放射線科専門医認定一次試験 解答 31〜80

31.脊髄腔造影に使用する造影剤はどれか。2つ選べ。

a. iomeprol 300 (Iomeron 300)
b. iotrolan 240 (Isovist 240)
c. iohexol 300 (Omnipaque 300)
d. iopamidol 300 (Iopamiron 300)
e. ioxaglic acid 320 (Hexabrix 320)

31.解答 b、c
a. 誤:Iomeron 300は脳槽・脊髄用造影剤として適用はない。
b. 正:Isovist 240は非イオン性2量体造影剤であり、浸透圧が低く脊髄腔造影に使用できる。
c. 正:Omnipaque 300は非イオン性単量体造影剤の中でも、脊髄用造影剤として適用がある。
d. 誤:Iopamiron 300は脳槽・脊髄用造影剤として使用しないように警告されている。
e. 誤:Hexabrix 320はイオン性の2量体造影剤。脳・脊髄腔内に投与しないよう警告されている。

32. 発症3時間以内の脳梗塞の診断で、拡散強調像に加えるのはどれか。一つ選べ。

a. T1強調像
b. T2強調像
c. MR angiogram (MR血管撮像)
d. MR cisternogram (MR脳槽撮像)
e. FLAIR (fluid-attenuated inversion recovery)像

32.解答 c
a. 誤:実質にはT1強調像では信号変化は見られないことが多い。
b. 誤:実質にはT2強調像では信号変化は見られないことが多い。
c. 正:MR血管撮像は脳梗塞の診断には必須である。
d. 誤:臨床的意義に乏しい。
e. 誤:実質の信号変化や血栓や遅い血流が描出されることはあるが、第一選択ではない。

33. MR所見で誤っているのはどれか。2つ選べ。

a. 静脈奇形はGd造影剤で増強効果を示す。
b. 微細な海綿状血管腫の検出にはT2*強調像が有用である。
c. MRAにより海綿状血管腫の導入動脈と導出静脈が描出される。
d. 出血既往のない動静脈奇形ではしばしば近傍脳実質に萎縮がみられる。
e. 動静脈奇形はT1強調像やT2強調像でflow related enhancementを示す。

33. 解答 c、 e
a. 正:造影後のT1強調像で発見されることが多い。
b. 正: T2*強調像により、出血による微量のヘモジデリン沈着が同定可能となる。
c. 誤:MRAにより海綿状血管腫の導入動脈と導出静脈が描出されることは殆どない。
d. 正:動静脈奇形では周囲近傍の脳実質が萎縮していることがある。
e. 誤:T1ではflow related enhancementを示すこともあるが、T2では通常flow voidが主体である。

34. 組み合わせで誤っているのはどれか。1つ選べ。

a. Alzheimer病 − 側頭・頭頂葉
b. Lewy小体病 − 脳幹
c. Binswanger病 − 大脳皮質下・深部白質
d. 進行性核上性麻痺 − 中脳、前頭葉
e. Creutzfeldt-Jakob病 − 大脳皮質・基底核

34. 解答 c
a. 正:Alzheimer病の萎縮はまず側頭葉で起こり、頭頂葉から全脳へと広がる。
b. 正:Lewy小体病ではLewy小体が黒質などの脳幹部を中心に、大脳にも広く病変が認められる。
c. 誤:Binswanger病では深部白質病変が主体であり、皮質下白質(U-fiber)は侵されない。
d. 正:進行性核上性麻痺では中脳被蓋を中心とした萎縮が認められる。前頭葉性の進行性認知障害を伴うことがある
e. 正:Creutzfeldt-Jakob病では血管支配に無関係に、まず大脳皮質や基底核で散在性に病変が認められる。

35. 30歳代の女性。網膜、小脳、脊髄に腫瘍が見つかった。兄弟も同様な所見を持つ。この患者に合併するのはどれか。1つ選べ。

a. 甲状腺腫瘍
b. 前縦隔腫瘍
c. 腎腫瘍
d. 卵巣腫瘍
e. 骨腫瘍

35. 正解 c
a. 誤:甲状腺腫瘍はMEN(多発性内分泌腫瘍症)で併発する。
b. 誤:該当しない。
c. 正:疾患はvon Hippel-Lindau病であり、腎腫瘍、褐色細胞腫や膵島腫瘍が合併する。
d. 誤:該当しない。
e. 誤:該当しない。

