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1.解答 a
a.誤:125Iシードは27KeVの永久刺入用の低X線エネルギー線源である。半減期60日。
b.正:192Irはヘアピン,ワイア,シード,RALS等に使用されている。
c.正:198Auは,直径0.8mm,長さ3.5mmの粒状線源で,低線量率の永久刺入線源であ
る。中咽頭腫瘍等のブーストに使ったり,口腔底や,モールドを作成して口蓋の表面の腫瘍に利用される。中咽頭腫瘍でも軟口蓋の表面の腫瘍などは,刺入しやすく,有効な治療方法である。
d.正:会陰部腫瘍にはテンプレートを作成して適切な線量分布を再現する。
e.正:気管支癌等に腔内照射を多く行っている新潟がんセンターの先生の記述では,低線量率(192Irシンワイア使用)と,高線量率(マイクロセレクトロンHDR)の両方を行っているとの話である。
2.解答 d
陽子線治療の適応疾患は,1)世界各国で行われた経験から,その有効性が確立したもの,2)有用である可能性が高いもの,3)検討中のもの,に分けられる。3)に属するものは,現在X線治療の行われているすべての疾患ということになり,適応から除外される明確な理由というものは必ずしも存在しない。ただ,このなかから,多く行われている疾患を3つ選び出すことは可能である。
(1)誤:glioblastomaは浸潤性に発育するため,Bragg peakのある陽子線では周囲の細胞レベルの浸潤部分をどう評価するかで,PTVのとり方が難しいことが考えられる。
但し,小さな腫瘍や,残存部分の追加照射等はその限りではないと思われ,今後検討の余地のある疾患ということになる。
(2)正:脈絡膜黒色腫は陽子線のよい適応である。欧米ではこの疾患のために施設が作られた所もある。局所制御率は96〜97%位。
(3)正:頭蓋底脊索腫等,頭蓋・頭頚部の深部に効率良く照射する場合には,Bragg peakのある陽子線はよい適応である。
(4)正:肝臓の孤立癌は手術,TAE, PEIT...etcの治療方法がとられる。Bragg peakのある陽子線も,周囲組織にあまり影響を与えず(肝臓の耐用線量は低い…全肝30Gy),標的部分に治療するという点で有効と思われる。筑波大学では陽子線治療のうち28%が肝臓癌に対するものだそうである。
(5)誤:100%誤りという訳ではないが,腎癌の治療方針は,手術が第一と思われる。それ以外はTAEや,放射線治療等も考えられるが,あまり一般的ではない。陽子線についても施行しているという報告は見つけられなかった。
(2),(3),(4)が正しいことは明白で,(1),(5)が完全に否定される訳ではないが3つ選ぶとなるとこのようになると思われる。
3.解答 c
熱中性子捕捉療法とは,10Bの含まれた化合物で,腫瘍に選択的に取り込まれるものを用いて,これに外部から低速中性子線を照射して,飛程10μm程度のα線を放出させて,腫瘍を選択的に破壊する治療方法である。
a.正:中性子捕獲断面積(速度2200m/sの中性子に対する値 単位:barn)
total 3840 elastic 2.144 nonelastic 3838
capture 0.5 (n,p) 0.003 (n,a) 3837 (n,t2a) 0.012
JENDL-3.2より
と,断面積は大きい。
b.正:10B+1n→7Li (0.84MeV,4.8μm) +4α(1.47MeV,8.8μm) +γ(0.48MeV)
(93.9%)
10B+1n→7Li (1.01MeV,5.5μm) +4α(1.78MeV,10.2μm) +γ(0) (6.1%)
上記の反応が起こっているので,正しい。
c.誤:上記の反応中,α線と一緒にγ線も出ている。
d.正:高LET放射線である。
e.正:α線で治療するので,化合物が腫瘍細胞に集積しないと,この治療の意味はない(飛程が短いので)。但し,初期には,思ったほど集積せず,治療成績が芳ばしくなかったというが。
4.解答 e
アポトーシスとは,遺伝子レベルで制御された細胞死の1型である。細胞には元々生体防御機能が備わっており,DNA等に損傷が加わったとき,その細胞を殺傷し排除する能力が備わっている(アポトーシス誘導能)。それゆえ,様々な遺伝子変異を伴う細胞の癌化の過程は,アポトーシスに対する耐性能獲得の過程ではないかと考えられるようになってきた。つまり,アポトーシスを抑制させる遺伝子は癌遺伝子で,アポトーシスを促進させるものは癌抑制遺伝子ということになる。
a.正:p53 言わずと知れた,癌抑制遺伝子(発見当初は癌遺伝子と考えられていたが,それは変異型だった)。」
b.正:Fas Fasは特異抗体によって認識され,アポトーシスのシグナルを伝達する分子として同定された。
c.正:Bcl-2 Bcl-2遺伝子はヒトろ胞性リンパ腫に高頻度で見られる,t転座点近傍に位置する癌遺伝子として発見された。その後,アポトーシス抑制機能が報告され,多くのアポトーシスを誘導する系において,
Bcl-2の保護効果が示されてきた。またBcl-2とホモロジーを示す遺伝子,Bcl-2蛋白に結合する因子の遺伝子探索がなされ,様々なファミリー遺伝子が同定されている。
d.正:Bax 上記のBcl-2の検討のなかで発見された,ファミリー遺伝子で,アポトーシスを促進させる。つまり癌抑制遺伝子で,上記のBcl-2と競合する。但し,細胞によっては,抑制vs促進の状況が変化する。
e.誤:ATM Ataxia Telangiectasia(毛細血管拡張性運動失調症)は乳児期に発症し,進行性の小脳失調,毛細管拡張を特徴とし,約10%に悪性腫瘍を合併する,常染色体劣性遺伝性の疾患である。この原因遺伝子…ATM遺伝子と,アポトーシスの関連が様々な検討でなされているが,いまだ完全な解明には至っていない。
5.解答 d?
