子,中性子)が(1,0)と(15,16)で陽子が奇数でありNMR核種である。
b. 誤:32Sの原子核は(陽子,中性子)が(16,16)でいずれも偶数でありNMR核種でない。
c. 誤:12Cと40Caの原子核は(陽子,中性子)が(6,6)と(20,20)でいずれも偶数でありNMR核種でない。
d. 正:13Cと19Fの原子核は(陽子,中性子)が(6,5)と(9,10)と、それぞれ中性子と陽子が奇数でありNMR核種である。
e. 誤:16Oの原子核は(陽子,中性子)が(8,8)でいずれも偶数であり、NMR核種でない。
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6.解答:b,e
画像所見:単純写真正面像では舟状骨中部の骨折と思われる透亮像と手根骨配列の乱れを認める.側面像では月状骨は手掌側へ回旋しているが,橈骨との位置関係は保たれている.他の手根骨はその末梢側の骨と共に手背側へ偏位している.舟状骨骨折は他の手根骨との重なりのため分かり難い.
解説:月状骨は手掌側へ回旋しているが,橈骨との位置関係は保たれており,月状骨脱臼ではない.他の手根骨が手背側へ偏位しており,月状骨周囲脱臼を考える.本例の様に月状骨骨折に月状骨周囲脱臼を伴うことは多く,これらを併せて transscaphoid perilunate dislocationと呼ぶ.有頭骨も手背側へ偏位しているが,これ単独偏位ではなく,有頭骨脱臼の診断名は正しくない.有頭骨,月状骨骨折は見られない.
7.解答:dまたはe(dの方が考えやすい)
画像所見:連続する4つの椎体の前部優位の境界不明瞭な異常信号とこの前部の傍脊柱軟部腫瘤を認める.これらはT1強調像で低信号,脂肪抑制T2強調像で強い高信号を示す.造影像ではこれらの部位を含めて少し広い範囲で濃染効果を認める.傍脊柱腫瘤はT1強調像で内部が特に低信号を示し,濃染効果は辺縁にのみ見られ,内部に液体貯留があると考える.罹患椎体の下部2つでは前部に骨破壊を認め,これらの辺縁はT2強調像で低信号を示す.明らかな椎間腔,椎体終板の変化は見られない.
解説:選択肢のいずれも脊椎病変をきたすものである.破壊性脊椎関節症では椎間腔狭小化,椎体終板の骨侵食・破壊が見られ,傍脊柱軟部腫瘤を認めない.強直性脊椎炎では骨侵食・破壊は椎体隅角,椎体終板に見られ,傍脊柱軟部腫瘤を形成しない(問題11の解説を参照).SAPHO症候群では強直性脊椎炎と類似した脊椎病変を認める.稀に脊椎病変に傍脊柱炎症性腫瘤を合併するが,液体貯留を認めない.以上3疾患はいずれも本例と所見が異なる.感染性脊椎椎間板炎は通常終板直下より起こり椎間〜隣接椎体,骨外への進展を認める.典型例では椎間腔狭小化,椎体終板の骨侵食・破壊が見られ,しばしば傍脊柱膿瘍形成を伴う.本例は感染性脊椎椎間板炎,それに伴う前縦靭帯下進展をきたした傍脊柱膿瘍(傍脊柱軟部腫瘤に相当)が最も合致する.結核性では椎間腔,椎体終板の変化のない非典型例がよくあるとの報告があり,記載されている症状は背部痛のみで発熱もなく,結核性の可能性が高そうではある.ただし,化膿性と結核性の鑑別の決め手とは言えず,この問題はあまり良い問題ではない.
8.解答:b
画像所見:単純写真では右脛骨の中部骨幹に前部主体の骨硬化・皮質肥厚を認める.側面像ではこの内部に境界不明瞭な淡い透亮像を認める.CTでは前部骨皮質の偏心性肥厚・硬化,その内部の透亮像が明らかである.MRIでは骨硬化・皮質肥厚部は強い低信号を,透亮像の部位はT1・T2強調像ともに骨皮質より高信号を示す.T2強調像では骨外縁に沿って幅の薄い高信号を認め,骨膜反応を反映すると考える.
解説:若年者で強い骨硬化が見られることより骨肉腫,類骨骨腫が残るが,画像所見は皮質型の類骨骨腫の典型的なものである.透亮像はnidusに相当する.類骨骨腫は若年者に多く,局所疼痛・腫脹,炎症所見を伴う.骨膜反応,骨硬化・皮質肥厚,これらの骨内のnidusを認めるが,nidusの描出が診断のポイントになる.CTはnidusの描出に優れており,診断に最も有用である.nidusには石灰化がよく見られるが,本例では明らかでない.骨肉腫は骨破壊,軟部腫瘤形成も見られ,本例と所見が異なる.
