一次試験問題解答および注釈 31.〜60.

31.解答 d
(1)誤:類骨骨腫はWHO骨腫瘍分類における骨形成性骨腫瘍に含まれ,nidusと呼ばれる透亮像と,その周囲にみられる反応性骨硬化像が特徴的所見とされている。
(2)誤:Ollier病は全身に多発する内軟骨腫症。片側骨格に好発。内軟骨腫症と軟部組織血管腫の合併する疾患はMaffucci症候群と呼ばれる。
(3)正:一般に,骨表面型骨肉腫は通常の中心性骨肉腫より予後は良い。
    (例外:高悪性度骨表面型骨肉腫)
(4)正:このまま覚えてください。線維性異形成は片側に多発しやすく,性早熟,皮膚・粘膜の色素斑(cafe-au-lait spot)を合併する。
(5)誤:最も頻度の高い仙骨原発悪性腫瘍は脊索腫。次いで軟骨肉腫,多発性骨髄腫など。良性腫瘍では骨巨細胞腫も好発する。骨肉腫の発生は稀。

32.解答 c
 膝関節のMRI検査においては,通常のT1強調像(T1WI),T2強調像(T2WI)のほか,gradient echo法T2*強調像(T2*WI)やプロトン密度強調像(PDWI)を撮像することが多い。「いずれの撮像法にても」との問題文は,この辺の事情を考慮に入れたものと思われる。
(1)誤:正常膝なので,関節液の信号=水の信号である。T1WI・PDWIで低信号。T2WI・T2*WIでともに高信号。
(2)正:T1WI, T2WI, T2*WI, PDWIともに低信号。
(3)正:半月板は線維軟骨から成り,T1WI, T2WI, T2*WI, PDWIともに低信号。
(4)誤:膝の関節軟骨は硝子軟骨であり,撮像法により信号はさまざま。T1WI, PDWIでは比較的低信号,T2*WIでは比較的高信号を呈し,いずれも関節液との分離は困難な場合が多い。T2WIでは低信号となり,関節液とのコントラストが得られ,軟骨病変の評価が容易となる。
(5)誤:年齢により信号は一定しない。長幹骨の脂肪髄化が完了した成人の場合,T1WI, PDWI, T2WIにて高信号。T2*WIでは低信号を呈する。

33.解答 d
(1)誤:内軟骨腫は骨幹端に多く見られる。
(2)誤:非骨化性線維腫は骨幹端に多く見られる。
(3)正:巨細胞腫は骨幹端に好発するが,容易に骨端へ浸潤する。
(4)正:小児から若年成人に好発。骨端部良性腫瘍の代表的疾患である。
(5)誤:小児〜学童期に好発。骨幹部に多く発生する。
(4)が骨端に好発することは確実に記憶すべきである。2つ選択なので上記の答えとした。

34.解答 b
(1)正:肺塞栓は中枢肺動脈に閉塞を来し,多くの胸部単純写真は正常である。しかし肺梗塞病変となると,病変は胸膜に接する肺野末梢側の楔状陰影がほとんどである。
(2)正:慢性好酸球性肺炎の画像パターンは多彩である。すべてが末梢側優位という訳ではないが,代表的なphoto-negative pulmonary edemaと呼ばれる所見は,末梢側優位の代表的な画像である。
(3)誤:珪肺は,腫瘤形成(PMF),びまん性粒状影,卵殻状石灰化リンパ節など多彩な画像を来すが,末梢側優位とする所見はない。粒状影の分布は上肺野優位のものが多い。
(4)誤:肺胞蛋白症の画像も多彩であり,通常crazy paving appearanceまたは小葉内網状陰影と呼ばれる微細なびまん性陰影の広がりから診断される。この病変の分布は,特異的なものはないが,末梢優位ではなく,逆に胸膜直下や葉間面の肺野がspareされる症例も時に認める。
(5)正:すべての肺線維症の病変が肺野末梢という訳ではないが,最も頻度の高いUIPのCT所見の特徴は,下肺野背側の末梢優位の網状陰影の拡がりである。