(1)誤:LQモデルで表現されている回復は亜致死障害(SLD)からの回復で,潜在的致死障害(PLD)からの回復,再増殖などは考慮されていない。
(2)正:LQモデルでの,急性反応系のα/β値は10Gy前後,晩発反応系のα/β値は1〜4Gyと小さい。また,腫瘍では大部分が,10Gy以上と高値を示している。
(3)正:LQモデルは,低線量域での照射反応や,生存率の解析に有効であるとされている。
(4)△:1回線量を小さくして,分割回数を増やし,晩発反応を高めることなく,総線量を増加することにより,治療可能比を向上させ,α/βのより大きい腫瘍細胞をたたこうとするのが,多分割照射法である。
LQモデルのα/βの考え方が土台となっており,通常1日2回(6時間間隔)照射する。6時間の間隔は亜致死障害(SLD)からの回復が成立する時間である。ただ,あくまでも理論上のことで,実際の生体内のα/βや,晩発反応と時間軸との関係が明らかでなく,また前述したように,LQモデルでは4つのRのうち,Repair(SLD
repair)しか考慮されておらず,実際の腫瘍の反応とは違うことが予想される。「…臨床における…」というところが,やや気にはなる。
(5)誤:前述したとおり,晩発反応系のα/β値は1〜4Gy,腫瘍では大部分が10Gy以上で急性反応系と同等かそれ以上である。
6.解答 d
(1)誤:実験的に細胞を低酸素状態に(0.5mmHg以下)おいて低LET放射線を照射した場合,常酸素状態(20mmHg以上)で放射線を照射した場合に比較して同一の効果を得るためには3倍の照射線量が必要で,この現象を酸素効果と呼び,照射中に酸素が存在する必要がある。
(2)誤:マウス実験腫瘍の再酸素化現象は照射後速やかに再酸素化を示すことが報告されている。
(3)正:腫瘍内の血流が一過性に変化し,ある血管の支配領域に血液が一時的に供給されなくなるために起こる低酸素状態である。血流が再開されれば再び常酸素状態に戻る。
(4)正:低酸素細胞の存在に関する種々の間接的証拠が報告され,貧血と放射線による腫瘍の反応あるいは放射線治療後の予後との間に密接な関係がある。
(5)誤:acutely hypoxiaの解除に有効であることが動物実験で証明されている。
7.解答 d
(1)誤:5-FUはS期細胞に特異的に働く。
(2)正:タキソールはG2M期で細胞周期を阻害し,ある腫瘍細胞に対して有力な放射線増感剤であることが証明されている。
(3)正:放射線による感受性はG1 後期とG2およびM期の感受性が高く,ブレオマイシンはこれと似ている。
(4)正:マイトマイシンCは有酸素細胞よりも低酸素細胞により大きな効果を示す。
(5)誤:放射線はG1とS期に抵抗性であり,5-FUはS期細胞に特異的に働く。
8.解答 d
(1)誤:多分割照射法(hyperfractionation)とは通常の単純分割照射法に比べて1回線量を少なくするかわりに(1.1~1.2Gy),1日2~3回照射し1日線量を増やすことによって治療期間を変えずに総線量を増やす治療法である。
(2)正:加速分割照射法(accelerated hyperfractionation)とは通常の単純分割照射法に比べて1回線量をやや少なくし(1.5~1.6Gy),1日2~3回照射し総線量を変えずに治療期間をできるだけ短縮する治療法である。
(3)正:CHART(continuous hyperfractionated accelerated radiation
therapy)は加速分割照射法の一つで1.5Gyを6時間間隔で1日3回,12日間,計36回照射する治療法である。
(4)正:頭頚部癌に関して加速分割照射法によって照射期間を短縮することにより局所制御率の向上が認められるが,照射期間が短いと晩期障害が増加するとの報告もある。
(5)誤:多分割照射で1日2回照射する場合,照射間隔が短くなりすぎると修復(SLDR:亜致死障害修復)が不完全になる心配があり,少なくとも6時間以上の間隔をあけないと修復不完全で障害が増強するといわれている。
9.解答 a
(1)正:0〜4歳
(2)正:0〜9歳
(3)正:0〜4歳
(4)誤:0〜3歳
(5)誤:10歳前後
10.解答 e
a.正:年齢 良好: 2~5歳 不良:1歳以下および10歳以上