9.解答:c
画像所見:小指基節骨の中部骨幹から遠位骨幹の骨髄にやや分葉状で境界明瞭な腫瘤性病変を認める.T1強調像で低信号,脂肪抑制T2強調像でやや不均一な強い高信号を示し,T1WIでは遠位側に低信号縁も見られる.骨破壊,骨外進展は見られない.
解説:高齢者で年齢から骨嚢腫,類骨骨腫は考えにくい.残りの選択肢はすべてT2強調像にて強い高信号を示すものである.内軟骨腫は手足の短管骨に好発し,分葉状で硝子軟骨成分がT2強調像にて強い高信号を示し,低信号縁(硬化縁に相当)を認める.本例に最も合致する.骨皮質の内縁側からのerosionによる菲薄化,膨張性変化もよく見られるが,本例では明らかでない.病的骨折で見つかることも多い.骨内ガングリオンは稀に手足の短管骨に見られるが,単房性または多房性で内腔内はT2強調像にて均一な高信号を示し,本例と所見がやや異なる.軟骨肉腫は手足の短管骨では極めて稀で,考えないでよい.
10.解答:c
画像所見:単純写真ではびまん性骨硬化が見られ,骨皮質-骨髄境界が不明瞭になっている.頭蓋底骨は肥厚している.左大腿骨には遠位部径の増大、つまりundertubulation(Erlenmeyer flask 変形)を認める.骨転子下の横骨折が見られ,病的骨折を考える.頸部〜転子部変形,左股関節の内反股も見られる.
解説:広範囲の骨硬化を認めることより骨Paget病,大理石病が残るが,びまん性骨硬化を認めるのは大理石病である.大理石病は破骨細胞機能不全により骨のmodeling,remodeling異常をきたす疾患である.常染色体優性または劣性の遺伝性疾患だが,遺伝形式と臨床像により4型に分類され,重傷度は症例により様々である.病的骨折をよく合併する.単純写真にてびまん性骨硬化,骨皮質-骨髄境界の不明瞭化を認めるが,骨硬化は必ずしも均一ではない.骨Paget病は早期には破骨細胞による骨吸収が見られ,次第に骨芽細胞による骨形成が優位となり骨の硬化,皮質肥厚,増大,変形を認める.しかし,骨硬化を含めてこれらの変化はびまん性ではなく局所的に生じる.
11.解答:b
画像所見:脊椎は下部腰椎以下しか撮像範囲に含まれていないが,この範囲では椎間癒合を認める.両側仙腸関節には関節裂隙不明瞭化,骨硬化が見られ,骨性癒合(強直)があると考える.両側股関節には関節裂隙のびまん性狭小化,骨棘形成を認める.これらは左右対称である.
解説:画像所見は強直性脊椎炎の典型的なものである.強直性脊椎炎は90%以上の患者でHLA-B27陽性である.脊椎炎,仙腸関節炎がよく見られるが,股関節,膝関節,肩関節などの炎症も起こる.脊椎炎では椎体隅角のosteitisによる erosion,それに続発する椎間板線維輪骨化(syndesmophyte),椎間板石灰化,椎間癒合,椎体終板不整・破壊,偽関節などを認める.椎間関節炎もよく見られる.炎症を生じた関節はしばしば癒合をきたす.椎間板線維輪骨化,仙腸関節炎は左右対称に見られる.類似した病変をきたす疾患に乾癬,Reiter病がある.これらの脊椎部骨化は主に傍脊椎結合組織に起こる.強直性脊椎炎の様に椎間辺縁に見られるもの(marginal ossification)ではなく,椎体と少し離れて見られる(non-marginal ossification).椎間関節炎,それによる骨癒合は少ない.脊椎部骨化,仙腸関節炎は左右対称でないことがよくある.
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12.
1. 診断所見
左前頭洞から篩骨洞は拡大しており、MRIではT1強調像で淡い高信号、T2強調像で強い高信号を呈する病変を認める。
2. 正解 a
3. コメント
副鼻腔開口部が閉塞し、分泌物が充満すると、分泌物の圧により内側骨壁の菲薄化やerosionとともに、外側骨壁の骨新生が生じ、副鼻腔は次第に拡大し、粘液瘤が形成されることがある。MRIでは初期では水と同程度の信号強度であるが、時間が経ち、内部の粘稠度が増すと、T1強調像で高信号を呈し、最終的にはT1、T2強調像ともに低信号を呈する。
13.
