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1.解答 b
小児の脳形成異常についての設問である。
与えられた画像は,両側側脳室体部レベルでの単純brain CT axial像1枚。
所見:通常見られるはずの脳回が確認できず,両側シルビウス溝が開大し浅い。その他の脳溝は認められず,皮髄境界もはっきりしない。
診断:無脳回(agyria, complete)を伴う滑脳症(lissencephaly)
Lissencephalyはtype Iとtype IIに分類され,type Iはcomplete agyriaを呈するgrade
1からcomplete pachygyria(厚脳回)を呈するgrade 4まで,その比率により分類され,臨床症状と相関する。本症はcomplete
agyriaのgrade 1で最重症である。
その他の選択肢と画像の特徴
(2)plagiocephaly(斜頭症)
片側のラムダ縫合,冠状縫合の早期癒合による頭蓋骨変形
(3)holoprosencephaly(全前脳胞症)
非分割大脳,単脳室,dorsal sacの存在
(4)schizencephaly(裂脳症)
脳実質の全層性の欠損。欠損部は灰白質で被われる。
脳表から脳室に向かう裂があり,欠損部の閉じているtype Iと開いているtype IIがある。
いずれも典型的な画像所見を知っていれば鑑別は容易と思われる。
2.解答 b
NICUでよく遭遇する未熟児胸部単純写真に関する設問である。
所見:左胸腔内(?正面写真のみのため確実ではないが)にchest tube,右にもドレナージ目的と思われ
る留置針を認める。気管内tubeも挿入されているが,先端位置の確認はできない。
両側肺野には泡沫状陰影が著明で,索状陰影も確認できる。すでに数日は経過したものである。両側横隔膜や心陰影は境界不明瞭でシルエットサイン陽性である。明らかなfree
airの存在はこの写真からは確認できない。
診断および解答:RDSの治療中ということであるので,b.間質性肺気腫と答えさせる意図と思われるが,a.気胸やc.縦隔気腫が否定できる画像のクオリティーはなく,d.肺出血やe.肺炎の存在も他の臨床所見と併せて判断すべきであろう。
3.診断および解答 e
生後3日目の腹部単純写真,臥位正面1枚である。
所見:胃管が挿入され,先端は胃泡内にあるようである。
腹部全体が膨満しており,左下腹部には局所的に拡張した腸管(おそらく下行結腸)があり,腸管の外側壁がはっきりみえる。(=腹腔内free
airの所見)また,画像のクオリティーが悪く明瞭ではないが,肝鎌状靱帯が腹部ほぼ正中に確認できる。いわゆるfootball
signである。腹部は膨満し透過性が亢進し,肝の辺縁が明瞭にみえる。新生児の消化管穿孔は臥位で充分で,わざわざ立位を撮る必要はない。
4.解答 b
診断所見:両側の前頭葉・側頭葉に左右対称性の著明な萎縮が認められ,側脳室前角が著しく拡大している。頭頂部の脳萎縮は軽度である。
診断プロセス:前頭葉・側頭葉に限局した萎縮は,Pick病に典型的である。
鑑別診断:Alzheimer病は側頭葉(特に内側部)の萎縮が中心で,パターンが異なる。Huntington 舞踏病は側脳室前角の拡大を示すが,これは尾状核頭部・被殻の萎縮によるものである。脳血管性痴呆を疑う病巣は見られない。Creutzfeld-Jakob病で見られる萎縮はびまん性である。
その他:選択肢はいずれも痴呆を来しうる疾患である。脳実質の変化が軽度の場合は鑑別が難しいが,本例は進行症例と思われる。