35.解答 b
 選択肢は,全て反復性肺炎の原因疾患である。全身性または,両肺びまん性の異常や,気管,主気管支レベルの異常は,複数の肺葉にわたる肺炎の原因となりうるが,気管支レベル以下の閉塞機転や構造異常では,一般的には単一肺葉の肺炎しか生じえない。
(1)正:喘息は反復性肺炎の最も多い原因の一つである。
(2)正:cystic fibrosisは,外分泌腺を持つ多臓器の異常で,呼吸器では,細気管支レベルで始まる気道閉塞が特徴であり,反復性肺炎は必発である。
(3)誤:bronchial adenomaは,気管支原発の腫瘍だが,発育が緩徐なため,反復性肺炎の原因として見つかることがある。
(4)誤:肺分画症は,一部の肺が気管,気管支から分離した構造異常で,限局した反復性肺炎を生じる。
(5)正:VSD, ASD, PDAなどの左右シャント疾患で,肺血流が増大している例では,反復性肺炎が生じ易いことが知られている。

36.解答 e
(1)誤:ルーチンX線検査では仰臥位だけでなく,腹臥位やSchatzki体位(半立位第2斜位)も撮影し,胃内腔全域をくまなく写す。
(2)誤:十二指腸潰瘍の初発時や,変形を伴わない潰瘍が全潰瘍の10%くらいあるため,圧迫法は球部の検査には欠かすことのできない撮影法である。
(3)誤:無管法と有管法に大別される。有管法はゾンデと注射器を用い,病変の描出状況に応じてバリウム,空気を適宜注入する。無管法はバリウム服用後,撮影の途中で発泡剤を経口投与する。有管法は手技的には無管法よりも難しいが胃壁との重なりが無く病変の描出に優れており,一般的である。
(4)正:超音波検査では肥厚した幽門部が低エコーレベルのリング状にみえるのが特徴で診断に有用である。
(5)正:CTでは十二指腸壁に一致して高吸収(>60HU)腫瘤として描出される。 

37.解答 c
(1)誤:多くは血管造影によって診断され,治療方針の決定にも役立つ。特徴的な所見は異常小動脈の集簇や細血管群の濃染,拡張した流出静脈の早期描出と静脈相後期までの造影遅延,流入動脈の拡張,そして出血時の造影剤の血管外漏出などである。
(2)正:憩室のCT所見として腸管壁辺縁のガス像がみられる。憩室炎を合併すると腸管壁の肥厚,炎症の波及した腸間膜や大網の脂肪織の濃度上昇がみられ,さらに穿孔による膿瘍形成をみることもある。
(3)正:抗菌剤によっておこる腸炎で偽膜性腸炎と出血性腸炎に分けられる。出血性腸炎では注腸造影で粘膜の浮腫を反映して拇指圧痕像,腸管攣縮等を認める。
(4)誤:肉眼型はほとんど隆起型であるが,近年,平坦・陥凹型早期癌が少なからず発見されるようになってきた。
(5)誤:直腸より連続したびまん性病変が特徴である。

38.解答 e>c
(1)誤>正:早期肝細胞癌は低エコーパターンを呈する結節が多いが,脂肪沈着により高エコーを呈する結節も2cm以下では4割近くあるとの報告もある。高エコーの結節は肝血管腫との短絡的診断は慎むべきであり,硬変肝においては常に早期肝細胞癌の可能性を念頭に置くべきである。
(2)誤:「周囲肝組織に比べ細胞密度の中等度の増大,染色性の増大はあるが構造異型はない。」と定義されている。経過観察により癌へと進展するものがあること,高分化癌を内包する腺腫様過形成や癌との鑑別が困難な異型腺腫様過形成の存在などにより腺腫様過形成は前癌病変と考えられている。
(3)正:早期の肝細胞癌の発育に関して多段階発育が明らかになってきた。すなわち周囲の再生結節と比較して細胞密度の増大,索状構造の明瞭化などの過形成像が見られる腺腫様過形成が出現し,さらにその過形成像が著しく高分化な肝細胞癌との鑑別が困難な異型腺腫様過形成,早期高分化肝細胞癌となり,これがより悪性度の高い中分化から低分化の癌に置き換わる過程である。悪性度が増すに従って結節内のグリソンが減少し門脈血流は低下,新生血管の増生により動脈血流が増すと考えられている。腺腫様過形成,異型腺腫様過形成,早期高分化肝細胞癌ともに門脈血流低下の段階にあるためにdynamic CTの動脈優位相では周囲肝実質と同等かやや低い吸収値を呈することが多い。
(4)正:高分化型では減少してはいるが,門脈域の残存が一つの特徴であり,dynamic CTやangio-CTにてグリソンの構造(門脈や肝動脈)が描出されることがある。
(5)正:通常肝は門脈と肝動脈の二重支配を受けるが,門脈に腫瘍塞栓ができると,その末梢では門脈・肝動脈の血流不均衡が生じ肝動脈血流優位の状態となる。その結果,門脈腫瘍栓末梢の肝実質全体が肝動脈造影にて不均一に濃染し,本来の腫瘍濃染像がマスクされ不明瞭となる。雪山の白ウサギは見つけにくい。