以上、31〜35は 岡田 知久 会員(京都大学病院)

36. 解答 c
類表皮嚢胞は、内部にケラチン、コレステロールを含み、拡散強調画像で著明な高信号を呈することが多い。

37.解答 a、 d
germinoma、 medulloblastomaは、腫瘍の細胞密度が高く、単純CTで高吸収を示すことが多い。

38.解答 b
b. 上錐体静脈洞は、S状静脈洞の起始部に流入する.下錐体静脈洞は、頚静脈孔の神経部を通り、頚静脈孔血管部の頚静脈球に合流する。

39.解答 b、 c
b. 椎前(椎周囲)間隙は、頭蓋底から第四胸椎の高さの後縦隔に存在する。
c. 咽後間隙は、頭蓋底から第三胸椎の高さに存在する潜在腔であり、病変の頸部から縦隔への進展経路となり得る。

40.解答 c.
Mondini奇形(蝸牛異形成)は、蝸牛が正常である二回半回転を欠くときに用いられる.感音性難聴の原因となる。
 その他の選択肢は、拍動性耳鳴をきたし得る。

以上、36〜40は 平沼 初音 会員(旭川医科大学)

41. 解答 d、 e
a. × :造影効果はさまざまで、粘液成分に富む組織からなる場合は殆ど造影されない。
b. ×:CTにて低濃度、造影は殆ど見られない。MRIでは、早期には造影されないが、後期に内部が僅かに不均一に造影される。
c. ×:境界明瞭な脂肪を含む腫瘍として描出され、内部に造影効果を有する索状の非脂肪成分が混在する。
d. ○:一般に、筋肉などの軟部組織より強い造影効果が見られる。粘液変性や出血を伴うことがあり、その場合は造影が不均一となる。
e. ○:CT、MRIにて強い造影効果を示す。

42. 解答 e
a. ○:椎体変形が高度におこり、圧潰から融合をきたし、進行すればPott亀背を呈する。
b. ○:脊椎周囲に膿瘍を高頻度に形成する。前方へ進展し前縦靱帯下に、側方では腸腰筋の筋膜下に、後方では脊柱管内硬膜外に膿瘍を形成する。
c. ○:罹患椎体数は、隣接する2椎体の罹患が多く、3椎体以上も稀ではなくskip lesionも見られる。
d. ○:傍脊柱領域に膿瘍を形成する頻度が高い。  
e. ×:単純写真で、初期には骨萎縮を認め、次第に椎間腔の狭小化、椎体終板の不整化、椎体の圧潰像に加え、膿瘍の広がりを認める。

43. 解答  c
骨盤骨の剥離骨折の好発部位、その付着筋を示す。
上前腸骨棘:縫工筋、大腿筋膜張筋
下前腸骨棘:大腿直筋
坐骨結節:大腿屈筋群、大腿屈筋腱(ハムストリング)
恥骨結合下部:大腿内転筋群、薄筋
腸骨稜:腹筋群

44. 解答  c、d
a × b × c ○ d ○ e ×
c. ○:手根管症候群は透析アミロイドーシスの原因となる。手根管の屈筋腱膜鞘滑膜に、アミロイドが沈着し、腱鞘滑膜炎から手根管内圧が上昇を生じ、正中神経の持続的な血行障害により神経に変性をきたす。
d. ○:慢性腎不全や長期透析患者に見られる進行性の脊椎の破壊性疾患で、原因としてアミロイド沈着、副甲状腺機能亢進症、結晶沈着などが関与していると考えられる。