5.解答 c
特徴的な胸肋鎖骨関節端の肥厚から胸肋鎖関節骨化症sterno-cost-clavicular hyperostosisと診断できる。胸部X線正面像では,肺内腫瘤と見間違いやすいが側面像を撮れば肺外であることは容易に診断できる。また,骨シンチでは同部に集積を認める。この設問では肺尖撮影を行うことで,病変が鎖骨や胸骨と連続していることを示している。本疾患の症状は前胸部痛や腫張で非特異的慢性炎症による。手掌膿庖症が約半数に合併する。
6.解答 d
診断所見:両側の島皮質に,T2強調画像で高信号・T1強調画像で低信号を示す領域が認められる。右側において優位であり,側頭葉皮質や基底核にも異常信号域が及んでいる。帯状回の右側にも異常信号が疑われる。右海馬尾部もT2強調画像で高信号を示しているように見えるが,呈示画像だけでは判断が難しい。病変部の皮質は腫大しており,脳溝が狭小化している。
診断プロセス:左右対称性の特徴的な分布であり,ヘルペス脳炎と考えられる。ヘルペス脳炎は出血性の軟化壊死巣を特徴とし,好発部位は側頭葉内側部・前頭葉下面・帯状回などである。アシクロビルが奏効するので,早期診断が重要である。進行した場合には血管の閉塞を生じうるが,静脈洞の血栓を生ずることは少ないと思われる(細菌性髄膜炎の場合は起こりうる)。
鑑別診断:特徴的な分布と選択肢から見て,鑑別に困ることはないと思われる。
その他:呈示画像だけでは微妙だが,症状から判断するとおそらく海馬を含む側頭葉内側部にも病変があるものと思われる。
7.解答 d
診断所見:T2強調画像において,両側の白質に斑状の高信号域が多数認められる。側脳室周囲に分布するものが多いが,脳梁や皮質下白質にも認められる。造影後のT1強調画像では,これらの病変の多く(全部ではない)に結節状の高信号が見られ,異常増強効果を受けているものと思われる。
診断プロセス:白質に多発するT2延長域で,側脳室周囲では脳室壁に直角方向に長い印象を受ける。年齢も考慮して,多発性硬化症を最も考える。増強効果を示すものは活動期の病変と考えられる。
鑑別診断:多発する異常増強効果の鑑別として,転移性腫瘍・結核腫も鑑別に挙げられるが,増強効果を示さない白質病変もあることや病変の分布・形態からは多発性硬化症の方が考えやすい。転移性腫瘍は年齢からも考えにくい。細菌性髄膜炎を疑うような髄膜の異常増強効果は見られない。結節性硬化症では上衣下・皮質・白質に結節(tuber)が見られ,もっと若年で発症することが多い。
その他:神経症状からは,脳幹・小脳の病変も示唆される。多発性硬化症では,これらの部位にもしばしば病変が認められる。
8.解答 d
単純CTにて,右前頭葉の脳表から側脳室周囲にかけて淡い低吸収域および結節状の石灰化を認める。T2強調画像では,大脳皮質,皮質下から側脳室周囲におよぶ明瞭な高信号域として示され,随伴性浮腫を伴っていない。結節状の石灰化を伴う脳表近くに存在する腫瘍性病変として,乏突起膠腫(oligodendroglioma)あるいは星細胞腫(astrocytoma)が考えられる。乏突起膠腫の画像上の特徴としては,脳表近くに発生し石灰化の頻度が高いことである。大脳皮質下に存在し粗大な石灰化を呈する場合には,乏突起膠腫がまず第一に考えられる。
9.解答 e
診断所見:基節骨,中節骨,橈骨,尺骨,脛骨,腓骨に多層性あるいは波状ソリッド型の骨膜反応が認められる。骨膜反応は骨幹および骨幹端に認められ,手指の軟部組織もびまん性に腫脹している。