39.解答 b
(1)誤:胆嚢静脈還流域(胆嚢床周囲)や異所性静脈還流域(S4の背側や内側,肝鎌状靱帯近傍,尾状葉)は肝内血流異常による偽病変の好発部位である。脂肪肝が背景にある場合,これらの部位の限局性低エコー領域内にカラードプラ法にて血流が確認されたらspared areaの可能性が非常に高い。
(2)正:中心部の壊死と辺縁のviableな腫瘍細胞からなる同心円状の構造をもつものが多い。
(3)正:稀ではあるが‘染まる’胆管細胞癌も報告されている。細胆管由来のものが多いようである。
(4)正:粘液基質,粘液腫様組織を有する腫瘍はMRI T2強調像で著明な高信号を呈する。さらに粘稠度が高まるとT2信号が低下する。
(5)誤:限局性の炎症性病変は経過とともに肉芽組織に線維化が進み,最終的には瘢痕組織として終熄する一連の修復過程をたどるため,時期により画像所見は異なる。線維化が進んだ時期では遅延性濃染(delayed enhancement)を認める。

40.解答 b
(1)正:Dynamic CTの動脈優位相で被膜は,濃染した腫瘍実質部を取り巻く造影されない低吸収域帯として描出されることが多い。
(2)正:血管腫は時間とともに中心部に向かい濃染され(filling in),濃染が持続する(prolonged enhancement)。門脈優位相では必ずしも均一に腫瘍全体が造影されているとは限らず,血管腫の大きさ,造影剤量により左右される。必ずしも正しくはないが,問題文にあるようなものもよく遭遇する。
(3)誤:Dynamic CTの動脈優位相で通常,強い濃染が認められる。動脈性の血管奇形に伴う過形成とする説もある。
(4)誤:多血性の転移性肝腫瘍を生じる原発巣としては,絨毛癌,膵ラ氏島腫瘍などの内分泌系癌,腎癌,カルチノイド,平滑筋肉腫などからの転移が挙げられる。
(5)正:胆管細胞癌は通常,中心部に線維性壊死組織,辺縁部に腫瘍細胞が存在する。このような構造を持つもの(消化器由来の腺癌の肝転移なども)は平衡相で中心部の線維性壊死組織が高吸収域となり,辺縁の腫瘍細胞が多い部分は低吸収域(peripheral low density area)となる。

41.解答 d
(1)誤:限局性結節性過形成はKupffer細胞を有し,フチン酸シンチグラフィーにて腫瘤に取り込みが認められる。
(2)正:典型的な限局性結節性過形成では,腫瘤中央部に星芒状中心瘢痕(central stellate scar)が認められる。
(3)正:腫瘍内出血あるいは腹腔内出血などによる急性腹症として発症することが少なくない。
(4)正:経口避妊薬の服用と発生の間に密接な関係がみられる。
(5)誤:糖原病Ia型に合併する頻度が高い。

42.解答 b
(1)正:腫瘍内の石灰化は大腸癌の肝転移に認められることが多く,癌の原発巣を診断する上で一助となっている。
(2)正:カルチノイドは多血性腫瘍で,易出血性である。
(3)誤:悪性黒色腫の持つメラニンはparamagnetic effectを有し,これによりMRIではT1強調像で高信号を呈する。
(4)誤:平滑筋肉腫,カルチノイドでは壊死,出血により内部に嚢胞成分が認められることが多い。扁平上皮癌の肝転移の中には,強い液化壊死により単純嚢胞のように認められるものもある。
(5)正:線維性被膜を伴う腫瘤性病変は肝細胞癌が代表的で,転移性肝腫瘍では稀である。

