一次試験問題解答および注釈 1.〜30.

4 の解答に訂正が入りました。(2001年6月14日訂正掲載)

1.解答 a
(1)正:あるCT値を持った物体がスライスの一部にしか含まれないとすると,その周囲の構造のCT値と平均化され,物体は真のCT値よりも高いあるいは低いCT値を持つ構造として表現される。これをpartial volume effectと言い,アーチファクトの原因となりうる。
(2)正:X線管より発生する連続X線が物体を通過すると低エネルギー(軟らかい)のX線の方がより多く吸収され,エネルギー分布は高い側にシフトする。これがX線が硬くなる(beam hardening)理由である。高エネルギーほど透過性が良くなるので,X線が物体の内部に進むほど,内部は透過性が良い,すなわちlow densityと認識されてしまう。例えば,CTではX線吸収の多い錐体骨の間の橋に線状のlow densityの構造を見ることがあるが, beam hardening effectによるアーチファクトである。
(3)正:被検体中でX線吸収が大幅に異なる場所,例えば骨や空気が存在すると,その境界付近でCT値が実際と異なった値を示す。例えば空気でふくらんだ胃に液面形成があった場合,液面より連続するようにlow densityの構造が見られることがあるが,これがedge effectによるアーチファクトである。
(4)誤:slip-ringとX線管のついたブラシの間で放電が起こり,画像が撮像できないことはあるが,これはアーチファクトの次元ではない。
(5)誤:ベクトルは大きさと位相と呼ぶ角度によって表すことができる。通常,MRIの磁化ベクトルに対して使うことが多く,MRIに関する用語である。

2.解答 d
a.MTFは鮮鋭度の評価に用いられている。「点像強度分布あるいは線像強度分布をフーリエ変換を用いて空間周波数領域に変換した関数」としての定義と,「正弦波形(実際は矩形波チャートを用いる)のコントラスト(振幅を振動の中心で割ったものとして定義されている)の変調」としての定義で,各々の定義に従った測定法がある。
b.粒状性を客観的に捕らえる方法として,濃度の変動を統計的手法を用いて表すものが多いが,その一つ。パワースペクトル密度関数のことを言うが,フーリエ変換にて得られるため,空間周波数に対するノイズ特性を評価できる。
c.DQEは入力(X線量子のみ,いわゆる外部雑音は含まない)と出力(フィルムであれば濃度)のゆらぎ(真の値からの変動成分で,分散で表す)の比と定義されている。S/N比との関係で見ると,定義の式はDQE=(S/N)2out/(S/N)2inと変形でき,S/N比の伝達特性として働いていることを示す。単位線量当たりのS/N比を評価する際の指標となる値である。異なるシステム同士の評価に使用できる。
d.日本医学放射線学会物理部会の用語集になく,意味は良くわからないが,消去式でこれが解答になると思う。
e.ROC曲線は,非常に弱い信号(病変)を人間の視覚により検出する程度を計る方法として優れており,これも視覚的方法による画質評価である。5段階程度の判定基準をあらかじめ設定しておき,観察者はその基準に従って判断する評定手続きによってROC曲線を作成するのが一般的である。

3.解答 a
a.正:S/N比=K・(ボクセルの大きさ)・√計測回数/√受信バンド幅で表される。バックグラウンドノイズは周波数に関係なく存在するので,受信バンド幅を広くすると,ノイズが増え,S/N比は低下する。
b.誤:2D撮像の場合,ボクセルの大きさ=(FOVx/Nx)・(FOVy/Ny)・スライス厚である。(Nx:周波数エンコード方向のデータポイント数,Ny:位相エンコードの回数)一方,計測回数=Nx・Ny・加算回数なので,上式はS/N比=K・(FOVx/√Nx)・(FOVy/√Ny)・スライス厚・√加算回数/√受信バンド幅となる。S/N比は加算回数の平方根に比例するので,スライス厚を半分にすると4倍にする必要がある。
c.誤:TEを延長させればT2緩和によって信号が低下するので,S/N比は低下する。
d.誤:ボクセルの大きさを一定にしたとすると,S/N比は計測回数=Nx・Ny・加算回数の平方根に比例するわけだから,位相エンコードの回数の平方根に比例することになる。
e.誤:Kは静磁場強度にほぼ比例するので,高磁場装置ほどS/N比は良い。