1. 診断所見
右梨状陥凹にT1強調像で低信号、T2強調像でやや高信号を呈する病変を認める。隣接する甲状軟骨側板に浸潤している。
2. 正解 c
14.
1. 診断所見
硝子体はT1、T2強調像ともに高信号を呈しており、高蛋白もしくは出血を含有していると考えられる。レンズ後方から黄斑部に向けて硝子体内を走行する線上の索状物が認められ、クロケット管と考えられる。
2. 正解 e
3. コメント
第一次硝子体過形成遺残は胎生期に硝子体内を走行する硝子体動脈が退縮せず、合併する結合組織の増殖や硝子体出血、緑内障が加わり視覚障害をきたす先天異常である。通常片側性の白色瞳孔で発見され、小眼球症を伴う。合併する水晶体混濁や硝子体出血などにより検眼が困難な場合があり、画像診断が重要である。胎生期の硝子体動脈の遺残であるクロケット管を同定することが診断に重要である。
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15.
所見:提示画像はT2強調画像ではなく FLAIRのようだが,若い男性の交通外傷で意識障害.脳梁にびまん性の高信号域が広がり,両側前頭葉や左頭頂葉の皮質〜皮質下にも斑状の高信号病変が広がっている.
解答:c. びまん性軸索損傷(DAI)
解説:下肢の骨折という言葉で脂肪塞栓と迷わせたいのかもしれませんが,外傷・脳梁・意識障害というキーワードだけで DAIに行き着きます.皮質白質境界部もDAIの好発部位です.
16.
所見:脳梁を主座として左右対称に広がる腫瘤.内部構造は均一でT2強調像では均一な高信号.造影すると強く濃染するintraaxial tumor.周囲の大脳半球白質に強い浮腫を伴っている.
解答:c. 悪性リンパ腫
解説:脳梁に存在する腫瘍性病変としては膠芽腫,リンパ腫,転移性脳腫瘍の頻度が高い.しかし本症例は腫瘍の内部構造が均一なので膠芽腫や転移は否定的で,悪性リンパ腫を第一に考えたい.
17.
所見:両側の尾状核頭部と被殻前半部に左右対称な異常信号域が見られ,T2強調,FLAIR, 拡散強調像とも高信号.
解答:e. Creutzfeldt-Jacob 病(CJD)
解説:教科書的なCJDの所見です.
18.
所見:内頚動脈先端部や中大脳動脈水平部の flow void が不明瞭で,細かな血管に置換されているようにも見える.
解答:a. もやもや病
解説:脳実質内に異常信号域はみられないようなので,クモ膜下腔の血管(flow void)に注目しましょう.主訴との関連は特になさそうなので incidental case ということでしょうか.
19.
所見:C1レベルの脊柱管内に造影される腫瘤性病変があり,その上背側や尾側に嚢胞性の成分を伴っている.嚢胞成分に接して(嚢胞壁?) T2強調像では明瞭な低信号域が広がっておりヘモシデリンの沈着が示唆される.
解答:a. 上衣腫
解説:T2強調像での低信号域(ヘモシデリン)がポイントになると思われる.選択肢の中でヘモシデリンを伴うことが多いのは上衣腫と海綿状血管腫.C1レベルに明らかな腫瘤を伴うことや,T2強調像の低信号域はいわゆる cap sign と言いうること,そしてメトヘモグロビンを示唆するT1強調像での高信号域は見られないので海綿状血管腫よりも上衣腫と考えるべきでしょう.
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20.