診断プロセス:多骨性に層状,ソリッド状の骨膜反応を示す疾患としては,肥厚性骨関節症,thyroid acropathy,血行障害,腎性骨異栄養症などが挙げられる。選択肢の中には肥厚性骨関節症と腎性骨異栄養症が含まれているが,骨膜下骨吸収や皮質内骨吸収はなく,肺癌患者であることより本例は(続発性)肥厚性骨関節症と考えられる。
鑑別診断の必要性:皮膚骨膜肥厚症(原発性肥厚性骨関節症)では原因不明の皮膚肥厚とびまん性対称性の骨膜反応がみられるが,骨膜反応は骨端にまで及ぶ。Thyroid
acropahtyは甲状腺治療後に起きるまれな病態で,骨膜反応は第1,2,5中手骨と基節骨に好発し,不整で多数の小透亮像を伴うことを特徴とする。
10.解答 a
単純CTにて,右モンロー孔近傍の側脳室内に小結節状の石灰化病変を認める。プロトン密度強調画像にて,左前頭葉皮質下域に高信号を認める。側脳室壁から脳室内に突出する石灰化結節(subependymal
nodule)および皮質下病変(cortical tuber)の存在から,結節性硬化症(tuberous sclerosis)が考えられる。本症は,多臓器に多発する過誤腫性病変であり,皮膚の顔面脂腺腫,爪下線維腫,骨の多発性硬化像,肺や後腹膜のリンパ管筋腫症(lymphangiomyomatosis),心臓の横紋筋腫,腎あるいは肝の血管筋脂肪腫などを伴うことが報告されている。
11.解答 e
診断所見:右脛骨近位部の骨幹端〜骨幹に軽度膨隆と変形を伴う病変を認める。骨皮質は菲薄化し,内部は比較的均一なスリガラス様濃度を示し,硬化性の辺縁を持つ。骨シンチでは頭蓋骨,顔面骨,肋骨,仙骨,右腸骨,右大腿骨,右脛骨に集積亢進があり,病変は右側に優位な分布を示している。また,右大腿骨は外側に凸の彎曲や近位部の腫大があり,いわゆるshepherd's
crook deformityを呈している。
診断プロセス:年齢,右脛骨のX線所見,病変の分布,骨変形など多骨性の線維性骨異形成(polyostotic fibrous
dysplasia)に合致する。
鑑別診断の必要性:内軟骨腫症の骨変形は成長板近傍の骨幹端に多いが,線維性骨異形成では成長板からやや離れた骨幹側の変形が多い。Paget病は中年以降に発症し,しばしばflame-shapedとかblade
of glass と呼ばれるV字状・楔状の境界明瞭な溶骨性変化を認める。
12.解答 c
診断所見:第3基節骨の近位部にわずかに膨隆を伴った溶骨性病変が認められる。境界明瞭で,内部に点状の石灰化を伴っている。病変部に骨折線が認められるが,その他に皮質の破壊は認められない。
診断プロセス:上記所見から緩徐に発育した溶骨性病変と思われ,点状の石灰化は軟骨基質を示唆する。手指骨に好発する良性腫瘍である内軟骨腫が最も考えられ,腫瘍部に病的骨折を合併したと考える。
鑑別診断の必要性:内軟骨腫は高分化型軟骨肉腫との鑑別が困難なことがあるが,出題例は部位,X線所見ともに内軟骨腫に典型的である。
13.解答 bまたはa
一見正常に見える胸部X線写真である…。
a.サルコイドーシスでは両側肺門リンパ節腫脹が有名だが,肺野型サルコイドーシスでは必ずしもこの所見は見られない。典型例では肉芽腫を反映した粒状影が両側肺にびまん性に認められ,分布は気管支血管束に沿う。
b.腺癌は肺末梢発生のものが多い。古典的な腺癌では腫瘤影を呈し,辺縁にspiculationやpleural indentationを呈するが,近年注目されてきた高分化型腺癌(俗に言う野口のA,B型)では限局性のスリガラス状陰影として捉えられる。
c.特発性肺線維症は上肺よりは下肺,中枢よりは末梢に強いびまん性の網状影を特徴とし,線維化を起こした肺は容積減少を来す。