4.解答 e
(1)誤:基本的には,悪性リンパ腫細胞は放射線高感受性の代表であり,一方,悪性黒色腫細胞は放射線抵抗性の代表である。よって,悪性リンパ腫細胞の生存率曲線では,悪性黒色腫細胞の生存率曲線とくらべ,ほとんど肩がなく,傾きも急峻になる。
(2)誤:エックス線などの光子線の場合,エネルギーが低いほどLETは高くなる。よって,低エネルギーX線照射の方が生存率曲線での肩は小さく,かつ傾きも急峻になる。
(3)誤:低線量率での持続照射は,高線量率分割照射のごく小線量を持続的に照射しているものとも考えられる。したがって,生存率曲線は,線量率が低くなるほど肩はとぼしくなっていき,傾きは緩やかになる。
(4)正:high LET放射線である速中性子線や重粒子線照射での生存率曲線の肩とLETの低い光子線であるX線照射のそれを比較すると,high LET放射線照射でのβ型障害は乏しいので,high LET放射線照射に比べ,X線照射の生存率曲線での肩は大きくなる。
(5)正:LQ modelでは,染色体などの2つの標的に対して,低線量部分では主として単一の電子での障害(線量に比例する部分:αD)を表しており,また,高線量部分では主としてそれぞれの電子による障害(線量の2乗に比例する部分:βD2)を表しており,それらを併せたものが細胞全体の標的の障害(αD+βD2)を表すことになる。 LQモデルで曲線に関与しているのは2次式要素のβであり,したがってα/β比が小さい(β値の大きな)腫瘍は肩が大きいと言うことはことになる。

5.解答 a
(1)正:hyperfractionationは,1回線量を1.2Gy程度とし1日2回に分けて照射を行う方法であり,1回線量を減少させることで急性反応と慢性反応の差を大きくすることを目的としている。よって,hyperfractionationでは総線量を増加することが出来る。
(2)正:accelerated fractionationは,1回線量を減少させることなく(わずかな減少にとどめ)1日に数回の照射を行う方法であり,再増殖の盛んな腫瘍に適応し総治療期間の短縮を目的としている。
(3)誤:accelerated fractionationにおいて,慢性反応は治療期間に関係しないため正常組織晩期障害の発症に影響はないが,期間あたりの線量が増加するため正常組織急性反応は強くなる。
(4)誤:照射によって放射線感受性である酸素細胞が選択的に死滅し,抵抗性を示す低酸素細胞が主として生残するが,時間経過とともに再び酸素細胞の割合が増加してくることを再酸素化と言う。よって,accelerated hyperfractionationでも再酸素化は起こる。
(5)誤:亜致死障害からの回復(SLDR)は,通常2〜6時間で完全になると言われている。よって,照射間隔は6時間での1日2回照射であるaccelerated hyperfractionationでもSLDRは起こ
る。

6.解答 b
(1)正(または誤):毛細血管分布・新生の低下により腫瘍組織内の多くは低〜無酸素細胞領域となっているため,周囲正常組織と較べて被加温熱エネルギーの放散率が低くなり,組織内の低酸素細胞領域では,温熱感受性が高くなる。しかし,低酸素細胞自体の温熱感受性が高いかどうか
は,現在までのところはっきりしていない。
他の選択肢と併せて検討すると,“正”となるのか?
(2)誤:多くの固形腫瘍では組織内に壊死部分が存在していることからもわかるように,腫瘍組織内の毛細血管分布や新生は乏しい。よって,全体として腫瘍組織内は低酸素から無酸素状態になっており,腫瘍内pHは低下している。
(3)誤:X線などのLETの低い放射線を考えた場合,無酸素下と大気下(および100%酸素下)での放射線感受性は,大気下の細胞で2.7〜3倍程度(これをOER:酸素効果比という)高く,さらに,大気下と100%酸素下での放射線感受性の違いはほとんどみられない。また,放射線感受性の差異がみられる酸素濃度は,酸素分圧としておよそ0〜25mmHgである。
(4)誤:腫瘍内にはtumor codeといわれ1つの毛細血管を中心として同心円上に存在する腫瘍細胞の構造がみられる。このtumor codeにおいて毛細血管による組織内への酸素の拡散距離は,およそ120〜180μmと考えられている。
(5)正:腫瘍内酸素分圧の測定が低LET放射線治療での局所制御の予測に有用であると,臨床的にも報告されてきている。