1. 診断所見
L3からS1レベルの脊柱管内にT1、T2強調像ともに高信号を呈する病変を認め、脊髄脂肪腫と考えられる。脊髄はL3上縁レベルの低位に位置しており、係留脊髄の所見である。脊髄脂肪腫は多くは二分脊椎と合併する。また、Chiari型奇形に合併する脊髄髄膜瘤の約半数に脂肪腫を合併する。
2. 正解 d
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21. 正解:b
右中肺野に濃度の高いconsolidatioが認められ、対側にも軽度だが同様の陰影が認められる。喘息の存在と肺炎を繰り返しているという病歴からはアレルギー性気管支肺真菌症が最も考えられる。アレルギー性気管支肺アスペルギールス症が有名だが、CandidaやPenicilliumなどでも類似の症状とアレルギー学的特徴を持つ疾患群が成立することが知られており、これらを一括してアレルギー性気管支肺真菌症という疾患概念が提唱されている。
提示されている胸部写真は中枢性気管支拡張とその粘液栓を主体とした陰影と解釈でき、右肺では無気肺や閉塞性肺炎も加わっていると思われる。
22. 正解:c, e
左肺下葉に低吸収域(X線透過性亢進)が認められ、その内部に気道分岐に一致する棍棒状陰影が存在している。粘液栓が充満し、拡張した気管支と考えられ、mucoid
impactionの所見である。mucoid impactionにより結節陰影あるいは棍棒状陰影(手指状陰影)を認める疾患は、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、気管支喘息、気管支腫瘍、気管支狭窄や肉芽腫、気管支閉鎖症が挙げられる。考えられる疾患を2つ選べということなので、正解はc. 気管支閉鎖症とe. 気管支喘息となるが、限局性のX線透過性亢進とmucoid impactionの両者が認められる疾患としては気管支閉鎖症の方が考えやすい。
気管支閉鎖症の好発部位は左上葉(特にB1+2)で、約半数を占め、右上葉と左下葉がほぼ同じで15〜20%である。
23. 正解:c
CTで後縦隔、右傍脊椎領域に辺縁平滑な腫瘤が認められ、わずかな造影効果を有している。a.褐色細胞腫、b.傍神経節腫、e.Castlemanリンパ腫は通常、造影効果は強い。
d.気管支原性嚢胞は内部に造影効果はない。c.神経節神経腫が最も考えられる。
24. 正解:b
小葉中心性粒状影、細気管支拡張像、気管支壁肥厚が全体的に認められ、約2年前から咳、労作時息切れなどの症状が徐々に増悪していることからも、びまん性汎細気管支炎が最も考えられる。
25. 正解:c
肺野に斑状のすりガラス濃度を示す陰影が見られる。その辺縁は小葉間隔壁に分かたれた直線状を呈する部分が多い。その内部にはメロンの皮を見るような細かい網目模様が見られる。いわゆる小葉内網状陰影とかcrazy pavement appearanceといわれるパターンを呈している。一見はでな陰影のわりに重篤な経過がなく、肺胞蛋白症と考えられる。
26. 正解:d
気管支血管束周囲に小葉中心性粒状影が分布し、葉間胸膜面に沿う粒状影も認められる。健診発見で無症状と考えられる点からもサルコイドーシスの可能性が最も高い。
27. 正解:c
単純CTで左胸郭上部に石灰化を伴った均一な軟部組織濃度が認められる。左胸郭は対側よりも小さく、結核性慢性膿胸が疑われる。よく見ると背側の胸壁に筋肉と等吸収の腫瘤形成が認められる。MRI造影T1強調矢状断像を見ると、同部には不均一な造影効果を有すると思われる胸壁腫瘍が存在している。その胸壁腫瘍と接して、被包化された胸腔内液体貯留腔が認められ、CTでの慢性膿胸に相当する所見と考えられる。慢性膿胸に合併する腫瘍としてわが国では悪性リンパ腫が半数で、次いで扁平上皮癌が多く、両者で約70%を占めている。特に悪性リンパ腫はPAL(pyothorax-associatedlymphoma)とも呼ばれ、ほぼ全例でEBV(Epstein-Barr virus)との関連が認められている。
28. 正解:e
慢性腎不全で血液透析中の患者の胸部CTで、両側上葉に小葉中心性分布のすりガラス濃度が認められる。bone windowで見ると、その一部は高吸収を呈しており、転移性石灰化と考えられる。高Ca血症を示す病態では、肺以外に腎、胃、心などアルカリ性の環境を呈する臓器に好発する。肺では肺尖〜上肺野優位に石灰沈着が起こるが、これは上肺野が比較的高換気血流比を呈し、高アルカリ環境になりやすいためと、上肺野の内層寄りはリンパ還流が比較的不良でclearanceが悪いことも一因と考えられている。
29. 正解:c, e
左肺門部肺癌と考えられ、左主気管支の気管分岐部2cm以内に浸潤している。T3と考えられ、左肺動脈本幹も浸潤によりほぼ閉塞している。対側縦隔、肺門リンパ節転移も認められ、N3と考えられる。腫瘍の前方に認められる腫瘤は無気肺と考えられ、前胸壁への浸潤はない。組織型は小細胞癌よりも扁平上皮癌がまず疑われる。外科的手術適応はなく、化学放射線治療の対象と考える。
30. 正解:e
右上肺野のHRCTが提示され、比較的壁の厚い嚢胞像がびまん性に認められ、蜂巣肺形成を来たしている。このCT所見と、32歳の男性という点からランゲルハンス細胞肉芽腫症(好酸球性肉芽腫症)が最も可能性が高い。リンパ脈管筋腫症(LAM)の男性例の報告もあるが、LAMは壁が薄く、下肺野に優位。
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以上、21〜30は曽我部一郎会員(呉医療センター大学)
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