d.BOOPは,大小様々な斑状影が多発し,時間的な病変の移動が診断の手がかりとなる。
e.カリニ肺炎は両側対称性に肺門から末梢に広がる間質影と肺胞性陰影が混じった陰影を呈する。
※右下肺のcardiophrenic angleの軟部陰影を病変と捉えると肺癌が鑑別に挙がる。ただ,これがpericardial
fat padでないという確証はない。意外に肺野には無数の粒状影(→a)や刷毛で描いたようなスリガラス状陰影(→b)があるのかもしれない。しかし,それらはこの印刷から読影することは困難である。病変がはっきり見えないからこそb.と解答するべきなのだろうか? 与えられた写真1枚でT1N0M0と診断できるはずもなく,だから答えがaだったりする反則技かも知れないが…。
14.解答 c(>a)
間質肥厚を伴う気腫状の肺が広がり,右中下葉間で胸膜に広基性に接する結節影を認める。間質影の混じった嚢胞性あるいは気腫性変化に結節影を合併する疾患を鑑別する。
a.気腫状に見える透過性の高い肺野の中に“刈り込まれた”血管影が認められ,この点は肺気腫と合致する。また,肺気腫では健常肺より肺癌の合併が高いとされる。ただ,肺気腫としてはやや間質性の網状影や胸膜肥厚が目立ちすぎる。
b.肺脈管筋腫症pulmonary lymphangiomyomatosisは,妊娠可能な女性に多く,大小様々な嚢胞性病変が多発し,気胸や胸水を合併していることが多い。
c.中下葉間に描出される結節影は末梢発生の扁平上皮癌でよく見られる形態を呈している。肺癌を発生しやすい基礎疾患としては,肺気腫,間質性肺炎,塵肺などが挙げられる。
d.B00Pは閉塞性細気管支炎による高度の肺野濃度上昇とスリガラス状陰影が混在して認められる。
e.葉間胸水貯留によるvanishing tumorは,胸腔内の限局性胸水貯留で胸膜からの立ち上がりは滑らかとなる。
※気腫状変化の強い間質性肺炎に肺癌を含併したと考えるのが妥当か?
15.解答 b
前縦隔に筋肉に近い比較的均一な濃度を示す腫瘤を認め,縦隔構造の圧排が顕著である。前縦隔に発生する軟部組織濃度を呈する腫瘤が鑑別診断となる。
(l)胸腺腫は前縦隔に発生する軟部組織濃度を示す腫瘤で辺縁平滑である。
(5)悪性リンパ腫は一般的に縦隔内の多数のリンパ節腫脹が癒合した形態をとる。
胸腺原発のものでは前縦隔に大きな不整形の腫瘤を形成する。
(2)(3)(4)はいずれも胚細胞腫germ cell tumorに分類される。いずれも前縦隔に見られる。このうち成熟型奇形腫は奇形腫の中でも脂肪組織・石灰化像・骨・歯牙などが含まれる腫瘤で,設問のCTでは脂肪や石灰化の成分が証明できないことから否定的である。精上皮腫seminomaは若年の男性が圧倒的に多い。壊死傾向に乏しく比較的均一な軟部組織濃度の腫瘤として見られることが多い。
16.解答 a
右側脳室周囲に,リング状造影効果を示す被膜を有する腫瘤を認める。周囲白質に軽度の浮腫を伴っている。被膜はT2強調画像にて低信号を呈し,薄く平滑であり,(血流の豊富な)皮質側でやや厚く,(血流が乏しい)脳室側で薄い。また,腫瘤内部にはT1強調画像にて高信号を呈する部分(小出血性病変が疑われる)を伴っている。リング状造影効果を呈する病変であり,脳膿瘍,神経膠芽腫,転移性脳腫瘍,免疫不全患者におけるリンパ腫あるいはトキソプラズマ症などが考えられる。T2強調画像にて,被膜が低信号を呈し,薄く平滑であり,脳膿瘍がまず第一に考えられる。腫瘍性病変(特に転移性脳腫瘍)が脳膿瘍と類似の所見を呈することがあり,鑑別が困難なことがある。しかし,最近の報告によると(Neuroradiology,41:171-174,1999,
