女性放射線科医の一週間 |
京都府立医科大学放射線科 佐野 優子
自己紹介
山梨医大を卒業後、聖路加国際病院で2年間の内科ローテート研修を経て、平成10年に放射線科に入局。以降、CT / MRI診断(ときどきIVR)を中心に山梨と静岡の関連病院を複数異動し、結婚を機に京都に転居。平成18年より京都府立医大放射線科に入局し、お世話になっています。山梨では荒木力教授をはじめ諸先生方にお世話になり、荒木先生にはテニスをご一緒させていただいたことがよい思い出です。静岡の中部画像研究会では優秀な先生方の討論を聞いて、勉強になりました。
京都に赴任してからは、‘京都に住む’という夢のような出来事に浮足立っていましたが、3年目に入り、ますます地に足が着きません。今回は、‘バリバリすぎない生活を’ということで山田惠先生より依頼を受け、私の京都生活を紹介させていただきます。
一週間の概要
7時頃に起床、0時前後に就寝。
職場の大学病院までは徒歩15分。
帰宅時間は概ね19?20時で、22時位までに食事とお風呂を終えて、勉強や読書。
月2-4回はオンコール当番。
月曜日:朝8時30分に読影室に出勤し、午前のCT / MRIの読影開始。午後は単純X-P当番(胸部を中心に30-40件ほど。骨髄腫の全身骨X-Pに当たると枚数も多く憂鬱に。)夕方16時より乳腺外科との乳腺カンファレンス。18時より医局会(抄読会、レビューを持ち回りで担当)。月曜は医局会のせいもあって遅くなりがち。19時半位に終了。
火曜日:1日中CT / MRI読影の日。放科の人気は高くローテーターが毎月3 - 4人回ってくるために、午前は主に一次読影されたものの二次checkを。午後は入院filmを中心に読影。月に1回程度、小児カンファレンスがあり、固形腫瘍の症例について、小児科、小児外科、放射線科(診断、治療)、病理が出席。小児科医の熱意は圧倒的で、毎回、手術適応や化学療法で縮小した腫瘍のviabilityの有無、照射範囲などについて熱い議論が展開されexcitingです。白熱すると1症例について1時間以上に及ぶことも。
水曜日:午前は通常の読影。11時30分からローテーターを対象としてミニレクチャーを行います。(後期研修医が持ち回りで担当、虫垂炎などの基本的疾患を中心に)。午後はMRI当番。撮像方法の指示、注射、同意書の確認などを担当。Neuro領域を中心に読影するN当番(山田先生より直々にレクチャーが受けられる貴重な機会です。)の場合は14時より神経内科カンファに出席。詳細な神経所見や臨床経過と画像を対比して考えられ、興味深いです。
木曜日:午前は自転車で約15分の堀川病院に出勤。CT / MRIの読影約25?30件。大学へ戻る途中に季節のよい時は京都御所の桜や紅葉が楽しめます。14時までに大学に戻り読影。夕方17時より婦人科カンファレンス。術前の症例を中心に検討します。
金曜日:緑豊かな山陰線で約1時間半かかる福知山市民病院に一日外勤。週1回の電車通勤は小旅行気分が味わえます。CT / MRIの読影約30件程度。診断の常勤医のいない病院のため、読影の合間に各科からのconsultationを受けます。救急医および外科医からの依頼が多く、イレウス、術後合併症、急性期梗塞など。長く一般病院にいたために、consultを受けるのは懐かしく充実感がある一日です。
土曜日:5週に1回は読影の半日外勤が入り、月1度の土日のどちらかはオンコール当番があります。趣味として月に1回、料理教室へ通い京懐石やフランス料理を習っています。毎回、前菜からデザートまで作るため、慌しいですが、よい気分転換に。学会が入るとスケジュール調整が大変ですが、事前に決められるのは放射線科の強みです。
日曜日:午前中にまとめて家事を。天気のよい朝はコーヒーをポットにつめて、近所で焼きたてのパンを買い、夫と散歩に出掛けます。京都御所やときどき小説の舞台となる鴨川デルタで朝食を食べます。糺の森と下鴨神社も散歩コースのひとつ。京都では美術展も多く、ついつい美術館巡りに行ってしまいます。細見美術館や京都現代美術館は私のおすすめです。ちょっと遠くなら大山崎山荘美術館も素敵。そんなこんなで、掃除はできずじまい、仕事はやむを得ず夜にすることに。
京都府立医大の放射線科読影室は女医さん率が高く、働き方も山梨と比べると多様な感じがします。今まで、数々の病院で、家庭との両立に悩む女医さん達をたくさん見てきました。また一方では独身で、もしくは子供がいながらに第一線で生き生きと活躍される女医さんもいました。自分自身も女医さんと働いて楽しいこともあったし、難しいこともありました。私の個人的な価値観で思うことは、仕事をする以上は家庭などの事情で制約のある女医さんも最低限の責任感と覚悟を持つ必要があるということと、それぞれの立場と希望に合わせて、より自由度の高い職場が増えたら良いなぁということです。府立医大でも他の医局と同様に模索が続いていて、少しづつ前進しているように思います。理想の職場の実現は難しいですが、京都に住むのは最高です。時々、女医さん同士で京都の有名店で食事会を楽しんでいます。ぜひ、府立医大放射線科に見学に来てください。
