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11.解答:b
CTにて松果体近傍に白質より高吸収、皮質と同程度のdensityの軟部影が認められる。MRI矢状断像では松果体に接して軟部影が認められ、下垂体柄〜下垂体にかけても軟部影が認められる。
結核の中枢病変は肺結核患者の2〜5%に見られる。結核性髄膜炎、膿瘍、脳炎、結核腫と多彩な形をとるが、髄膜炎が最も多い。脳底部髄膜の肥厚・濃染が最も良く見られ、脳槽に結核腫を形成することもある。また、血管炎を好発し、穿通枝領域に梗塞が見られることも多い。下垂体や下垂体柄に肉芽を形成し尿崩症をきたすこともある。
胚種は松果体が好発部位の1つであり(70%)、鞍上部にも好発する(30%)。CTでは細胞密度を反映し高吸収を示すことが多い。松果体部の胚腫は男性に好発するが(10:1)、鞍上部は性差がほとんど見られない。鞍上部に生じる場合は、中枢性尿崩症の原因となることがある。多発することもあり、画像上は最も疑われる疾患である。
神経膠腫は原発性脳腫瘍の25.2%を占めており、星状細胞腫、乏突起膠腫、上衣腫、脈絡叢系腫瘍などが含まれる。これらのうち上衣腫や脈絡叢乳頭腫などが鑑別に上がるものの、胚腫よりも考えやすいことは無い。
原因不明の炎症性疾患であり、組織学的には非特異的リンパ球浸潤が認められる。前葉(腺下垂体)のみ侵すもの、後葉〜下垂体柄(神経下垂体)のみ侵すもの、両方侵すものなどさまざまな形態を示す。中枢性尿崩症の原因のひとつである。
LCHの頭部病変としては頭蓋骨浸潤が有名。また、中枢神経浸潤を生じることもあり、下垂体柄や視床下部に浸潤した場合は中枢性尿崩症の原因となることもある。
頻度などを考慮すると、答えはb)胚腫が第一に挙げられる。
12.解答:e
内包後脚に淡いT2高信号が認められ、大脳脚にも同様の高信号域が認められる。
CO中毒では海馬や淡蒼球の壊死、白質の壊死・脱髄が認められる。MRIではそれらを反映した所見を呈する。また、側脳室周囲白質、脳梁、半卵円中心にも異常信号がみられることがある。病変の分布からは否定的。
肝性脳症は淡蒼球を中心とした基底核のT1高信号が有名。その他、被殻、内包、大脳脚、下垂体などでも見られることがある。銅やマンガンなどの微量金属元素の沈着が原因とされる。
多発性硬化症は白質の脱髄病変ではあるが、側脳室周囲深部白質に生じることが多い。また、今回のように錐体路に限局した画像を呈することはない。
ビタミン12欠乏症は不適切なダイエット(菜食主義)、内因子欠乏(慢性胃炎・胃切除・先天性内因子欠乏症)、小腸疾患(小腸切除・クローン・吸収不良症候群・腸結核など)、笑気ガス吸入などが原因で生じる。Vitamin B12欠乏症に関連した有名な神経疾患としては、亜急性連合変性症がある。1万人に1人に割合で発症し、40歳以上の人に好発する。主に脊髄側索や後索が中心として障害され、錐体路症状や知覚障害を生じる。また、中枢神経や末梢神経も障害される。臨床的には筋の脱力と感覚障害をともなう左右対称性の知覚運動性の多発性神経障害が見られる。画像所見はMRIでは脊髄の側索および後索にT2高信号が認められ、中枢神経では錐体路や小脳に異常信号がみられるとの報告がある。画像上は亜急性連合変性症としても矛盾はしないが、今回の症例は錐体路症状のみで、感覚障害については言及されていない。以上からはALSの方が考えやすいと思われる。なお、この疾患に関しては血清Vitamin B12濃度を測るのが必要であり、画像のみで診断させるのは少し無理がある。
筋委縮性側索硬化症(ALS)は上位および下位運動ニューロンが選択的に障害される神経変性疾患であり、年間に人口10万人当たり2人程度が発症する。好発年齢は40代から60代で、男女比は2:1である。感覚障害や眼球運動障害、膀胱直腸障害、褥創などは呈さない。発症初期では特異的な画像所見を呈さないことが多いが、病期が進行するにつれ内包後脚(錐体路)がT2強調画像で高信号を呈することがある。なお、一般的にALSにおいては中枢神経の画像検査は除外診断に用いられる。
以上より、d)かe)か迷う部分もあるが、答えはe)ALSを第一に考えたい。
