1.医療被ばくで集団線量に最も影響するのはどれか。1つ選べ。
a. CT
b. PET
c. 血管造影
d. 消化管造影
e. 単純X線撮影
1.解答 a
医療被曝には医療機関の診療行為によるものと検診によるものが含まれる。国民1人あたり年間の実効線量当量は、かつて「単純X線撮影 1.47mSv、CT 0.80mSv」(放医研1995年)と検査件数の多い単純X線撮影の影響が大きいとされていたが、その後「CT検査による国民1人当たりの年間被ばく量が約十年間で三倍に増えたと推計」(放医研2004年)されおり、現在はCTによる影響が最も大きい。核医学診断、消化管造影、血管造影の影響は上記より一桁以上低い。
2.線量限度・安全管理で正しいのはどれか。1つ選べ。
a. 患者の実効線量限度は、従事者の限度の10倍である。
b. 放射線科医師の実効線量限度は、年間500mSvである。
c. 妊娠可能な女性には他の従事者とは異なる管理を適用する。
d. 核医学検査室と異なり、CT検査室には管理区域を設定しない。
放射線を利用する研究者へは、実効線量限度は適用しない。
2.解答 c
a. ×:患者の被ばくは医療被ばくとなり、線量限度はない。
b. ×:放射線業務従事者として管理され、実効線量限度は、年間50mSv(5年間で100mSv)。
c. ○:妊娠可能な女性には3ヵ月で5mSvの線量限度を適用。
d. ×:管理区域とは、外部被ばくだけが問題になる区域(放射線管理区域)と内部被ばくおよび外部被ばくの両方が問題になる区域(汚染管理区域)をまとめた呼称。
e. ×:研究者も放射線業務従事者として法的に管理される。
3.放射線影響・防護について正しいのはどれか。2つ選べ
a. 個人線量計は胸部につける
b. 放射線による脱毛は確率的影響である。
c. LNT仮説とは放射線発癌を解釈する際に用いる。
d. IVRによる手指被ばくはオーバーチューブ式の方がアンダーチューブ式よりも多くなる。
e. 同一被ばく線量であれば、1回で被ばくした方が分割して被ばくするよりも影響は小さい。
3.解答 c、d
a. △:説明不足で困惑させる少々意地悪な選択肢。「男性又は妊娠する可能性がないと診断された女性にあつては胸部、その他の女性にあつては腹部」に装着する(電離則)。さらに不均等被ばくの場合は最も高くなる部位に追加して装着する。間違っていないが、他の選択肢との関連で正答に含められない。
b. ×:しきい値(3Sv)のある確定的影響。
c. ○:LNT(Linear Non-threshold)仮説=放射線の被ばく線量と発がんのリスクに線形の関係があり、低線量でのしきい値はないと仮定する仮説。
d. ○:オーバーチューブ式は患者前面の空間が広く操作が行いやすいが、散乱線の影響を受けやすいなどの理由から術者の手指被ばくはアンダーチューブ式より多くなる。
e. ×:分割して被ばくした場合は時間経過による回復が生じるため生体への影響は小さい。
4.正しいのはどれか。2つ選べ。
a. 女性に対する放射線診断で10日ルールは守らなければならない。
b. 同一放射能で、同一距離からの18Fと99mTcの実効線量は同等である。
c. 授乳中の女性にガリウム検査を施行したため、3週間の授乳制限を行った。
d. 前立腺への125Iシード線源挿入後、様態が安定していたので一般病室管理とした。
e. 甲状腺機能亢進症に対して131Iカプセルを333MBq投与したので、入室させずに帰宅した。
4.解答 c、e
a. ×:10日ルールは1983年に国際放射線防護委員会(ICRP)により撤回されている。専門医会・医会のHPに意見が記載されている。
b. ×:核種が異なればエネルギーも違い、実効線量も異なる。18Fの方が大きい。
c. ○:クエン酸ガリウム(67Ga)は授乳している乳房に蓄積するため、授乳する場合は投与後2〜3週間程度の期間をとった方が望ましい(薬剤添付文書)。
d. △:誤解を生じやすい表現。125Iシード線源挿入後は「膀胱や尿道に脱落したシードは翌日までに尿中(体外)に排出されるため、患者を管理区域内に少なくとも1日入院させる」(医薬安第0313001号)。入院させる施設は「管理区域とした一般病室」でよい。説明不足のため誤りと言い切れないが、他の選択肢との関連で正答にできない。
e. ○:退出基準は500MBq(13.5 mCi)であり管理区域の病室に入院する必要はない。