45. 解答  b、e
a. ×:単純写真では、関節周囲の軟部組織腫瘤と骨侵食が見られる。
b. ○:膝関節に最も好発するが、股関節や、足関節、肩関節、肘関節などにも生じる。
c. ×:腫瘍の浸潤が靱帯の付着部から骨内に及んでいることが少なくなく、この場合、通常の腫瘍摘出では再発を繰り返す。
d. ×:20〜50歳代に多く見られる。
e. ○:T2強調像で低信号を示す部分は、ヘモジデリン沈着を反映している。

以上、41〜45は 三好 秀直 会員(鳥取大学医学部)

46. 解答 b
a. comet tail sign 胸部単純写真や胸部CTにおいて広範な胸膜肥厚と接した円形陰影や腫瘤陰影に向かって気管支肺血管束が曲線を描いて入っていく像をいう所見である。この所見は円形無気肺に特徴的である。円形無気肺は石綿肺に合併氏しやすく肺癌との鑑別に用いられるサインのひとつである。
b. Golden S sign 胸部単純写真において肺門部の腫瘍陰影と腫瘍による上肺野の閉塞性無気肺によってS状の陰影を呈する像をいう所見である。肺門部腫瘍によって上葉気管枝の閉塞により上葉のvolume lessやcollapseをおきfissureが上方に凹となる。一方肺門部では腫瘍や牽引により凸(S状、又は逆S状陰影)となる。これらによってつくられる陰影である。
c. Hampton hump胸部単純写真において胸壁を底辺とし肺動脈末梢を頂点とするきつ状の陰影であり、肺梗塞によって起きる陰影である。肺塞栓のみでは認められず梗塞に至り始めて認められる所見である。急性期の肺塞栓症の診断には有効でない。
d. hilum overlay sign 胸部単純写真正面像において中央陰影の拡大をみたときに、それが心臓に由来するものか、縦隔腫瘤によるものかの鑑別に有用な所見である。縦隔腫瘤では肺血管とは接していないので肺腫瘤陰影内に肺血管陰影を認める(シルエットサイン)。逆に心臓もしくは心膜由来の腫瘤(心嚢液貯留も含む)では、腫瘤陰影の側縁から外側に肺血管陰影を認め、腫瘤陰影外側縁から1cm以内に肺血管陰影を認めない。
peribronchial cuffing sign 胸部単純写真において接線方向の気管支壁の肥厚、不明瞭像をいう所見である。気管支もしくは気管支周囲組織の浮腫性変化により起きる。原因疾患として気管支炎に伴う浸出性変化による場合、間質性肺水腫に伴う場合が多い。小児では十分な吸気状態で撮像されていないと正常児においてもこの所見が見られる事に注意が必要である。また間質性肺水腫がある場合には十分な吸気ができず呼気相での撮像となる事が多いことも注意が必要である。正面像ではB3bなどが用いられる事が多い。

47. 解答 d、 e
a. 誤:Kerley B lineは胸部単純写真において下葉胸膜に接してみられる短い水平な線状陰影を言う。小葉間隔壁の肥厚による陰影で間質性病変を示唆する。多くは肺水腫が原因である。
b. 誤 
c. 誤
d. 正:慢性腎不全、低蛋白血漿患者、毒性吸入、輸液過多等でおこる肺水腫。
e. 正:気管支血管系(小葉間結合織)の肥厚でみられる。

48. 解答 b、 e
a. 誤:良性腫瘍
b. 正 
c. 誤:一般に低悪性度
d. 誤:気管支粘膜上皮から発生する気管支腺腫瘍。低悪性度で発育は緩徐。
e. 正 

49. 解答 b、 d
a. 誤:下葉後肺底区S10に多い。
b. 正:大動脈から分岐する異常血管が肺靭帯下部を通って流入する。
c. 誤:肺葉外分画症では胸膜に包まれた異常組織である為、消化管との交通がない限り感染は起こしにくい。
d. 正:還流静脈は肺静脈。
e. 誤:還流静脈は奇静脈又は門脈。

50. 解答 a、 c
a. 誤:通常胸水は伴わない。
b. 正
c. 誤:肺水腫などの間質性浮腫でみられる。
d. 正 
e. 正

以上、46〜50は 山口 晶 会員(東邦大学大森病院)