7.解答 c
(1)正:測定原理が写真作用であるため,測定の度に業者に送付し現像・測定をしている。
(2)誤:フィルムバッジのケース内をみると,線種ごとの被曝線量を測定するために金属板がついている。よって,少なくとも前後方向についての方向依存性は大きい。
(3)誤:着用後,測定ごとにバッジを業者まで送り返し測定結果を出すために,毎日の被曝線量を知ることはできない。また,フィルムバッジは不測の事態を除き,基本的には1ヶ月着用する。
(4)正:0.1〜7,000mSvの広範囲で線量当量が測定できる。
(5)正:個人モニタとしてのフィルムバッジは,妊娠可能女性は腹部にと定められている(男性や妊娠不能女性は胸部である)。

8.解答 b
a.正:障防法第22条
b.誤:電離則第56条にて,6ヶ月に1回の健康診断が定められている。
c.正:同様に,皮膚と眼の検査は3ヶ月に1回と定められている。
d.正 
e.正:3/10を超えた場合は,遅滞なく健康診断(血色素量・赤血球数・白血球数)が必要であるが,血液像(白血球像)・皮膚・眼については医師が必要と認める場合に限る。

9.解答 e
a.正:実効線量限度は5年間の平均が20mSv/年で,どの1年においても50mSvを超えないこと。
b.正:水晶体は150mSv/年である。  
c.正:皮膚は500mSv/年である。  
d.正:手および足は500mSv/年である。  
e.誤:「原則として女性に対する特別な線量限度は勧告せず,妊娠女性が就くべきでない高線量で高リスクの職業は,もし必要ならば規制当局により設定すべき」と記載されているが,妊娠女性(申告した場合)の腹部表面は2mSv/妊娠期間と勧告されている。
 
10.解答 a
(1)正:手術室において一時的に使用する場合。
(2)正:移動させることが困難な患者に対して放射線治療病室において使用する場合。
(3)正:適切な防護措置及び汚染防止措置を講じた上で集中強化治療室もしくは心疾患強化治療室において一時的に使用する場合。
(4)誤
(5)誤
いずれも医療法第30条の14(使用の場所等の制限)において定められている。

11.解答 d
(1)誤:血腫のMRI信号強度は主にヘモグロビンに依存する。超急性期(出血数分〜数時間程度)の血腫では酸化型ヘモグロビンが主体である。酸化型ヘモグロビンは反磁性体なので緩和時間への影響はなく,T1強調像では灰白質と等信号である。
(2)誤:T1強調像で血腫が高信号を示すのは血腫内にメトヘモグロビンが出現してくる亜急性期(7日頃)であり,慢性期には,T1強調像で低信号を示す。
(3)正:脂肪はT1緩和時間が短く,T1強調像で高信号を示す。
(4)正:成人では頭蓋底の骨髄は脂肪化しており,T1強調像で高信号を示す。
(5)誤:成人の正常下垂体前葉はT1強調像で等信号であり,後葉が高信号を示す。下垂体の信号は年齢により変化する。新生児では活発な内分泌活動を反映して上方に凸で,T1強調像で高信号となる。およそ,生後2ヶ月までに前葉は等信号となり,妊娠産褥期には新生児と同じ機序により高信号を示す。それ以外の時期は等信号を示す。

12.正解 e
(1)誤:二次小葉を形成する一次小葉は30~50個といわれている。
(2)誤:終末細気管支に支配される領域を細葉といい,一般にReidの二次小葉は3~5の細葉を,Millerの二次小葉は3~30の細葉を擁する。
(3)誤:終末細気管支より次の呼吸細気管支が分岐する。
(4)正:気管支と肺動脈は原則として隣接して平行に走行し,区域,亜区域,小葉の中心に位置する。
(5)正:高分解能CTで確認できるのは,二次小葉を支配する動脈,小葉間隔壁の一部とその中を走る静脈のレベルまでである。

13.正解 d
(1)誤:三尖弁の中隔尖と後尖が右室腔内に転位しているため,機能的右室が狭小化する。それにより右心拍出量が低下し,肺血流量が低下する。
(2)誤:三尖弁が閉鎖しているため,右房に灌流した血液はASDを介して左心系に流入し,肺循環系にはPDAを介してのみ血液が流れるため,肺血流量は低下する。
(3)正:肺動脈と大動脈が入れ替わり,右室から大動脈が,左室から肺動脈が起始し,PDA・ASD・VSDを介してのみ両心系が繋がっている。その右左シャントによって肺血流が増加し,肺高血圧を呈する。
(4)正:動脈管を介して大動脈から肺動脈へ血液が流入し,肺血流が増加する。
(5)誤:円錐中隔の前方転位による肺動脈狭窄ならびにVSDを介して,右室血流が左室へ流入し,肺動脈の血流は低下する。