b.正:末梢血白血球数 良好:1万/mm3以下 不良:10万/mm3以上
c.正:病型 良好:急性リンパ性白血病 不良:急性骨髄性白血病
d.正:髄外浸潤(肝,脾) 良好:なし 不良:あり
e.誤:免疫学的形質 良好:non-T cell 不良:T cell
11.解答 b
(1)正:頸部,後縦隔,後腹膜,骨盤腔の交感神経節や副腎髄質から発生する。とくに副腎髄質から発生することが多い。
(2)正:神経芽腫はヒト腫瘍の中で自然退縮の頻度が最も高い腫瘍である。
(3)誤:組織学的には分化度の違いにより神経節腫,神経節芽腫,神経芽腫に大別され,これら3種類の腫瘍は神経芽腫群腫瘍と総称される。神経芽腫は経過中に神経節腫や神経節芽腫への成熟傾向を示すことがある。
(4)誤:線量はNWTS(National Wilms Tumor Study)の基準に従うが,年齢が増すにつれ総線量も多く必要となる。
(5)正:顕微鏡的残存腫瘍に対しては,6MeV電子線で10〜12Gyにて制御可能であるとの報告がある。肉眼的遺残(pT3b,pN1b)では,10Gy以上必要である。
コメント:(3)の設問文は表現があいまいである。神経芽腫におけるRosette Fibrillary TypeとRound
Cell Typeの亜分類と誤解されかねない。
12.解答 bおよびc
a.正:炎症性偽腫瘍は,病理学的に原因不明の非特異的炎症所見を呈する疾患である。ステロイドの無効例またはステロイドの漸減中の再発例に対し,放射線治療が適応となる。
b.誤:脈絡膜転移をきたす疾患としては乳癌が最も多く,ほかに肺癌,大腸癌などが報告されている。しかし,いずれも網膜ではなく,脈絡膜転移である。
c.誤:側方から照射する際,眼球前部への照射を避けるために前半分を遮蔽する方法。
d.正:悪性眼球突出症は甲状腺眼症の重症型である。放射線治療は球後組織内に浸潤しているリンパ球,形質細胞などの炎症性細胞を破壊し,自己免疫応答を抑制することを目的としている。対側の水晶体を避けるため,両側5度後方へ傾けた左右2門照射で20Gy/10fr/2週の照射を行う。
e.正:潜伏期間は半年から数年にわたり,平均2〜3年であるが,線量が多くなると潜伏期間は短縮する。
コメント:不適切問題である。
13.解答 d
a.正:ガンマナイフは,頭部の周囲に201個の60Coのペレットを配置して,頭蓋内の一点に細いガンマ線束が集中するようにしたものである。
b.正:聴神経鞘腫や転移性脳腫瘍では径3cm以下の孤立性腫瘍の場合,良好な治療成績が報告されている。
c.正:
d.誤:治療線量は腫瘍辺縁線量と腫瘍最大線量で表記される。
e.正:定位放射線照射(stereotactic Irradiation)は小さなビーム(narrow beam)を多方向から病巣に集中させる照射法であり,一回照射の場合を定位手術的照射(stereotactic
radiosurgery),分割照射の場合を定位放射線治療(stereotactic radiotherapy)と呼ぶ。
14.解答 a
a.誤:全脳照射の必要はない。画像上の腫瘍境界部から2cmほど安全域をとった局所照射で60Gy照射する。
b.正:予後の改善を目指して,加速多分割法や術中照射,組織内照射などが試みられている。
c.正:発生部位が第4脳室など天幕下にみられた場合や未分化型では脊髄播種の頻度が高いため,全脳,全脊椎腔照射+局所ブーストが選択される。
d.正:脳幹部腫瘍の95%以上はgliomaであるが,low gradeとhigh gradeが混在する。腫瘍が橋部に限局していることが明らかであれば,局所の照射のみでよい。しかし,high
gradeで周囲に浸潤がある場合は橋のみでなく下垂体を外す程度までやや広めに照射野を設定したほうがよい。
e.正:放射線治療単独としてはこれまでの標準的治療法である。しかし,近年では化学療法の併用によって放射線治療を軽減化することが可能となっている。
15.解答 e