51. 解答 d
a. 正
b. 正:若年者、喫煙既往がキーワード。
c. 正:長い臨床経過。上葉、末梢優位の非区域性の均一な浸潤影。
d. 誤:非区域性の均一な浸潤影、スリガラス影や気管支壁肥厚など多彩な像を示す。
e. 正:その他、肺野移動性陰影はCOPでも見られる。

52. 解答 a
a. 誤:扁平上皮癌で多い。
b. 正:悪性所見でよく見られる。
c. 正:必ずしも悪性所見に特異的ではないが、肺腺癌でも見られる。
d. 正
e. 正:野口A、Bの小型肺腺癌では、限局性スリガラス影が特徴的なCT所見。

53. 解答 b、 d
a. 正:その他、crazy-paving appearanceを示す疾患として肺水腫、間質性肺炎等がある。
b. 誤:肺胞性肺炎なら浸潤影、スリガラス影、気管支肺炎なら小葉中心性粒状影。
c. 正
d. 誤: 空洞を伴う大小の多発結節。
e. 正

54. 解答 a、 e
a. 正:その他、上肺野優位の分布を示す疾患としてサルコイドーシスがある。
b. 誤:ランダムな分布。下肺野優位。
c. 誤:中枢側優位。CT上、小葉間隔壁、気管支血管周囲束の肥厚、crazy paving appearance。
d. 誤:下肺野優位。
e. 正

55. 解答 b
a. 誤:高い。造影ダイナミックCTは、肺癌の鑑別にある程度は有用と言われている。
b. 正:良性結節は造影効果が低い場合がある。
c. 誤:高い。
d. 誤:非常に造影効果が高いのが特徴。
誤:高い

以上、51〜55は 井上 敦夫 会員(大阪大学大学院)

56. 解答  d
解説:いずれも経皮肺生検において起こりうる合併症である。本邦124施設における9783例のCTガイド下肺生検の合併症を集計した報告(Eur J Radiol 2006: 59: 60-64)によれば、気胸の頻度が最も多く35%を占め、空気塞栓や腫瘍播種といった重篤な合併症も、各々0.06%と非常にまれながら認められた。

57. 解答 d とe
解説:胸部大動脈の外傷の多くは交通事故(ハンドル外傷など)や高所からの転落によるが、約90%が大動脈峡部(問題文の狭部は誤記)、すなわち大動脈弓部と下行大動脈移行部におこるとされる。単純X線撮影では縦隔陰影の拡大や大動脈弓の輪郭の不明瞭化、気管や左主気管支や経鼻胃管の右方偏位、左胸水貯留などが認められる。

58. 解答 e
解説:単純X線撮影あるいはCTで「肺野すりガラス様陰影をきたす」病態は様々であるが、肺うっ血は心疾患における肺野すりガラス状陰影の成因として重要である。総肺静脈還流異常(問題文の環流は誤記)は、すべての肺静脈が左心房と交通せず右心房や体静脈との交通を有する心奇形であり、とくに下心臓型では肺静脈閉塞を伴い、肺うっ血をきたしやすい。

59. 解答 e
解説:高安病動脈炎は大動脈(とくに胸部大動脈)とその分枝や肺動脈、冠動脈をおかす原因不明の大型血管炎であり、血管の閉塞や拡張をまねく。間欠跛行など下肢症状は腹部大動脈や総腸骨動脈病変が原因となりうるが、大腿動脈に病変がおよぶことはきわめてまれである。

60. 解答 b
解説:肺動静脈瘻の症状には、動静脈血シャントによる低酸素血症による症状(呼吸困難など)、低酸素血症に起因する多血症、およびフィルター機能欠如による脳血栓による虚血症状(TIAや脳梗塞)や脳膿瘍があげられる。胸膜下のAVFの破裂による血胸の報告も散見されるが、肺実質の感染性疾患との因果関係はない。

以上、56〜60は 氏田万寿夫 会員(東京慈恵会医科大学)