43.解答 b
(1)正:脂肪変性,出血のほか第2銅イオン(Cu2+)の存在を原因とする説がある。
(2)正:腺腫様過形成はT1強調像で高信号,T2強調像で低〜等信号を呈する。
(3)誤:T1強調像で低信号,T2強調像で高信号を呈する。線維化が強い病変ではT2強調像で低信号を呈する。
(4)誤:T1強調像で低信号,T2強調像で強い高信号を呈するのが典型的。
(5)正:組織学的にbronchogenic cystと同一。肝前面被膜下に好発し,内溶液は粘液性で,さまざまな濃度の蛋白や脂肪成分を含有する。

44.解答 c
(1)正:生検針による血管損傷が原因となりえる。
(2)(3)誤
(4)正:海綿状血管腫の周囲にA-P shuntを来しえる。
(5)正:Osler-Weber-Rendu病は海綿状血管腫を合併することがあり,正解と考える。

45.解答 d
(1)誤:カルシウム含有が低いコレステロール系の結石は,胆汁より低吸収になりえる。
(2)正:胆嚢腫大,胆嚢壁肥厚が認められ,漿膜下の浮腫のため,壁の中央に低エコー帯を生じ
ることがある。
(3)正:Rokitansky-Achoff sinusの拡張,壁内結石による。
(4)正
(5)誤:MRCPでは胆嚢内腔の情報は得られるが,胆嚢壁の情報は乏しく,診断に有用ではない。

46.解答 d
a.正:磁気様胆嚢の胆嚢癌合併率は高い。
b.正:胆嚢管や胆嚢頸部に嵌頓した結石が,総肝管を圧排して生じる。
c.正:60〜70%が回腸末端部で閉塞する。
d.誤:造影効果を認めてよい。
e.正

47.解答 b
a.誤:粘液嚢胞腺癌−充実性成分
b.正:若年〜中年女性に多い。膵尾部に多く石灰化を伴いやすい。
c.誤:漿液嚢胞腺腫−蜂窩状構造
d.誤:仮性嚢胞−縦隔内進展
e.?:まれな疾患。膵辺縁のcystic mass。(たぶん誤でしょう。あまり適切な問題とは思えません)

48.解答 d
(1)誤:急性膵炎では腹腔動脈がspasmを来し,狭窄や閉塞を来すことがあるが,慢性膵炎では稀である。
(2)誤:これも急性膵炎の炎症波及により見られることがある所見で,慢性膵炎では稀である。
(3)正:慢性炎症性変化で膵実質は萎縮を来す。この変化により膵管は拡張してくる。
(4)正:上記(3)で述べたように膵実質は萎縮を来すことが多い。
(5)誤:急性膵炎ではよく見られる所見である。

49.解答 e
(1)正:内部に出血壊死を伴うことが多いとされる。
(2)正:小膵管癌であっても,尾側膵管に異常を来していることもあり得るので注意することは必要である。
(3)誤:等エコーを呈することが多い。内部に低/等エコーの混在した部分を持つことが多いとされている。
(4)誤:一般に周囲に浸潤を来した進行した状態で発見されることが多い。
(5)誤:分枝膵管までを含めた微細な膵管像を比較すれば,各々の特徴は明白であり,癌は襞不整を伴う高度狭窄を来し,腫瘤形成膵炎では襞の狭窄は平滑である。

50.解答 b
a.正:乏血性であることがほとんど。
b.誤:頭部が最も多く,約50〜60%を占める。その他,体部で約25%,尾部で約10%と考えられる。
c.正:膵管上皮原発である。
d.正:CA19-9の方が陽性率は高い。
e.正:この他,静脈や門脈にも異常所見が見られることが多い。