aからcは,血管やリンパ管の狭窄ないしは閉塞,結合織増生により生じる。発症時期は照射後半年から始まり,1〜3年で最も多くみられる。症状の程度は線量に依存するが,動脈硬化などの先行疾患,部位によっても異なる。d:成人骨では骨芽細胞の障害により骨新生が阻害され,骨粗鬆症へと進展する(骨萎縮という表現はこのような病態を指していると解釈した)。さらに微小血管系の障害が加わり壊死や骨折を生じることがある。成人における骨壊死ないし骨折のTD5/5は60Gyである。e:放射線照射後にみられる肉腫の潜伏期間は約10年(2〜50年に分布)で,発症頻度は5年生存者の1%にも満たないと報告されている。
コメント:aからdは「確定的」な晩期有害事象であり,eは「確率的」な晩期有害事象である。よって,eは放射線治療後に必ずしもみられるわけではない。
16.解答 c
a.正:骨転移を来しても乳癌などある程度の期間予後が期待できる腫瘍の場合,一回線量を2Gyとして晩発性障害を出さない工夫も必要と思われる。
b.正:術前照射としてならば40Gy程度と思われる。(根治照射ならばshrinking field techniqueを用いて60Gyが一般的)
c.誤:放射線抵抗性ということもあり50Gy といった高線量が試みられたこともあったが長期生存した場合,神経組織等への晩期障害が現れることがわかり,他部位の術中照射同様25Gy
程度が標準的となっている。
d.正:術後照射,断端陰性ならば副作用のこともあり60Gy以下でもよいとされている。
e.正:標準的な治療法と思われる。
17.解答 c
(1)誤:Uranoらの報告によると in vitro において5-FUはシスプラチン等の抗癌剤と違い,温熱増感比の向上は認められなかったとあり誤り。
(2)正:人工的に低酸素状態とした細胞に温熱処理した場合,その放射線感受性は酸素に富んだ細胞と同等であったとの報告があり,低酸素細胞の酸素化が示唆される。
(3)正:乳房切除後の胸壁再発乳癌と表在性の悪性黒色腫に対し,温熱併用放射線治療の有効性が知られている。
(4)誤:有効加温深度は2cmまでである。
(5)誤:Pancoast 腫瘍はRF誘電加温の良い適応疾患である。
18.解答 e
(1)誤:平成4年度では2位である。
(2)誤:男性乳癌の割合は全乳癌症例の1%に満たない。
(3)誤:欧米では閉経後の発症が多いが,日本では閉経前の若年発症が多いのが特徴。
(4)正:家族性乳癌での突然変異遺伝子のことでBRCA1は17番染色体上に,BRCA2は13番染色体上にある。若年発症,両側性乳癌が特徴で生涯の乳癌発症率は80%といわれている。
(5)正:その他にHER-2, c-myc等が知られている。
19.解答 e
(1)誤:一般に化学療法のために照射開始が16週以上遅れた患者で局所再発率が増加すると言われており,照射先行が基本。
(2)誤:非浸潤癌においても術後の放射線治療追加によって局所再発率を有意に下げることが証明されている。
(3)正:患者は主観的に低めな評価を,医療従事者の方は客観的な評価を下すと思われる。
(4)正:Level I, IIを飛び越えLevel IIIまでスキップ転移をする確率は4%に過ぎないと言われている。Level
IIIまでのリンパ節郭清は上肢浮腫等の危険も高く,有用な情報も得られないので一般に行われない。
(5)正:術後の放射線治療の追加で局所制御率の向上が認められている。生存率に差はない。
20.解答 e
(1)誤:10年生存率において閉経前後にかかわらず化学療法は同様の成績という報告がある。
(2)誤:再発部位は胸壁が5〜20%,リンパ節が15〜20%という報告があるが明らかな有意差はないようである。
(3)誤:生存率が向上しなかったのは乳癌の多くが全身病という性質のためと思われる。
(4)正:多発性骨転移で予後不良の場合8Gy/1fr,予後がある程度見込める場合は一回線量を落とし,30Gy/10frとする。
(5)正:髄液全体に癌細胞が播種しており局所療法としての放射線治療は効果が薄いと思われる(脊髄の髄膜浸潤による症状軽減には効果があると思うが)。MTX等の髄腔内投与が考えられるが予後が極めて不良なため確立された記載に乏しい。
21.解答 なし
(1)誤:組織分化度を示すGleason scoreと腫瘍量を反映する臨床病期が長らく予後因子として用いられてきたが,PSAの研究により治療前PSA値がそれらを上回る予後因子として認識されるようになった。