14.解答 c
a.誤:RDSは,1,500g未満の低出生体重児や32週未満の早産児に多い。
b.誤:Wilson-Mikity症候群は,未熟児,特に生下時体重1,500g未満に生じる。
c.正:MASは,postmature infantに多い。
d.誤:TTNは,出生時,一過性に認められる軽度の呼吸障害で,通常は生後48時間以内に自然軽快する。
e.誤:肺出血は未熟児に多い。

15.解答 c
(1)誤:胎便栓症候群では,distended colonとdilated small bowelが認められる。
(2)正:回腸閉鎖症では,microcolonやsmall sized colonが認められる。
(3)正:胎便イレウスでは,unused colonを呈する。
(4)誤:Hirschsprung病は,aganglionic megacolonであり,dilated colonを認める。
(5)誤:十二指腸閉鎖症では,double bubble signが有名である。  

16.解答 e
 脳内の生理的な鉄の沈着の部位を問うている。加齢に伴い,錐体外路系の灰白質(基底核)には鉄の沈着を認めるようになり,MRI T2強調像で低信号を示す。成人では淡蒼球,黒質網様層・赤核,小脳歯状核の低信号が正常で認められる。小児では,これらの核は白質より低信号を示さず,15〜20歳で,淡蒼球,黒質網様層・赤核,歯状核の順で低信号となる。高齢者では更に,被殻(特に外側),視床,大脳皮質などにも鉄によると考えられる低信号を認めるようになる。

17.解答 e
a.正常下垂体後葉がT1強調像で高信号を示す原因には諸説があるが,後葉内に存在し,内部に後葉系ホルモンを含む神経分泌顆粒の量を反映していると考えられている。この高信号は neurohypophyseal functionの重要なマーカーとなる。
b.下垂体後葉を含む神経下垂体(neurohypophysis)は,正中隆起,下垂体柄,下垂体後葉より構成される。視床下部にある室傍核と視索上核でADH(antidiuretic hormone)やオキシトシンが生成され,神経分泌顆粒内に蓄えられ,神経線維内を下降し(下垂体柄),後葉内にある神経線維末端に蓄えられる。
c.微小腺腫の検出にはdynamic MRIが有用であると言われており,多くの腺腫が正常下垂体よりも増強のピークが遅いため,早期相にて低信号として描出される。造影T1強調像では,微小腺腫は明らかな低信号とならない場合もあり,必ずしも正しい文ではない。また,すべての微小腺腫をMRIで検出できるわけではない。
d.下垂体腺腫の出血は比較的頻度の多いものであり,MRI上,macroadenoma(≧10mm)の約1/3に出血を認めるという報告もある。無症候性の出血の頻度が高いが,激しい頭痛や急激に進行する視野欠損を伴う症例もあり,これらを下垂体卒中という。出血がある場合,MRIではT1強調像で高信号,T2強調像矢状断にて上部が高信号,下部が低信号のfluid-fluid levelを形成するのが典型的所見である。
e.Rathke嚢胞はRathke's pouchの遺残組織より発生する。
 厳密にはcも正しくないと考えるがeは明らかな誤りなので,正解はeとした。