51.解答 c
a.誤?:微少動脈瘤は血管筋脂肪腫の有名な血管造影所見で,約1/3の例でみられる。しかし,腎細胞癌でもみられることがあり,微少動脈瘤は血管筋脂肪腫に特異的な所見とはいえない。必ずしも誤りとは言い難い設問。
b.誤:Bellini管癌は腎髄質部から発生する腫瘍で,最近ではCollecting duct carcinomaと言われる。集合管に組織学的に類似しておりBellini管由来の腫瘍と考えられていたが,現在では由来は不明であると考えられている。100例程度の報告しかなく画像所見の報告も少ないが,浸潤性が強く,髄質中心に発生し腎洞に突出する。ほとんどの症例で皮質へも浸潤がみられ,腎実質浸潤を伴う腎盂癌と類似した所見も示す。従って,被膜形成はまずみられないと考えられる。ちなみに被膜(偽被膜)を形成する腫瘍としては腎細胞癌やOncocytomaがある。
c.正:黄色肉芽腫性腎盂腎炎では,腎は腫大し,中心性に結石による腎盂の閉塞がみられる。炎症は腎周囲に広がり,腸腰筋や結腸など周囲臓器にも広がることがある。
d.誤:血管筋脂肪腫は良性腫瘍であり,リンパ節転移はみられない。腎細胞癌,腎盂癌など悪性腫瘍ではリンパ節転移がみられるが,他に悪性リンパ腫でもリンパ節腫大がみられる。
e.誤:腎原発性の悪性リンパ腫はきわめてまれであり,多くは血行性または隣接リンパ腫からの直接進展である。Non-Hodgkin Lymphomaが多い。腎実質よりは造影効果の弱い腫瘤であり,血管造影上は動脈のEncasementやDisplacementがみられる。

52.解答 b
 常染色体優性多嚢胞腎は成人型多嚢胞腎ともいわれ,第16染色体短腕に原因遺伝子がある。腎をはじめ肝(25〜50%),膵(9%)などにも多発嚢胞がみられる。合併症として脳動脈瘤(3〜13%),僧帽弁逸脱がある。およそ30歳代で症状がみられるようになり,症状としては高血圧,尿毒症,血尿,蛋白尿,腰背部痛がある。一方,常染色体劣性多嚢胞腎は小児型多嚢胞腎といわれ,腎においては集合管の異常な増殖,拡張,肝では胆管の異常な増殖,拡張を伴った門脈周囲の線維化,膵の線維化を伴う。著しい肺の低形成を伴い,門脈周囲の線維化により門脈圧亢進症を来す。(1)(2)(5)は成人型,(3)(4)は小児型の多発嚢胞腎の特徴である。

53.解答 d(cでも可?)
(1)正:線維筋異形成は,小児や40歳以下の若年者の腎血管性高血圧の最も頻度の高い原因である。腎血管性高血圧全体では動脈硬化性が60〜90%を占め,線維筋異形成は10〜30%,他の原因は10%以下と言われている。
(2)誤?:線維筋異形成は主腎動脈の中部から遠位に狭窄がみられるのが79%,腎動脈分枝に狭窄がみられるのが4%である。主腎動脈近位1/3は98%の症例で狭窄はみられない。腎動脈近位側を主腎動脈全体を指すと解釈すれば正しいともいえる。
(3)誤:線維筋異形成の男女比は1:3で女性に多い。
(4)誤:患側の腎は萎縮する。
(5)正:糸球体の灌流圧の低下により,傍糸球体組織からのレニン産生が増加する。このため患側腎静脈のレニン活性は上昇する。

54.解答 c
a.誤:副腎腺腫では,他の腫瘍に比べて造影剤が早期にwash outされるので,鑑別にはdelayed enhanced CTが有用である。
b.誤:MIBGは交感神経イメージ剤で,副腎髄質シンチグラフィとして用いられ褐色細胞腫や神経芽細胞腫などによく集積する。副腎皮質癌に集積が見られるのは,131I-アドステロールなどの副腎皮質シンチグラフィである。
c.正:褐色細胞腫は,MRのT1強調像にて低信号,T2強調像にて高信号を示す。内部にしばしば嚢胞性変化や出血が見られ,T2強調像にて著明な高信号を呈することがある。
d.誤:腎癌の血行性転移は,肺(55%),リンパ節(34%),肝(33%),骨(32%),副腎(19%),対側腎(11%),脳(6%),心(5%),脾(5%),腸管(4%),皮膚(3%)の順に多い。
e.誤:神経芽細胞腫の方が好発年齢は低い。神経芽細胞腫は乳幼児に多く見られ,1歳以下が25%,2歳以下が50%,4歳以下が約85%である。1歳以下に発見された場合予後が良好であるため,6ヶ月時には尿中VMAを用いたマススクリーニングが施行されている。Wilms tumor は2〜4歳に好発するが,1歳以下に見られることは稀である。