(2)正:peripheral zoneに70%,transition zoneに20%, central zoneに5〜10%の癌が発生する。
(3)正:その通り。
(4)誤:TNM分類(UICC 1997)では精嚢浸潤はT3bで,T3cは定義されていない。TNM分類(UICC 1992)では精嚢浸潤はT3cとして定義されていた。
(5)誤:神経温存前立腺全摘術によるpotencyの温存率は,年齢・臨床病期が高くなるにつれて低下するため一概には言えないが,平均罹患年齢である70歳前後ではどの臨床病期でも80%の温存率には程遠い。
22.解答 d
(1)誤:全骨盤照射によるリンパ節転移の制御に関しては否定的な見解が多い。
(2)誤:前立腺癌の放射線治療後の組織学的変化は極めて緩徐であり,少なくとも18ヶ月以降の効果判定でなければ,意義が少ない。
(3)正:従来の臨床評価(直腸診・画像・臨床症状など)で再発が明らかになるのは,PSAによるbiochemical failureのはるか後である。
(4)正?:問題文がconcomitant and adjuvantを意味しているのであれば正解。厳密にはその併用期間によっても解答は変わる。Neoadjuvantを意味しているのであれば,生存率には寄与することが確立していないため不正解。
(5)誤:制御のために高線量を必要とするのは,早期癌よりも局所進行癌である。
23.解答 a
(1)正:再発は1年以内が多く,通常2年以内に生じる。
(2)正:ケロイドは程度により軽症なものから,肥厚性瘢痕,瘢痕ケロイド,真性ケロイドの順に分けられ,真性ケロイドが最も再発しやすい。
(3)正:渦巻状〜結節状の膠原線維の増殖(ケロイド結節)が早期においては上記3種類に共通して認められ,組織的な鑑別は不能。ただし,肥厚性瘢痕は普通の瘢痕組織に移行していき,陳旧性のものでは膠原線維のヒアリン化が顕著となる。
(4)誤:耳介部のものは,皮膚の緊張弱く,物理的刺激少なく,創部感染も少ないことから再発はほとんどない。前胸壁・肩甲部では,それらが多く,成績不良。
(5)誤?:ケロイド一般には12〜15Gy/3frが多く報告されている。9Gy以下では再発が多いとされる。真性ケロイドのみには30Gy程度が必要との報告もある。
24.解答 a
(1)正:疼痛の程度を,なし(0)・軽度(1)・中程度(2)・重度(3),疼痛の頻度を,なし(0)・1日1回未満
(1)・1日1回以上(2)・持続的(3)の各4段階に分けて,それらを掛け算したものをpain scoreと呼ぶ。
(2)正:似たような報告は複数あり。
(3)正:鎮痛剤の種類を,なし(0)・消炎鎮痛剤(1)・非麻薬性鎮痛剤(2)・麻薬(3),使用頻度を,なし(0)・1日1回未満(1)・1日1回(2)・1日2回以上(3)の各4段階に分けて,それらを掛け算したものをnarcotic
scoreと呼ぶ。
(4)誤:非麻薬性鎮痛剤とは,レペタン・ソセゴンなどの麻薬を除くオピオイドの総称。ロキソニン抗炎症鎮痛解熱薬に分類される。
(5)誤:face scoreとは痛みの程度に応じて,患者が人間の顔の絵を選ぶ方法であり,言語や数字を理解できない小児に頻用される。
25.解答 d
ホジキン病の再発のリスクファクターとして,以下のような項目が知られている。
B症状(寝汗・体重減少・発熱)のある場合,組織型がLD(リンパ球減少型),縦隔に大きな腫瘤がある(腫瘤/胸郭比 1/3以上),頚部に大きな腫瘤がある(直径6cm以上),3箇所以上のリンパ節領域に腫瘤がある,年齢40歳以上,血沈の1時間値が40mm以上。
以上より,(1)誤(2)誤(3)正(4)正(5)誤
26.解答 a
a.誤:血清 AFPは悪性腫瘍では,肝細胞癌の他,卵黄嚢腫瘍,肝芽腫などで高い陽性率を示す。
b.正:肝細胞癌にはAFPが正常でPIVKA IIが異常値の症例があるため,肝細胞癌の診断とモニタリングに利用される。
c.正:その他,慢性炎症などの良性疾患や喫煙者でも比較的高い陽性率が報告されている。
d.正:
e.正:hCGは絨毛組織から分泌されるので妊娠時高値となり,また病的状態としては胞状奇胎,絨毛癌などの絨毛性腫瘍と非絨毛性腫瘍による異所性hCG産生の場合に高値となる。
27.解答 e
(1)誤:MRIが最も有用である。