etc),拡散強調画像にて,脳膿瘍の壊死部は高信号を呈するのに対して脳腫瘍の壊死部は低信号を呈することから,ともにリング状造影効果を呈する病変である脳膿瘍と脳腫瘍が,拡散強調画像にて鑑別可能であると報告されている。
17.解答 c
a.誤:三尖弁疾患では一般に後天性で左房拡大,末梢肺血管陰影の増強は来さない。
b.誤:肺動脈狭窄単独では心拡大は起こさない。
c.正:肺動脈陰影の増強。左房拡大,左室拡大あり。また,大動脈弓は小さい。上記から僧帽弁閉鎖不全と僧帽弁狭窄症の合併を考える。
d.誤:大動脈弁疾患では大動脈弓の拡張を認める。
e.誤:心筋症では左室陰影の拡大を起こすが,単独では左房の拡大は起こさない。
18.解答 e
a.誤:Fallot四徴症では,肺動脈弓の陥凹,心尖の挙上,大動脈の拡張などを認める。
b.誤:完全には否定できないが,心拡大もあり,考えにくい。
c.誤:心嚢液貯留では左右対称性となることが多い。
d.誤:連合弁膜症では複雑な血行動態に伴い,多彩な胸部X線像を呈する。
e.正:右気管支上に拡張した奇静脈の拡張と考えられる正切像が認められる。
下大静脈奇静脈連結は腎静脈以下の下大静脈と心臓の直接の連絡が失われ,下半身の静脈血が奇静脈を介して還流する奇形である。
19.解答 d
a.誤:縦隔腫瘍では腫瘍の突出を認める。
b.誤:大動脈瘤では辺縁の不整を認める。
c.誤:大動脈弓解離では辺縁の不整を認める。
d.正:右心縁内側に頭尾に連続する明瞭な線状影があり,下方では横隔膜下まで認める。上方では連続して右大動脈弓の存在が疑われる。正常の左大動脈弓も認められる。
e.誤:食道腫瘍では辺縁の不整を認める。
20.解答 c
a.誤:過誤腫では通常は空洞のない境界明瞭な腫瘍である。
b.誤:サルコイドーシスではまれに空洞形成を認める。否定はできないが,その他の肺野の所見など典型例ではない。
c.正:上葉,下葉に結節影があり,壁の厚い大小不同の空洞を認める。結節は胸膜と接している。
d.誤:ランゲルハンス細胞組織球症でも上肺野有意の小嚢包形成を認め,壁はやや厚い。
e.誤:気管支嚢包は縦隔中心に認められる嚢包性疾患で,内部は充実性である。
21.解答 e
呈示されているのは腹部単純X線写真(おそらく臥位)である。写真のQualityがいまいちであり,胆石の診断は困難。しかしa,bのイレウスの所見は明らかではない。cのS状結腸捻転では典型例では腹部単純X線写真上でcoffee
bean sign,注腸ではbird beak signが見られると言われるが,本症例ではこのような所見がない。dの鼠径ヘルニアは,本来触診で診断するもの。また腹部単純X線写真上で見られるような大きなガス像を伴う鼠径ヘルニアは指摘できない。ここで呈示写真をよくみると下行結腸にthumb-printingと思われる所見がある。虚血性腸炎が疑われる。虚血性腸炎は高年女性に多く,急激に始まる下腹部痛,血便を主訴とする。経過が早いので,早期の内視鏡検査が必要。
22.解答 b
cobble stone appearance(右図)および比較的深い潰瘍性病変(左図)を認め,縦走潰瘍と思えるようなところもあることから,クローン病を疑う。左図は回盲部,右図はS状結腸か? また左図の脾彎曲部あたりには病変がみられない。これらからskip-lesionの所見と考える。虚血性腸炎は前問のようにthumb-printingがみられるはずであり,所見が違う。また大腸結核やS状結腸癌の所見はない。
23.解答 c