61. 解答  d
a. 正:血流の遅い偽腔内に血栓が形成されることがある。
b. 正:偽腔の拡大により真腔は圧排され、狭小化する。
c. 正:動脈硬化による内膜の石灰化が、解離時に内膜と共に剥離して見られる。
d. 誤:一般的には偽腔の方が血流が遅く、真腔が先に造影される。
e. 正:ulcer-like projectionとは真空から偽腔に向けて見られる造影剤の突出像である。

62. 解答  c、d
a. 誤:胎内あるいは産道感染であり、出生直後より呼吸困難を呈することがある。
b. 誤:生下時前後の胎便の混じった羊水の誤飲によるもので、重篤な呼吸困難を生じることがある。
c. 正:胎児性肺胞液の排出遅延の為生じる。呼吸困難は有るが重症では無く、予後も良好である。
d. 正:胎児期の感染による遅発性の肺の炎症反応と考えられており、出生直後の肺の画像所見は正常だが、生後1週間程の間に呼吸障害と画像所見の増悪がみられる。
e. 誤:サーファクタントの異常によるもので、出生時より重篤な呼吸困難が見られる。

63. 解答  b、d
a. 誤:肺動脈levelでの左-右短絡であり、肺血流増加を来すが、右心系の増大はきたさない。
b. 正:心房levelでの左-右短絡であり、肺血流の増加と右房・右室の容量負荷をきたす。
c. 誤:心室levelでの左-右短絡であり、肺血流は増加するが、右房の増大は見られない。
d. 正:一部の肺静脈が体循環系の静脈に帰る奇形であり、肺血流の増加と右房・右室の容量負荷をきたす。
e. 誤:完全型では心房・心室中隔欠損による左-右短絡に僧帽弁不全が加わり、肺血流の増加と両心房・心室の拡大を来す。

以上、61〜63は 澄川 裕充 会員(大阪大学医学部附属病院)

問題64 乳房X線写真(マンモグラム)でただしいのはどれか。2つ選べ
64. 解答 a、e
放射状陰影(specula)は放射性瘢痕や術後性瘢痕など良性病変でも認められるが、浸潤性乳管癌(特に硬癌)や浸潤性小葉癌で高頻度に認められる所見である。
マンモグラムにおけるhalo signは、境界明瞭なX線不透過性病変の周囲にみられる黒い(暗い)帯と定義され、目の錯覚(Mach効果)で生じるといわれている。乳腺腫瘤では線維腺腫や嚢胞などの良性病変でみられる。乳腺超音波所見用語のhalo signとは成因が全く異なるので注意が必要である。マンモグラフィガイドラインの用語としては用いられていない。
授乳期の女性や若年女性の乳腺は組織量が多く脂肪性変化が乏しいため、マンモグラムによる内部の性状評価には不向きである。
良悪性の鑑別を必要とする石灰化の大きさはおおよそ1mm以下とされる。粗大な石灰化は線維腺腫の変性や異栄養性石灰化、皮膚、乳管拡張症などでみられる。
石灰化の性状にもよるが、良悪性の鑑別を必要とする石灰化であれば、区域性の分布を呈する場合悪性の可能性を考慮するべきであり、カテゴリーは3以上となる。