(2)誤:適応基準は施設によって異なるが,転移の個数は3個以下,直径3cm以下とする場合が多い。
(3)誤:腫瘍辺縁線量で20-25Gy程度照射するが,直径2.5cm以上の腫瘍やeloquent areaの腫瘍に対しては分割照射を行った方が治療比が高いかもしれない。
(4)正:全脳照射の線量分割法は,予後に応じて20Gy/5回/1週,30Gy/10回/2週,40-50Gy/4-5週等が用いられる。
(5)正:全脳照射後のmedian survival timeは3〜6ヶ月である。
28.解答 d
(1)誤:ホジキン病の我が国での組織型別(Rye分類)の頻度は,混合細胞型(40〜50%),結節硬化型(20〜30%),リンパ球優位型(10〜20%),リンパ球減少型(5〜15%)である。
(2)正:ホジキン病のリンパ節の病理所見は,異型性のない小リンパ球を主体とした炎症性背景に絶対数の少ない腫瘍細胞であるHodgkin・Reed-Sternberg細胞が種々の程度に出現するのが特徴的である。
(3)正:MALTリンパ腫は一般的には限局性病変で消化管に好発するが,肺,唾液腺,甲状腺,胸腺,眼窩,皮膚などにも認められるB細胞性のリンパ腫である。
(4)正:REAL分類でangiocentric lymphomaとされていたリンパ腫は,新WHO分類ではnasal and
nasal type NK/T cell lymphomaと分類されている。
(5)誤:地域差がみられ,特にATLの好発地区である九州を中心とした西日本ではT細胞型がB細胞型の倍以上みられる。
29.解答 e
a.正
b.正
c.正
d.正
e.誤:63,000点である。
30.解答 d
(1)誤:最大2.0〜2.4mg
(2)正:総投与量は550mg/m2を超えないこと。この限界量は肺に放射線治療が行われている場合やcyclophosphamidoと併用している場合は450mg/m2に下げる。
(3)正
(4)正?:100mg/m2程度のCDDPを投与する場合,腎毒性を軽減するため大量の輸液と利尿剤を必要とする。投与当日は3,000ml以上の尿量を確保すべきであり,1,000〜2,000ml程度の輸液量では少ないと思われるが,大量の輸液が必須という記述は正しい。
(5)誤:CDDPの量にもよるが,5mg/m2程度の少量併用療法であれば副作用は少なく,必ずしも補液を必要としない。
31.解答 a
b.正
c.正:一般的に除痛効果は80%以上とされている。
d.正
e.正:骨シンチや単純X線写真で発見されても照射野設定にあたってはCT,MRIで大きさ,広がりを確認するほうが望ましい。
32.解答 a
T3;腫瘍が頬部の皮膚,上顎洞後壁,眼窩底または眼窩内壁,前篩骨洞のいずれかに浸潤する。
T4;腫瘍が眼窩内容及び/または次のいずれかに浸潤する。篩板,後篩骨洞あるいは蝶形骨洞,上咽頭,軟口蓋,翼口蓋窩,側頭窩,頭蓋底。
よって(1),(2),(3)はT4で,(4),(5)はT3である。
33.解答 a
a.誤:頚部リンパ節転移発生率は40%程度ある。
b,c.正
d.正:組織内照射の副作用としては急性期は白苔,晩発性は舌及び口腔底の潰瘍と下顎骨障害である。
e.正
34.解答 b
a.T4→4期。
c.N2c→4期。
d.N2c→4期。
e.N2b→4期。
35.解答 e
(1)誤:カーマとは"ある物質の体積素量内で間接電離放射線によって生じた全荷電粒子の初期の運動エネルギーの総和をその体積素量内の物質の質量で割ったもの"であり,減少はしない。
(2)誤:二次電子は体表面から発生する。よって次第に減少する。
(3)正:ある物質中のカーマは,荷電粒子平衡が成立し,かつ二次荷電粒子による制動放射損失が無視できる場合は,その物質の吸収線量に等しくなる。
(4)△:ごくわずかは生じるのではないか。
(5)正:同じエネルギー量がより広い照射野に分散されれば,二次電子による電離も疎になり,結果的にビルドアップは浅くなると思われる。
36.解答 d
詳細は,「放射線治療における高エネルギーX線および電子線の吸収線量の標準測定法」;日医放学会物理部会編を参照のこと。数学がわからなくても放射線治療専門医になるなら一度は目を通しておいたほうがよい(試験が終わると二度とみないかもしれないので?)