造影CTにて腎門部レベルの腹部大動脈,上腸間膜動脈には,特に問題ない。しかし上腸間膜動脈周囲にはhigh density
areaが広く見られる。これより下方レベルのscanでは,上腸間膜動脈が拡張し,解離が見られる。臨床症状は急激に発症しており,この解離による腸間膜内出血が疑われる。腹腔内出血にしては肝周囲に所見がない。下腸間膜動脈の走行部位とは違うと思われる。動脈相にて造影剤のextravasationはみられない。上行横行結腸内のhigh
density areaは消化管造影剤と思う。
24.解答 e
肝前区域に内部不整な腫瘤性病変を認める。境界は明瞭で,T1WIにて周囲肝に較べややlow intensity,中心部(星状?)はさらにlow
intensityを呈している。T2WIにてややhyper intensity,中心部はbright high intensityを呈している。Gd造影の早期相にて辺縁部が強く造影され,後期相では内部にも造影効果が及んできている。Gd-dynamic
studyにて海綿状血管腫,肝腺腫,肝細胞癌は所見が異なる。中心部のhyper intensity on T2WIが後期相にてやや造影されており,これを中心部瘢痕と考えるとFNHが鑑別にあがってくるが,通常FNHはT1WIにて周囲肝と等信号を呈する率が高く,動脈相にて全体に濃染されることが多いと言われている。またFNHは網内系細胞を有するためSPIO投与後のT2WIで信号が低下することが知られている。今回は呈示されていないが,FNHを考えさせるときは,SPIO投与後のT2WIを呈示されていてしかるべきと思う。胆管細胞癌については,信号所見には矛盾がない。特に末梢部胆管癌(peripheral
CCC)では7割に胆管拡張が見られないと言われ,これも本症例とあっている。選択肢にはないが,hypovascular metastasisとは鑑別がつきにくいだろう。
25.解答 e
所見:Dynamic MRI早期相。肝内には小さな低信号域が多数散在している。肝S4から右葉前区域にかけて円形の腫瘤が認められる。早期相にて腫瘤の辺縁を中心に強い濃染が認められる。
(1)△:早期相では,腫瘍の辺縁部がドーナツ状に淡く濃染する。
(2)誤
(3)誤:明らかな濃染はみられない。
(4)正:早期相で強い濃染を示す。
(5)正:肝内に多数散在する小さな低信号域は,肝硬変に伴う再生結節と思われる。
26.解答 d
原発性Budd-Chiari症候群では,肝静脈が入口する近傍の下大静脈に膜様閉塞がみられ,二次的に閉塞部より末梢側に血栓形成や多数の側副血行路の発生がみられる。男女間に出現頻度の差はみられず,発症年齢は2〜60歳にわたっている。超音波やCTにおける以下のような所見が診断上重要である。
1.肝内の肝静脈間に異常な吻合と下右肝静脈の著明な発達
2.肝静脈入口部ないし下大静脈の横隔膜部における閉塞を認め,同部の石灰化を伴う場合がある
3.CTでの椎体の周囲を走る奇静脈系静脈や脊椎管に沿って走る椎骨前縦静脈幹の拡張,下大静脈の血栓
4.代償性に肥大した尾状葉
5.Valsalva法で通常みられる下大静脈の一過性の拡張が超音波でみられない
呈示されている腹部造影CT所見について,
(1)誤:明らかな腫瘤性病変はみられない。
(2)正:傍椎体に拡張した静脈(上行腰静脈)を認める。
(3)正
(4)正:肝内の肝静脈間に異常な吻合(側副路)と下右肝静脈の拡張が描出されている。
(5)誤
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