55.解答 d
(1)誤:子宮頚部間質は線維成分に富むことから,T2強調像にて一様な低信号を示すことが多く,頚癌は高信号に描出される。
(2)正:子宮筋腫は周囲筋層との境界明瞭で,T1強調像にて筋層と等信号あるいは低信号,T2強調像にて低信号を示す腫瘤として描出される。辺縁に子宮筋層に連続する栄養血管を表すflow voidが認められる。
(3)正:腺筋症は子宮内膜と間質が筋層内に認められるもので,T2強調像にて境界不明瞭でjunctional zoneと同程度の低信号病変として描出される。
(4)正:内膜の厚さは生殖可能年齢で10mm以上,閉経後は5mm以上を異常と考えるとよい。通常,癌はT2強調像で内膜と同程度の高信号を示すことが多いが,造影効果は正常内膜に比べて弱い。また造影後T1強調像では内膜筋層境界が明瞭となり,特に閉経後の症例においては筋層浸潤の有無の正診率が向上する。
(5)誤:Naboth嚢胞は頸部に発生する嚢胞性疾患である。腺筋症では,T2強調像にて筋層と連続する低信号域の中に点状の高信号が認められる。

56.解答 a
a.誤:Transition zoneは,前立腺内側の前立腺尿道の左右に位置し,正常前立腺の5%を占める。
b.正:T2強調像では,Central zone, Transition zoneは低信号に,Peripheral zoneは高信号に描出される。 
c.正:前立腺肥大症は,Transition zoneの増殖性変化で,Peripheral zoneが圧排・菲薄化するためzonal anatomyが認めにくくなる。
d.正:前立腺癌の発生は,70%がParipheral zone,20%がTransition zone,10%がCentral zoneから発生する。
e.正:前立腺癌は高頻度,しかも早期に骨転移を来す。MRIではT1強調像で骨転移巣が,高信号の脂肪髄中の低信号として描出される。早期の転移巣では骨シンチグラフィよりもMRIの方が感度が高い。

57.解答 a
(1)正:門脈内にも流入することが知られている。
(2)正:眼動脈は外頸動脈から分枝していることがあり,塞栓してしまう可能性がある。
(3)誤:気管支動脈からは大神経根動脈(Adamkiewicz's artery)が分枝していることがあり,塞栓すると重篤な脊髄障害を起こす可能性がある。
(4)誤:一般的に回結腸動脈の結腸枝と吻合しているため禁忌とはならない。
(5)誤:外傷性骨盤出血では,前枝のみあるいは後枝のみからの出血であることは少なく,多くの症例で両側内腸骨動脈を塞栓する。

58.解答 e
(1)誤:経頸静脈性門脈静脈短絡術(TIPS)は門脈圧亢進時に門脈と大静脈を短絡させ,門脈圧を低下させる。
(2)誤:部分的脾動脈塞栓術(PSE)は特発性門脈圧亢進症の初期に門脈圧低下の効果があるとされているが,肝硬変にはあまり効果がないとされている。どちらにしても上昇はしない。
(3)誤:左胃動脈の塞栓術は右胃動脈からの側副血行があり単独では門脈圧にあまり影響しない。左胃静脈からの還流が減ることによって門脈圧が多少下がることがあるが,上昇することはない。
(4)正:BRTOは門脈系からの静脈瘤を閉塞させる目的に,門脈系のshunt路を閉塞させる手技であり,側副血行が無くなることにより門脈圧は亢進する。
(5)正:肝静脈バルーン閉塞は肝臓の流出路をふさぐ手技であり,門脈系は出口が無くなり,圧が上昇する。

59.解答 a
a.正:いずれの非イオン性モノマー型造影剤にも,ベンゼン環の周囲にはヨードが3つ結合している。
b.誤:浸透圧は約1〜4程度で低くない。
c.誤:イオパミドール(300mg/ml)で24時間で約97%が尿中に排泄される。
d.誤:アレルギー歴の有り:無しでは6.85%:2.76%とアレルギー歴のある方が,明らかに副作用発現頻度が高い。
e.誤:イオヘキソールは脊髄腔造影に認可されており使用可能。

60.解答 b
a.誤:ガドリニウムキレート製剤はT1短縮効果がある。
b.正:超常磁性酸化鉄粒子剤(フェリデックス)はT2短縮効果がある。
c.誤:ガドリニウムキレート製剤は大部分が腎臓から排泄される。
d.誤:超常磁性酸化鉄粒子剤(フェリデックス)は大部分が肝臓内の網内系に集積する。
e.誤:クエン酸鉄アンモニウム製剤(フェリセルツ)は消化管から糞便中に排泄される。