(1)誤:ビームが水ファントムに入射した時,ビーム軸上の基準深の点を基準点(校正深上の点は校正点)という。TARを測定する場合,基準点の吸収線量から導き出す方法もあるが,ICRUでは校正点で測定した吸収線量を用いるよう勧告している。
(2)誤:TARは深さ,照射野の大きさ,線質により値が変わるが,SSDは関係ない。PDDはSSDによっても異なる(上記冊子の付録の表を参照いただきたい)。
(3)正:60Coや4MVX線では後方散乱係数によってもPDDは異なってくる。
(4)正:TARは60Coから6MVX線までの間のエネルギーで使用できる。それ以上の高エネルギーX線ではTARではなくTPRを使用する。
(5)誤:20MV程度の高エネルギーX線では照射野が大きいほどTPRが小さくなる深度がある。
37.解答 c
正確には各施設の照射装置により若干PDDは異なるが,試験では電子線エネルギーを3分の1にした値が目標とする深度と覚えておけばよい。
(1)正:8MeV電子線なら約2.5cmまで充分な線量が照射され,また肺野にはほとんど照射されない。ボーラスを使用したほうがよいとする意見もあると思うが?
(2)誤:10MeV電子線では約3cmまでしか充分な線量が照射されず,それより深いところは急速に線量が減少するので不適切。最低12MeVが必要。
(3)誤:乳房温存療法後接線照射ではbuild upを考慮し,通常4-6MVX線を用いる。しかし乳房温存療法の適応例では皮膚浸潤はなく,通常ボーラスをおいて皮膚線量をあげる必要はない。
(4)正:10MVX線では患側乳房皮下近傍の線量が不足するので不適切。
(5)正:胸骨傍領域への照射に対し以前は4MVX線が用いられていたが,長期生存例において心血管障害での死亡率が上昇することが多数報告されてきたため,最近では心臓にかかる部位には電子線を用いることが推奨されている。
38.解答 e
(1)誤:beams-eye-viewとは放射線治療計画において計画用CT画像を再構成し照射方向からみたsimulation画像のことである。portal
imageとは放射線治療装置で直接撮像した照射野確認用の画像のことを示し,両者は異なる。
(2)誤:定位放射線治療の適応は3cm以下というのが一般的である。3cmを超えると線量分布上の利点が失われ,腫瘤周囲の正常細胞の晩期障害が増えるとされる。
(3)正:基本的には線量分布を改善し正常組織への被曝を軽減させることを目的としたものである。病巣への線量集中ができるためdose
escalationも可能となる。それのみが目的ではないと思うが,設問上は正解となろう。
(4)正:IMRTはdynamic wedgeなどを駆使して通常の原体照射よりさらに適切な線量分布を得る方法である。極めて複雑な計算を要するため,治療計画医があらかじめ望ましいと考える線量分布や線量制限を加え,それを充足するように治療計画装置が照射方法を最適化する方法(inverse
algorithm)が用いられる。wedgeが必要と断言はできないと思うが?
(5)正:(特に動きのある)原体照射では全ての照射野を確認することは不可能である。その場合はisocenterの位置を最低2方向から照合すれば患者の位置が治療装置に対し正しい座標軸にあることを確認できる。
39.解答 c
(1)誤:すべての悪性新生物に対する食道癌の比率はさほど多いものではなく,全体の死因の約5%未満である。
(2)正:IIA期はT2-3N0M0である。
(3)正:胸部食道癌では頚部リンパ節転移は遠隔転移になる。
(4)誤:食道癌取扱い規約上,表在癌は粘膜下層(sm)までと定義され進達度で決まっている。このさい転移の有無は関係ない。
(5)誤:同一臓器に癌病巣が離れて存在する場合は多発癌という。他臓器に癌病巣がある場合に多重癌という。
40.解答 c
(1)正:男性は1993年に第1位となっている。
(2)誤:女性では胃癌,大腸癌に次いで第3位である。
(3)誤:腺癌は男女とも増加傾向にあるが,一般に喫煙との関係はないとされる。
(4)正:周囲臓器に浸潤のない3cmまでの原発腫瘤がT1となり,同側肺門リンパ節転移はN1である。よってStageIIAとなり正しい。
(5)正:小細胞癌で原発巣がCRとなった場合予防的全脳照射を施行することがあり,これによる晩期障害としてmental dysfunctionを呈する可能性がある。
ちなみに最近のmeta-analysisでCR例の全脳照射は3年生存率を約5%改善することが報告されたが,晩期障害については触れられていない(N
Eng J Med 1999;341:476-484)。
41.解答 なし,またはa
(1)△:通常は原発巣と同側肺門と縦隔とを含めるが,高齢者や肺機能の悪い患者では原発巣と同側肺門に限局することもある。
(2)誤:上葉原発では縦隔と同側鎖骨上窩を含める。
(3)正:中葉・下葉原発で縦隔に腫瘍がない場合は,鎖骨上窩は含める必要はない。
(4)誤:上縦隔に大きな腫瘍がある場合は,同側の鎖骨上窩を含める。
(5)誤:下葉原発であれば横隔膜まで縦隔を含める。
(参考)「Principles and Practice of RADIATION ONCOLOGY,第3版,p.1205-1206」
When traditional portals are designed to cover potential lymphatic drainage,
the following guidelines are suggested:
1. If the primary tumor is in an upper lobe, the ipsilateral
supraclavicular region should be included in the treatment portal.