18.解答 d
a.Chiari奇形:Chiari奇形はI型-III型に分けられる。Chiari I奇形では,小脳扁桃の尾側への下垂を認めるが,通常は脳の先天奇形は伴わない。小脳扁桃の大後頭孔からの下垂が5mm以上になると症状の発現する可能性が高くなる。脊髄空洞症を合併することが多い(30〜40%)。
b.Dandy-Walker奇形:古典的なDandy-Walker奇形では,後頭蓋窩容積の増大,テント上位(静脈洞交会の高位),小脳虫部の低形成と第4脳室の嚢胞状拡大を認める。
c.Neurofibromatosis type 2:NF2では両側性聴神経腫瘍が特徴的で,この他,他のcranial nerveから発生する神経鞘腫や髄膜腫の頻度が高い。
d.Sturge-Weber症候群:Sturge-Weber症候群の病理学的特徴はleptomeningeal angiomatosisと三叉神経(主に第1枝)の支配領域の血管腫である。leptomeningeal angiomatosisは軟膜とくも膜下腔の間にみられる壁の薄い異常血管叢である。単純写真では,tramtrackと呼ばれる病変側の脳表に沿った石灰化を認める。この所見はCTでも認められ,leptomeningeal angiomatosisの分布とほぼ一致する。石灰化は出生時にみられることはまれで,年齢と共に明瞭となる。造影CT,MRIでは脳回に沿った造影効果を認め,MRIではleptomeningeal angiomatosisそのものを描出していると言われる。この他,患側大脳半球萎縮,側脳室脈絡叢の肥大,深部静脈の拡張(側副血行路)を認める。
e.von Hippel-Lindau病:中枢神経系の血管芽細胞腫,網膜血管腫,腹部臓器の嚢胞性疾患および腫瘍が特徴的病態である。血管芽細胞腫は,CT,MRIにて小脳半球に壁在結節を有する嚢胞性腫瘍として描出されるのが典型的所見である。一般に壁在結節は強く造影される。MRIではこの所見に加えて,腫瘍周囲に腫瘍を栄養する血管がflow voidとして描出されることもある。

19.正解 c
a.誤:気管支粘液栓mucoid impactionによる拡張した不透亮な気管支像を認めることがある。
b.誤:融合成陰影を呈する。陰影は‘photographic negative of pulmonary edema’を示すことが多い。
c.正:上肺野に優位なびまん性の多発粒状影を認める。粒状影のみでなく小結節影,嚢胞状変化も混在する。
d.誤:生殖年齢の女性に好発する稀な疾患で,全肺野に均一に分布する線状・網状影を認める。
e.誤:下肺野の線状陰影と胸膜肥厚や胸膜石灰化を認める。(胸膜病変が主体)

20.解答 b
a.正:線維軟骨からなる成人の正常軟骨は,全てのシークエンスで低信号を示し,半月板損傷は内部の高信号として描出される。
b.誤:ほとんどが外側に認められる。
c.正:バケツ柄状断裂は,ほぼ全周性の縦断裂によって断裂部の中心偏位(顆間窩側)への偏位を生じたものである。
d.正:膝窩筋腱は外側半月板を斜めに横切るように上行し大腿骨外側顆に付着するが,これらの間の組織を断裂と誤診することがある。
e.正:関節面に達しない線状の高信号は,現在広く用いられているMinkによる分類のGrade 2に相当し,通常の加齢に伴う磨耗などの変化を意味する。

21.解答 b
(1)正:骨幹端の骨皮質表面から発育。軟骨内骨化により生じるすべての骨に発生するが,好発部位は大腿骨下端と脛骨上端,上腕骨上端である。
(2)正:全骨腫瘍中の約20%を占める。
(3)誤:20歳以下の若年期に腫瘤の訴えで発見されることが多い。
(4)誤:悪性化の頻度は,単発性で1〜2%,多発性で5〜25%といわれる。
(5)正:軟骨帽が加齢とともに縮小すると腫瘍の増大も停止する。

22.解答 a
(1)正:L4/L5,L5/S1レベルに好発し,L3/L4が続く。
(2)正:C5-6,次いでC6-7,C4-5レベルの順に多くみられる。
(3)正:およそ,後側方型が70〜80%,後正中型が15〜20%,外側型が5〜10%の頻度である(宮坂ら,1986)。
(4)誤:椎間板ヘルニアは,本来の椎間板と同様にT2強調像でやや高信号を示すが,脱出した椎間板組織が線維軟骨化したり水分含量が漏ずると,いずれの画像でも信号が低下する。低信号から中間信号を示すことが多い。
(5)誤:遊離髄核は親椎間板の頭側,尾側または側方(椎間孔)へ,遊離移動する。尾側移動が多い。

23.解答 e
 癌性リンパ管症,サルコイドーシス,IPF,肺水腫はいずれも小葉間隔壁の肥厚を示す。慢性好酸球性肺炎では両側性斑状の濃厚な陰影(上中肺野,胸膜直下に優位に分布)を呈し,小葉間隔壁の肥厚は見られない。なお,急性好酸球性肺炎では小葉間隔壁の肥厚像を認める。