問題65 乳癌で乳管内進展をきたしやすいのはどれか。1つ選べ。
65. 解答 d.(またはc.)
粘液癌は浸潤性乳管癌特殊型に含まれ、高分化型浸潤性腺癌と定義される。75%以上が粘液腫瘍細胞からなる純粋型と、非特殊型浸潤性乳管癌の成分を含む混合型がある。混合型では合併する非特殊型浸潤性乳管癌と同程度に乳管内進展を来たしうるが、粘液癌全般としては基本的に粘液湖に腫瘍細胞が浮いているような性状であり、予後は比較的良好で乳管内進展は少ないといえる。
髄様癌も特殊型浸潤性乳管癌の1つである。リンパ形質細胞浸潤が著明で、境界明瞭で圧排性発育を呈する充実性腫瘍であり、病変の大きさの割にリンパ節転移が少なく比較的予後がよい。乳管内進展は少ない。
Paget’s(パジェット)病は腫瘍細胞が乳管洞から乳頭表面に広がったものであり、病理所見としてPaget’s細胞を認める。乳頭、乳輪の肥厚、発赤、痂皮形成など特徴的な臨床像を呈する。大多数にDCISの合併を認める。乳頭病変とDCISは独立した病変であるとする意見があり、その意味では乳管内進展をきたしやすいとはいえない。
浸潤性乳管癌はWHO分類では特殊型と非特殊型にわけられ、約3/4が非特殊型である。日本乳癌学会では非特殊型を構成する組織型としてさらに乳頭線管癌、充実腺管癌、硬癌に分類しているが、とくに乳頭線管癌は乳管内進展をきたしやすい癌として知られている。
浸潤性小葉癌は腺房上皮から発生し、塊状や腺腔形成を伴わずにびまん性に間質に浸潤する。多発性、多中心性で両側発生の頻度が高い。乳管内進展の頻度が高いという記載は見られない。

以上、64〜65は 鈴木美奈子 会員(昭和大学横浜市北部病院)

66. 解答 c
a. 誤:油性造影剤。
b. 誤:金属コイル。塞栓可能な血管はコイル径に依存。
c. 正:液体。
d. 誤:粒子。基本的には数ミリ大を使用。
e. 誤:液体。最も細径の血管とした場合には、エタノールには劣る。

67. 解答 b、 d
a. 誤:下大静脈に直接注ぐ。
b. 正:左腎静脈と合流し、下大静脈へと注ぐ。
c. 誤:下大静脈に直接注ぐ。
d. 正:左腎静脈と合流し、下大静脈へと注ぐ。
e. 誤:下大静脈に直接注ぐ。

68. 解答 e
a. 誤:腫瘍の血流欠損を明瞭に描出する目的でCTAPを先に行う。
b. 誤:基本的には親カテをSMAに留置して行う。
c. 誤:基本的には親カテをCHAに留置して行う。Case by case。
d. 誤:300mgIを3倍希釈して90ml前後、2倍希釈して60ml前後が一般的。
e. 正:一般的と思われます。

69. 解答 c、 d
a. 誤:肝細胞癌のような被膜形成は伴なわないことが多い。
b. 誤:癌臍を認める事があるが、必ずしも肝表面に突出する訳ではない。
c. 正:線維化の多い組織像を反映して後期で濃染が見られる。
d. 正:腫瘍の浸潤による胆管閉塞を示唆する所見である。
e. 誤:肝細胞癌ほど、門脈腫瘍塞栓は伴なわない。

70. 解答 d
a. 誤:20-40 HU。
b. 誤:35-55 HU。
c. 誤:25-55 HU。
d. 正:45-75 HU 。試験問題の中では一番CT値が高い。
e. 誤:胆嚢壁ではなく、あえて胆嚢内部のCT値とすれば、0HUに近いと思われる。

以上、66〜70は 玉井 努 会員(鹿児島大学大学院)

71.解答  a
a. 正:胆嚢腺筋症などの胆嚢壁内結石で認められる。
b. 誤:腫大したリンパ節が一塊となり血管を取り囲む所見で、悪性リンパ腫で認められる。
c. 誤:腸閉塞などの拡張した小腸において、kerckring皺壁が鍵盤に類似した像を呈する。
d. 誤:体位変換をすると腫瘤性状が変化するサインで、肝血管腫に認められる。
e. 誤:拡張した肝内胆管が肝内門脈と平行に描出される状態。

72.解答  a、 c、 d ?
a. 誤:症例報告される程度で「破裂しやすい」わけではない。
b. 正
c. 誤:硬変肝に合併しやすい。
d. 誤:腎ほどではないが、TSに肝の血管筋脂肪種と関連がある。MSとの関連は不明。
e. 正

73.解答  e
a. 正:エコー所見で辺縁低エコーを示す。
b. 正:内部が多数の線維性隔壁により分割されて、種々の小結節像として描出される状態。
c. 正:dynamic study での所見で、腫瘍がhypervascularであることを示す。
d. 正:dynamic study 時、門脈腫瘍栓を栄養する細動脈が糸束状に映る。
e. 誤:肝血管腫の血管造影所見。