The inferior margin of the portal should be 5 to 6 cm below the
carina.
2. If the primary tumor is located in a middle or lower lobe
and no mediastinal lymphadenopathy is present, there is no need
to treat the supraclavicular areas.
3. If there is a gross upper mediastinal tumor demonstrated on
the CT scan or established by mediastinoscopy, inclusion of the
ipsilateral supraclavicular area within the treated volume is
desired.
4. If the tumor is located in the lower lobe, the lower border
of the mediastinal portal should encompass the entire length
of the mediastinum down to the diaphragm.
5. The ipsilateral hilum is always included and the contralateral
hilum is never included in the irradiated volumes.
Reduced volumes are irradiated to deliver higher doses to the
primary tumor or grossly involved lymph nodes.
42.解答 c
(1)正:膵癌はその主占拠部位により膵頭部癌,膵体尾部癌,膵全体癌に分類され,膵頭部癌が70%を占める。
(2)誤:T3は直接,次のどれかに進展する腫瘍:十二指腸,胆管,膵臓周囲の組織
(3)誤:切除率は20%で,切除例の5年生存率は数%〜20%前後にすぎない。
(4)正:非切除例では術中照射20〜30Gy後,外部照射で一回線量1.8〜2Gyで40〜50Gy追加する。
(5)正:術中照射では可能な限り,消化管を照射野から外す工夫が必要である。
43.解答 b
(1)正
(2)誤:骨盤壁に達し,かつ水腎症を合併するが,遠隔転位のないものはIIIB期である。
(3)誤:I期の根治的照射は一般に中央遮蔽45〜50Gy,高線量率腔内照射でA点線量29Gy/5分割が行われる。
(4)誤:II期で腫瘍容積が大きい場合,根治的照射は一般に全骨盤20Gy,中央遮蔽30Gy,高線量率腔内照射でA点線量23Gy/4分割が行われる。
(5)正
44.解答 b
(1)正
(2)誤:B点は骨盤壁制御および腸管障害の指標であり,左右A点の中間の高さで,正中線より側方5cmの点である。
(3)誤:直腸線量基準点は膣後壁粘膜下5mmをいう。
(4)誤:IV期の5年生存率は10〜30%である。
(5)正:障害発生率は直腸障害1.4〜36%,膀胱障害1.4〜14.3%,小腸障害0.49〜3%であり,II度は1.9〜11.8%,III度は4〜11.2%である。
45.解答 e
本例は肝・脾への浸潤を強く疑わせる白血化したリンパ腫と考えるのが妥当と思われる。Diffuse large cellはsubtypeがcleaved,
noncleavedであればhigh-gradeに近いintermediate-grade,immunoblastic であればhigh-gradeであり,いずれにしても予後の不良な組織型である。
aとcは明らかに間違い。感染症による発熱であれば,抗生剤でリンパ節も縮小するのが普通であり,またリンパ節は結核性等を除いては有痛性の腫脹である。
bは全身への広がりが疑われる病態でやみくもに放射線療法を始めるべきではないので間違い。
dはリンパ腫が白血化しても本来の白血病になるわけではないので間違い。
eは,diffuselymphomaではいずれの組織型でも白血化しやすいといわれており,また intermediate/high-gradeの場合は,いずれの病期にせよ化学療法を先行させるか化学療法のみであるのでこれが正解と思われる。ただしこの症例は,抗生物質の投与で発熱が軽快したことから,感染による発熱であったと解釈するとB症状ではないことになるが。
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