24.解答 無理に選べばb?
(1)正:経気道散布による。小葉中心性結節は小さいがきわめて明瞭な境界を持ち,かなりattenuationも高い(これは通常のほかの細菌による気管支肺炎ではあまり見られない像)。
(2)△:スリガラス影を呈することもあるが,代表的なHRCT所見とは言い難い。
(3)△:空洞壁は厚いものが多いが,薄い嚢胞状の空洞を示すこともある。
(4)誤:抗結核療法後,ほとんどの浸潤影は線維性変化,気腫性変化を残して改善する。
(5)正:tree-in-bud appearanceと表現される。乾酪物質が細気管支に充填した状態を反映する所見であり,活動性の指標として重要視されている。

25.解答 b
 カリニ肺炎のHRCTは多彩で,肺胞領域の病変として考え得るすべての陰影を示し得る。地図状分布のスリガラス影が特徴的。AIDS患者ではスリガラス影,浸潤影の内部に多胞性の薄壁小空洞を認めることがある。小葉中心性の境界不明瞭な淡い小結節を認めることもある。牽引性気管支拡張や蜂窩肺は呈さない。

26.解答 d
機能的三尖弁閉鎖不全を合併しやすい疾患は,右心負荷のかかる疾患群であり,この中で右心負荷の明らかな疾患の組み合わせは,原発性肺高血圧症と僧帽弁狭窄症の二つである。設問は,画像診断とは余り関係なく不適切な問題と考えられる。

27.解答 c
心房中隔欠損症は,最も頻度の高い左右短絡を来す先天性心疾患である。左右短絡のため,肺血流量の増加と右室流出路の拡大を来す。左房や大動脈の拡大とチアノーゼを認めないことが重要な所見である。学生の試験問題レベルである。心房中隔欠損症との鑑別として最も大切な疾患は,心内膜床欠損である。心血管造影におけるgoose neck signが診断に重要なサインとして知られている。

28.解答 d
(1)誤:通常,高血圧等を原因とする。大動脈壁の中膜壊死により発症し,動脈硬化は直接の関連はない。
(2)誤:Stanford A型は外科的手術の適応が原則である。
(3)正:大動脈解離の診断には,石灰化の有無をみるため,造影のみならず,必ず単純CTを先に撮影しておく必要がある。造影CTのみでは,この石灰化した剥離内膜と高吸収域血栓を見逃す恐れがある。
(4)正:急性期の血栓閉鎖型では,血栓は高吸収域として描出される。その形状も三日月状を呈する例がほとんどである。
(5)誤:Marfan症候群は,若年で大動脈解離を来す代表的な疾患である。中膜変性に伴う解離以外にも大動脈閉鎖不全や僧帽弁閉鎖不全など,約40〜80%の心血管病変の合併頻度が報告されている。

29.解答 c
(1)誤:心右縁下部は右心房。
(2)正:右心陰影は椎骨に重なってコントラストが乏しくなり,不明瞭になる。
(3)正:
(4)誤:心腰の膨隆,右房に重なる二重陰影,気管分岐角の開大などの所見が見られる。
(5)誤:右室肥大では心尖部は挙上する。

30.解答 e?
(1)悪性黒色腫,特にmelanotic melanomaではT1強調像で高信号を示すことが知られており,このT1短縮効果はメラニンの含量とよく相関する。一方,amelanotic melanomaではT1短縮効果はほとんど示さず,T1強調像で低信号,T2強調像で高信号となる場合もありえる。
(2)ムチンは蛋白濃度が高く,macromoleculeであり,そのため,T2値が短縮し低信号を呈すると考えられている。一方,T2値の短縮はその組織本来のものであるとする報告もある。出題者はT2強調像で低信号になると言いたかったと考えられるが,全例が低信号となるわけではない。
(3)血液や蛋白濃度が高くなるにつれ信号強度は,T1強調像で低信号,T2強調像で高信号から,T1強調像で高信号,T2強調像で低信号を呈するようになる。更に,蛋白濃度が高くなると,T1での信号は低下する。
(4)ヘモジデリンは超常磁性体であり,大きな磁化率を持ち,T2強調像で低信号を呈する。
(5)石灰化の検出能はMRIよりCTが優れる。石灰化はMRIでは描出されなかったり,T2強調像で低信号を示すが,T1強調像で高信号を呈することもあり,この文は正しくない。T1強調像で高信号を示す原因には諸説があるが,カルシウム結晶の表面積が大きいことによるとの報告がある。
 よって,正解がないが,出題者はeを意図していたのであろうか。紛らわしい表現が多く,良い問題とはいえない。