74.解答  a
a. 正:出血や感染を合併しやすい。
b. 誤:通常厚い線維性被膜を有し、IPMTとの鑑別点になる。
c. 誤:乏血性。
d. 誤:膵全体に発生し、膵頭部に好発する。
e. 誤:主膵管型はびまん性・限局性の主膵管。分枝型が「ぶどうの房」状を呈する。

75.解答  b、 d
a. 誤:充実性腫瘍として描出されるので高信号を示す。
b. 正:隔壁は血管を富む。
c. 誤:中心石灰化。
d. 正
e. 誤:膵管との交通はなく、圧排像が主。

以上、71〜75は 芝田 豊通 会員(神戸市立医療センター中央市民病院)

76.解答 b, e
急性膵炎や上腸間膜閉塞症などで、腹部単純X線像にて横行結腸ガスが途絶し、右半結腸のみにガス像が認められる所見をcolon cut off signという。本態は結腸の部分的攣縮で、これらの疾患の初期に見られる。
同様の機序で、急性膵炎や胆のう炎などの炎症性刺激が小腸に波及すると、小腸の部分的拡張や腸管係蹄が掲載される(sentinel loop sign)。

Cortical rim sign・・腎梗塞の際、腎被膜下皮質のうすい辺縁が側副血行路から血流が認められることにより、増強されて見える。
Pseudokidney sign・・肥厚した消化管壁と内腔のガスによって形成されるエコー所見で、
腎臓のエコー像に似ていることから命名されている。全周性の胃癌、大腸癌、消化管リンパ腫をはじめ、各種の急性胃腸炎などで見られる。

77.解答 e.
 慢性膵炎では主膵管は通常拡張するが、部分的に強く狭窄していることもある。通常型膵管癌は腫瘤による主膵管の狭窄や上流主膵管の拡張とも認められる。急性膵炎においては膵管の形状に特徴的な変化は見られないが、原因により(総胆管結石など)により拡張を呈することもある。自己免疫性膵炎では主膵管のびまん性不整狭窄像を呈する。主膵管型IPMTでは、主膵管のびまん性もしくは限局性拡張を認める。
以上から、eを解答としたが、例外や完全な典型例のみを考慮すると難しいかと思われる。

78.解答 a,
a.正。
b.football signは気腹(pneumoperitoneum)の時に見られる。
c.Stierlin’s signは結核性盲腸炎で見られる所見である。
d.cobblestone appearanceが正しい。
e.leadpipe appearanceが正しい。

79.解答 a,e
a.正。
b.誤。迷入組織は胃粘膜である。
c.誤。下部回腸に多い(回腸間単から100cm近位程度)。
d.誤。腸間膜付着反対側に多い。
e.正。
メッケル憩室
胎生早期(7週頃まで)に卵黄のうと中腸をつないでいる卵黄のう管(臍腸管)が消失せずに遺残した場合に生じる真性憩室である。
下血は憩室内にある異所性胃粘膜から分泌された胃酸が、隣接する小腸に潰瘍をつくることにより起こる。
腸閉塞はメッケル憩室につながる索状物(血管のなごりでひも状の構造物)に腸がはまり込むことが原因で、またメッケル憩室が腸内に入り込むと腸重積の原因ともなる。
いずれも乳幼児期に発症することが多い。

80.解答 b
a.正。
b.誤。常習性便秘の人。S状結腸過長の人。高齢男性に多い。
c.正。典型例では腹部X線写真で、拡張したS状結腸が、肛門側の狭小化とともに、大きなコーヒー豆状のガス陰影を呈する。
d.正。注腸検査でS状結腸の肛門側が狭小化し、鳥のくちばし状に見える。
e.正。内視鏡下整復術で改善しないときや壊死など重篤な症状が考えられるときには緊急開腹が必要となる。

以上、76〜80は 内野典子会員(宮崎大学医学部放射線科)

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