13.解答:b
中下位胸椎レベルの脊髄はT2WIにて腫大および高信号化を呈している。脊髄背側に接して小さなflow voidが多数認められ、硬膜脊髄動静脈瘻がもっとも疑われる。
硬膜脊髄動静脈瘻はT5−L3に最も多く、他の部位の血管奇形は伴わない。頭部MRIおよびMRAは施行しても良いが、血管造影との二者択一であれば優先順位は低くなると考える。
確定診断およびその後の血管内治療のため必要である。次に行うべき検査で最も優先順位は高い。なお、最近ではCTAによるfedderの同定も可能になっており、選択肢にCTAがある場合は次に行う検査と考える。
myelomalaciaを反映してわずかに集積が低下しているかもしれないが、特異的な追加情報は乏しい考える。また、保険適応からも外れている。
有用性がないと思われる。
腰椎穿刺をしても追加すべき情報は得られない。
以上からは答えは第一にb)血管造影を考える。
14.解答:e
上咽頭正中に嚢胞性病変が認められる。T2強調画像にて高信号、T1強調画像にても筋よりやや高信号を示している。特徴的な部位や形態からはTornwaldt嚢胞が考えられる
咽後膿瘍は形態・部位より否定的。
アデノイドは咽頭扁桃の肥大から鼻咽腔の閉塞症状を呈するものである。CTでは均一な鼻咽腔を占める左右対称性の軟部組織としてみられ、MRIではT1で筋と等〜やや高信号、T2で高信号を示し、造影にて内部に線状の造影効果がみられる。
鼻咽腔に発生する悪性腫瘍の中で上咽頭癌に次いで多い。CTでは筋とほぼ等吸収、MRIではT1にて筋とほぼ同等、T2にて均一な高信号を示す。造影T1では軽度から中等度の均一な濃染を示す。辺縁は平滑で境界は明瞭なことが多い。
海面状血管腫は著明なT2高信号を呈し、T1強調画像では筋と同程度か僅かに高信号を呈する。CTでは筋と等濃度を示し、石灰化を伴うことがある。
Tornwaldt嚢胞は咽頭粘膜間隙正中に発生する先天性嚢胞で、通常無症状で偶発的に認める事が多い。脊索の遺残として発生し、3〜4%に見られる。画像では、鼻咽頭正中後壁で、椎前筋と咽頭縫線との間に存在し、数mm〜数cmの大きさ。内容液はT1強調画像にて、蛋白濃度により低信号から高信号まで様々な信号を呈する事が特徴。時に出血や感染を伴うこともある。
特徴的な画像所見より、答えはe)Tornwaldt嚢胞と考える。
15.解答:b
Retropharyngeal spaceからcarotid spaceにかけて辺縁のsmoothな楕円形の腫瘤が認められる。T1にて低信号、T2にて不均一な高信号を示し、造影にて不均一な濃染が認められる。
髄膜腫は脳表のくも膜顆粒から発生し大半は組織学的に良性で予後良好。55〜65歳の女性に多い。Retropharyngeal spaceに発生することは稀。
神経節神経種は胎生期のprimitive neural crestに由来する副腎や交感神経節から発生する腫瘍のうち最も良性な腫瘍である。被膜を持つことが多く、悪性転化や転移は非常にまれである。サイズの割に無症状のことが多い。CT値は低く15-45HU程度を示し、石灰化を伴うこともある。また、MRIでは細胞密度に応じてT2WIにて不均一な信号を呈し、造影にても様々な濃染を示す。交感神経幹から発生することが多いが、副腎髄質にも発生しうる。
迷走神経は頸部では内頚静脈−総頚動脈の間やや後方に位置している。このため、迷走神経鞘腫は動静脈を前方に偏位し、内頚静脈−総頚動脈を離開する傾向がある。また、濃染も神経鞘腫としては少し乏しいと思われる。
胎生期のprimitive neural crestに由来する副腎や交感神経節から発生する腫瘍のうち悪性度が最も高い腫瘍である。大部分は10歳以下に生じる。MRIではT1低信号、T2高信号であり、造影にて不均一な濃染を示す。副腎発生が多いが、髄外発生部位としては後腹膜や縦隔が多く、頸部や骨盤にも発生することがある。
迷走神経糸球傍神経節種は非常に血管に富み、強い増強効果を示す。この点において今回の画像は少し合致しない。
以上からはb)神経節神経腫が最も疑われる。
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